テッド・チャン情報メモ

講演映像とインタビュー
(2013/7/28)

講演映像
2013/7/8にNYのMoma PS1で行われたレクチャーと質疑応答の様子が、動画で公開されています。

EXPO 1: NEW YORK Ted Chiang

約1時間13分ほどの動画で、講演のあとに観覧者との質疑応答(雰囲気はもう少しラフな感じなんですけど)がつきます。学生時代の友達の方も質問者で出ていました。

講演は、 ライフログ(生活のすべてをデジタルデータで記録する試み。ウィキペディア「ライフログ」)を入り口に、「記録」と「記憶」の違い記憶が自然に捻じ曲げられうること、その記憶の改変が「現在」を肯定するのに役立つこと…などをあげて、それぞれのメリット、デメリットを示しています。具体的な例として、サミュエル・ディレイニーの「父親が亡くなったときの鮮明な記憶」がじつは間違っていたこと、アイザック・アシモフの幼少時の体験が、母親の記憶では「起こっていない」ことなど、興味深いエピソードも出てきました。

いつもどおり、「だからこうだ」という決めつけはしていらっしゃいませんが、チャンさん自身、日常的にグーグルで調べることが欠かせないものになっていると認めて、それに心地わるさを感じている…というあたりにとても共感できました。(いい意味で、新奇なことは言わないんですよね、チャンさん。こちらが曖昧に捉えていることを明確に言語化してくれる、というほうが近い気がします。これってたぶん、広い意味での知識人さんの社会機能の一つだと思います)

長いですが退屈しませんでした。ま、個人的にはあの美声を聞いてるだけでも退屈はしないですけどー。(笑)あとの質問者さんたちと比べてしみじみ思ったのですが、この方の発音は私程度のような耳でも(^^;)比較的聞き取りやすく感じます。

 

インタビュー
こちらは、ソースとしては昨年のものらしいのですが、今年の5月にパート1、7月にパート2がウェブ掲載されました。

The Asian American Literary Review
Interview: Ted Chiang (Part 1)
Interview: Ted Chiang (Part 2)

わりと公開されてすぐに見付けることができたのですが、なかなか時間がとれず、長いのもあって読みきれてません…ゆえに詳細なご紹介が書けません。すみません。

パート1では、最近やるようになったというビデオゲームの話や、『あなたの人生の物語』執筆について、いつもの「SFというジャンルの定義」あたりの話などが出ていました。ビデオゲームはやったことがないので実感が伴いませんでしたが、用意されてるエンディングのバリエーションやプレイヤーの自由度に関するお話で、この方がどういうものを評価しているか、というあたりが納得できて面白かったです。

ジャンル話は、崩壊後の世界を舞台にした某映画はSFではない、とか。個人的には映画は面白ければオッケーなほうですが、たしかにこの手の設定の映画(最近多い気がする)では物足りなく感じることが多いなー、と思いました。(「SFか否か」以前に)

後半どんな話になってるのか、読むのが楽しみです♪


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