テッド・チャンさん備忘録

ポッドキャストとインタビュー
(2023/7/1)

 

最近出たポッドキャストとインタビューを見つけました。矢継ぎ早な露出は嬉しいけれど、私事が立て込んでる上にノロマなので記録が追いつかず、すでに最初のを見つけてから一カ月経ってしまいました……(^^;)。取り急ぎリンクだけ記録します(日本語タイトル等はとりあえず直訳で。一部感想つき)。ついでで見つけた過去のインタビューも、以前記録したか覚えていないので追加しておきます。

 

・ポッドキャスト
「子供を育てるようにAIを開発する」 (CASBS ポッドキャスト61・ 2023/6/1 ) 

Developing AI Like Raising Kids - Alison Gopnik & Ted Chiang (CASBS Podcast 61)

リスニング難民なので(^^;)詳細まではわかりませんが、予想されるように、"The Lifecycle of Software Objects"と絡めてAI開発について…という趣向のようです。番組自体は3分過ぎ頃から、チャンさんの発言は7分過ぎ頃から。

 

・インタビュー
SF作家テッド・チャン:「現在我々が持つマシンは意識を持っていない」 (フィナンシャル・タイムズ)

Sci-fi writer Ted Chiang: ‘The machines we have now are not conscious’(Financial Times)

今度はフィナンシャル・タイムズですか!とそこで驚いちゃいました。私でも名前は知っている(笑)くらい有名な経済紙ですね。

それはさておき、中で(ご自身の言葉でなく)Twitterで見かけたというやりとりを紹介なさっていて、これにすごく共感しました。「AIって何?」というのに対し、「1954年にやらかしたまずい言葉選び」で、このせいで混乱していると。で、混乱しないように名前を付けなおすとしたら「応用統計学」だと。たしかにArtificial Intelligence(人工知能)という言葉のせいで、「意識を持つのか」とかいう方向に想像が行きがちですよね。そう聞くと、どうしても『2001年宇宙の旅』のHALみたいなものを想像してしまう。今の「AI」はそれとは別物ですね。

読んでいて、日本の女性の研究者さんの発言を思い出しました。(お名前を失念してしまいました。そのあと朝日新聞にも寄稿なさっていて切り抜こうとしたのに……)BS TBSの『報道1930』で、AIについて先走った想像を投げかけられて、苦笑しながら「プログラムですから……」とおっしゃっていたのです。すごく共感しました。(素人なのに共感というのはおこがましいかも。「安心」ですかね)

機械が内部にあるデータを再構築して表示してるだけ、というのがChatGPTを使ってみた実感でもあります。「学習」とか「~に聞く(質問する)」とか、擬人化して話しているのは人間の側で、こういう見立てを面白がる気持ちは自分にももちろんあるんですが、実際にやってみると、個人的には(ChatGPTを人間扱いして質問を「会話として演じながら」入力するのは)ちょっと気持ち悪く感じました。自分でも意外です。これについては書きたいことがたまっているので、自分のブログかなんかで書きたいです。

インタビュアーさんがランチの約束を取り付ける所の回答で、「AIについては喜んで話します。私生活については話しません。それで良ければ」とおっしゃったそう。もしかしたら"The Lifecycle..."が子育てをメタファーにしているので、実際には?みたいな質問を受けがちでうんざりしていらっしゃるのかも?などと一瞬邪推しました。お子さんはいないんですよね。やはり想像力・表現力と実生活で何をしてるかはまったく別の問題ですね。よく言うじゃないですか。下戸の俳優さんのほうが酔っぱらった芝居がうまいって。(そいえばチャンさんも下戸でしたよね確か[関係ない☆(笑)])

 

・インタビュー
前提を検証する:2020 PNBA受賞者テッド・チャンとの一問一答

Examining Assumptions: A Q & A with 2020 PNBA Award Winner Ted Chiang(NW Book Lovers)

2020年のインタビュー。

 

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