テッド・チャン情報メモ

『理解』も映画化!(と、ローカス賞)
(2014/7/12)

ずっと書きたかったのですが、なんやかやで情報が出てから一ヶ月以上経ってしまいました。(^^;)いやはや、すごいです。『あなたの人生の物語』に続いて『理解』も映画化始動のようです。脚本は『あなたの人生の物語』と同じくエリック・ハイセラー。(『エルム街の悪夢』等。最新作では監督もしているようです。allcinema: エリック・ハイセラー
ニュースソースはこちら。

Fox, 21 Laps Win Spec ‘Understand’, From Gang Behind ‘Story Of Your Life’
(Foxと21 Laps、"Understand"のスペック・スクリプトを"Story of Your Life"チームから獲得)
Spec scriptってなんぞや?と思って調べてみたら、依頼を受けて書くのではなく、脚本家が書き上がった状態で売る脚本のことらしいです。

(訳)Foxは『Understand(理解)』の先買権を獲得した。テッド・チャンの短編に基づく、エリック・ハイセラーによるSF作品のスペック・スクリプトだ。21 Lapsが制作予定。これは同様に21 Lapsとハイセラーがチャン作品から脚色した『Story of You Life(あなたの人生の物語)』の、カンヌでの記録破りの契約に続くものだ。そちらは北アメリカ・中国での権利をパラマウントが獲得し、エイミー・アダムス主演、デニス・ヴィルヌーヴ監督で来年撮影予定。"Understand"は、効果が予測不能の実験用ドラッグの投与で昏睡から目覚めた男の物語である。(後略)

記事の最後の Heisserer and Chiang are repped by WME. がよくわからなかったんですが…ハイセラー氏とチャン氏が共にWME (William Morris Endeavor)をエージェントにしている、ということ…かな?日本語Wikiでは映画や音楽のみですが、英語Wikiによると文学も扱っているようです。(解釈が違ってたらすみません)

 

もう一つ、脚本の売却を報じている記事。(じつは先に見たのはこちらのページ)。

Spec Script Sale: “Understand”

こちらのページでは脚本を執筆したハイセラーさんのツイートが紹介されており、「16年で50作目」の映画・テレビ用脚本とのこと。。ページの筆者さんも書いておられますが、ほんとに量産型(Productive)な方ですね。寡作なチャンさんとの対比がなんとも。(笑)。このページでは「2014年に売れた27本目のスペック・スクリプト」とのこと。(アメリカで、でしょうね)で、下のコメント欄を見ると、昨今このスペック・スクリプトがあまり売れない…という話になってます。まあ、それはまた別の話。

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『理解』はチャンさんの作品で一番強烈に「萌える」作品(断言)でもあり、正直チャン氏の作品では一番好きです。読み返し頻度もダントツ!(これが「一番最初に書いた作品」と聞いたときは、「どこまですごいんだこの人」と、もうイヤんなりました!(笑))

…相変わらずチャンさんご本人のコメントが見当たらないのが気になりますが、個人的にも思い入れありまくりの作品なので、どうせなら成功してほしいです。どういう脚色なのか、どういう映像になるのか・・・そしてキャストも気になります!もう、映画化して原作並みに萌える出来栄えだったら同人誌作りますからね!コミケにシマが出来るはずですし、ムーパラのプチオンリーにも参加しますよーん!(←先走りすぎ(笑))

原作未読の方には、とくに腐女子感覚を解する方にはもう太鼓判でオススメ!です!(もちろんそういう意図で書かれたものではまったくないし、BL臭は皆無なんですが、だからこそ、これはもう「宿命の敵」路線の王道JUNEとしか。作家さんはこの目線で評価されてもご迷惑だと思いますが(^^;)、オールドJUNE世代のご同好の方には分かっていただけると思います!特にラスト…!!)

日本語版は短編集『あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)』収録。

 

 

英語版テキストは、以前はネットでも読めましたが、読めなくなったようです。
権利が大金で売れたせいですかね。(^^;) 復活しないかもしれませんが、リンクだけしておきます。

(Infinity Plus) Understand a novelette by Ted Chiang

英語朗読音源はこちらで聞けます。

(Internet Archive) Ted Chiang: Understnd

最後に、ついでのようですが"The Truth of Fact, the Truth of Feeling"がローカス賞ファイナリストに選ばれていました。(賞にはあまり関心がないので淡白ですみません(^^;))獲得は逃したようですが、もはや常連ですね。ネットでの無料公開だったことを考えると、そういう作品がきちんと賞の対象として評価されるって、(もちろん以前の実績あってのことではありますが)素敵だなあ、と思います。

Tor.com: Announcing the 2014 Locus Award Winners

作品については、以前こちらでリンク等ご紹介しています。
(個人的には、前作"The Lifecycle of Software Objects"より好きです)

新作"The Truth of Fact, the Truth of Feeling" (2013/8/30)

 

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