テッド・チャン情報メモ

オンライン講演"Time Travel Lecture"
(テッド・チャン、コニー・ウィリス他)感想
(2011/7/24)

ライブのオンライン講演"Time Travel Lecture"、視聴させていただきました!
講演者はテッド・チャンさん、コニー・ウィリスさん、SF評論家らしいエイミー・スタージスさん(日本語表記はこれでいいのかしら?)。司会はStarShipSofaのポッドキャストで聞き覚えのある声のトニー・スミスさんでした。(思いっきりイギリス人!って感じの発音で、ちょっと嬉しかったりする(笑))

あらかじめビデオうんぬんという話があったので、ライブ映像が流れるのかと思ってたんですが、ライブ音声とスライド(パワーポイント)の組み合わせでした。リアルタイムの発言者の名前は画面の下に瞬時に表示されてました。

最初は自分のアクセスがうまくいってなくて映像が見られないのかと思ったんですが、同じことを思った人がいたみたいで、スミスさんに質問してくれて、これでノーマルな状態なのだとわかりました。(マイクや電話で一般参加者もやりとりできるシステムなので質問ができるんですね。「挙手」のボタンとかあったりして、リアルなセミナーを再現してるみたいです)
そうか、講演者のみなさんもそれぞれの居場所からアクセスしていて、一堂に会しているんじゃないんですね。その分、地理的に離れてるメンバーを揃えられるわけだ・・・おもしろい形態だなー、オンラインて。(浦島太郎な気分です(笑))

しかし、なんか自分が時差の計算を間違ってたみたいで、少し早めにアクセスしたつもりがもう始まっていました・・・ちょうどチャン氏の講演パートの終わりの部分のようでした。(割り当て時間が最初だったらしい・・・(泣))なにか手描きのメモのスライドでタイムラインの説明みたいなことをやって・・・いたように見えました。たぶん『商人と錬金術師の門』に出てきたタイムトラベルの説明じゃないかと推測したんですが・・・この作品は時間旅行のメカニズムそのものがメインテーマではないですけど、リアルな物理学の裏付けがある設定らしいので。(・・・というか、チャン氏が書いたタイムトラベルものってあれしかないですよね・・・?)
せっかく作品を復習したばかりなのに、前半を聞き損ねて残念です。が、一週間後に録画・・・というより録音ですね・・・の視聴ができるらしいので、そちらに期待です。(聞きとれる部分がどれくらいあるかな・・・(笑))

コニー・ウィリスさん、エイミー・スタージスさんのパートでは、おすすめ作品の名前が矢継ぎ早に出てきたので、わかった範囲でメモとりました。スタージスさんのほうは、作品のスライドがすべて用意してあったので楽でした。小説は読んでないのばっかりです。(もともと小説の読書量少ないんで・・・(^ ^;))

ウィリスさんは映画の名前もだいぶあげていて、そっちは少しわかりました。映画・原作ともに好きな"Somewhere in time"(『ある日どこかで』)の名前も挙がっていたのが嬉しかったです。

最後に少しだけ質問コーナーがありました。チャン氏は過去を変えられるタイムトラベル(タイムパラドックスの問題の解消?)について、マルチバース(多世界解釈)を持ち出して、これなら過去に戻ってなんでもできる、ヒトラーも殺せるヨ(変更に応じて無限に別のタイムラインができるので)・・・みたいな話をしてました。

総じて、チャン氏は主にタイムトラベルの物理学的なアイデアについて、ほかのお二人は主に好きな時間ものの作品について話していたように思います。でもチャン氏の『商人と錬金術師の門』は、時間旅行のメカニズムよりキャラクターのドラマとか、アラビアンナイトの世界を再現した味わいが面白味になっている(というか、SF的なアイデアは完全に物語に融合していて目立たない)ので、物理学的な方面に説明が偏るのはちょっと的がずれてる感じがしましたが・・・。(単に自分の興味と違うだけか?)初めのほうを聞いてないので、そこで他の話もされたかもしれませんが。他の作家さんのおすすめ作品の話をしたのかどうかもわかりません。あったら読んでみたいですが。
(でも過去の経験では、好きな作家さん・漫画家さんのおすすめ作品が自分の趣味に合わないことってけっこうあるので、あまり関係ないかも・・・?)

それと、チャン氏はわりとあー、とかYou know、とか頻繁に挟みながら訥々と語る口調なので、逆に多少はついていけたんですが、ウィリスさんはめちゃくちゃ流暢(笑)に、しかも話題と連動したスライドなしでのお話も多かったので(スライドは主催者がつけたと思われる、ウィリスさん自身の作品の紹介画像のみ)、ほとんど聞き取れず、かなり損した気がします。自分の力不足とはいえくやしい!

質問などの関心は過去をいじることについて、パラドックスの処理についてなど、過去に行きがちみたいでしたが、ウィリスさんの指摘・・・初期のタイムトラベル作品ほど行く先が未来のことが多いというのも面白く感じました。たしかにそうですよね。「未来」を描くこと自体に重点があった時代なんでしょうね。今は興味の的が違うのを確かに感じます。未来像を見せるバリエーションは出尽くしちゃったのか、それともある種の閉塞感なのか?
過去を題材にすると、歴史小説的な面白さやパロディー要素も入れやすかったりして、またバリエーションが広がりますよね。書く側はリサーチが大変でしょうけれど・・・。

これまで知りませんでしたが、ウィリスさんはタイムトラベルものをたくさん書いてらっしゃるんですね。予習用に買ったものの読了できていない『犬は勘定にいれません』も、改めてきちんと読もう~っ、と思いました。(講演聞いてたら、他のを読みたくなっちゃったんですけど・・・(笑))

初めてのWebinar(ウェブでやるセミナー)体験でしたが、途中にちゃんとトイレ休憩もあったりして(二時間PCに貼りついていないといけないのかと思ってました!)、英語の聞き取りの障壁さえなければ(^ ^;))かなりリラックスして楽しめるものだったと思います。個人的限界で内容は断片的にしか聞き取れませんでしたが、チャン氏の美声もライブで聴けたし(笑)、けっこう楽しめました♪また似たイベントがあったらトライしてみたいです。つくづく、もっと英語がわかるようになれば、楽しめるものはたくさんあるんだよな~、と思いました☆

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