2009/12/31

嬉しくてくやしかったコミケ、と、反省!(^ ^;)
昨日はコミックマーケットに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださったみなさま、ありがとうございました!

嬉しくてくやしくて・・・の、くやしいほうはといいますと、自分が悪いんですが、すぐに戻るつもりで用足しに出たはずが、西1ホールと2ホールがどうにも紛らわしくて何度も迷ってしまい、東との往復をしたわけでもないのに一時間ほども予期せぬ留守をしてしまったことです!その間に訪ねてくださったみなさま、本当に申し訳ありませんでした!

戻ってみるとお隣のサークルさんが自発的に代理販売をしてくださっていて(しかもけっこう繁盛(?))、ひたすら恐縮でした!(お願いしていた訳ではなかったんです。面識のない方々でご挨拶をした程度だったので、変な負担をかけてはいけないと黙って出ましたので・・・)おまけにたくさん買ってくださった方に、そちらのサークルさんの袋につめて渡すなんてことまで・・・(うちのサークルでは袋詰めはしていません・・・(^ ^;))いやもう、恐縮を通り越してなんと申し上げたら良いかわからなくなってしまいました。この場を借りて再度お礼を申し上げます。

くやしいというのは、その間に差し入れをくださった方や(ありがとうございました!本日いただいております♪)、いろんな方がいらしてくださったと伺って、その方々とお会いする機会を「自分のせいでふいにしてしまった」ことです。訪ねてくださった方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

…反省として、次回からはスペースの留守のお知らせに「戻る予定の時間」を書くとか、なるべく長くは留守にしないで、複数の用件は細切れでしよう、とか・・・。その時その時で状況も違うので難しいですが、できる範囲で工夫していこうと思います。これに懲りず、また寄ってやってくださいませ。
今回は、ある程度時間がたってしまった時点で、「戻ったら閉会までスペースを動かなくてすむように、すべての用をすませて戻ろう」と判断してしまったのです…。(というのは、留守中に立ち読みしてくださった方が再度回ってくださることがあれば、絶対にスペースにいたい、と思ったもので・・・それが裏目に出てしまいました!本当にすみません!)

さて、嬉しいほうはといいますと・・・いろいろあるんですが、まずは前日に急遽作ったお正月グッズが間に合ったこと!「一富士二鷹三なすび」ホォムズとワトスン(寅バージョン)のイラストで招福カード(ポストカードよりひと回り大きな2L判のカード)とポチ袋を作り、新刊と合わせて冬コミ限定お正月セットが実現できました。夢だったんです、限定セット!(笑)全銘柄ロングテールのうちのサークルでは、「特定のイベント限定」という企画が立てられなくて、どうしても細く長く売る方向で企画することになるんですが、今回はきっぱりと限定にできました。というのも、寅年お正月ネタなので、お正月をすぎると間が抜けてますし、再利用するには干支で一回りしないといけないからです。おかげさまで、限定セットは予想外の完売となりました。ありがとうございました!

宇宙探偵ものは、ホームズジャンルとしては正典から離れすぎていて、ふつうのチョロQシリーズよりはいつも控えめな販売数だったのですが、今回は宇宙探偵ものの初売りとしては過去最高ではないかと思います。グッズのせいかどうかはわかりませんが、今回のマンガはあれでも(笑)かなり手間がかかった一本ですので、お楽しみいただけてるといいなあ・・・と思います。機会がありましたら、ぜひご感想をお聞かせくださいませ。(あ、限定なのはお正月グッズとのセットですから、本自体はこれからももちろん販売します。よろしくお願いします!)

・・・同じく名目としては「今年限定」の、コナン・ドイル生誕150周年記念エコバッグも、切りよく完売となりました。(最後の二枚は留守の間に買っていただいたので、「最後の一枚が売れた瞬間」を体験しそこねました・・・残念でたまりません・・・っ!) そしてちょっぴりですが、オリジナルのほうもご購入いただけました。すごく嬉しかったです!こちらも、機会があればぜひぜひ、ご感想を伺いたいです。

…そんなわけで、「嬉しくて、くやしかったコミケ」…でございました。でもいろんな意味で、ものすごく充実したコミケでした。得たものがたっくさんあった気がします。

…撤収作業と宅配発送を終えてビッグサイトの外に出ると、もう暗くなっていました。大道芸の人がいて、ちょっとした人だかりになってました。なんだか「私もがんばろう」という気持ちになりました。

8月はSF大会に申し込んだため、一週違いのコミケは申し込まないつもりだったのですが、なんとなく「悩む余地」がほしくて申込書を買ってしまいました・・・うーん、どっちにしろそろそろ落ちる時期だし、見送るなら体力的につらい夏のほうがいいので、最初から申し込まないほうが計画が立てやすいんですが・・・なにかやりたいものが出てきたら実行したいし…。夏コミの申し込みまで時間があるので、もう少し考えてみます。

ではでは、長くなりましたがこのへんで。今晩から急に冷え込みそうですね。寒くなりそうなお正月中は、年末に読めなかった本を読んだりして、まったりと「おうち正月」を決め込むつもりです。(…っていつもどおり?(笑))
今年も一年間ありがとうございました。みなさま暖かくして、どうぞ良いお年をお迎えください!

 

2009/12/28

新刊できました!
『同人誌な部屋』のほうにもアップしましたが、冬コミあわせの新刊のプリントができました!あとは今晩製本するだけです。はー、ほっと一息です。「昭和な」表紙はこんな感じです。(笑)

…ふざけてますね(笑)。
多少ケバく見えますが、実物はマット紙なので、もう少し落ち着いた色になってます。(ま、配色がコレですので落ち着いた色といっても…)タイトルロゴに赤と青を使ったら、なんか昭和っぽいな…と感じたのですが…自分だけの感覚でしょうか。

で、一日だけ(!)早くできたので、なにか突発でできないかと考え始め…今朝マックで新刊のあとがきとペーパーを書きながら、勢いで企画ができてしまいました。えーと、絵はこれから描くのですが(^ ^;)、ホォムズとワトスンのお正月グッズを考えております。ひょっとしたら新刊がちょっぴり華やかなグッズつき限定セットとかになって…いたらおなぐさみです。(笑)(間に合わなかったら画像はHPの新年画像にでも…しかしせっかく早く新刊ができたのに、なぜギリギリまでやることを詰め込んでしまうのだろう?(^ ^;))

とりあえず新刊のお知らせでした。もう一回くらい更新できるか…微妙なのでいちおう…参加は12/30、西ホールて−10aです。スペースにてお待ちしております!遊びに来てくださいね!

 

2009/12/26

パト氏とか、UFOとか
ポメラを不安定な荷物のうえに乗せていたため落っことしてしまい、「まさかムラマサと同じ運命に・・・!?」とまっつぁおに。でも無事に立ち上がってくれました。ああ、よかった!こんな時期に壊れてしまったら、めちゃくちゃ困るところでした。

・・・新刊の本文もほぼ先が見えて、あとは細かいトーン貼りのコマがひとつと、なくても成立するんですが背景を入れたいコマがひとつ。そのあとは全体を見直してちまちまと手を入れれば完成です。(この「ちまちま」が結構かかる時間を読めないのですが(^ ^;))

ちょっと息切れしてしまったので、久しぶりにネットサーフィンを30分ほど。・・・すると出るわ出るわ!知らなかった情報が!パトリック・スチュワートは来年ナイトに叙せられるそうだし(記事によると女王も大ファンなんだとか。いい趣味ですね、陛下!(笑))、なんと『謎の円盤UFO』劇場版でリメイクの企画が進行中らしいです!い、いつのまに!?
ストレイカー司令官役のキャストがまだ未定らしいのですが、ポール(すいません、DVDの字幕版で見ていたので苗字をド忘れしました・・・)とレイク大佐は決定したようです。ポール役・・・知らない方ですが、オリジナルのマイケル・ビリントンと写真を並べたところを見ると、なかなか似たタイプの方みたいです。レイク大佐は『HEROS』でお色気むんむんのシングルマザーをやってる人・・・に見えましたが、違うかしら?やっぱり胸の谷間で勝負、なんでしょうか?(げんなり)なんにせよ楽しみです!ストレイカー役が誰になるのか気になりますっ!!そのうちUFOページのほうにアップしましょうかね。(まさかこんな「新情報」をアップできることになろうとわ!)

そんなこんなで、ちょっと元気が出ました(笑)。図書館で予約をいれたまま半年くらい順番待ちだった21世紀の歴史―未来の人類から見た世界も、なんだかこのクソ忙しいときに(失礼)到着メールが来たので、今日受け取ってきます。図書館、年内は明日までなんですよね。年末はなぜか「世界を俯瞰する」みたいなテーマの本が書店に並んだりしますが、そーいう意味ではいいタイミングかもしれません。あ、『皇帝の新しい心』も延長手配しないと…。(あれからほとんど進んでません!エントロピーのとこだけは、テッド・チャンのインタビューを読む前に目を通しておかないと!)

そういえば、読む時間があまりとれない反動なのか、本を衝動買いしてまして(^ ^;)、新刊書では物質のすべては光―現代物理学が明かす、力と質量の起源というポピュラー・サイエンスのがけっこうアタリっぽくて喜んでおります。まだ最初のほうを読んだだけですが、文章や話の進め方が非常に読みやすいです。
あとは古本で『13デイズ』と新スタートレックの『エンタープライズの思い出』・・・いずれもノベライズと、資料(今回の新刊ではなくて、そのあとの準備)のためにペリー・ローダン・シリーズの一冊を買いました。こちらは遠大なシリーズでどこから手をつけたらよいやらわからないので(いちおう、ハヤカワのSFガイドブックにはエピソードの切れ目・・・そこからだと読みやすい・・・が書いてあったと思うのですが、店頭での衝動買いだったため参照できず(^ ^;))ヤマ勘と拾い読みのフィーリングで『パラドックス知性体』とゆーのを買ってきました。ま、雰囲気を見たいだけなので。しかし第296巻。すごいな。今も新刊出続けてますしね。巻末に訳者さんの「あとがきにかえて」というつぶやき(?)があって、『不思議惑星キン・ザ・ザ』のことが書いてありました。旧ソ連製のSFコメディー映画なんですが、これ未見なんです!でも公開当時、見てきた友人や先輩がはまっていた記憶があり、見たいなあ、と思ってTSUTAYAに行ってみましたが、ありませんでした・・・。(泣)

そろそろ作業に戻ります。映画化のニュースがあんまり嬉しかったので、残っている背景は『UFO』風にしようかしら…あ、やる気が出てきました…ありがたい♪(…面倒な背景とかって「自分で自分のアシスタントをやる」みたいな感じで、モチベーションを維持するのがワタクシには難しいのです。こーいう細かいきっかけを大事にしないと…)

 

2009/12/25

進行・萩尾望都原画展・『パルムの僧院』
クリスマスですね。…『宇宙探偵ホォムズ&ワトスン』のほうに、即席ですがクリスマス画像をアップしております。よかったらのぞいてやってください。

・・・引き続きコミケ追い込みの日々ですが、新刊『宇宙探偵ホォムズ・バミューダ宙域の怪』の表紙版下ができました!バミューダネタ→60〜70年代みたいな自分の勝手なイメージから、多少意識して「昭和っぽく」なってます。(いつもがそう平成っぽいわけでもないのですが!)
印刷しながら本文のペン入れを進めようとしたら、重くて描けず…。フォトショとコミスタ同時立ち上げは無理か・・・?と、仕方なくフォトショのほうを切ったのですが、やっぱり重くて描けない。これはあれか?マイクロソフトの自動アップデートかなにかがきちゃってるんだろうか?
どうも、いつも追い込み時期と大量のアップデート時期って重なる気がします。ううー大迷惑!

仕方ないので本文作業はあきらめて、フォトショのほうでプリントしつつ、ポメラで日記を書いておるというわけです。

さてさて、こちらに書き損ねておりましたが、先日書きましたジェラール・フリップ『パルムの僧院』と、萩尾望都先生の原画展、行ってきました!なんかいろいろと初心に帰るというか、刺激を受けてきました。

先に原画展のほうを見たのですが、原稿で見ると、ものすごく線が細いんですね!印刷物で見ている印象よりさらに細くて繊細です。びっくりしました。

・・・じつは昔、投稿作品に対する「アドバイス」で、線が細い、線が細いとさんざん言われたことがありまして、それがトラウマになっていているのか(^ ^;)、コミスタになってからはペンの設定を太くしまくっているのですが、なにか違う努力をしていたかもしれない・・・と思いました。たぶん、そのときの編集者が言っていた「線が細い」というのは、絵自体に生気がなくて頼りない、という意味だと思うのです。(今思い返すと、「息切れのした絵」で無理に長いページ数を埋めようともがいていた…気がします)で、単純に線を太くすれば・・・という「アドバイス」になったのだと思うのですが・・・。違いますね。線の太さの問題ではなかったです。(編集者はたいてい絵に関しては素人なのだ・・・という別のアドバイスをあの頃に知っていたら!)

萩尾先生の線はもっともっと細いですが、ちゃんと絵として成立して見えるのです。ではなにが違うんだろう?・・・そんなことを考えながら、間近でじっくり勉強させていただきました。濃い時間でした!

著作の販売もあって、好きなものはたいてい持ってるかもしれない・・・と迷いながら、とりあえず展の図録と、A5判のポーの一族第2巻を買いました。『ペニーレイン』『ランプトンは語る』のカラーページがフルカラーのまま入っていたので・・・。この二作のカラーページは、生まれて初めて買った少女マンガ入門とかいう子供向け書籍で例として載っていて、すごく印象に残っているのです。作品自体を読んだのは、大人になってからなのですが・・・。帰宅したらやはり文庫でそろえていました。ダブっちゃいましたが、カラーページと大判なことでよしとしました。

『パルムの僧院』のほうは・・・作品としては、正直自分の好みとはちょっと違いました。ジェラール・フィリップの役のファブリスにサッパリ感情移入できないんですわ。周りのキャラのほうがいろいろと葛藤とか信条とかあって面白くて…(とくに看守が面白いキャラクターでした!)…ファブリスはとにかくオンナのことしか頭にない…よーにしか見えない!(笑)窮地に陥るのも、はっきり言えばヒトのオンナにちょっかい出したためだし、助かるために努力はしないのに、周りが勝手に助けてくれて、しかもそれがよくわかってないし…「ば、ばかだこいつ…」とか思ってしまう始末で。はあ、スミマセン。やはり恋愛至上主義(?)のフランスの映画、ということでしょうか。というか、やはり私は朴念仁らしいです…。うーん…そーいえばこれ、昔テレビの深夜放送で見てて途中で寝ちゃったんだよなあ…(^ ^;)

ジェラール・フィリップは思ったほど出番が多くはないんですね。でも若い頃の姿でほんとにかわいい。あと、『オルフェ』くらいでしか見たことがないマリア・カザレスが、ファブリスの若い叔母の役で出てました。心底美しい女優さんですね。

…しかし、本当に「古くて状態の悪いフィルム」「劇場で見られた」のが、逆にいまどき貴重だったというか・・・。上映前に、「古い作品ですので、お見苦しい点、お聞き苦しい点がございます・・・」というお決まりのアナウンスがあったのですが、加えて「・・・不測の事態が生じる可能性が・・・」・・・不測の事態ってなに!?(笑)・・・フィルムが溶けるとか切れるとか?・・・ほんとに古いフィルム(プリント)なんだなあ・・・と、逆に嬉しくなりました。

ピントの甘い白黒画面を見ていると、さきほど見てきたマンガのモノクロ原稿に関する気づきとつながりました。そうか、モノクロでマンガを描くって、白黒映画の画面を作るのと似ているかもしれない・・・。

コミスタでトーンを使いまくれるようになってから、やたらたくさんトーンを貼ってしまうことがあるのですが、逆に画面にメリハリがなくなるものだな・・・と思うようになりました。(それでも白いよりはマシとやってしまうんですが(^ ^;)))画面を引き締めているのは白とベタとのバランスなんですね。トーンでグレーの部分が多くなっても、ベタが適度に入らないとぼやーっとしてしまう。

・・・白黒映画では、陰になったところなど、真っ黒につぶれてしまう部分があるのですが、それはマンガでやったらむしろ「かっこいい」表現だし。明暗をとらえてる絵って、ガサガサと線を描き込まなくてもすてきですよね。・・・そんなことを考えながら、ベタ使いとか、もっと試さなきゃなー、などと思いました。

帰りは久しぶりに銀ブラをして、ついでに東銀座まで歩いて歌舞伎座を眺めてきました。さよなら興行をやってますが、行く機会があるかどうかわからないし、今の姿の見納めになるかもしれないので・・・。ポスターを見て、昼夜ともに当代の人気劇作家(クドカンさんと野田秀樹さん)の作品が入っていたことに、時の流れを感じました。

 

2009/12/1

ニンジンをいろいろセッティング
デスクワーク続きで気分が低空飛行になりがちな時期になりました。クリスマス気分を盛り上げてテンションをあげようと、先日30センチ弱のミニツリーを買ってきました。(大人になってからは、ツリーなんて飾ったことなかったんです)リボンやマツボックリ、金のりんごなどの飾りがくっついているオモチャっぽいものですが、スーパーでなんと200円。ダイソーで買ったデコレーションランプ(電池式。ちゃんと点灯して感動!)をつけたら、それなりにちゃんとしたツリーになりました。しめて300円には見えません!デフレさまさま!(笑) ついでにダイソーでキラキラしたモールも買いました。でもどう飾ったものか思いつかなかったので、とりあえず一番見ている時間の長いディスプレイの周りを華やかにしてみました。クリスマス仕様の環境で、原稿の残りにスパートをかけてます! (でもちょっと恥ずかしい状況なので人には見せられないです!子供か!(笑))

…昨夜は疲れをとろうと10時に布団に入ったのですが、今朝は4時前に目が覚めて眠れなくなりました。睡眠をたっぷりとろうと思ったのに…。緊張しないようにとは思っているものの、やはり追い込みで気が昂ぶっているようです。まあ、モンモンとして横になっているよりは、と起きてしまいました。おめざに甘いものなど食べました。

パソコンを立ち上げて、まずはジェラール・フィリップ特集上映の『パルムの僧院』のネット予約をとりました!(公式サイト→ジェラール・フィリップ没後五十周年企画『赤と黒』
取れないかと心配でしたが、取れちゃったのでなんとなく気分が盛り上がってきました!もう支払いしちゃったんだから行くしかない!コミケの宅配搬入を終えたあとのご褒美…になる予定です。新刊はたぶん宅配搬入には間に合わないと思いますが、この週末にできるだけ進めて、安心して見に行きたい…。ようし、がんばるぞ。

あと、新聞で見つけたんですが、西武池袋本店で12/23まで萩尾望都先生の原画展をやってるんですよね!
(お店の告知ページはこちら→デビュー40周年記念/萩尾望都原画展)こちらも同じ日に見てこようかと思ってます。

グーグルアラートが拾ってくれたニュースによると、ブライアン・シンガー兄貴の新作X−MENは本決まりのようですね。ご褒美とあいまって、なんだか気分が引き締まってきました。みんながんばってるなあ!(って売れっ子監督をつかまえて勝手に同人仲間のように!(^ ^;))

…ついでに思い出したあれやこれやの雑用をやっていたら、7時になってしまいました…朝メシ前に一コマ、と思ってたんですが。とりあえずごはん食べてからがんばります!

しかしつくづく寒い…足は電気マットに乗せてるのでが暖かいのですが、エアコンがあんまり効いてこなくて、手が冷えてます。参りました…。「コピー誌で直前まで作業」のお仲間の皆様、風邪ひかないようにがんばりましょう…!

 

2009/12/1

皇帝の新しい心
どーにも頭痛がとれなくて、昨晩は久しぶりに十時半頃早寝しました。そのおかげか、今朝は五時半に目が覚めてしまい、またまた久しぶりに早朝日記など書いています♪

新刊原稿、急げば宅配搬入に間に合うのですが、それは意識しないことにしました。追い込みという焦りはなるべく減らしたいので・・・(^ ^;)。残りの仕上げやカラーをやりながら、直したいところにもちまちま手を入れてます。最終的にどういう絵になるか自分でもわからなくて、「だんだんイメージが見えてくる」という感じなのです。だから、直しといいつつ、ここがけっこう一番面白いところでもあります。つくづくボトムアップ式の描き方してるんだな、と思います。むしろ塗り重ねていく油絵とかに近い感覚かもしれません。(普通の漫画の描き方というのは、完成形のイメージが先にあって、それを版下にしていく、という感じなんですよね。描きなれるとこれができるのだと思いますが…。試行錯誤ができるところが、コミスタ様様です)

逃避モードの利用で(?)、『皇帝の新しい心』も図書館で借りてきて合間に読んでます。・・・先日、冗談のつもりで「おそろしく高度なクロスワードパズル」とか書いてしまったんですが・・・文字通りそうでした。(ワタシにとっての印象が、という意味ですが!)そしてどうも、自分にとっては「お話の進め方がひっくり返っている」タイプの本みたいです。そう感じる本はよくあって、グラハム・ハンコックの本なんかもそうなんです。そういうときは逆さまに、最終章を読んでから目次を見て適当に読んでいくと入り込みやすかったりします。

今回は素直に始めから読んでたのですが、読みながら「でも○○じゃないかなあ…」とツッコミがたくさん湧きあがってジリジリして、しばらく読むとその論旨をひっくり返している、という繰り返しが続き・・・つまり「背理法」的・・・というんでしょうか?いちいち「●●という説があるけれども、自分はそうは思わない」という書きかたなんですね。これは書き方の癖みたいなもので、内容そのものの複雑さとは別のことなんです。
で、自分は「●●」なんてちっとも思わない(というか、信条をもてるほど深くは知らないことだったり、直感として●●とは逆のことをあたりまえだと思っていたり(^ ^;))なので、はじめの「●●」の説明のところでイライラしてしまう。そのあげくに結局それを否定するので、「そんなこと考えてないから、最初からあなたの考えの方を書いてくれ!」みたいな…。

・・・まあそんなことで、最初の二章くらい読んで、最終章にすっ飛んでみました。自分が興味を持ってた「人間の意識」についての部分は、「コンピューターでやってることとは別のシステムなんではないか」という、最初に書かれていたことに戻っていて、格別新しい説は出てこないようです。(その一端がのちにマイクロチューブルの説になり、それを先に読んじゃったので、やはりオチを先に読んだような形になりました(^ ^;))…でも、その「人間の意識」とは違うやり方として、コンピューターのアルゴリズムとかについて細かく説明してくれているし、フラクタルだの量子だのという、興味津々だけど深くは知らない、というトピックの紹介を満載してるようなので、むしろそちらの百花繚乱にトライするのが面白そうです。コンピュータ・サイエンスとかに馴染みのない自分には、新鮮なことだらけです。

例えて言うと、自分にはなじみのない言語(アラビア語とかフランス語とか)の単語で埋めていくクロスワードパズルで、ヒントと辞書の引き方だけ日本語で書いてある、みたいな感じです。(笑)最初は、そのクロスワードパズルで最終的に出てくる答え(この本の場合は「人間の意識の正体」)を知るのが目的だったのですが、それはさきほど書いたとおり、はっきり「コレ」という仮説は出てこないようなので、その意味ではちょっと期待はずれでした。でも、むしろシロウトにとっては直感的に「あたりまえ」なことを、「数学とか物理とかの言葉ではこう表現します」みたいな部分とか、単純に「知らなかったことを理解させてくれる」トリビア(?)な部分が、この本の醍醐味なのかも?と思ってるところです。「そうじゃないもの」で外堀を埋めていくうちに、もっとなにか見えてくるのかもしれない。…なぜか、読んでいると「(著者でなく)自分が考えていること」まで浮き彫りになってきます。

読み終わったのはチューリング・マシンの概念の説明(ウィキペディアとかで読んでもイマイチ具体的にイメージできなかったのが、ちゃんとしたイメージになりました。二進法の暗号(自分にとってはまさに暗号(笑))をいちいちなぞるのはすごく面倒だったけど!(笑))だけなんですが、それでも自分にとってほとんど「魔法」だったコンピューターのやってることが、「難しいこと」というより「人間がやるには面倒すぎること」なんだ、というのがわかりました。ひとつひとつの課題は単純で、その代わり手順の数が膨大。そしてコンピューター用の言語に翻訳する、という意味も、比喩じゃなくてほんとに翻訳なんだ、というのがよくわかりました!読むにも「面倒すぎる」部分があるのは確かですが(笑)、いろんな思考実験をさせられるうちに、まさに「SF」な感覚に浸れました。年末年始にじっくり読むにはいいかも。買わなくても…すみそうかな?(^ ^;)

ジェラール・フィリップ特集上映
…ずっと書き損ねてたんですが、銀座のテアトルシネマでジェラール・フィリップの映画の特集上映をやってるんですよね!未公開部分が入った完全版『赤と黒』が大きく取り上げられてるんですが、『赤と黒』はレンタルで見たばかりなので、今見たいのはついでで(?)上映される中の一本、未見作品の『パルムの僧院』です。これは19日からやるんですが、サイトを見るとそうとう混雑しそうと書かれていて…そんなに大きな劇場じゃないですもんね、たしか。(行ったのはかなり前で良く覚えてないのですが…)うーん、ダメかもしれないですが、ニンジンがわりにしたいなあ、なんて思ってます。横浜にも来てくれたらいいのになあ…。
(公式サイトはこちら→ジェラール・フィリップ没後五十周年企画『赤と黒』

そうそう、ちょっと前ですが、記念写真集みたいな本(『ジェラール・フィリップ (スクリーン・デラックス)』)も買ってしまいました。主体は映画のスチールですが、昔の映画雑誌の記事の文章をそのまま載せていて、それも貴重でした。三十代での突然の死は、当時本当にショックだったでしょうね…。

 

2009/12/1

ペンローズの“量子脳”理論
…宇宙探偵の今週の作画ノルマ、背景と器物…は、大物(宇宙船とか)はいちおうクリアしました。でも細かいのがけっこう残ってます。人物のトーンも…。引き続きがんばります。宅配搬入には間に合わないかなあ…。
…チョロQ漫画で、自分にほわほわ系(?)のノルマを課しているせいか、正反対のガツン系(?)でバランスをとりたくなり(逃避ともいう?(笑))、ほったらかしていた
ロジャー・ペンローズ入門本を昨夜ちらりと読み出したら止まらなくなりました。うーん、あんだけ冷めたあとだったのに、こんなに集中できるとわ。反動(=逃避(^ ^;))の力はすごいもんです…。

・・・で、今朝の三時まで読んでいったん寝て、今日のお昼過ぎにいちおう読了しました。(ペンローズさんの「著書への批判に対する反論」の部分はおおかた読みとばしたので・・・といっても、自分にとっては、作画の反動という勢いがなかったらまずありえないスピードです!(笑))

…そもそもこの本を買ったいきさつは、たまたま本屋で立ち読みした、孫引き寄せ集め系のサイエンスネタ本でした。「脳内のチューブリンという具体的なモノ」「意識のありか」とみなす仮説がある、と紹介していたのです。もちろん孫引きネタ本ですから、内容自体はあいまいで、名称を出してる程度だったんですが。で、意識ネタとしてはえらく具体的な仮説なので、内容を知りたいと思いまして…調べていったら、元ネタはこの本に載っている「意識は、マイクロチューブルにおける波動関数の収縮として起こる」という、ペンローズさんとハメロフさんという人の共著である論文(?)なのでした。

論文自体は短いもので、行き届いた用語解説もあったおかげで、シロウトのワタシでもなんとか読むことができました。…で。この本自体は、ペンローズさんの主著である『皇帝の新しい心』や『心の影 』の入門解説書みたいなモノらしいのですが、自分のもともとの興味が「意識のメカニズムについての仮説を、硬軟とりまぜてコレクションする」ことの一環…というミーハーなものでしたので、マイクロチューブルについての仮説を読んだら目的は達してしまいました。
(細胞骨格の素材になっている、マイクロチューブル…チューブリンというものが円筒状にくっついてできている微小組織…のなかで、量子の重ね合わせ状態と、それがひとつに収縮すること(無限にありうる可能性がひとつに決まる、みたいなこと)の繰り返しが起こっていて、それが意識の流れを作っている、という説です)

うーん、テッド・チャンがインスパイアされたという『皇帝の新しい心』は読んでみたいのですが・・・これはマイクロチューブルうんぬんに著者(ペンローズ)自身が到達するずっと前に書かれた本なので、なんとなくオチを先に知ってしまったようで、読む理由が乏しくなってしまいました。困ったなあ…。どうもそちらの主題は、「AI には人間の意識の再現はできない」というあたりのことの証明らしいんです。(シロウトにとっては、「そんなのあたりまえでは…?」と一瞬思ってしまうようなテーマなのですが、それをきちんと証明して見せている、というのが読みどころらしいです)

自分の興味はもちろん、AIがどうこうより、人間の意識のメカニズムのほうなのですが…ペンローズという人の芸風(?)は、なにかを否定することで、その反対のことの得点とする(背理法というらしいです)やりかたなのです。つまり、「AIは人間の意識を再現できる」という仮定から始めて、その矛盾をはっきりさせることで、その反対のこと」=「人間がやってることでAIではできない部分」があることを証明するんですね。はじめから人間の意識のほうに興味の焦点があるシロウトには、どうもまどろっこしいです。このへんのまどろっこしさがたぶん評価されてる部分であり、魅力なのでしょうけれど…。

…それはそうと、今回読んだ本は、ペンローズさん自身の文章より解説者の文章のほうが多いくらいで、とても噛み砕いた書き方がされてます。で、その解説のなかに「形式主義とプラトン主義」というのがでてきました。数学にはこの二系統のグループがあるそうなんです。
プラトン主義は、文字通りプラトンのイデアにあたる数学的真理の世界が実在するとみなし、数学の定理の発見は、そのイデアを見つけ出しているだけ、というようなイメージ。形式主義は…本の表現を引用しますと、「数学のすべてを、シンボルの操作という形式的なものに還元しようと」するもので、ある体系のなかで矛盾があるかないかだけを問題とするものらしいです。(こうして書き出してみると、なにか大きなものの別の部分を見ているだけで、一方を立てると一方が立たないような区別じゃない気がしますが…自分がシロウトだからそう感じるのかな)
自分が昔から、数学に対して無味乾燥なイメージをもっていたのは、この形式主義の側面しか目に入らなかったためだったことがわかりました。ペンローズの説はプラトン主義なのだそうですが…でも、形式主義の側面にこそ数学の魅力や美しさがあるととらえている人のほうが、多数派ではないかしらん?なぜだかそういうイメージがあります。
(ワタシには、テッド・チャンもそっちの人に見えるのですが・・・ちがうかなあ。SFマガジンに載るという、インタビューが楽しみです)

「数学の形式主義の側面に魅力を感じられる人」は、私の目にはなんとなく、「クロスワードパズルを解くことに面白味を感じられる人」とイメージが似て見えます。うらやましいなあ、と思います。(自分は残念ながら、クロスワードパズルは「時間の無駄」と感じてしまう朴念仁なので、人生損してると思います・・・(^ ^;))

…意識のメカニズムの仮説としては、くだんのマイクロチューブルの説は、なにか舌たらずな感じがしました。なにか問題のキモが違う気が…。(ワタシの数学能力の欠如が理由で内容をつかみそこねてるのかと心配だったんですが、そのあとに専門家であるらしい茂木健一郎さんのツッコミも入っていたので、ちょっと安心しました。茂木さん、なんでも「脳」という言葉にくっつけることで荒稼ぎしてるタレント学者、みたいなイメージだったのですが、この本ではとても感じが違って好感もてました。後書きとか読んだら、まだ若い頃の、ブレイクする前の仕事みたいです。たしかに「ペンローズと直接話しちゃったもんね」という自慢でしかない文章を喜々として書いてるとこなんか、とても若々しくてかわいい(笑))

…というわけで、なんか、自分にとって『皇帝の新しい心』のイメージが「おそろしく高度なクロスワードパズル」みたいになっちゃったんですが、テッちゃんつながりなので、ミーハーとしてはやっぱりトライしてみたいと思います。反動(=逃避)の力が働いているうちに読めば、いつもより頭に入るかも…(笑)。
…しかし7000円超えはつくづく高すぎる。洋書だと1500円もしないのに…!おまけに英語だとまったくイメージ違いますねえ。直訳なので、タイトルはエンペラーズ・ニューマインドですよ。邦訳よりずっとカジュアル!オッシャレ!な印象です。とりあえず図書館で借りてみて、もし「線引いて汚しながらがっつり読みたい」と思えたら、そのときに買うことを検討しようかと思います。「あたしにゃ無理無理!」な本かもしれないので…。(笑)

…余談ですが…最近必要に迫られて、あるポピュラー・サイエンス本の英語の原書を購入したのですが、予想に反して日本語より理解しやすいのです!英語自体の壁のめんどくささはありますから、一ページ読むのに時間はかかるんですが、概念は同じ本を日本語で読んだときよりぜんぜん理解しやすい!いっぺん抄訳を日本語で読んだあとだったのですが、(全訳が出てないのが買った理由です。自分が興味をもってる部分はごっそり省かれていたのです(^ ^;))「なんだ、そんなことだったのか!」と眼からウロコでした。英語圏の科学畑のひとたちは、絶対日本人ほど頭絞ってないぞ!(笑)

…だって、「波動関数の収縮」なんていうより、「Wave Reduction」のほうが絶対カジュアルでイメージしやすいもの。WaveにもReductionにも視覚的イメージは伴うのに、「関数」って言葉には…なんというか、「イメージ」がないんですよね。・・・辞書ひいてみましたら、関数というのは、もともと英語の「Function」(関数は英語ではこれなんですね。知らなかった。なんか・・・なんてシンプルなんだ!ぜんぜんイメージちがう!)を中国語で音訳した「ハンスー」という言葉の音声を引き移したもので、しかも当て字も一度変わっているらしいんです。(昔は「函数」と書いていたらしい)
意味から派生した単語でない、ただの当て字ですから、字面を見てもイメージ湧かないのは当たり前かも。・・・なんか、科学系の翻訳書では、そういうのが多い気がします。慣れちゃえば気にならないのかもしれませんが、日本語になると専門用語が無駄に複雑そうな構えをもってしまうというか。損ですねえ…。もう少し英語が得意だったら、皇帝のニューマインドも安い原書で読んでみるんですがねえ…。「もう少し●●だったら」とか言ってるから、いつまでもこうなんだよなー。どこかで、ダメもとでもチャレンジしないといけませんね…。(ため息)

 

2009/12/

冬コミ原稿進行状況
・・・息抜き兼ねて買い物に出て、ドトールで食事してます。新しいコーンドビーフサンドというが出てたので注文したら、A5くらいのチェブラーシカのシールをくれました。(サンドとは関係なく配ってるのかもしれませんが)
ずいぶん昔の作品というイメージがあるんですが、なんかタイアップしてるんですかね。(といっても未見です…)
シールを見て、コミケ用にこういう大判シールもおもしろいなあ・・・なんて・・・思っただけですが、思いついた絵柄をメモしました。そういうものの前に本の原稿を終わらせなくては!

・・・昨日は冬コミ合わせ原稿の人物ペン入れの自分内締め切り(?)でした。なんとか終わりました!深夜二時までかかりましたが!(おかげで今日は頭の奥がズーンと重く、視力も落ちてる感じが!でも思ったほど眠気はありません) トーンは半分以上残ってますが!そしてそして、たぶん部分的に描き直したいところも出てくると思いますが!(これができてしまうのがコミスタのありがたくも恐ろしいところ!)…とりあえずは!

…あわてた代償に、資料を出そうとして机の端にあったコーヒー(はちみつと豆乳入り!あ゛〜!)を派手にぶちまけ、膝掛けと足元の小型電気マットを丸洗い、からまったコードも拭き、床まで予期せぬ大掃除…というオマケもつきました。(泣)タタミにこぼれた分が気になります…できるかぎり拭き取って、水雑巾でたたいて、洗剤も除菌スプレーも使ったんですが・・・大丈夫かしら…。とにかく自分でもおかしく思うくらい、動揺してしまいました…たかがコーヒーをこぼして、小一時間ロスしただけなのに。(自分内締め切り日、という焦りもあったのかもです(^ ^;))
原稿の追い込み作業が始まると、われながらホントに、子供みたいにナイーブになってしまって困ります…。

でも、ちょっとこわれていたスリッパにもコーヒーがかかったので、やっと買い替えるふんぎりがつきました。あったかそうな室内履き風のを買ってきました。マグカップも割れたので新しいのを買うつもりです。関係ないけどハブラシも変えました!(←?)心機一転がんばります!

・・・ということで、今晩から背景とか・・・器物というんでしょうか、インテリアとか道具とか。あと衣装のデザインが決まってないところとかをやります。(せっかく宇宙探偵と銘打っているんだから、スペースエイジな感じのデザインとか入れたいなあ♪なんていつも思うのですが、自分で描くとなると道は遠い…(ため息))。資料を見ながら描くものとか多くなるので面倒は面倒ですが、いったん始めてしまえば、あんまり「ノリ」に影響されず「手の作業」で進められる行程でもありますね。

・・・こういう行程わけはあまりしたことが無かったのですが、みなさんどうなんでしょう。・・・アシさんに入ってもらうプロの方は、否応無く人物と背景に分けるでしょうが、一人でやる場合は・・・。(これは自分がいまだに漫画を描きなれてないせいもあるかもしれないんですが、コマごとに一枚絵的に仕上げていくほうが自然なんですよね…下描きだけ全部やって、次はペン入れだけ全部…トーンだけ全部…というやり方が、どうも馴染めません。そのへんがフレキシブルにできるコミスタはほんとに救いの神です。極端な場合、下描きする前にトーンを貼って、イメージを見たりできますから)

今回は、先月いつもどおりいっしょくたにページごとの区切りでやってたら、そのたびに調べることがいろいろあって頭がパニックになってしまったので、とりあえず「この日までに人物」「この日までに背景」「この日までにカラー」みたいに、暫定的に割り振ってみたんです。自分の作業速度が(変動がありすぎて(^ ^;))見積もれないし、描いてるうちに描きこむものが増えたり減ったりもするので、ホントに暫定的にですが。でも、集中する範囲が決まったぶん多少パニックはマシになったので、分けてよかったのかな…?と思います。範囲が区分されていないと、全部の「まだできてないところ」がいっぺんに襲ってくる(?)ので、手をつける前にパニクってしまう気がします。全体のページ数によるのかもしれませんね。今回は自分にしては長めなので…。(デジタルで全ページ一覧を見るところから作業が始まるのも一因かもです。アナログなら、とりあえず一枚だけを視界にいれて始めることができますから…)

でも、割り振りによらず、描きたくなったらその場でラフだけでもいれてしまったほうが、絵に勢いが出ますね。結局出先で思いついてメモ程度に描いたスケッチが一番よくて、それをスキャンしてそのまま下描きの下地に使ったりもしました。毎回「自分の使い方仕様書」のデータが増えていきます。

・・・昨日、チョコレートの効用なんてのを読んでその気になったので(笑)、今日はブラックチョコレートも買い込みました。(甘いミルクチョコレートのほうが好きなのですが、ブラックのほうが多少カロリー低いかと…どうなのだろう)
次の自分内締め切りは、背景・器物を今週中に、です。楽しい絵が描けますように…。(神頼み?(^ ^;))

 

2009/12/

冬コミ原稿作画中…と、『ジャン・マレーへの手紙』
すみません、隔週ペースで更新していたウェブ漫画なんですが、今回は冬コミ原稿のためお休みいたします。

・・・冬コミあわせのほうは…先日泣き言(?)を書いたあと、なぜだかスルスルっとペン入れが楽に進みまして、お、こりゃー案外早めにいけちゃうかも!?・・・と気をよくしていたところ…換気扇掃除をしたら翌日から全身筋肉痛(とくに右手の指!)になったり、重ねた皿が崩れてきて右手の親指を直撃してくれたりで、なんだかへんな妨害(?)と戦いながらやっております。なんでしょー、これは。(^ ^;)

眼もやたら疲れます。一晩寝ても、眼の奥のずーんとした感じがとれないというか…。パソコンに向かう時間が劇的に増えたわけでもないのですが。(作画に入るまえから、別のことでかなり長時間使っていたので)
…眼に効くというブルーベリーのジャムを毎朝食べたり、いつものより少し高い目薬を買ってみたり、できる範囲で対策を講じております。どっちかというと、ストレスが眼に来たときと似た症状なのですが…今やってること(原稿)がストレスの原因だとしても、もちろんやめたくはないので、ほかの対策をとるしかありません!(笑)

…そんなこの頃の密かな楽しみが、夜寝る前にちょびっとずつ読んでいる、『ジャン・マレーへの手紙』です。ジャン・コクトーが、仕事のパートナーで恋人でもあったジャン・マレーにあてて、25年間にわたって書いた手紙をまとめた大部の本です。以前コクトー本を作ったときには図書館で借りたのですが、ずっと手元にほしいととろ火で(?)思っていた本で、先日Amazonのマーケットプレイスでやっと入手しました。古本ですが、とてもきれいな状態で喜んでいます。

今読んでいるのは第二次世界大戦の頃で、ジャン・マレーは従軍していて、コクトーは最初はパリ、その後別の場所へ移動したりしています。会えない分すごい数の手紙が書かれてます。郵便事情が悪かったらしく、手紙は着いたり着かなかったりだったようです。そのため、同じような内容を日に二度も三度も書いたり…経済的にも破産状態だったことがうかがえるのですが、思いやりと敬意と愛情にあふれた素敵な手紙の数々です。そんな環境だからこそ、というのもあるかもしれません。コクトー自身も一次大戦で従軍経験があるので、慎重に行動するように、英雄的な行動など決してとろうとしないように、という注意とか、送金の心遣い、健康の心配、二人の(本来の)仕事のこと、会えなくて弱気になる自分を恥じる言葉…などなどが書き綴られています。親子ほど年が離れているので、「ぼくの息子」、「ぼくのちっちゃなジャノ」(ジャノは「ジャン」の愛称)、「僕の善良な天使」などなどの言葉で呼びかけていて…文化の違いというか、さすが詩人というか…いや、言葉使いがどうこう言う以前に、ホモとかヘテロとか以前に…ここまで純粋に(しかも年下のマレーに対して敬意をもって)人を愛せるというのがもうすごい…。

…この本については以前にも書きましたが、ほんとになにか癒される感じがあります。超おすすめな一冊ですが、絶版なのが残念…。改めて文庫で分冊にして、持ち歩けるようにしてほしい…。(重すぎてちょっと持ち歩くのは無理です(^ ^;))

 

2009/11/29

『クリスマス・キャロル』と冬コミ原稿
坂田靖子さんが漫画化した『クリスマス・キャロル』、ゲットしました!またもや喫茶店で読むことになって、またもや目が潤んで困りました。(^ ^;)最初のほうの、ロンドンのクリスマスの点景描写が、もう臨場感たっぷりで引き込まれました。あんなにシンプルな線なのに。ああいうシンプルな絵が描けるようになりたい…!かたわらに本を置いて、なにかオーラのおこぼれを得られないかしら、と思いつつ、冬コミ原稿をちまちまやってます。

もう明日で11月もオワリなんですね。ああ〜気が焦る〜!(^ ^;)いちおう冬コミ新刊に想定している宇宙探偵がなかなか…思ったより進まなくて苦戦してます。絵コンテだと一見開きくらい、下絵だと1ページくらい、ペンとトーンでも1ページくらいで力尽きてしまいます。時間がたりないんじゃなくて、息切れしてそれ以上描けなく(あるいはアイデアが出なく)なってしまう。お気楽チョロQのはずなのになぜ。…思うに、意識のなかで「これがメイン」となると何でも苦しくなるのかも。・・・ということは、なにか別のものをメインにすえて目をそらせば描くのが楽しくなるのかな?(日程苦しくなるんじゃ意味ないじゃん…(^ ^;))…いちおう下描きが八割くらい入って、3ページほどはハンパにペンとトーンが入って、でも2ページほどセリフや根本的な展開含めて流動的なところがあります。描けなくとも机に張り付いてイライラしつづけたほうがいいのか。それとも気分転換しに行ったほうが結果的に良いのか判断がつかず、気が焦るばかり。一ヶ月先ですが、もし間に合わなかったらごめんなさい…。(保険かけるの早すぎ(^ ^;))

…というわけで(?)気分転換に頼みのレンタルDVD。ぼちぼち見てるので感想を二つほど。

『バベル』
…予想以上に痛々しい映画でした。そういう予感はあったのでなかなか手を出さなかったのですが、思った以上でした。『アモーレス・ペロス』の監督さんなんですよね。そちらでは、いくつかのエピソードの絡ませ方がすごく知的だったのを覚えています。今回も複数のエピソードが絡み合う構成。モロッコの羊飼いの幼い兄弟が、ジャッカルを追い払うためにライフルを持たされ、それで面白半分に観光バスを撃ってしまうところから、世界数ヶ所でのエピソードが縒りあわされていきます。話題になってた菊池凛子さんが注目されたのは、こういうことだったのか・・・いや、なるほどね。(納得するとともにちょっとがっかりしてる面も(^ ^;))やっぱり女優さんは「さらす」と褒められるんですよね。男優さんはそうではないので、大変腹が立ちます。
とはいえ、これは壊れた怒りの表現で、たいへん「インパクト」はありました。(不快な「インパクト」ってのもあるんですが(^ ^;))ラストでは「ああ、こういう意図だったのか」と、心の中で監督に座布団一枚提供しました。…うーん、好みではないけれど、確信犯的に成功してます。(これを不快だ、と言ってしまうと、なぜか監督に負けたような図式になるので言いにくいんですよね(笑))『アモーレス・ペロス』でもこういう面の泥臭さは感じたので、監督の個性かも。

まあそれはおいといて、あの日本人の娘さんの状況には、ラストでかすかな希望の端緒が示されたとも見えるし、ケイト・ブランシェットが演じたアメリカ人の奥さんは・・・(ラストにかかわることなのでいちおう自粛(^ ^;))。一方で、メキシコ人の乳母とモロッコの兄弟が放り込まれた状況はまったく救いがない。(乳母さんのほうはまだマシでしたが)いわゆる先進国における「悲惨」にあるキャラクターが、かすかに希望のもてる結末を得る(少なくとも、これから変化を起こす可能性が示される)のに対し、いわゆる発展途上国のキャラクターは完全に取り返しのつかない悲劇を迎える…のが、なにかすごく意図的なように見えました。監督自身がメキシコ人であることが意識にあったので、自分の過剰反応なのかわかりませんが。…たしかにそういう世の中です。普段日本人の自分は意識しないけれど。・・・そして、この映画を鑑賞するのはまず、ほとんど先進国の人たちですよね。…そんなことがつらつら頭に浮かんで、いろいろとやりきれない映画でした。この手の映画は、もうちょっと精神的に頑丈になってるときに見るべきだったかも。質の高い作品だとは思いますが、見るときのコンディションを選びますね。(自分の原稿と格闘して疲れたあとの気分転換にはちょっと・・・選択を間違えました(^ ^;))

ラストで流れた、聞き覚えのある坂本龍一の音楽(たまたま一枚だけ持っている教授のアルバムに入ってた『美貌の青空』に似てたんですが・・・違うかな?)が頭にこびりついて、この音楽はもともと好きだったのですが、痛々しい感情とセットになってしまったので困りました・・・思い出すたびに気が滅入りそう・・・。(^ ^;)

しかしタイトルもつくづくぴったり。改めて、泥臭さから乖離しないまま、強靭な知的インパクトをモノにしている監督さんだと思いました。使われるモチーフの好き嫌いは分かれますが。・・・『アモーレス・ペロス』にも出ていた、監督とは昔なじみのガエル・ガルシア・ベルナルくん、もうちょっとたっぷり眺めたかったです。(プラピさんがなぜか圏外の私には、この映画では彼だけが目の保養でした・・・(笑))

『アンダーワールド・ビギンズ』
二作作られた、吸血鬼族と狼男族を描くアンダーワールド・シリーズの三作目。前二作が大好きなので借りました。時系列的には第一作の前の話で、ヴァンパイアとライカンの因縁の始まりを説明する映画でした。まったく予備知識がなかったのですが、ライカンのリーダー役でマイケル・シーンがバリバリの主役でした!一作目、二作目の主役だった元奥さんケイト・ベッキンセールは名前は出ているものの、一作目の映像が一瞬使われただけ。監督も前二作とは別の人でした。このシリーズで監督とベッキンセールがデキてしまい、シーンと離婚したらしい・・・という噂を真に受けてみると、なんともはや。(^ ^;)

まあそれはともかく、ワタクシの目当ては美老人ビル・ナイ様と被虐系ハンサムのスティーヴン・マッキントッシュでした。それぞれヴァンパイアのリーダーとその秘書(?)役。それなりに活躍。特にナイ様は見せ場もある役ですが、映画全体がいまいちなので・・・うーん、残念。もともと、ストーリー云々よりスタイリッシュなアクションが魅力だったシリーズなので、その要素が薄くなって魅力半減(私には)です。ヴァンパイア特有の妖しさの描写が皆無だったのも残念。ひたすら戦いなので・・・ワイルドテイストで痛めつけられまくるマイケル・シーンを鑑賞するにはうってつけでしょうけれど・・・セクシー系で人気のある人なのかな、彼は?女性キャラのサービスが比較的控えめだったのに対し、なんかシーンはお尻までさらして脱ぎまくっていたので。(それとも後ろ姿は代役?)ちょっと自分には圏外な方なので、損した気分です。(笑)

 

2009/11/28

おじさん、おはなしして?/ポール・オースター『幻影の書』
ときどき拝見している坂田靖子さんのHPで、最新作の『クリスマス・キャロル』コミック版が出ると知り(あ!坂田先生も先日のリーマン予想の番組ご覧になったんですね!(笑))、Amazonで確認したら昨日が発売日だったので、本屋さんに行ってきました。…残念ながら入荷は28日…ということだったので目的は果たせなかったんですが(今日また行ってきます!)、せっかく大きな書店に行ったので、ちまちまとメモっていた気になる本を(ジャン・コクトーが住んだミイ・ラ・フォレなどが載っている写真集『作家の家』など)を立読み(立ち見?)してきました。

…で、まったくノーマークだったんですが、ポール・オースターの『幻影の書』というのを衝動買いしてしまいました。ちょうど先日『スモーク』を途中まで再見したところで(←原作・脚本がオースターです)、なにかいかにも「物語」「おはなし感」(?)が改めて印象的だったので、オースターの小説をちょっとチェックしてみたいな、と思っていたこともあり…(過去に読んだことがあるのは、『スモーク』の挿話として出てくる短編『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』だけなんです)それと、店頭のポップやオビにオースター最高傑作とあったのを真に受けまして(笑)。

主人公は、家族を失って絶望のどん底にいる文学教授。偶然見た無声コメディ映画に救われ、現実の辛さから目をそらす手段として、その映画の主演俳優ヘクター・マン…ずっと昔に行方不明になったまま世間から忘れられて、とっくに死んだと思われている…の、映画についての本を書きます。そしてある日、へクターの妻と名乗る人物から、じつは彼はまだ生きているという手紙をもらいます…。そこから始まる探索という形で、いくつかの短編をつづり合わせたように、複数の人物についての物語が語られ、最後には全体のストーリーが完結します。

題材が映画ということもあり、引き込まれて一気に読めましたが…正直…自分でも何様だ私、とか思うんですが…「なんだ、普通の小説ってこんなもんでいいのか…」と、思いました。ああ!傲慢な言い方でごめんなさい!(先日のテッド・チャンについての感想を書いてから、「SFじゃない小説っていったい…?」というのが頭にあったらしいです…(^ ^;))こんなもんに人は二千数百円も払うのか。それとも、それだけ払った以上は値段ぶんの価値を読みとろうとするのか…と。(ああ!返すがえすも何様だ私!(^ ^;))

いや、面白いんです。続きが気になって、どんどん読める。でも私の目には、典型的な男思考の都合のいい物語、という限界が目立ちすぎました。男はつねに救われ、女は男になにかを与えるためだけに生きている。虫がよすぎる。…そういえば『スモーク』もそうだったんですが、登場人物はなにがしかの不幸(しかも直接的には自分の落ち度ではない不幸。ここがポイント)に見舞われることで、ある種の「常識を破ってふるまう権利」や「自由」を手に入れるんです。どうも私の目には、キャラクターに特権を与える手段として、簡単に身内を殺しすぎる気がします。一見不幸に見舞われたキャラ、同情できる対象のように見えますが、じつは失ったものより得たものの方が(物語のなかの力学では)桁外れに大きい。それがすごく、作劇上お手軽と言うか、都合がよすぎて、安っぽく見えてしまう。…まるで昨今のティーン向け映画が、不治の病を安易に恋愛のスパイスにするみたいな感じで。

…そして物語のなかで起こることが作り物っぽすぎる。物語のなかでの現実世界とフィクション(劇中劇)の間に、リアリティーの差がないんです。むしろ、(監督作もあるくらいで、映画制作には通じている方なので)映画のディテールについての描写はすごくイキイキしてるんですが、物語の中での「現実」になると、なんだか展開がムリヤリっぽい。ただ、ラストの数行はすごく気に入りました。その直前はやっぱりムリヤリだけど(笑)。

…つらつら考えて、そうか、小説ってもともと「おはなし」なんだから、作り物感100%でいいんだな、きっと…という、とりあえずの結論に至りました。「ポールおじさん、なにか面白いおはなしして!」という感じで、お話をしてもらうだけなんだと。…でもその点でいえば、テッドおじさんのほうが「おはなし」の仕方が数段上手い…ように…感じます。(ひいき目?(^ ^;))せめて読んでいる間だけ、だましてくれればいいんです。これはもちろんストーリー自体のリアリティーじゃなくて、どういう額縁を用意するかとか、仕掛けの問題ですけれど。そしてなにより読者の好みの問題、ですね。そう言っちゃえば、もうここまで書いたことはみんな無意味かもです!

どんなに荒唐無稽なお話でも、自分好みの物語をうまく語られると、醒めないで読めるもの。そこに耽溺して、表層的であることが必然の現実生活(^ ^;)では満たされない部分を癒すことこそが、「おはなし」を求める…物語を読んだり、映画を見たり、ゴシップに興じたりする…目的かもしれない。…そのへんを考えていたら、そもそものフィクションの存在意義…なんてとこにいき、それなりに、なにか納得がいった気がします。たかが小説に(こら(^ ^;))2000円以上払う、という「体験」もいい経験になりました。そしてこれが「最高傑作」なら…やっぱり「こんなもんでいいのね」という、へんな安心を感じるのが、正直なところです。
…(この「最高傑作」という言葉が最初にあったので、こちらの要求が高くなりすぎた、というのがあると思います。絶対。でも、私の鑑賞眼の偏りや未熟さが理由であるにせよ、「小説ってこんなもんでいいのね」は本音でした。
それでも、ヘクター・マンのキャラクターは魅力的でしたし、読むに耐えないものを最後まで読むほど親切ではない(?)読者が、最後まで読めたこと自体、面白かった証拠だと思います。紙に書いた映画みたいなので、もし映像で見ていたら…そして「最高傑作」なんて肩書きがなければ…この作り物っぽさが、むしろユニークな長所として印象に残ったことと思います)

 

2009/11/25

この圧巻を、ぜひ。/テッド・チャン『息吹』
待ちに待ったS-Fマガジン1月号が発売になりました。テッド・チャン『Exhalation』の邦訳掲載号です!今回は先に初掲載時のアンソロジーを読むことができたので、個人的には再読でありますが、やはり最後の2ページくらいになると目が潤んでしまいました。喫茶店で読んでたので困りました。(笑)

作品についての紹介と感想は、前に読んだときに書いたので、そちらをご覧ください。
(→テッドちゃんの部屋・『Exhalation』感想…このときは、未読の小説を英文で読むこと自体…ネットでしか読めないスラッシュや無料ネット図書館の拾い読みをのぞけば…初めてだったので、誤読を恐れていましたが、今回の邦訳を読むと「そのとおり」の話だったので、ちょっとホッとしました(^ ^;)。ただ、感想の中で「この作品がそれではないか」と書いているAIものは、今回の解説によると別の作品だそうで、もうすぐ完成するそうです)

とにかく芳醇な、端正な短編です。わずか13ページ。信じられない。ラスト2ページのイメージの圧巻ぶりと、同時に胸を締め付けられるある種の、感傷的感覚。でもこの感傷は内向きのじめじめしたものではなくて、夜に一人で星空を見上げて、それがあまりに広大なのを認識したときに感じるものと似ています。(だから感傷というのはちょっと違うかもしれないんですが、うまい言葉が見つかりません…前の感想を読み返したら、そちらでも感傷という言葉を使ってますね…ボキャブラリーが増えてないわけです…)

前にも引用しましたが、ここが心にダイレクトに響きました。(拙訳で失礼します)

そのようにして、私はふたたび生きる。あなたを通して。

…SFに限らず、小説読書量自体が少ない自分は、常にそちら方面にアンテナを張ってるわけではないので、テッド・チャンの作品を知るチャンスを得たのは偶然の幸運です。そんな私なんぞがおすすめと言うのは僭越で気が引けますが、逆に言うと「SF読み」でなくとも引きずり込まれる作品なのだと思います。
そんなわけで、ジャンルの枕詞なんかいらない、普通に(?)珠玉の作品だと思うんですが、「SFならではの作品」とよく評されているんですよね。そのへんが自分にはよくわかりません…。あてているものさしが自分用すぎるのか、あるいは「SFでない小説」というものが、よくわかってないのかもしれません(笑)。でも、よくチャンと並び称されるSF作家のグレッグ・イーガンの作品は、私の目にはまったく印象が違いました。…なので、「…が好きな方におすすめ」という勧め方が、私にはできません。
でも、 この美しい圧巻、機会があったらぜひぜひ多くの方に味わっていただきたいです。

…この号はSFマガジン自体の五十周年記念号でもあります。(今月は海外SFで、来月は国内SFの記念号になるらしいです)…すごい。私の生まれる前からあるんですね、SFマガジンて。まあそのおかげで今月号は高くて、正直びっくりしましたが(笑)、その巻頭を飾るのがテッド・チャンというのが嬉しい!そしてそのほかの現在の代表的作家さんの作品と、過去の傑作再録も載っていて豪華です。私のような「SFはそこそこ好きだけど量は読んでない」なまぐさ者には、一気に視野を広げてくれそうな(?)一冊です。他の作品もこれからゆっくり楽しもうと思います。…レトロSFのビジュアルが好きな自分としては、創刊号の表紙イラストを紹介したカラーページも魅力的です。あ、グラビアでは海外作家さんの祝辞と写真も載っていて、テッちゃんせんせのもあります!横浜でのワールドコンに触れていて、ちょっと嬉しいです。(笑)

…今回のチャン作品の解説に、イメージソースとなった本が書かれていて興味深かったです。二つあるうちのひとつ、フィリップ・K・ディックの『電気蟻』というのは読んだことないので、探して読んでみようかと思いました。もう一方はロジャー・ペンローズの『皇帝の新しい心』!・・・ペンローズさんは、ここではまだ話題にしたことが(たぶん)ないのですが、じつはここ数ヶ月くらいちまちまと調べている事柄に関連して、何度も出会った名前なんです。で、しょーがないので(?)先月『ペンローズの“量子脳”理論』というのを買ったばかり。関係書籍のなかでは文庫で比較的安かったので…。(←しかも拾い読みしただけで放置中…(^ ^;))

『皇帝の新しい心』は気になってるのですが、ぶっちゃけあまりに高いので避けたんです…。(だって7770円て…(^ ^;)みすず書房の本て面白そうなのばっかだけど高すぎる〜っ!デフレの波は本には及んでくんないのか!?「みすず文庫」とか廉価にしてくれたらじゃんじゃん買いたいんだけど〜!(泣))
でもテッちゃん先生が読んだのなら…読もう。読むわ。高いけど。それに私には難しそうだけど。そしてやっぱり高すぎるけど。…図書館にもあるので、買えなかったらそのエントロピーの話のとこだけでも…。
(…感覚としては…ミスドでコーヒー飲んだ次の日に、大好きな大食い芸能人のブログに「昨日ミスドでエンゼルクリーム20個食べちゃいました♪」と書いてあるのを読んで、「うわ、ミスドに行ってたのは同じだ♪」と喜びつつ、「次はエンゼルクリーム食べよう!(20個は胃にも財布にも無理だけど)」…と密かに決意する…みたいな…感じ…かも。←すいません、ひどすぎました(^ ^;))

しかし…そうか、エントロピーか。初回に読んだときにはその単語で思い浮かべはしませんでしたが、イメージはたしかにそうですね。知識が豊富だと、たぶんアナロジーとしてのイメージの重奏・・・の、「音数」が、やっぱり増えるんでしょうね。でも、特定のアナロジーとして読まなくとも充分、というか、別の切り口で感動できました。ちゃんと描写してくれているので、そこを読みとれば充分なんです。そしてなによりそのイメージが、脳に快楽を与えるという意味で、美しいのです。…その美しさの基盤が(具体的なアナロジーを思い浮かべなくとも感じられるくらいに)堅牢なので、感傷的な感覚にも安心して浸れるというか。そのへんの「さじ加減」・・・堅牢で美しくてハイブロウなのに、読者の知識量に依存しない品の良さが…そしてそれを成立させられる密度が、読者に伝えることができる力量が…やっぱり飛びぬけているんでしょうね。

…ちょうど先々週ある本を読んでいたとき、エントロピーの話が織り込まれてて、ちょっと自分のもっている「おおざっぱなエントロピー」のイメージではとらえきれなかったので、きちんと知ろうといろいろ漁っていたところなんです。ペンローズの本での、そのへんのことについても触れるらしい、テッちゃんのインタビューは、今号でなく次々号に掲載されるらしいですね。お話についていけるように、それまでに予習しとこう・・・。

(最近は以前にも増して本を読む速度が遅くなったので、必死こかないと間に合わないかもしれません。コミケもあるし…!私の脳も「気圧が」下がってるみたい…ってバカなこと言ってる場合じゃないかも…(^ ^;))

 

2009/11/22

宇宙探偵第5回と、 久しぶりのスーパーマン♪
『宇宙探偵ホォムズ&ワトスン』第5回目をアップしました。よろしかったらのぞいてやってくださいませ。前にページが増えて完成を見送ったやつです。地味に手間がかかってるのですが、あんまりそう見えないのがくやしいです。(笑)

…冬コミ原稿や今回の原稿で、コミスタ作業がぶっ続けの今日この頃です。明け方4時までとか、なにげに修羅場モードの日もちらほら。…でも、絵は時間をかけると描くのが面白くなってくるんですよね。効率的にやろうとすると、とたんに体が金縛りにあったように動かなくなり、胃も痛くなって、描くのがいやでいやでたまらなくなります。なぜだろう?

まあそれはともかく、机に張り付く時間が増えたので、いろいろCDを引っ張り出して聴きながらやってます。作画のときは映画のサントラが自分には一番です。ずっと気に入っていた、100均製のSF映画テーマ集CDが行方不明になってしまったので、とりあえずスーパーマンのテーマが聴きたくて、『スーパーマンリターンズ』のサントラを掘り出しました。…繰り返し聴いていたら、なんか映画自体が見たくなり、さきほど夕飯がてらDVDで途中まで見直しました。ああ!ほんとに贅沢なスーパーマンだったなあ…。続編がポシャッて本当に残念です!今からでも企画復活してくれないかなあ。ブランドン・ラウスくんのスーパーマンの美しさは、もう特筆ものですよ。そしてブライアン・シンガー兄貴のねばりのある(?)演出とこだわりの映像はもう、大吟醸ですよ。宝物ですよ。

…映像にお金をかけすぎて、観客動員はあったのに制作費をペイできなかったのが、シンガー兄貴続投不可の理由らしい…なんてことを聞きましたが、逆にいうとこういう贅沢作品はもう見られないってことなのか…。(X−MENの次回作をやるって話が出てるらしいので、そんなこともないかもですが…とにかく兄貴のヒーロー系映画は大好きです!)…それは別としても、この作品、十年くらい経ったら奇跡の一本として再評価されるんじゃないでしょうか。…飛行機のシークエンス見たばかりなので、なんか褒めちぎってしまいます。ほんとにすごい!

こーいうのは画面が大きいとやっぱいいんですよねえ・・・。じつはここ半月くらい、テレビの録画をするために買い換えなきゃいけないレコーダーやなんかをリサーチしてるのですが、余波で、プロジェクターとスクリーンのセットが十万以下でも買えるのを知ってしまいました。レコーダーと部屋のDVDプレーヤーを買い換えること(なんか、デジタル番組を録画したDVD−Rは、うちのみたいな古いDVDプレーヤーでは再生できないらしいんですよね。どこまで余計な出費をさせる気なんだこの業界!(怒))…を考えたら、少し予算を足せばプロジェクターのほうに手が届きそう。…なんかもう、テレビの録画なんかあきらめても、自分の部屋でどーんと大きな画面で好きな映画を見られるなら、そのほうがよっぽどシアワセかもなあ…なんて思ったり。

…でも自分の部屋の狭さを考えると、ベランダで象を飼おうとするようなものかもです。うーん…。(^ ^;)

 

2009/11/21

『素数の魔力に囚われた人々〜リーマン予想・天才たちの150年の闘い〜』
テレビ番組ですが、すっごく面白かったので感想を!
…先日、NHK総合のほうで、リーマン予想という、素数に関係した数学の難問に関わった数学者たちの番組をやってました。最後の15分くらいしか見られなかったんですが、なんだかすごく面白かったので(数学はまったくダメなのですが、番組の作り方が上手かったのです)、関連番組のお知らせにあった、NHKハイビジョンのほうの番組をチェックしまして、たった今見終わったところです。どーも総合でやってたのは、このハイビジョン特集の編集版だったようです。(ハイビジョンのほうが30分ほど長い。前にも別の番組がこんなバターンで放映されてたような記憶が)

自分が素数について知っていたのは「1と、自分以外では割れない数」ということだけでした。でも、番組はそれでも充分楽しめる作りになってました。
素数は、小さいほうから順に見ていくと、完全に不規則に並んでいるように見えるそうです。ところが、ゼータ関数という関数のグラフ上で見ると、「ゼロ点」と呼ぶ一直線に並ぶそうなんです。これを発見したのが、リーマンという人。(いかん、やっぱ笑えちゃう名前だ(^ ^;))で、リーマン予想というのは、「すべての素数はそのグラフのゼロ点上に並ぶはず」というものだそうです。で、それを数学的に証明しようとしたり、反証しようとしたりした人たちのお話と、素数の性質自体の噛み砕いたイメージを紹介した番組でした。数式音痴にもわかったような気にさせてくれるのがすごい。(笑)(あの「素数階段の高さ」って、ようするに素数の「個数」を視覚化してくれたんですよね。素敵な映像でした!)

リーマン予想の証明(あるいは反証)はとても難問だそうで、これに関わったばかりに精神的におかしくなったり、自殺した人まで・・・という話で、ある意味ファム・ファタールものみたいな切り口で仕立ててありました。CGを使った映像もすごく良くて、「素数の何がそんなに魅力的なのか」が、シロウトにもイメージできて面白かったです!出てくるエピソードもドラマチックで…チューリング・マシンという単語でだけ聞いたことのあるアラン・チューリングが、「同性愛疑惑をかけられた二年後に自殺した人物」だったなんて知りませんでした!(食いつくのはそこかい(^ ^;))

…式を見ても意味がわかりませんが、素人にもワクワクできるのは、最後に紹介された物理学とのフシギな符合です。なんでも、さきほどのリーマン予想の「ゼロ点の間隔」(追記・テレビ見ながらメモしたのをそのまま書いちゃったので日本語がヘンになりました。一直線のはずのゼロ点の間隔ってヘンですよね。(^ ^;)映像ではゼロ点上の素数の位置の間隔、でした)を表現した式が、「原子核のエネルギーの間隔」(こちらも舌足らずでした。原子核のエネルギーは変化するそうで、その変化のなかで一定以上のエネルギーが現われる位置の間隔、みたいです。グラフの軸になにをとるのかはわかりませんでした)を表現した式とすっかり同じなんだそうです。…素人の目には、なんかいろいろいじくった結果の符合なので、「聖書をこういう風に読み替えるとこーいうメッセージが見えてくる」みたいなトンデモ系と似たようにも見えちゃうのですが…(^ ^;)、でも物理学の成果は現実に「機能」してますから、そーいうのとは次元が違いますよね。…数学が面白い、という気持ちが、少しだけわかった気がしました。(高校時代にこーいう面白い「イメージ」から数学に触れていたら、もう少し興味が持てたかもしれないなあ…と思いました。あの頃の私の目には「ひたすら無意味なものを暗記するだけの無味乾燥な科目」としか映らなくて、大嫌いでした…。「その裏に意味が隠されている」と思えたら、ぜんぜん違っただろうなあ…)

…この問題が解かれると、いわゆる万物理論の解明にもつながるかもしれないそうです。そうなると大げさでなく、種としての人類が別段階に入るくらいの大ごと…ですよね!壮大な話でワクワクしました!前にやってたポアンカレの番組も面白かったけど、今日のもほんとに面白かったです。
しかしフリーマン・ダイソンジェームズ・クロムウェル似でかっこよかった〜!(笑)この方って、一昔前のSFネタ(?)なんかで名前が出てくる、「ダイソン球」の人…ですよね?…って、これもなまかじりでちゃんと理解していないんですが…。「有名なキーワード」になってるご本人の動く映像ってだけで妙な感慨が。…ていうか、もう歴史上の人物みたいなイメージでした…リアルタイムの人だったんですね〜…。
(番組は、NHKハイビジョンで11/27(金)午後10:30−11:59に再放送するそうです。ご興味のある方はぜひどうぞ! )

…とゆーわけで、一時間半テレビ見てしまいました。…現在、冬コミへ向けての原稿をやってるのですが、この週末にサイト用の宇宙探偵をアップしたいので、中断してそっちの作画をしてます。今晩中にアップしたかったんですが、ちょっと無理になりました…連休中にはなんとかアップしたいです。(これをやったばっかりに冬コミ原稿が間に合わなくなったらどうしよう…なんて考え始めるときりがないので、とりあえずやってしまうことにしました〜…(^ ^;))

 

2009/11/20

ムラマサご臨終(泣)
メインのノートPCがイッてしまったときに大活躍してくれた、ミニノートのMURAMASAくんが、お亡くなりになってしまいました…というか、自分の過失で死にいたらしめてしまいました…。傾斜のつくバインダーを重ねたうえになんぞ置いていたのがいけませんでした。雪崩のすえスチールデスクの足に激突。(泣)・・・すぐに起動してみましたが、モニタに映るのはノイズばかり。・・・どこがイカレたんだろう。振るとカチャカチャ音がするのが気になります。(^ ^;)自力で直せるものなら直したいけどなあ…。でもムラマサは、廃棄するとき以外でユーザーが開けることは想定してない構造らしいのです。(説明書にメモリの増設の解説もない!)…ちょっと私にはハードル高いかも。やるとしたらダメもとということに…。

…ポメラが来てから使うことが少なくなっていたものの、いざメインPCがダメになったときには、こちらでネットにつないで情報収集できる…というのは、とてつもなく安心な保険でした。いちおう古いPhotoshopも入れてあったので、画像の印刷もできるし…。今度そーいう事態になったら、情報収集のためには安いネットブックでも買うしかありませんです。とほほ。冬コミ前のこんな時期に、そんな事態にならないよう祈るばかりです。・・・とにかくMURAMASAくん、今までありがとう。

…わたわたしているうちに、HTVは再突入し(日本製の宇宙貨物船。…再突入で燃え尽きさせた…ということは使い捨てなんですね)、円楽さんが亡くなり、レヴィ=ストロースも亡くなり(ずっと「レヴィ・ストロース」でフルネームだと思ってました。ナマかじりばっかりしてるとこーいうことに(^ ^;))、ヨドバシで『トキワ荘の青春』を発見し(阿部サダヲさん人気の余波でしょうか?それともモッくん出演作の再評価?なんにせよもっと早くDVD化してくれても良かった作品です。嬉しい!)、噂のKindleが日本のAmazonでも発売になり…と、いろいろなことがありました。
…一瞬気を引かれてメモっておいたものの、日記に書けなかったことをだらだら羅列してみました。(笑)

DVDも、家族の留守をねらって(笑)大きいほうのテレビでいくつか見ました。手持ちソフトの再見では『2001年宇宙の旅』『スター・トレック/ファーストコンタクト』・・・を堪能しました。SF映画はやっぱ大きい画面だとイイですね!自分の部屋のも大きくしたくなってきました。(予算とスペースの関係でむずかしいのですが…(^ ^;))

いまだにDVDが出ない『マカロニ』はVHSで見ようとしたんですが、画面が拡大されると粒子の粗さが際だって悲しいので、冒頭だけ見てやめました。もともと画質がイマイチなのです。かわりにDVDで『スモーク』を途中まで見て、家族が帰ってきてしまったので続きはお預けです。BSでやってた『ローマの休日』も、久しぶりに見ました!やっぱり何度見てもいいですね♪

新作では、新メンバーの『スタートレック』をレンタルで見ました。以下は見たときの感想です。

新作『スタートレック』
カーク船長が船長になるまでのお話、という、いわばスタトレ・ビギンズ(?)なのですが、なるほど!上手く扱ってます!こういう仕掛けなら、新しい要素を盛り込んで、スタトレ世界を熟知しちゃってる人にも予想不可能の、「歴史」を作れますね。こりゃうまく作ってあります。それでいて、細かいとこでオリジナルからの引用キーワードが出てきて、ニンマリさせてくれます。ファンにも、スタトレ知らない人にも楽しめるように・・・という配慮、うまくいってると思いました。スタトレでは、この作品でも利用している●●ネタ(←未見の方のために自粛(^ ^;))のものは、出来のいい話が多い…というのが定説らしいのですが、またも裏書きされたような。…SF的アイデアでありつつ、心情的な部分でのドラマを織り込みやすいので、ストーリーを面白くしやすいんでしょうね。

…しかし、SF的アイデアがテレビドラマレベルでも使い尽くされている昨今の作品としては、道具立てやストーリーにはお手軽感は感じました。導入部のあまりのテンポのよさと、設定説明の手際よさも、逆に映画というより「イマドキの海外ドラマ」っぽいですね(笑)。それに…ブラックホールを通ると●●できちゃうんですか???ていうかあの赤い物質はいったい…?…もしかしてちゃんとした裏設定があるのかもですが、映画で見る限りはそのへんの説明はなしで、「なにかそういうモノなんだろうな」って感じでした。まあお話進めるにはそれで充分ですね。スタトレの特徴(?)みたいに言われているテクノ・バブル(ワケのわからない専門用語満載の会話。雰囲気が出て私はわりと好きですけど(笑))を避けたのかもしれません。これもいちげんさんへの配慮かも。

…個人的には、スタトレはTNG(第二シリーズのThe Next Generation。ピカード艦長のシリーズ)でハマりました。なので、TOS(最初のシリーズ)にはそんなに強い思い入れはないんです。(好きは好きですが、愛も知識も、世に言う「トレッキー」のレベルには遠く及びません)ですが…いやー、なんかウルッとくるとこもあり、思った以上に楽しめました!
主役のカークはオリジナルのウイリアム・シャトナーとはぜんぜん似てませんが、細かいとこがきちんとTOSしてる感じがしました。なんのかんのいって生身の殴り合い(笑)なところとか、カークとスポックのからみの感じとか。

作品についての予備知識を仕込んでなかったおかげで、「ええーっ!ウィノナ・ライダー!?」とか「ええーっ!ホット・ファズ!?(名前覚えてなくてスミマセン)」とか、単純に顔見てびっくりしたり(笑)。レナード・ニモイがゲストで出ているのも知りませんでした・・・ちょっと感動しました。やっぱ歴史を感じますね。ウィリアム・シャトナーは出られなかったのかな。最後のお馴染みのナレーションは、やっぱスポックじゃない気がするのですが…。新しいカークでもよかったのでは。でもまあ、少なくともオリジナルメンバーの声で、というのは、リスペクトと、オリジナルのファンへの心遣いを感じます。

ところで新しいスポックさんはなかなかかわいい♪ポン・ファー(バルカン人の発情(?)期)のネタは出てきませんでしたが、このスポックとカークならスラッシュもわんさかできそう(笑)。(でもなんかスポック受けな気が。…伝統的なアチラのスラッシュはカーク受けらしい、ってイメージ持ってたのですが・・・いや、どっちでもいいか(^ ^;))・・・今ネットでプロフィールを見てきて、『HEROS』に出てた人だと知って二度びっくり!です!お試し版でシリーズ最初の話を見たきりだったんですが、ちょうど先日借りた『フロスト×ニクソン』にオマケでシーズン3の第一話が入ってて、このスポックさんがすごく悪そうな役で出ているのを見たばかりでした。ぜんぜん顔も違ってほんとに驚きました。

ウフーラもすごい美人でした。しかし彼女って・・・(自粛)だったんですか?そんな設定もともとあったのか、この作品でのオリジナル設定なのか、自分にはわからないんですが、あのシーン(これも自粛)はこれまたびっくりでした。

TOSでは一番好きなのはドクター・マッコイなのですが、マッコイ役の人、なかなかオリジナルのディフォレスト・ケリーに似た雰囲気で、ニンマリしてしまいました。チェコフはかわいかった・・・すごくかわいかった・・・。あのメンバーの中では比較的若いキャラだったんですね。知りませんでした。スールー役の人はどこかで見た覚えがあるのですが、思い出せません。エリック・バナは・・・あのメイクじゃ言われなきゃわかりませんよ!(笑)最後にクレジット見て、「どこに出てた?」と本気で一瞬思いました。(案外丸顔なんですね!)

嬉しかったのは、カークにハッパをかけるパイク船長(ああいうありがたい大人のキャラって映画ではお約束ですが、現実にはあまりいないですよね(笑))をやっていたブルース・グリーンウッド『13デイズ』でケネディをやってたのがすごく良くて覚えているのですが、あのころよりさらに美人になったような。・・・スポックの父サレクをやった元・炎のランナー、ベン・クロスは、やっぱりユリ・ゲラーに似てました。(笑)

・・・しかし、こーいう映像の映画は、ストーリーうんぬん以前に、やっぱり大きい画面で見るべきですね。劇場行っとけばよかったー、と思いました。

…これを見て、なんとなく懐かしくなって『ファーストコンタクト』(スタトレ映画では一番好き♪)を再見したわけですが…スタートレック(個人的には、とくにTNG)が独特なのは、レギュラーの登場人物が宇宙艦隊の人たちで、いわばエリートであることですね。これはいい意味で。ガジェットだけSFで、人物はチンピラ…みたいな、クール(?)な映画ってたくさんありますが、そういうものとかなり違う性質があります。そういう理想主義的な部分(今回の新作では目立ちませんが)が、今となると牧歌的にも見えます。が、「人類」というつかみ方で、進化を視野に入れられるところに、良き時代のSFらしい醍醐味を感じます。

 

2009/11/14

オバマさん
来ましたねーオバマさん。午前中、テレビで演説の中継なんてやってたのに、知らずにパソコン仕事してて見損ねました。くー。お昼に新聞を見て気づいたんですがもう遅し。・・・でも、負け惜しみで「同時通訳より字幕のほうが見やすいしー」とか言って再放送を狙ってるんですが・・・。しかしこれも、もうCDや演説本化が決まってるらしくて。そうなると、大人の事情で字幕入り放送とかできないかな。やってほしいけど!とりあえず新聞で要旨だけ読みました。

アナログ回帰でデジタルの恩恵を温故知新(?)
・・・ちょっと前に、J庭のアンケートをFAXでお送りしました。(会場で出し損ねたというか、いつも会場では書く余裕がないんです…)で、一コマレポートに久しぶりに手描きで絵を描いたら、これがすごく楽しかったんです。(考えてみたらFAX送信でガタガタの画質になってしまう絵に力を入れるのは無駄でした…(^ ^;))
「手描きはいいよなあ、やっぱり・・・」とか思い、おりから、モニターに向かわないと漫画が描けない状況になってしまったことに窮屈さを感じていたのもあって、「改めて手描きやってみよう」と思い立ちました。ふつうのつけペンなら昔のがあるんですが、なんとなくカートリッジ式の漫画ペンのほうが楽かな・・・と思ったので、昨日それ狙いで画材屋さんへ行ってきました。

コピックのつけペン風のペン(?)は昔試したことがあるのですが、今回タチカワ製の同様のペンが並べて置いてあったので、「タチカワのペン先は使っていたし、こっちのほうがいいかも?」と、そちらを試し描き・・・しようとしたら、見本のペン先が乾いちゃってて描けませんでした。お店の方に試し描きしたい旨お話して、なんかいろいろ教えてもらいました。てっきり新製品だと思っていたそのペンは、二十年くらい前からあるというお話でした。知らなかった…。出た当初バカ売れしたそうです。ただしペン先が乾きやすいのが欠点だそうで、「毎日描くならいいですが・・・」…たまにしか使わないのが言う前からバレバレなのはなぜ。(笑)

それはともかく、「新製品ならこちらですよ」と教えてもらったのが、ぺつの棚にあった、やはりタチカワ製のラインマーカーATというものでした。(帰宅して検索したらAmazonになく、タチカワのサイトにもまだ載ってなくて焦りました。が、画材屋さんサイトには載ってました。10月に出たばかりだそうです)こちらは試し描きさせてもらったらもうすごくなめらかで、ぜんぜん描き味が違うので、値段は倍しましたが(といっても800円くらいですが・・・)そちらを買ってみることにしました。

帰宅後はコミスタで描いた下描きのプリントアウトにトレペを乗せて(なんとなくトレス台を使いたくなかったので)それにペン入れしてみました。・・・ああ、手描きの感覚。顔料インクで描いた線がくろぐろと美しいです。久しぶりで肩がガチガチになりました。(笑)

・・・しかし・・・その線画をスキャンしてコミスタ原稿に貼り込んでみたら・・・なんか線の汚さが際だつ!(これはペンのせいじゃなくて自分の実力(^ ^;))・・・細かいニュアンスは手描きのほうが出るのですが、そのぶんノイズも多いというか。コミスタでは拡大できてしまうせいもあって、少しだけはみ出しを修正・・・のつもりが、とんでもなく細かい修正が入りまくりになってしまいました!

・・・ワタクシ、もともとペン入れは下手なんです。それがコミスタで「ペンの線が描き直しできる」という環境になって、しかも補正がかけられるようになって、かなり助かっていたのだわ…と、今更ながら思いました。

補正をかけると「スッと抜いた線」が消えてしまったり、デジタルにも一長一短はあるんですが、なにより「失敗したらやり直せる」という恩恵は、自分にとっては大きいものなのでした。ctrl + Z使いまくりですもん・・・。(下手な鉄砲も数撃ちゃナントカ・・・(笑))

そんなわけで、「モニターに向かうのがめんどくさい」なんてこと言ったらばちが当たるくらい、コミスタの恩恵に浴していることに気づいたのでした。たしかにデジタル化してなかったら、もう漫画なんて描くのをやめていたかもしれません…。

でもせっかくペンを買ったので、これはこれで使いたい・・・。やっぱり描く快感はあるし・・・。
デジタル原稿は原寸ですが、アナログのペンはやはり、完成時に縮小される拡大サイズのほうが向いてる気がします。(昔から、ペンでサイズの小さい絵を描き込もうとすると、とんでもなくストレスがたまるんです。狙ったところに線が引けないというか、そのズレが小さいサイズだと致命的になってしまうので・・・でもこれはワタシが下手だからですね(^ ^;))
今度モニターに向かうのがいやになったら(?)、下描きを拡大プリントして手描きペン入れ、やってみようと思います。

 

2009/11/

コミケ当たりました
遅ればせながら、冬コミが予想に反して当たりましたので、ご報告申し上げます。(^ ^;)ありがたいことですが、てっきり今回は外れると思っていたので、想定していたスケジュールが全部組みなおしになって、じつはちょっとしたパニック状態です。ご褒美期間のはずなのに、頭が混乱してへとへとです…メモリが少ないんですなあ…。一度にたくさんのものを把握して考えようとすると熱で停止(?)してしまいます。ていうか、人間の脳的には、いっぺんに複数のものが目に入らないようにやらなきゃいかんのですね。一度にひとつずつ…。でもスケジューリングとなると、複数のものの組み合わせシミュレートですからそうもいかなくて。もういっそ、計画なんぞ立てないで、行き当たりばったりのほうがいいのかもなあ…。
とにかく頭が熱くなってしょーがないので、ちょっと逃げ出しました。ドトールでバナナマフィンなんぞ食べてメタボの道を突き進みながら(『ゲットスマート』より借用)、ご報告と、書き損ねていたDVDの感想など。

宇宙探偵第4回
昨晩『宇宙探偵ホォムズ&ワトスン』の第4回をアップいたしました。よろしかったらのぞいてやってくださいませ。いつもながらネタというほどのネタではないですが。今回は某缶コーヒーのCMつながりです。自分だったら誰にこう言ってもらったら嬉しいかなあ・・・。(しばし妄想)

あのCMシリーズの青ビキニバージョンは、同性ながら一瞬ギョッとしました。すごいインパクト(笑)。でもプロポーションがあまりにパーフェクトなので、いやらしく感じませんでした。言ってることは「コクの微糖よ」(でしたっけ?)なのに、キビキビとしたおねーさま口調で無駄にかっこいいところがGoodでした。(笑)

ザ・フォール/落下の王国
家族が出かけたすきに40インチのほうのテレビで見ました。予告編の映像があまりに美しかったので、なるべく大きな画面でみたいなあ、と、じつは狙っておったのです。リモコンが壊れてて音声が日本語になってしまったのですが、映像に集中するにはかえってよかったです。もちろん大きいテレビで正解でした。が・・・それ以前に劇場で見るべきだった!と後悔しました。すばらしい映像美でした。贅沢のひとこと!

舞台は20世紀はじめ頃のロサンゼルス。足を負傷して入院したスタントマンが、やはり怪我で入院中の五歳の女の子と知り合い、お話をせがまれて口からでまかせのおとぎ話をしていきます。やがてスタントマンは、続きを聞きたがる女の子に交換条件として、部屋の外から(スタントマンは歩けません)あるものをとってきてほしいと頼みます…。女の子に語られる「お話」の内容が、大々的なロケを生かした、すばらしく美しい映像で展開します。

予告編と紹介を見て、なんとなく『ダストという映画を思い出したのですが、見てみるとやはり、構造的には似ていた気がします。(題材は全く違いますが) しだいに現実と虚構をないまぜにして盛り上げていく手腕も見事!
(『ダスト』も「物語を語ることについての物語」でした。こちらは運よく劇場で見ることができたのですが、ディテールは忘れてしまいました…でも見た当初、かなり「やられた」ことを覚えています。たしかパンフが紙マッチ風でしゃれてました。『落下の王国』と同様に、登場人物が語る内容が劇中劇のように展開します。メジャーになる前のデヴィッド・ウェンハムが、カウボーイ姿で出ていてかっこよかったです♪思い出したついでに再見しようとしたら、近所のツタヤにはありませんでした…とほほ…)

なんといいますか、ものすごくハイクオリティーの写真みたいな構図と画質で、オープニングから映像に鷲掴みにされました。じっさい、ばかでっかい写真を展示して話題になった写真家さん(名前が思い出せません・・・)の写真と、同じモチーフも出てきました。なにかつながりがあるのかも?とにかくCGの質感でなくて(使ってはいるのですが、それが主役にはならない)、ロケして撮った美しい映像の底力。・・・衣装や表現の仕方、言葉の積み重ねによるテンションの上げ方は舞台劇みたいで、でも映像作品でなきゃ絶対できない。…映像の感覚は、ちょっとタイタスなんかも思い出しました。(あんなに残酷なシーンはありませんが)
着想もすばらしいのですが、なにより技術に圧倒されました。CGとは別の、最先端の映像技術の力を思い知らされた感じです。その美しさが一人歩きしないで、ちゃんと登場人物の心理や物語と絡み合っていて、ほんとに贅沢でした。美しすぎて、もう手もなくぼろぼろと泣かされてしまいました。(笑)

フロスト×ニクソン
…いちおう「腐女子の」と看板出しておりますので、礼儀として(?)「×」に食いついておきましょう。原題のほうもちゃんと『FROST/NIXON』で「スラッシュ」です。(笑)

ウォーターゲート事件で辞任したニクソン元大統領から、罪を認める発言を引き出したテレビ司会者、デビッド・フロストの実話を映画化したものです。この発言を引き出したのが、敏腕政治記者や大物キャスターでなく、人気はあるもののどっちかというとイロモノ系の司会者だったという、ニクソンとの「格差」と、(かなり演出されているのかもしれませんが)どこか「共感」でつながるところがミソみたいです。

ニクソン役がフランク・ランジェラ。近いところだと『スーパーマンリターンズ』でデイリー・プラネットの編集長をしてました。私は「色男OB」ってなイメージを持ってます(笑)。フロスト役はマイケル・シーン。…この方、ワタシの頭のなかでは『オスカー・ワイルド』でワイルドを同性愛に引き込むロバート・ロス役(ちょっと気持ち悪かった(笑))と、『タイムライン』での予想外にマッチョになった姿、『アンダーワールド』では共演していた当時の妻ケイト・ベッキンセールを監督にとられてしまった(笑)、くらいのデータしかなくて、なんとなく負け組なイメージだったのですが、とんでもなかったですね。失礼しました!アンダーワールドシリーズにはその後もちゃんと出てるし!(笑)

…たしかアカデミー賞受賞式のときに名前を聞いた作品なので(受賞したかどうかは覚えてません。ゴメンナサイ(^ ^;))、もっと大作かと想像してたんですが、見終わってみると案外こじんまりとした作品だったな・・・という感じがしました。台詞中心で進んでいくので、舞台劇みたいだな、とも。・・・調べてみたらまんま舞台劇の映画化で、主演二人のキャストも舞台のままとのことでした。

「ガツンと」度は少し足りなかったものの、見ている間は引き込まれて、中だるみなしでした。フランク・ランジェラは顔はぜんぜん似てないけど(ニクソンにしちゃハンサムすぎ(笑))、存在感ありますね。フロストのほうは、飛行機のなかでナンパした美女がそのままいついちゃったり、なんとなく全体に軽いのですが、ああいう人だったのでしょうね。髪型がちょっとあんまりで…まあこれも時代を正確に再現してるのだと思いますが…(^ ^;)

ニクソンへの反撃に転じるところが、ちょっと簡単すぎる感じはしましたが、フロストの協力者たちもいい役者さんがそろっていました。 とくにフロストと一緒に番組をつくるプロデューサー役の人にチェック入りました。声がソフトで素敵でした♪

 

2009/11/

神田古本まつり
イベントが終わって、ご褒美タイムでございます。とりあえず昨日は横浜地下街の古書市をひやかし、連チャンで今日は神田の古本まつりへ。ご褒美といってもこの程度です。(笑)
とくに探してるものもなかったのですが・・・というか、事前にネットで神田古書街の在庫検索をして、あらかじめないのがわかっていたので、気軽にプラプラと見物・・・のつもりでした。いやー、とにかく寒かった!もともと暑がりなので、むしろ汗をかいてそれがあとで冷えることを警戒して、軽めの服装で行って…大後悔。一昨日のビッグサイトの暑さを思うとくやしいです。

でも久しぶりの神保町、嬉しくて一通り回ってしまい、気がついたら四時間ほど歩きっぱなしでした。戦利品は似たようなもの二冊で、『ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内』『シャーロック・ホームズの見たロンドン』。両方とも、ホームズさんがいたころのロンドンの写真が見られる本です。『ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内』のほうは、現在のロンドンの写真と半々くらいです。

『シャーロック・ホームズの見たロンドン』のほうは翻訳書で、最初は文庫版のものをブックオフで見つけて買いました。そのあと単行本サイズのものが図書館にあったので借りて、そちらには当時の地図が入っていたので地図だけコピーして(文庫版には入ってなかったんです)なにかと参照するのに使っていました。今日はその単行本サイズのやつがあったので。写真はサイズが大きいとやはり臨場感が増すので、イメージするのに役に立ってくれそうです。(じつは原書はさらに大きいので、そちらなら地図も読みやすそうだなあ、とは思うのですが、なんせお高いので・・・とりあえず手が出るところで…(^ ^;))

神保町に行くたびに寄るのを楽しみにしているのが、カレー屋さんのボンディーなんですが、今日は並んでいたのであきらめました…。代わりに横浜まで戻ってからパスタでリベンジしました。…あ、昨日もパスタを食べたんでした…。好きなモノばかり食べると絶対偏りますね。(笑)

「水に溶かして飲むんだ」/『ヒドゥン』再見♪
昨晩は、やはりイベント後のご褒美にとっといた『ヒドゥン』のDVDを鑑賞しました。なつかしのアボリアッツ映画祭グランプリ受賞作、当時腐女子(という言葉はまだありませんでしたが)のケのある女子に受けまくった(?)傑作B級SFアクション作品であります。(題材が「B級」なのであって、映画としては傑作だと思います!)ううっ、やっぱりおもしろすぎる!ずっとレンタル落ちのVHSで見ていたので、画面のきれいさと、横長サイズなのにも感慨が・・・。

善良な市民が突然凶悪犯罪者に豹変するという事件がおこり、それを捜査するロサンゼルス市警の警部のもとに、同じ犯人を追うFBI捜査官がやってきて、事件は奇妙な方向へ・・・。(すいません、ネタバレを避けるとこの程度しか書けないです!)ロス市警の警部がマイケル・ヌーリー。(私はこの映画でしか見た覚えがないです)謎のFBI捜査官が、『ツインピークス』をやる前のカイル・マクラクランです。抑えた演技がすばらしいです。
(余談ですが、初めてエリック・バナを見たとき、「…マイケル・ヌーリー?」と勘違いしたことがあります。よく見るとそれほど似てないんですが・・・ていうか、今あんなに若いわけないだろう・・・(笑))

とにかくカイル・マクラクランの浮き世離れした色白おぼっちゃん顔が、これほど効果的だった映画もないのでわ。あの着慣れない感じがよく出ているグレーのスーツといい、おとなしそうな見た目と車の趣味・運転の仕方のギャップとか。色黒ワイルド系のヌーリーとの対照も見事♪ところどころ、さりげなく笑いをとるところがまたよくて。(タイトルにした「水に溶かして飲むんだ」が伏線になるあたりはとくに好きです♪)

87年の作品なので、CGに頼らない分、特撮の部分(とくにアレの正体のデザインとか)は今見るといかにもチャチですが、それを差し引いても充分、見るたびに引きこまれてしまいます♪退屈するヒマなし!火薬やお金のかかった特撮がてんこ盛りでも退屈するときゃしますから、やっぱそーいうのとは関係ないんですね。

今回音声解説で初めて監督のコメントを聞いたんですが、なぜこんなチープな道具立てなのに面白く感じるのか(自分はけっして「ジャンルとしてのB級映画を愛している」ファンではないので…)納得がいった気がします。説明台詞を嫌ってたり、(おこがましい言い方ですが)いろいろと趣味が合う部分があるんです。

そしてなにより、バディもの特有のあの魅力。ふっと息の合う瞬間というか。…この映画でも、その香りが立ちのぼる瞬間がいくつかあるのですが、ネタバレせずに書くことができないので自粛しときます。ああ、こんな映画を作ってくれてありがとう。(笑)

 

2009/11/

スパーク終了
本日は、コミックシティスパークに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださったみなさま、ありがとうございました!今日はちょっと人通りが少ないかな…?と感じましたが、思えばうちのような零細サークルには、これくらいのが普通なんですよね。夏コミ、ムーパラ、J庭と、わりと入口近くで人通りがほとんど絶えない恵まれた配置が続いたため、そう感じたのでしょう。疲れがたまっていたのもあり、 ちょっと頭のエンジンがかかりきらないうちに終わってしまった感があります。何人かの方とせっかくおしゃべりさせていただいたのに、いまいち「ぽんやり」だったかもしれません。ゴメンナサイ。(^ ^;)

いまさらエンデ
それはそうと、なぜかやる気が出たというか、先週のJ庭とは違う意味で、やるべきことが絞り込めた「感覚」を得たイベントでした。どこがどう、とは自分でもはっきりしないのですが…。

ここのところ、ちょっと前にテレビでミヒャエル・エンデ(『果てしない物語』や『モモ』で有名な作家さん。故人です)の二十年以上前のインタビュー番組の再放送を見たり、それでこれまできちんと読んだことのなかった『モモ』を衝動買いして読んでみたり(まだ読了してませんが)、その他イロイロの流れがありまして、そのなかで・・・ということみたいです。

モモ』は有名なので説明不要かもですが、浮浪児の女の子と「時間どろぼう」の話です。この設定自体は知っていたのですが、実際読んでみると心に響く言葉がありまくりで、ああ、年くってから読んでよかった、なんて思いました(笑)。

一番がつんときたのが、

けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。 (『モモ』岩波少年文庫・p106)

…という一文でした。たぶん、もっと若い頃に…周りの友達がエンデにはまりまくっていた学生時代(一種の社会現象的な人気でした)に読んでいれば、時間どろぼうと戦おうとするモモたちのほうに、よく考えもせずに(笑)自然に、感情移入できていたことと思います。でも今の年齢で読むと、身につまされるのは時間どろぼうの餌食になった人々、ひいては時間どろぼうそのものなんです。効率対費用効果を、道徳…とは言わないまでも、それに近い位置に置いている自分に気がついて唖然としてしまったのです。効率が悪いことは一種の「悪」である、という感覚が、なんと自分の中にあって…。「効率」という意識がいきすぎることで、まるで「生きていない」状態になることも、最近身にしみています。ときどき「なるべく良い選択肢を選ぼうとして、身動きがとれなくなってしまう」ことがあるんですが、その根底に、この「効率=優先されるべきものという価値観」と、「その価値観と融合できない部分」の葛藤がある…ような気がします。

…それが、今日のイベントとどう結びつくのか?というと、自分でもわからんのですが…なにか「腑に落ちた」感じがしています。自分でも微妙な感覚なので、一晩寝たら忘れちゃいそう(笑)。でもまた思い出したい感覚です。

・・・しかし、あのインタビュー番組、気がついたのが遅くて途中からしか見られなかったんですよ。もう一回やってくんないかな〜。(…じつはちょっとデジャヴもあったのです。もしかしたらリアルタイムに見たのかもしれません)

ところでエンデは、挿絵も自分で描いてたんですね。びっくりしました。学生時代の友達の画風が、じつはこの絵の影響受けまくりだったんだな…ということを、二十数年後の今になって発見しました。(笑)

 

2009/10/27

『クロウ』再見
・・・イベント疲れが抜けませぬ。昨日は全身筋肉痛と貧血Maxで動けず、今日は足の痛みが抜けないのと、やはり貧血が抜けなくて半病人です。参りました。レバーとかほうれん草とかむきになって食べてるのですが、胸焼けするだけみたいな感じが。(^ ^;)

さて、こういうときは面白い映画でも見るに限る!というわけで、1〜2ヶ月前に衝動買いしたまま開封していなかった『クロウ/飛翔伝説 』を昨夜見ました。ストーリーはほとんど忘れていたのですが、奇しくも今週末あたり(ハロウイーンの前夜とハロウィーン当日)の話でした!

お話は、結婚前夜に婚約者と共に惨殺されたロックギタリストが、一年後によみがえって殺人者に復讐する・・・というもの。あらすじ書き出すとこれだけなんですが、とにかく雰囲気でもってかれます!大傑作です。(原作はコミックですが、音声解説によると、主人公の職業含めてだいぶ映画オリジナルの要素があるようです)

見た当時かなり「シビれ」た作品なのですが、なぜか近所のTSUTAYAにないんですよね。で、ヨドバシで廉価版が出ているのを見かけて衝動買いしてしまったんです。見た当初は絵はがきとか買って、友達に送っていやがられたような記憶が。(主人公がよみがえったあと、白塗りメイクで復讐するときの写真なのですが、映画見てないとただ不気味なだけか、地味なKISSか聖飢魔U?って感じなので(笑))

公開当時は、主演のブランドン・リーブルース・リーの息子さんです)が、この映画の撮影中に誤って銃に実弾が入っていたため亡くなった、という話題性が先行してしまいました。昔見たときも、「どのシーンで撃たれちゃったんだろう?」と気になった記憶がありますが、なんせ不死身で撃たれまくるので(^ ^;)、どこで間違いが起こってもおかしくない感じです。今回ネットで正解を知りましたが・・・未見の方には興ざめですので自粛しときますね。あらためて見てみると、そんな話題性抜きにしてやっぱり傑作です。

今回思ったのは・・・技術の高さです。俳優陣の演技はもちろんなんですが、編集がすごい!とにかくすごい!そしてライティングとかいろいろなものを含めた、映像の質感。短いイメージショットをいくつも重ねて「かっこいい絵で語る」手法。音楽とのマッチング。ひっくるめて「雰囲気」。音声解説では、この作品以降、この手法をマネした映画やゲームがたくさん出た、とのことでした。一見「よくある」と思えるのはそのせいでしょうね。むしろ後続の作品の記憶が生々しく脳裏にあるので、ルーツのほうを見てデジャヴを感じてしまうんです。

最近のところでいえば、『ダークナイト』。ジョーカーはメイクがもともと似てるのですが、あのヒース・レジャーのジョーカーは、クロウと悪役のトップ・ダラーのキャラが両方が入ってる感じがします。(もちろんさらにオリジナリティーもありますが!)それと、トップ・ダラーが手下たちを集めてミーティングをするシーンがあるのですが、そのシーンなんかまるごと「ダークナイトにもこんなシーンなかったっけ・・・?」という感じが。(ダークナイトは一回しか見てないので、勘違いだったらごめんなさい!)あ、これまた奇しくも早世俳優の遺作ですよね。なんという偶然か・・・。

とにかくブランドン・リー、はまり役です。ほとんどこれでしか見たことないので、白塗りメイクの顔でしか思い出せないくらいです。しかしまだ28歳だったそうで・・・お父さんのブルース・リーが亡くなったのが32歳だそうですが、それよりさらに早く亡くなってしまったわけですね。この映画ではカンフーはしないのですが、アクション含めて演技もすばらしいので、つくづく惜しまれます。(ちょっとユーモラスに横走りするところは覚えてました。コミカルな演技もうまかったんだろうなあ・・・)

・・・予想はしていましたが、止まらなくなって音声解説まで一気に見てしまい、疲労回復どころか寝不足に。(笑)でも精神的には栄養でした。これとゴッド・アーミーヒドゥンあたりを並べて(もちろんすべて一作目で)三本立てとかしたいなあ。「あの頃」な血が騒ぎそうです…。(笑)
(…って、今Amazonにリンク貼りに行ったら、ヒドゥンの単品廉価版が出たばかりじゃありませんか!ずっと二作目とのパックしかなくて、二作目はいらないので(笑)食指が動かなかったんですよね〜。一作目で音声解説つきでこの値段なら、もう速攻買います!うふふ、DVDで夢の三本立てができるぞ〜♪…そしてこれでやっと、大事にしてきたレンタル落ちVHSとはおさらばですわ…(笑))

 

2009/10/25

J庭終了
今日はJ.GARDENに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださったみなさま、ありがとうございました!朝雨が降っていたので、ちょっとどうかなー、と心配だったんですが、会場は大変な熱気でした。(でもちょいと波が引くのも早かったような…?)初売りもののエコバッグは予想よりお手にとっていただけて、来週のシティ用だった分までなくなり、残り一枚になりました。嬉しい誤算です。たしかシティのカットにもエコバッグありますと書いてしまった気が…ちょっと1枚ではなんなので(^ ^;)追加で作って持って行きますね。(まだ2、3枚分の素材が残っていたはず…)ドイルせんせの生誕150周年グッズ、と言う「今年ネタ」なので、来週のシティでちょうどキリ良く最後の販売になりそうです。(冬コミはなんだか落ちそうな予感がするので…(^ ^;))
昨夜作った即席しおりも笑っていただけて(笑)、作った甲斐がありました。『帰っちゃうの?ポスター』も、どなたか身請けしてくださったそうですね。ありがとうございます♪

…今回はホールがいつもの「通路を挟んで横並び」ではなくて、階段と渡り廊下を隔てた二つのホール、というカタチでした。うちは奥の「たぬきの間」。サンシャイン劇場の向かいでした。配置は入口に近いところだったのですが、ちょっと出歩いたときにぐるっと回ってみたら、すごく奥行きがあってびっくり!Aホールより広いんじゃないですか?ここを使うなら抽選落ちの心配はしなくてすむかも♪…しかし、いつも来ていたAホールの奥がこんなふうに続いていたなんて、知らなかったなー。

体調がイマイチだったので、自分としてはちょっとテンション低め(?)というか、それでいっぱいいっぱいの一日だったのですが、おかげさまで閉会まで、無事に乗り切ることができました。そしていつものことですが、やる気が!やる気が出るんですよね!イベントは多かれ少なかれ触発されるものですが、J庭はとくにそうなんです。なぜだろう。会場を歩いていると、「ああ、たとえ売れないネタとわかっていても(笑)、やっぱアレとかコレも描(書)きたいなあ」…という気持ちになります。この気持ちをカプセルにつめて、やる気が萎えたときに飲みたいです…(笑)。

…そういえば、前回に引き続きやっていた会場企画の『妄想日めくりカレンダー』(「こういうのが私のツボ」、と言うネタを書いた紙を、会場の大きなカレンダー用紙に貼り付けていくというもの)、いいのが思いつかなくて参加し損ねました…でも実物をちらりと見てきたら、もっと気楽に考えてもよかったんだなー、と。受け攻めを特定した「●●萌え」、みたいなネタじゃないといけないかと思ってたんですが、もっとさりげないネタもあって。ああ、さらりと「痩せたじいさまのふしぶし」とか書いておけばよかったなー、なんて今になって思っております…。(まだピーター・カッシングのブームの余韻で、じいさまの指のふしがすごくポイント高いんですよね…あ、のどぼとけとかもイイですよね〜…(^ ^;))

 

2009/10/24

J庭直前ですが
いよいよ明日ですね。直前すぎなお知らせですが、ペーパーを作りついでに紙の整理をしたら、ちょっと小洒落た特殊紙が出てきたので、即席でウェブコミックのカットを入れてしおりを作ってみました。明日、小説お試しパンフと一緒にスペースに置くつもりです。よかったらお使いくださいませ。ではでは、明日会場でお待ちしています〜♪

 

2009/10/23

『バーン・アフター・リーディング』
一昨日の晩になりますが、いろいろあって疲れはてたので(^ ^;)おバカ映画との広告に引かれてレンタルしました。
CIAの分析官が首になったことから、その妻、妻の愛人、愛人の妻、関係ないジム職員・・・と「こーなってあーなって」が奇妙に転がるお話。ブラピさんにジョン・マルコビッチティルダ・スウィントンフランシス・マクドーマンドジョージ・クルーニー、ちょっと前に顔を覚えたばかりの(笑)リチャード・ジェンキンス…と、主役級の俳優さんをそろえた豪華なキャストです。しかし「おバカ」を期待したのでちょっと外しました。これは宣伝戦略間違ってないかなー。

よく見たらコーエン兄弟の作品…て名前に覚えがある、と言う程度なんですが、フィルモグラフィーを確認しましたら、自分に覚えのあるところでは『未来は今』「ファーゴ』の人たちですね。やっぱおバカというのとは違うでしょう。おバカじゃなくて「奇妙」。今回の作品だと、むしろフツーっぽく始まって、展開するにつれて要所要所の「噛み合わなさ」と意外性を楽しむタイプかと。有名俳優を揃えて自主制作映画ノリで仕上げたというか、オープニングとエンディングにやたら壮大なCGを入れてCIA本部から始まり、人死にも出るのに脱力な動機と扱い…というあたりの、微妙な落差のセンスが売りかと思います。「おバカ」と宣言してしまうと、もっとパワフルでナンセンスな落差を想像するので、物足りなく感じてしまいます。むしろもう少し地味な俳優で撮ってたら「案外面白い」という印象が強くなったかも? (でもそーなると日本ではDVDにならなかったかもですね。ブラピさんのおバカ姿が予告編の売りでしたから(笑)) いやいや、やっぱ「あんな大物俳優がこんな…」というあたりを楽しむのでしょうね。(どーも「イマイチ」と思うと、どーやったら救えたか、を考えてしまうイヤな観客…(^ ^;))

タイトルからして、直訳すると「読んだあと燃やせ」・・・でいいのかな?極秘情報、もしくは残す必要もない情報?なかったことにしちまえ、というニュアンスでこういう慣用句があるとしたら、内容ととても合ってます。皮肉も効いてます。

予告編がえらくノリのいい「おバカ」だったので、違うものを期待してしまったのがいけなかった…。こういうものだと思っていれば、もっと楽しめたはず。ちょっと損した気分です〜。ていうか、もっとスカッとしたかったので、選択間違えました…(^ ^;)

あ、でも、ジョン・マルコビッチにクビを言い渡す上司役に見覚えがあって気になったんですが、調べたらなんと『俺がハマーだ!』デヴィッド・ラッシュでした!うわー、いいおじさんになったなあ!しかも、そのさらに上司をやってたのが『サンキュー・スモーキング』ガミガミおじさん。(すいません、名前覚えてないんです(^ ^;)。顔にインパクトのある人です)…こういう細かいところで楽しむ映画だったんですよね、ホント。

オリオン座流星群
昨日の朝、早起きして見ることができました!4時過ぎから15分くらいで、流星二つゲット!放射の中心点がオリオン座と双子座の間とはいえ(数年前に買ったミニ星座盤が役に立ちました)、ターゲットは全天ですもんね。首が疲れました。見たのは二つとも、西よりの空でした。南天に向かって立ち、かなり高い位置にある放射点に顔を向けていたので、右目の端でとらえた感じです。でも、かなりはっきりと流れました。見られて嬉しかったです!…でもあの瞬間に願い事なんて、とても無理無理!(笑)

目が慣れてからは、人工衛星らしき小さな光点が、低速で動いていくのも見られました。空がもっと暗ければ、もっとたくさん見られたんではないかなー。(しかも電信柱の電灯が家の前にあるので、うちはちょっと条件が悪いです)

でも、落ち着いて星を見ること自体、ものすごく久しぶりでした。くっきりしたオリオン座とシリウスだけでも十分感動しました。雲も月もなくて、ほんとに観測日和(?)でした。

そういえば、新聞に種子島宇宙センターの観光見学のことが載ってました。見学、できるんですねえ。行ってみようかな・・・ちと遠いので思い切りが必要ですが、普通の観光よりおもしろそう♪

 

2009/10/21 追加

駆け足で秋を撮り
午後から「からっぽ」になりにちらっと散歩してきました。ちょっと加工素材を撮る必要もあったので、久しぶりにデジカメもって。ついでに秋らしいショットが撮れたので載せておきます。

近所の川沿いに生えてるススキ。きらきらしてきれいでした。
逆光でダメもとで撮ったのですが、なかなか…というか、ちょっと「いかにも」過ぎですね。(笑)

 

木は葉が落ちて枝ぶりが見えるようになると、独特の美しさが。
葉が茂ってるときより好きかもしれないです。

こういう無駄なことをして(笑)、シナモンロールなど食べたら、短時間でだいぶ生き返りました。
やっぱ無駄と甘いものは必要なのかも?

 

2009/10/21

宅配搬入と、久しぶりにコクトー
庭宅配搬入を済ませました。 続けて翌週のシティに転送するので、二回分の分量…ということもあって、既刊の刷り足しだけなのになんだかへとへとに…。魂が抜けたような感じです。

…ちょうどそんな気分にドンピシャな文章を、昨夜寝しなに見つけたので、ブログの読書ノートのほうにアップしてみました。ジャン・コクトーの『ぼく自身あるいは困難な存在』からです。よかったら覗いてやってくださいませ。ほんと、うまい言い方なさるんですよね、この方。
…なぜかしばしば読み返すのは「作品」よりエッセイのほうです。(この本とか、『阿片』とか)
なんとなくリセットしたい時とか、とくに秋になると読み返したくなりますね。なぜだろう・・・。

(…アップしてみたら、バリバリのフレームワーク本とこの文章を並べて紹介しているかたちに。これって甚だしく自己矛盾な気が・・・(笑)。でも、両方あるんですよね。そんな気分のときが)

ブログのほうは、これまで「随時更新」だったのですが、思ったより更新が少ないので(^ ^;))、フロントページに更新をお知らせすることにしました。これからもよろしくお願いしますです。

…とにかく、とりあえずひと段落。
なんか「からっぽ」になりたい気分です。

 

2009/10/17

『宇宙探偵ホォムズ&ワトスン』第3回をアップしました。
新刊用の宇宙探偵が「今回は間に合わないだろうなあ」という感じになってきたので、せめてウェブコミックのほうは2週に一度の更新を続けてみようと、いったんイベント準備はお休みし、滑り込みでアップしました。よろしかったらご覧くださいませ。コミスタはレイヤーの不透明度をいじることができるので、ちょっと遊んでみました…。(笑)

『同人誌な部屋』のほうは、イベント当日の持参本などのお知らせ、モノクロ縮刷版チョロQワトスンの見本もアップしております。ああ、なんかただの業務連絡(?)みたいでスミマセン。(^ ^;)

人形劇『新三銃士』
今週始まったNHKの人形劇『新三銃士』、第一回だけですが見ました!(→公式サイト)なんかお人形のデザインがプリンプリン物語チックで懐かしい…。ダルタニアンもなかなか美少年でしたが、ロシュフォールがめちゃめちゃかっこよかったですね♪こりゃーやおい本も出るんじゃないかな。(←褒め言葉)…ダルタニアンやリシュリュー(すごいデザイン!)がらみではあまりに自然なので(?)、王様攻めロシュ受け、あたりでどーでしょ。(ムリにカップリングせんでも…(^ ^;))

昔たしかダルタニアン物語ってアニメもありましたが、ワタクシ三銃士の物語はサッパリ知らないのです。もう少し見やすい時間帯だったら毎回見たいなあ…。なんか概念がつかみやすく脚色されているし。お城のデザインとかもすごいし。

しかし、「一人はみんなのために。みんなは一人のために」…懐かしいんですが、私はこれが歌詞に入ってる歌を小学生の頃に歌わされた、ということで覚えてました。一緒に見ていた父が(古い映画で三銃士ものを何度か見ていて、だいたいの話は知ってるようです)、このスローガンを見て「ああ、これだよな」みたいなことを言ってたのですが、三銃士が元ネタとは知りませんでした…。

 

2009/10/16

フレームワークにデジャヴ(^ ^;)
現在四つほど同時進行しているんですが、イベント準備も加わって、昨日どうにも頭が混乱して身動きがとれなくなってしまいました。そんなときに『最強フレームワーク100 』、なんてタイトルの本を見かけてしまい、藁をもつかむ思いで衝動買いしました。・・・ビジネスマン向けなので自分には関係のないものが多いのですが、けっこう使えるものも。そのなかでも特に「おお、これは応用がききそう」と思ったモノが・・・でも、出典の著者名になにか見覚えが。つらつら考えてみましたら・・・元ネタの本を持っておりました。引っ張り出して読み直したら、いやー、使える、使える(笑)。

正直その本の存在は全く忘れていましたし、ほかのフレームワークも面白いし、ショートカット技なんかも自分にはすごく役に立ったりで(レビューではこんなのフレームワークじゃないとツッコミが入っている・・・たしかにそうです(笑))、思い出させてくれたGTDというフレームワークはけっこう助かるし、このためだけでも役に立ちました。

(私が持ってるのは『仕事を成し遂げる技術』というタイトルなのですが、のちに別の方の翻訳で、同じ本が『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』というタイトルで出たみたいです。新しいほうが訳の評判がいいです。なんかくやしいな…(笑)
ウィキペディアの解説が要領よくまとまっているので、ご興味のある方はどうぞ。
→ウィキペディア「Getting Things Done」

それで今日は、いったんやりかけのもの、やりたいものをぜんぶ書き出して、見直してみました。・・・うーん、いろいろ思い切らないといけないです。やっぱり目の前のことしか見えなくなってました。長期・中期的計画というのが、どうも緊急性に欠けるので後回しになりやすいのですが、それでは本当にやりたいものがいつまでもできない・・・。ちょっと落ち着いてスケジューリングしなおしています。

インド映画『家族の四季』
映画の話題を久しく書いておりませんが、先日煮詰まって「これはやっぱり映画を見てないからだわ!」とツタヤに走り、なぜかインド映画を借りました。タイトルは『家族の四季』。お芝居の合間にいきなり踊り始めるタイプのインド映画って初めてで、ちょっとびっくりでした。基本シリアスメロドラマなのですが、コメディなシーンになると漫才みたいなノリだし、踊りと歌のシーンはもう別世界!デリーにいたのにいきなりピラミッドの前で踊ってたり、もうわけがわかりません!(笑)

借りた理由は、インド人カップルがロンドンに駆け落ち(?)するという話だったので、インドから見たイギリス社会、みたいなものの雰囲気がつかめるかな・・・という期待だったんです。・・・なんというか、やはり・・・ある意味痛々しい部分がありました。設定は現代ですし、キャラクター自体は裕福な設定なので、そういう意味での痛々しさはまったくないのですが、逆に「こんなことありえないけど、こうであったらいい」という願いが現れているようで・・・。

(昔、ビヨークが主演した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』っていう映画がありました。ほんのちょっとだけですが、あの主人公の妄想と似通った「イタさ」があったんです。見た方にはわかっていただけると思います。とはいえ、未見の方には、私個人としてはまったくおすすめできない映画です。あれは見て後悔しました。こういうものを作って人様に見せてなんの意味があるんだ、というか、根本的なところに作り手の「いやらしさ」を感じました。この映画やビヨークのファンの方にはごめんなさい…もちろんビヨークのせいじゃないです(^ ^;))

ロンドンの空撮にかぶせて、バンデ・マータラムという歌が流れて、ハッとしました。にわかリサーチで知っただけなのですが、これはインドの大地を讃える歌で、イギリスからの独立闘争時のテーマ曲みたいなものだったそうなんです。植民地時代、これを道端で歌った小学生までが警察につかまったとか、そういうエピソードを読んだことがあります。それをロンドンの映像にかぶせる…。イギリスに対する感情が感じられます。

映画全体はセンチメンタルな家族愛がテーマですが、明るい踊りと歌が満載のエンターテインメントです。(踊りのシーンがなかったら半分の長さで済んだと思います(笑)。ランタイムはじつに210分の大長編!)なのに、こういう「バンデ・マータラム」みたいな部分がちゃんと、「自然に」あるんですね・・・。これはイタさでなく、なにか「ああ、やっぱそうなんだなあ・・・」みたいな感じがして、腑に落ちました。われわれ日本人は、イギリス人には「紅茶と紳士」みたいな、わりといいイメージをもっていることが多いですが、実際やってきたことを見ると、「紅茶」も「紳士」もまったくイメージが変わってしまいます。…私が植民地時代のインドを調べ始めたのは、ホームズ贋作小説の下調べのためだったのですが、知れば知るほどインド側に気持ちがいってしまい、主役をイギリス(ホームズ)に戻すのに苦労します。(^ ^;)

・・・ま、そういうところはおいといて、とにかく出てくる人(とくに女優さん)は美形揃いだし、シブいおじさまがいきなり腰ふって踊り出しちゃったり、ダンサーたちの華やかさと物量作戦(?)に圧倒されました。妄想シーンのロケのぶっとび方も半端でない。(しつこいようですが、ピラミッドとか(笑))もしかして、インドの俳優さんはみんなあんなふうに踊れるんだろうか?

・・・ほかの映画は・・・購入したDVDもあるんですが、疲れているせいか、未見作品より手持ちのお気に入りをまったりと見てなごんだりして、まだ見れてません。先日は製本をしながら『ドラキュラ '72』を再見。ピーター・カッシングクリストファー・リー、やっぱいいです・・・♪

ブライアン・シンガーと仲間たち(?)
そういえば、ブライアン・シンガー兄貴が、またX−MENの新作を撮るって話が出てるそうですね。兄貴もやる気まんまんだとか!(→ニュースソース。このニュースは兄貴の名前を登録しているグーグルアラートで立て続けに3回来ました♪)別監督だった三作目はまるで別物でしたし、やってくれたらうれしいな♪でもプロフェッサーX死んじゃったしなあ。・・・ま、なんらかの形で再生はできちゃうでしょう!なんせミュータントですから!幽霊みたいな半透明でもいいし。ジーン・グレイの例もありますし。とにかくパトリック・スチュワートの姿が見られれば私は満足です♪

そのX−MENの二作目と、スーパーマンリターンズで脚本をやってた仲良しコンビの一人、マイケル・ドハティーくんの初監督作品が、来週リリースです。ブライアン兄貴が制作で、兄貴のほうが名前が売れてるのはわかるんですが・・・タイトルが『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』(笑)。ま、そのへんから売り込むしかないですわな。ハロウィーンにあわせてのリリースですね。ドハティーくんのウェブサイトは前にご紹介しましたが、もともとがイラストとか描く人なんですよね。なんとなく親近感を感じて贔屓になってます。相棒のダン・ハリスくんとのコンビもかわいくてなんか萌えるし。(今回の作品にもしっかり参加しています(笑))ホラーコメディーとのことですが、レンタルに入ったら見てみようかと思ってます。

 

2009/10/13

コミスタ研究中
とうとう、古いカートリッジのまま、既刊刷り足し分の表紙はできあがってしまいました・・・ははは。まあ、「いつでも交換できる」という安心感がプリンタに伝わって調子が良いのかもしれないし(?)、結果オーライです。あとは、カラーで刷るものは、まだできてないものの表紙だけです。ひとつはチョロQワトスンの最初の三冊のモノクロ縮小版。本文フルカラーで刷るのがきつくなってきたので絶版にしようかと思ったんですが、初めて見てくださった方へのフォローとして、本文をモノクロにしてA5版に縮小したものを残すことにしました。(これなら高速のレーザープリンタで刷れるので)ただいま本文原稿をグレースケール化して版下作成中です。

それと・・・春頃からチンタラ描いている(ずっと描いているわけじゃなくて、ときどき描いている…)宇宙探偵ネタを、できればそろそろ新刊にしたいなあ、と進めているのですが、今回のイベントに間に合うかどうかは流動的です。六割くらい下描きが入っているのですが、あと二週間・・・ホント微妙です。

でも、一昨日初めてComicStudioのパース定規の使い方がわかったりして、作業に手間かけるのが楽しくなってきてしまい…せっかくなので、このチャンスに(?)使いこなせてないコミスタの機能を覚えたいなあ、とか思い始めまして。終わらせることが目的になっちゃうと、とにかく削る方向に行ってしまうので、「もしできあがっちゃったら持っていく」くらいのスタンスになろうと、自分をだましだましやっております。
いつもながらきちんとした予告ができなくてスミマセン。(^ ^;)

J庭を意識すると、「シリアスもののJUNEも描きたい」とか、自分の能力を超えたことまで考えてしまうんですよね。なにか・・・肩の力を抜いて、なにか作れたらと思うのですが。

デジペン研究中
ちょっと前に買ったことだけ書きましたデジタルインクペン(→TAXAN Digital Pen & USB Flash Drive Pro KG-DP301)、感想を書いてませんでした。ポメラがスマッシュヒットだっただけに、比べてしまうとどうも使いこなせてないのですが…。「絵」に使おう、と目論んでいたのが当初うまくできなくて、しばらくほったらかしてたんです。(笑)
最初のうち、保存というと添付ソフトの「ファイル」の欄に「PDFで保存」しか見あたらなくて。「え〜っ!?Jpegとかで保存できないの!?」とショックを受けました。でも、ちょこちょこソフトをいじっていたら、「ページ」というジャンルのなかに「名前を付けて保存」がありまして、Jpeg保存もできました。

とっさにメモしたなかの絵の部分。こんな感じでJpegになりました。

…しかしまぎらわしい…なんで保存形式の選択が「ファイル」にないんだ???(^ ^;)

・・・ま、そんなこんなでけっこう使えるかも、という感じになってきました。
ちょっといいかも、と思うのは、本を読むときのノート取りというか、メモです。喫茶店とかで本を読むとき、記録というよりリアルタイムに理解する助けとしてちょこちょこ書き付けたりするんですね。で、それをやってると、なぜか関係ないもののアイデアが浮かんでくるのです。昨日も、図書館に取り寄せを頼んでいた本が届いたので、取りに行ったついでにドトールでメモとりながら読んでいたら…ぜんぜん関係ないチョロQワトスンの変装アイデアが出ました(笑)。

…そんなわけで、「読書ノート」という分け方ができなくて、おおざっぱに「外出先でいろいろ書き付けるノート」になっちゃってるのです。これがデジペンで書きますと、ページごとに別ファイルになるので、PCでファイルをジャンル別のフォルダに移動して管理するこができます。(かたや「読書メモ」フォルダ、かたや「ネタ」フォルダ、みたいな感じで)
PCにさえ取り込んでしまえば、部分を切り分けて別ファイルにもできるし、追加で書き込むこともできます。レイアウトなんかはそのまま下絵ラフにできます。書いたノートのほうは、自動的に時系列でパラパラッと閲覧できる超整理法なツールになりますし、デジタルファイルのほうはジャンル別で検索できるので、「あれどこだっけ」というときに時間をかけずに探せます。それぞれ利点があります。
「アノ本読んでたときにメモったはずだけど、どのノートに書いたかわからない」…と、探すのをあきらめることのほうが多い今日この頃。これがPCで探せるようになると、思いつきを活かせる機会が増えるかも。…これも、『情報は1冊のノートにまとめなさい』式のやり方を即できるツールですね。

…手書き文字をテキストファイルに、という機能は、Windowsのホームエディションでは対応していないのだそうです。残念ですがうちではこの機能は使えません。これが出来れば全文検索ができてますます便利なのですが。うーむ、なんとなくメーカーの想定しているユーザー像が見えてきたぞ。(Windowsがホームエディションじゃないとか、「PDF保存」や「メールで送信」とかを優先してるあたり…)

でも自分の場合、ある程度量のあるテキストなら、はじめからポメラなりパソコンなりで打ってしまうので、あまり必要は感じないです。同様に、すでにタブレットを持ってるので、パソコン画面での手書き機能もオーバースペック。(でも、この機能を省いたやつはもう売ってなかったので、コレにしたんです…かなり安くなってましたし)
まだ作ったファイルが少ないので、真価はある程度ファイルがたまってからかもしれませんが、思ったより役に立ちそうです。

…なーんて見直した矢先に、なぜか昨日書いたものが保存されてませんでした…なぜ!?(汗)使用中は正常にランプが反応してたんですが・・・。白紙ファイルになったのではなくて、ファイル自体がないのがヘンです。思い当たることといえば、電源を切るときにうまく切れなくて、2、3回スイッチを押したことくらい…本体でファイルを削除する方法なんてあったかなあ?
…検索しても対処法がひっかかってこないので、自分でいろいろ試行錯誤してみます。まあノートに書いたものは残るので、どうしてもデータにしたければスキャンすればいいだけのこと。ポメラでデータを失ったときほどのダメージはありませんです。

『帰っちゃうの?ポスター』早めに完成
いつも開催前日あたりに大慌てで作っている、J庭の『帰っちゃうの?ポスター』。サークルが宣伝を兼ねたポスターを提出して、一日展示していただいたあと、ご希望の方にはプレゼント♪という、J庭のアットホームな企画です。今回は余裕のあるうちに作ってみようと、今日やってみました。いつもありもののイラストをアレンジするだけなので、そんなに時間はかからないはず…とたかをくくってたんですが…。
版下を作る作業自体は、たしかに一時間くらいで済みました。でも、ついでにプリントしとこう・・・とやってみたら、プリンタ調整のため版下制作と同じくらい時間がかかり、しかも完成品が出来上がらず…!何度やっても、なぜかプリントが終わる間際の数センチくらいがカスレるのです。97%くらいまでは文句なしの仕上がりなので、これで全体が使えなくなるのがものすごく悔しい!たとえて言うなら、収穫間際に台風がきて商品がだめになったリンゴ農家みたいな気分です!!!
リベンジしようとインクを多めに補充したら、カートリッジのほうの調子が悪くなってカスレが悪化してしまいました・・・。ちょっと休ませてからリベンジします。

↓今日の奮闘の成果。エコバッグのイラストを流用してこんなのになりました。
バックを今回のテーマカラーのブラウンにして、ちょっとは秋らしく…?(笑)
当日会場のポスター展示コーナーで眺めてやってください♪

そういえば、前回のポスターをまだイラストコーナーに上げてませんでした。あとでいっしょに上げとかなくちゃ。

・・・しかしインクジェットプリンタのご機嫌しだいで、この紙とインクと時間のロスはなんとしたものか…。本もオフセットにすれば、こういうストレスからは解放されて原稿だけに集中できるんだろうなあ…。(それはそれで別の心配も出てきますけどね…(^ ^;))

 

2009/10/11

HPのインクカートリッジに化かされる…(?)
J庭・コミックシティスパーク用の既刊のプリントをしております。うちのプリンタはヒューレット・パッカードなのですが、インクカートリッジにヘッドがついているので、他社だと本体を修理しなきゃいけない場合もカートリッジさえ交換すれば大丈夫・・・なのがウリらしいのです。でもそのぶん、インクカートリッジがちょっとお高いので、詰め替えインクをつぎ足しつつ、なるべくカートリッジを長持ちさせるようにしているのですが・・・。今回はインクを補給して何度かヘッドをクリーニングしても、マゼンダのかすれがとれません。あー、ヘッドがかわいちゃったのかなあ・・・と観念してダッシュでヨドバシへ。・・・ところが帰ってから念のためもう一度クリーニングしてみたところ、まともに刷れるではありませんか・・・!

・・・昨日、今朝と胃をキリキリ痛めながら調整し続け、一時間かけてまともに刷れたの4枚だけ、みたいな状況だったのに…!なにか、使い手の緊張を読むんでしょうか?(プリンタにそんな能力いらない〜)ああもう、ぜんぜん綺麗なんですけど!(^ ^;)
表紙用の厚い紙はこれまた少し高いので、なるべくミスプリントを出さないように、念のため三枚ずつ刷ってるんですが…。(インクがなくなってもかすれたままえんえんと刷ってしまうプリンタなため)・・・昨日までに刷った数をはるかに超えてまだ綺麗。なんか・・・いや、少しでも長くもってくれると助かりますが…なんか納得いかない…。(^ ^;)

『ムー』とマクモさん
先日、『ムー』の30周年記念号というのを見つけて、衝動買いしてしまいました。(笑)表紙にあった「グレイのオリジナルストラップ」の写真に惹かれたんですが、これは付録じゃなくて応募プレゼントだったんですね。くそー。でも創刊準備号の復刻(コピーの「ヤング」って言葉にノックアウト)とか、超常現象30年史、保存版UFO全仮説など、レトロっぽい感じがツボにはまりまくりです♪おっ、前にここに書きました、火星のモノリスの話が載ってますね!ピラミッドの新しい建設法仮説も、たしかNHKの番組でやってたやつです。最近はネットやテレビのほうが情報早いですね、やはり。

・・・遠隔透視で有名なジョー・マクモニーグルさんが、なぜか出雲大社を透視してます。・・・そういえば、このまえお菓子かなにかのCMでも見たような。どうしちゃったんだマクモさん!(笑)

マクモさんを知ったのはわりと前で、まだテレビとかに出始める前でした。CIAの遠隔透視者養成ネタの文庫本に出てきて、表記も「マックモンイーグル」でした。テレビで見たときには一瞬わかりませんでしたが、ああ、表記違いか…と。すっかり日本でタレントになっちゃったんですね。よほど良い稼ぎになったのかな。(笑)

フシギ大好き、なワタクシにとっても、どっちかとゆーとジャンクフード的な雑誌なんですが、ときどき手を出してしまうんですよね。あやしげな広告満載なので、家族の目に触れないように気をつけております。あらぬ心配をかけそうなので。(笑)
ただし呪いとか心霊写真系は苦手なので、そういうページはとばします。好きなのはやはりUFOや宇宙人、超能力、超古代文明・・・あたりの、レトロなSF的イメージにおおざっぱなロマン(?)を感じるあたりです。「UFO全仮説」を見てみると、アダムスキーが会ったという金星のイケメンのイラストとか、見るからに偽物くさかった宇宙人解剖ビデオの写真とか、「な、懐かしい・・・」という世界です♪もう少し文章の精度をあげてくれるともっと買うんだけどなあ。 …でも、シリアスに書かれたらちょっと怖くて買えないかも。ツッコミの余地を残して笑える雰囲気もあるのが、絶妙のバランスなのかもですね。 なんのかんの言って、こういうネタは「楽しい」から好きなのであります。こういうのを紹介するワクワクするようなテレビ番組、すっかりなくなりましたね。寂しいです。(たまにあっても、切り口がはじめから「肯定VS否定」じゃあなあ…タレントさんのコメントはいらないから、映像バシバシ見せてほしいですよ♪)
それはそうと、グレイのストラップはやっぱりほしいなあ…。

 

2009/10/

時の経つのは
急に冷え込みましたね。みなさまお風邪など召しませんように。 いまだにパジャマが半袖なので、昨夜はパーカー着込んだまま寝ました。(笑)

昨日、今日と、日経サイエンスのメールニュースで、今年のノー ベル賞受賞者決定の速報がきました。もう一年前になるのか、小 林・益川コンビに萌えたのは・・・(笑)。時間が経つのは早いものです。

楽天のミキティーと、同人誌ダウンロード販売のこと
朝日新聞の朝刊に、楽天の三木谷サンのインタビュー。楽天はこの経済状況のなか好調なんだそうで。しゃれで社員に「打倒アマゾン」て書いたTシャツ配ったんだそうです。(笑)私は楽天の株をひと株だけ(^ ^;)持ってますが、本をネットで買うのはほとんどAmazonだなあ・・・よっぽど楽天ポイントがたまってれば別ですが。ごめんね、ミキティー。でもほんと、読んでると「なにかの価値を提供する、人の役に立つ」ということが、ビジネスの基本なんだとしみじみ思いますね。けっして「価値に下駄をはかせて売りつける」のではなくて。

ちょうど同じ朝刊に、フランスの思想家ジャック・アタリのインタビューも載ってたのですが(この著者の『21世紀の歴史 』という本が少し前に話題になってたので、名前を覚えてました。そういえばそのとき(6月ごろ)図書館に予約を入れたのですが、いまだに順番が回ってきません。待ち順位は・・・今39番目です(笑)) そのなかに「社会にとって本当の価値を生み出さない『起業家精神』は『強欲』と同義だ」という言葉があって、いろいろなものが頭をよぎりました。や、やっぱそうだよね。そのテの「起業家精神」を焚きつけるようなビジネス書を見かけると、なんだかいやな感じがすることがあるんです。自分のヒガミじゃなくて(笑)やっぱそうだよね…。(引用した言葉自体は、ウォール街の金融マンを意識しての発言です)

・・・「強欲」のほうじゃなくて、ネットビジネスということで思い出したんですが(笑)、これまでいくつか、自作同人誌をネットでダウンロード販売しませんか?というDMがきたことがあります。まだ登録したことはありません。(携帯配信をやってますが、あれは別のお仕事でご縁ができた延長でお話がきて、おんぶにだっこでやっていただいたことなのです(^ ^;))

DMがくると、いちおうサイトをチェックしてみます。でも、たいてい「サークル側」向けの対応しかできてない印象なんですね。つまり、「読み手」に積極的に宣伝するというスタンスがない。サークルが自力で登録して販売するので(紙の同人誌のデータ化を請け負ってるところもありますが)、サイト運営者は場と集金システムさえ整えれば、それこそ元手なしにビジネス(?)が始められるわけです。ロングテール理論でいけば、一年に一回しか売れない商品でも、一万種類そろえれば一年に一万回売れるのと同じ・・・ということになります。データ販売は、在庫を置くスペースが要りません。
それで、最低限の投資でやろうということになれば、売りこむ相手がサークル側だけ、ということになるのでしょう。が、やはりこれは釈然としません。

せっかくイベント会場に縛られない、開かれた場なのに、これでは登録サークル同士、あるいはそのサークルの情報から訪問した読者だけの、閉ざされたマーケットになります。必要なのは「外部の読者」を呼び込むこと、だと思うのですが、その努力をまったくしていないように見えるんですよね。だいたい、登録を促すチラシやメールはよく見ますが、読者を対象にした宣伝は見たことないですからね。(店舗も持ってたり、すでにダウンロード販売でも大手のところは別です)

サークルに「もっと宣伝してください」と言っても、そのサークルのインフォメーションが届く範囲は、そのサークルの本が好きでチェックしている人たちなわけです。当然、すでにそこの本を持っているので、過去に販売した本のダウンロード再販には興味があるわけがありません。むしろ宣伝が必要な対象は、同人誌の潜在的な読者ではあるけれどイベント会場には行かない・行けないという方や、マンガやオタク系のサブカルチャーは好きだけど、まだ同人誌は読んでいない、という方でしょう。その層にどうやって認知してもらうか・・・というのが、個別のサークルには難しいところ。そこに、サークルを束ねて玄関を提供するサイトさんのしどころがあると思うのですが。

ダウンロード販売は、サークルが作品を登録するのは無料で、売れたときに一定の手数料を差し引く・・・というやり方なので、ありがちな自費出版詐欺とも違うと思うのですが、いったいどこでペイしているんだろう?・・・まあたいてい、最低限度の支払い額が設定されていて、それに届かなければサークル側に支払いをせずにすむので、はじめからそれをあてにして(?)ロングテールで小さい利益を狙ってるんだろうか。

・・・とすると、最初から、「なるべく多くの読者を獲得する」ことは眼中にないんだろうか。もしそうなら残念なことです。サイト側だって、たくさんの利用者・購入者ができて利益が出るのは望ましいことのはず。「外部の読者」に知ってもらうことこそが、サークルも読者もサイトもメリットがある、「Win-Win-Win」な関係につながると思うのですが・・・。

うーん、ちょっと辛口なこと書いてしまいました。純粋に「埋もれた作品にも人目に触れるチャンスを提供したい」、みたいな動機で運営されているサイトさんもあるかもしれないので、一括りにしちゃいけないかもしれない。宣伝て口で言うほど簡単ではないですし、やり方によってはお金もかかります。(工夫の余地はたくさんあるとは思いますが)まだ自分の知らない部分が多いかもしれません。過去に紙の本で出した作品をダウンロード用に回す、というのがどれくらいの割合なのかもわかりませんし。もしかしたら、すでにダウンロード販売で発表することだけを念頭において制作している、という方もたくさん出てきているのかもしれないし。
でもちょっと、「???」という印象があることは確かなのです。興味があるだけに…。「なにかの価値を提供する、人の役に立つ」ということと絡めながら、なにか新しいやり方ができないかな、などと思ったりします。

 

2009/10/

フレーム化してみました。
ええと、見たまんまなんですが、このページをフレーム構造にしてみました。だいぶまえから検索性の悪さ(というか、だらだら書いてるだけ(^ ^;))が気になってまして、できればブログのような、過去の記事が検索しやすいようにしたかったのです。(ブログにしてしまわないのは、あとでまとめて同人誌にしたりしているため、アップしたデータを自分で管理できないのがなんか不安で…)とりあえず、左のフレームの日付とタイトルをクリックすると、その記事に飛べるようにしてみました。いろいろ試行錯誤しているので、また変えるかもしれませんが…。(もとの日記ファイルをここに読み込んでいるのですが、はたしてこのやり方でいいのか…もし不都合が出てきたらごめんなさい。ちょっとずつチェックしていきます。いちおう、横幅はうちのノートパソコンで見るくらいの広さを想定てしているのですが、どうでしょう…)

フレームさえできてしまえば、あとは日記にアンカーポイントを付け加えていき、インデックスを書いてリンクを繰り返す単純作業なのですが、9月1日までさかのぼって根を上げました…。いや、フレームページを作るの自体が初めてなので、マニュアル本首っ引きですっかり疲れてしまいまして…(しかも一回失敗して作り直しました!(笑))そんなわけで左横のインデックスは8月以前がありませんが、このエリアのテキストは年初までつながっております。インデックスは時間のあるときに、ちまちま付け加えていきます。(しかしこれ、1月1日まで付けていくと、インデックスのインデックスがいりそうな感じが…(笑))

ネット時代のありがたさ♪
昨日、同人誌用の資料調べをネットでしたんですが、あきらめていたものを見つけて、ちょっと感動しています。二十世紀初頭に取り壊されたイギリスの建物なんですが、画像検索していたら、取り壊される直前に撮ったらしい写真が見つかりました!しかも内装を撮ったのがわりと多い!ほんとに壊す直前だったみたいで家具はなく、床も丸出しなので、実際にどう使っていたかはわかりませんが。でも、スケール感…というんでしょうか。その場に立つ感じをイメージできるのがありがたいです。

あとは、なにかと賛否両論のGoogleブックスが、やはりその建物についての情報を拾ってくれました。英語圏の文献をもっと読みこなさないと、宝の持ち腐れだなあ…とか思いました。文芸作品などは、やはり著者が生きている場合問題があると思いますが、今回は無味乾燥な(?)資料本なので、制限があるとはいえ、その単語がある場所がスパッと出てくるのはほんとにありがたい!地道に洋書を探して該当箇所をあたる…なんてことは、自分の今の英語力(と、経済力)では不可能ですから、この機能がなければ「そういう情報が存在するらしい」ことさえ、知ることがなかったはず。研究活動をしている方には、ほんとに画期的なことでしょうね。(その分、言い訳ができないという状況も出てきますが!(^ ^;))

またまた美老人でなごもう
…立て続けに根をつめたシゴトをしてアタマが痛くなったので、ふらりとYoutubeでなごんできました…ピーター・カッシングテレビインタビューです。あまりにラブリーだったのでリンクしときます。じじいフェチの方はぜひどうぞ♪(笑)冒頭、ふざけてバケモノっぽい顔をしてくれるのがかわいいです。(ちょいと脳がとろけました…(笑))素敵な「手」のジェスチャーの豊かさも、なんか見惚れます♪
 →youtube:Peter Cushing Interview(1973)

 

2009/10/

宇宙ナントカ、の世界
ウェブコミックの宇宙探偵ホォムズ&ワトスン、第2回をアップいたしました。よろしかったらご覧ください。
・・・更新初回に、なんとか「2週に1回」のアップができてほっとしております。やればできるじゃない!とか思ったり。(笑)(でも次は、イベントとの兼ね合いで難しいかもしれませんが・・・)
・・・じつは用意していたネタが3ページにふくれてしまい、(ネタが長いのではなくて、絵を大きくしたくなって、2ページだったものがふくれたのです…)ちょっと今日アップするには間に合わないなあ・・・と、即席で別のをひねりだしました。 ネタというほどのネタではありませんが、ちょうど『昭和少年SF大図鑑 』というすてきな本を買いこんだところで、レトロSF脳に拍車がかかりまして・・・。

この本、昭和30〜40年代あたりの、学習雑誌のグラビアイラストなんかのSFっぽいのを集めたもので、もう自分にはストライクどまんなか!です。(笑)ちょっと生まれる前にもかかっているので、リアルタイムで読んでいた世代よりはたぶんひと回りくらい下なのですが、なぜかこの時代のテイストは懐かしいというか、たまらないものがあります。(弥生美術館で展示もしていたので見に行きたかったんですが、9/27まででした。残念!)

驚いたのは、一番最初に載っている「100年後(2061年)の東京」のアイデアが、ほとんど実現していること。ドーム型の室内野球場に、ビルの上のヘリポート、動く歩道・・・実現してないのはエアカーや空飛ぶタクシーと、いやにボディコンシャスな服くらい(笑)。(モジモジ君かテレタビーズか・・・という感じです。このへんから今回のネタが出ました(^ ^;))

「今アメリカで研究中の未来の乗り物」みたいなノリの、まじめな未来予測のイラストもとてもステキなんですが・・・トンデモフィクションのたぐいがこれまたすごすぎ!宇宙では 「月世界の人食い探査機」だの、「木星の三つ首ゴリラ」だのが人間を襲うらしいです!(「食いつくされて骨になった地球人」までご丁寧に描かれています!)驚くのは、これが「SF作品」ではなく、「なぞにつつまれた大宇宙の秘境魔境をさぐる大特集!」なこと。いいのかこれ。(笑)宇宙はわけのわからない危険がいっぱい!というコンセプトなんでしょうか。少年たちに前向きな宇宙へのあこがれを抱かせる気はさらさらないようです!読んでて笑いがとまりません!(笑)

とにかく未来予測もトンデモ怪獣もいっしょくたに、まじめな絵で描かれているのがたまらないんですよね。メカのレトロっぽさも・・・こーいうのが描けるようになりたいです。(笑)

 

2009/10/1

スティーヴ・カレル2作
『ゲットスマート』があんまり面白かったので、主演のスティーヴ・カレルが出ている作品をいもづるでチェックしました。書き損ねていたのとまとめて。

『俺たちニュースキャスター』
ウィル・フェレルのおバカ映画、『俺たち』シリーズのひとつ。いくつか見ましたが、そこそこ面白いほうではないかと思います。(これ、邦題で勝手にシリーズ化しているだけで、見てみると各々の作品はべつに関係ないんですよね。フェレル主演というだけで(笑))ほかに見た覚えがあるのは『俺たちフィギュアスケーター』(これは面白かったっス)『俺たちステップブラザース』(これはちょっとイタかったかな・・・)くらいですが。

70年代のローカル局の人気キャスターが主役なんですが、カレルはその人気キャスターの看板ニュースに出ているお天気担当アナ。ちびでものすごくおバカ、という役。ラストで出てくる「その後」がすごく笑えました。(ネタバレできないのが苦しいです!)『サンキュー・スモーキング』に銃業界のロビイスト役で出ていた方が、また強烈なキャラで出てました。そういえば『ゲットスマート』でも出てましたね。(頭にホチキスされちゃう人です)

そのニュース番組で扱われるニュースが大したことない、ってのも笑える部分なんですが、リスの水上スキーとか(これテレビで見たことある感じが)猫のファッションショーとかパンダのお産とか、動物ネタが多くてかわいかったです。(笑)

ウィル・フェレルは『ズーランダー』のイカレたデザイナー、ムガトゥ役がぶっちぎりで好き♪なのですが、この方、こういう「強烈な脇役」のときのほうが光る感じがします。主演だとやたら脱ぐのも困ったもの(笑)。(一度なら笑えるけど何度も出てくるとなあ…(^ ^;))

でもこの作品、カメオ出演がすごく豪華で、ベン・スティラーヴィンス・ヴォーンルーク・ウィルソンジャック・ブラック、そしてなんとティム・ロビンスまで〜〜〜!

ロビンスは以前かなり好きだったのですが、ある時期を境にあんまりおもしろい出演作を見つけられなくなりました・・・非常に政治的なポリシーのある方なんですよね。それが露骨になってからなぜか作品が面白くなくなりました。(といってもそうたくさん見ていないので、たんにチェックを怠ってるだけかも。でも、紹介を読んでも「見たい!」と思う作品が乏しくなったのは事実です) 一番印象に残ってるのは『ジェイコブス・ラダー』。これは傑作でした。ホラーなとこがありますが。一般に評価の高い『ショーシャンクの空に』は、自分はそれほどではなかったんですよね…やはりアンテナが曲がってる…?(^ ^;)

ほとんどのカメオはライバル局のキャスター同士の乱闘シーンでまとめて見られます。(ジャック・ブラックは別)ここのシーンはべつの意味でも一番おもしろいシーンだったかも。ちょっとモンティ・パイソンに近い感じのジョークでした。(笑)

『リトル・ミス・サンシャイン』
こちらはコメディーテイストでペーソスを淡々と・・・という感じで、家族全員が挫折や不幸を経験しつつ進行するロードムービーでした。

出演者が豪華で、まずいつもイライラしている一家の主婦がトニ・コレット。(この方こういうキャラ多いですね(笑))自己啓発プログラムを売り込んでリッチになろうと躍起になってる旦那がグレッグ・キニア。同居している旦那の父の不良老人(笑)がアラン・アーキン。(この方も『ゲットスマート』で惚れなおしたばかり♪)スティーヴ・カレルは、トニ・コレットの兄役で、ゲイで自殺未遂をしたばかりのプルースト研究家。再自殺防止の監視のためにこの一家に引き取られてきます。子供は二人で、兄はニーチェにかぶれて無言で通すパイロット志望の15歳。娘は6歳か7歳で、ミスコン出場にはまっているちょいメタボな女の子。

・・・と、キャラの「訳アリ設定」で見せる映画です。見ていてデジャヴを感じたのはなぜだろう。画面の色の感じとか、出てくる風景とか、「訳アリ」のところとか、「淡々とへんなこと」が進行する感じとか…なんとなく『バグダッド・カフェ』と似た感じがあったかもしれません。全体の出来映えはあれほどではありませんが。…ウェス・アンダーソンの芸風にも近いかもしれません。(『ダージリン急行』『ライフ・アクアティック』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』など)でも、「その線」としては自分にはちょっと物足りなかったです。全体に表層的なのと、ラストの収まり具合もちょっと…。たしかに変化は起こるんですが。「全体的にちょいあざといかなあ…」という印象を持ちました。音楽と映像の相性はすごくよかったですが、これまたデジャヴがあるんですよね。(^ ^;)前述の『バグダッド・カフェ』やアンダーソン作品の、ちょっと劣った「焼き直し」に見えてしまうのが残念でした。俳優さんが子役含めてみんなよかっただけに。

 

2009/9/28

Movies Paradise終了
昨日はMovies Paradiseに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださったみなさま、ありがとうございました! 昨日もコミケに続いてとても恵まれた配置で、入り口入ってすぐ正面、「いらっしゃいませ〜」という位置でした。おかげさまで人の流れが途切れず、たくさんの方といろんなお話をさせていただけて、ほんとに楽しかったです!

イベント合わせの新刊はなかったのですが、夏コミ新刊などがムーパラ初売りでした。小部数ずつ持参した既刊もかなりお手にとっていただけました。無料配布の小説おためしパンフも用意した分は完配(?なんて言葉があるのかしら)できまして、零細サークルにとっては大繁盛(?)な一日でした。(というか、なにかしらお買い上げいただいた方にはペーパーといっしょに有無を言わさず添付してしまったので(笑)、ペーパーと同時に完配になりました。すでに読んでくださってる方にも押しつけてしまったかもしれません・・・その場合はどうかご容赦ください)

チョロQワトスンの最初の三冊は一冊を残して完売してしまったのですが、ちょっとフルカラーは毎回刷るのがしんどくなってきたので、レーザープリンタで刷れるように、モノクロ縮刷版に加工しようかと検討中です。あと、読んでくださる方がおられるかどうかは別にして、やっぱりピーター・カッシングクリストファー・リーやおい本は作っておきたいなあ…とか思いました。RPネタにすればJ庭でも販売できるし…とか考えたり…絶対売れないけど…(笑)。(ネタはできてるんですよ!)

・・・さて、ここのコスプレは元ネタがわかるので見るのが楽しみなのですが、昨日目立っていたのは、なんといってもインディ・ジョーンズ三人組!すっかり同じ姿のインディが三人ですよ。一人だと地味かもしれないけど、三人並んでるとすごいインパクトが・・・そーか、その手があったか!(笑)。カメラを持ってなかったのが残念でした。せめて携帯を持っていればなあ…。

そしてぜんぜん知らなかった情報・・・パトリック・スチュワートイアン・マッケランが共演して『ゴドーを待ちながら』を上演した、というお話をうかがい、ロンドンでの観劇レポート本もゲットしました♪以前、串田和美さんと緒方拳さんで見たことがあるのですが、(戯曲自体の深読みの部分はまあ別としても)めちゃくちゃラブリーなお芝居なんですよね…主演の老人二人が。それをあの、「フェロモンおやじ」パト氏と、「サーの称号をもつゲイ」マッケランで・・・想像しただけではなぢが。DVDにしてくれないだろうか・・・。

ドイル特集!/ミステリマガジン11月号
…最新号のミステリマガジンが、コナン・ドイル生誕150周年特集です!こちらはひょんなことからいただいてしまったのですが(H様、ありがとうございました!)、バラエティーに富んだパスティーシュあり、関連書籍のデータあり、海外・国内の新刊情報あり、ホームズ・パブやホームズグッズ(マトリョーシカとか…(笑))の紹介あり、マンガもあり・・・と、ある意味ものすごく豪華な同人誌みたいな号です。(ほめ言葉です!)ドイルせんせの伝記も、海の向こうでは新しいのがどんどん出ているらしいです。正直自分程度の知識では猫に小判なくらいの情報です。でも、ページをめくりながら思わず頬がゆるみました。発売されたばかりですので、ぜひ書店で見てみてくださいませ。(ホームズ特集でなくてドイル特集、というのがなんか嬉しいので、この文字が表紙に刷られた本が店頭にある風景を、写真に撮っておきたい気がします(笑))

 

2009/9/25

快適です♪
さっそく昨日Amazonに注文したものが届きました♪あ、件名は昨日書いたデジタルインクペンではありません。(そちらは初めて使うときは六時間以上充電してから、ということなのでただいま充電中です。とほほ)

快適なのは、ついでで注文した折りたたみ式ミニテーブルです。これはちょっと説明が必要なのですが・・・自分の部屋は家の北東の角にありまして、窓は北側と東側にあります。で、普段パソコンや書きもの・描きもの(朝は食事も(^ ^;))をする机は、南向きの壁に向かってくっつけてあります。東側の窓はお隣とすごく近いので、目隠しを兼ねてキャスターハンガーなどを置いていて、三分の一くらいしか採光できません。背後にベッドが入ってて、その向こうの北側の窓がおもな採光先です。
で、作業中は壁に向かって長時間座るわけですが…最近、なんか閉塞感が気になり始めまして。(机の周りにいろいろと積み上げてる自分のせいでもあるんですが!)窓に向かって北向きに座れたら、かなり気分が違うんじゃないかなあ・・・とは思うのですが、部屋の狭さとモノの事情で、今のところ机はこの位置にしか置けないんです。

で、今の机と背後のベッドの間の空間に、小さいテーブルを置いて昼間だけでも使えないかなあ・・・と思いまして。昨日なんとなく検索してみたら、ちょうど良さそうなのが廉価であったので、勢いで注文したわけです。

・・・これが超快適!ああ、1481円でここまで変わるなら、もっと早く買えばよかった!
なんだったんだ不便がっていた数年間は!?(^ ^;)
天板の大きさは横50cm縦40cmで、飲みものとポメラと、本かノートと電子辞書を置いたらいっぱいです。でも、この狭さがかえって気に入りました。馴染んでいるドトールの小さいテーブルに近い感じなんです!(笑)
必要最小限のものしか目に入らない分、集中しやすいような。高さもちょうどそのくらいです。今、そこでポメラで書いてるんですが、すこぶるイイです。顔の前に空間があって、その向こうが明るいって幸せ・・・(笑)。そのうえ、足をベッドに乗せて伸ばせます!うはーラクチン♪
机自体、値段のわりにしっかりしていて、偶然ですが色も室内のものと馴染みました。いい買い物しました・・・。

・・・今気がついたんですが、背後で立ち上げているパソコン(デジタルインクペンの記録部分がパソコンに差して充電するものなので・・・)にくるっと振り返ると、そちらで調べものもできたりなんかして。パソコンで言うとデュアルディスプレイになったらこんな感じなんじゃないか、という便利感。いや、いつもパソコン立ち上げてるわけじゃないから今だけですが…。

とにかく、「煮詰まった。河岸を変えよう!」というときに、わざわざ喫茶店に行く回数が減らせるかもしれませぬ。それくらい違います。・・・というわけで、上機嫌の買い物でした。気をつけなきゃいけないのは、左右を持って持ち上げると折りたたみの足が戻って指を挟むので、たたむときに上下を持つようにすることくらい。高かったペンより、こっちのほうがよっぽど役に立った…なんてことになりそうな予感がします…。(^ ^;)

 

2009/9/24

使えそうなもの・あるいは使われそうなもの
先日、お彼岸で墓参りにいきました。帰りに横浜の有隣堂の文具売場で、大きめの罫線いり付箋(先日見た『ゲットスマート』で、主人公が大きな付箋にやたらと書いて貼っておく、というシーンがあって、メモ型付箋に惹かれるものを感じたので…(笑))とか、いろいろ物色していたら、ちょっとおもしろそうなものを見つけました。デジタルインクペンというやつで(商品こんなのです→TAXAN Digital Pen & USB Flash Drive Pro KG-DP301)、紙に書いた手書きの文字(のペン先の動き)をデジタルで記録し、あとでパソコンに取り込んで手書き文字を画像データにできる、というもの。当然、文字でない画像も取り込めます。・・・こ、これは!

・・・ポメラを買ってから、文章をタイプすることはどこでもできるようになり、非常に楽になったのですが(私は文章は手書きよりキーボードのほうが書きやすいほうなので…)、出先で描いた絵をデジタルで使うにはやっぱり、クロッキー帳に描きつけて、家でスキャンするしかなかったんですよね・・・このスキャンの手間が面倒で。
で、Cintiqの携行版みたいなのがほしいなあ、とずっと思ってたんです。それでこのデジタルインクペンを見たとたん、代わりにならないかなあ・・・と。お値段も一万円切ってて手頃だったし…。

帰宅してからいろいろ検索してみたら・・・ああ、こういうデバイスはいろいろ出ていたんですね。私が見たペンは、記録する部分はクリップになってて、書き付けるノートにつけてペンからの無線通信を受けるようなのですが、書き付けるボード自体が感知するタイプとか、ペンの色が複数あるのとか。

・・・しかし、いずれもボールペン。ここがネックかもしれない。ようするに、「消す」ことができないんですね。自分は絵を描くときは半分以上消しゴムで描いてるみたいなものなので、ちょっとこれではだめかも。

自分がデジタルで絵(とくに漫画)を描くときに非常に助かるなあ、と思うのは、一番試行錯誤が多い「レイアウトとラフ」が決まるまでの段階なんです。位置をずらしたり、微妙に縮小・拡大してみたり・・・そしてなにより、消したい部分を一発で消せる。・・・これに慣れたおかげで、絵コンテ(今はネームと呼ぶ方が多いですね)を作る作業は非常に楽になりました。問題は、パソコンとタブレットのある環境でしかできないこと。

デジタルインクペンはもともと「手書き文字」をパソコンに取り込むことに特化した商品なので、まあ設定された用途からは最初からはずれてるわけですね。(標準で手書き文字からテキストデータに変換するソフトがついてました)「複数の色があるやつで青インクでアタリをとれば、ある程度別レイヤーみたいな効果は得られるかも?」とは思ったんですが、それなら鉛筆でアタリをとるほうがマシだし、自分が一番お世話になっている「消しゴム」「拡大・縮小・移動」はパソコンに取り込まなきゃできないので、やはりあまりメリットないかも。・・・マンガ太郎さんみたいに一発描きできたらいいんだけどなあ・・・。

・・・でも、とにかく手書きの線がスキャンなしで即とりこめる、という手軽さは、なにかに使えそうなので、衝動的に注文してしまいました。ポメラで確実に「文章を書く」ことのハードルが下がったので、今度は「手でなにかを描く」ことのハードルを下げてくれないかな・・・と。(^ ^;)いい意味で道具に使われるというか?そういうきっかけになるといいんですが。…使ってくれるかなあ。(笑)ちょっとドキドキしながら待っています。

 

2009/9/22

連休中の朝マック
2009/09/22 09:05。(ポメラのこの機能便利です(笑))
マックに来ています。朝ごはん食べながら読書しているオトナの一人客さんが数人。自分はごはんはすませてきたのでコーヒーだけですが、なんか静かでお仲間が多いっていい感じです。BGMも落ち着いたピアノ曲ですよ・・・。ときによっては子供連れとか学生さんグループでシッチャカメッチャカなんですが、今日はマックらしくなくて嬉しい。(笑)

連休に入ってから、駅前のほかのお店も空いてる気がします。家で煮詰まって、気分転換に出てくると喫茶店でもすんなりいい席がとれたり。近所も静かです。みなさん出かけているんでしょうかね。こんな雰囲気、好きです。落ち着いてイベント準備と、いろんな原稿などやってます。こういうのが一ヶ月くらい続いてくれたら、かなりのことができるのになあ。(笑)

やっぱり熱いぜロボコン!
昨夜はテレビでロボコン世界大会の番組をやってたので思わずつかまってしまい、最後まで見てしまいました。前にもご紹介していますが、アジア圏(エジプトまで入ってますが)の国別大学対抗で、自作ロボットで競技をするロボット・コンテスト。トーナメント形式で勝者が決まります。

前もそうでしたが、この番組、作り方がすごくうまい。競技自体より、出場する人たち自身に焦点をあてていて、見てると感情移入してしまうんですよね。そしてもちろん、見所はアクシデント!

今回もイイのがありました(笑)。試合前日に、ベトナム代表チームの使っているバッテリーが競技規則と合わないことがわかり、取り替えなきゃ出場できないのですが、それがなかなか手に入るものでないらしいんですね。(こういうのって秋葉原にでも行けばサクッと手に入るのかと思ってたんですが・・・どういう事情なんだろう)

で、そのベトナムチームの指導教官が、日本の二つの代表のうちの一つ、豊橋工業大学の教官に相談。しかしこのチームが持ってるものも電圧が違って使えないという事態に。で、OBの一人(この方、前にチームのリーダーで出てました!)が、東京農工大の友人に電話して、この友人さんが徹夜でバッテリーを自作し、翌朝ぎりぎりで届けたというエピソードです。

・・・文章でまとめちゃうと、なんかアツイものが消えてしまうんですが・・・すごくいい話でした。だってすべての代表チームはライバル同士なわけですし。しかもこの、徹夜で自作した人がすばらしい。日本人、すごいじゃないか!

このエピソードはベトナムではニュースで取り上げられたそうで、その映像も流れました。一番の功労者である農工大の彼が報道されなかったのは残念ですが(笑)、でもそんな問題じゃないですね。

日本以外の国では、ロボコン自体が将来の技術者育成につながる国策レベルで重要なイベントになっていて、成果によっては留学させてもらえるとか特典もあり、就職でもアピールできるそうなんです。だからもう、本気度が違うんです。日本ではなぜか「オタクの趣味」レベルの一般認知なんですよね。努力と成果を正当に評価する基盤がほしいですね。ロボコンに限らず。(だから言い出しっぺのくせに一度も優勝してない、みたいなことになるのでは?)

日本のスタンス・・・というか、こういうものを見るときの視線が、なんか残念な気が。番組にもお笑い芸人のゲストが出て、わりと笑いに持っていこうとするんですけど、なんか本気でやってるのを見て無理にからかうみたいなところがあって、見ていてそぐわない感じがしました。対象がスポーツだったら、こんなこと言わないでしょ。やっはりオタクの情熱、みたいなのって偏見があるんだろうなあ。…タレントさんの言動は「振られた役回り」なのはわかるし、日本自体の「文化」や「気分」を反映しているのですけど・・・。なんか自分の感情に正直な文化である、ほかの国がうらやましくなりました。

・・・とても印象的なのが、ほかの国では家族に対する、日本人にはこっぱずかしくて言えないような賛辞を正直に表現してたりするんです。「お母さんに楽をさせてあげたい」とか「うちの息子は最高よ」とか。

経済的な余裕の違いはもちろんあります。部品を買う予算がないから、廃材置き場で探してくる…なんて、逆に技術萌え(?)なエピソードもあったり。(…なんか近未来モノの話によく出てくるような光景で、たまらんものがあります。自分には。「これは使える」って部品を見分けられること自体がかっこいい) が、だからといってそれらの国で裕福な人たちが、日本人みたいに家族を紹介するとは思えません。経済的なことが要因ではないですね、もちろん。

逆に日本人だって、こういう「身内褒め」は礼儀として(とくに人前では)封印していますが、べつにそういう感情をもってないわけじゃない。でも、やっぱり身内のことは人前でけなすのが当たり前、みたいな空気があって、身近な相手に対する敬意が知らず知らず損なわれたり、感情的なつながりが傷を受けたりする部分もあると思います。なんのかんの言っても、過小評価されるより褒められたほうが、正直いい気分なのは当たり前ですからね!(笑)
でもやっぱり、あからさまに身内自慢をしているのを見ると、みっともないなあ、とか思ってしまう感覚もあるわけで。うーん、サワヤカな身内褒めって、難しいですね!「褒める」という言葉に語弊があるのかも。「認める」くらいでいいんですね、きっと。

・・・ちょっと話がそれてしまいました。しかしつくづく、努力する姿は美しい。
額に汗して、というのは傍目にもわかりやすいし。自分がやっていることはリラックスしなきゃ成果が出せないので、「傍目にがんばってるように見えない」のがちょっとくやしくなりました。(笑)比べるのも変なんですけど。・・・リラックスするために必死になったり、思うようにリラックスできない状況にピリピリしたりしてるのは、とても傍目には努力とは映らないもんなあ・・・。(^ ^;)

 

2009/9/19 追加

ウェブコミックをアップしました。
…ちょっと前からこっそり(?)準備していたんですが、同人誌のほうで描いているチョロQワトスンSFバージョン(?)の宇宙探偵ホォムズを、小ネタでウェブコミックにしてみることにしました。よかったらのぞいてみてください。
タイトルのわりにいつもワトスンが描きたかったりするので、『宇宙探偵ホォムズ&ワトスン』としました。
ワトスン、タイトルロールに昇格です(笑)。

…チョロQワトスンは、もともと1ページネタとかを集めたものだったんですが、宇宙探偵のほうはなぜかストーリーものになっちゃってまして…なんかそのなかに繰り込めない、2、3コマで終わるような小ネタがいくつかあるので、形にしたいと考えたしだいです。(それと、もっとマメにComicStudioに触ろう、というねらいも。いつもイベントの締め切りを設定してから焦って描いているので、使い勝手を思い出すとこから始めてるんですよね…(^ ^;))

初回は力が入って(あれでも)きちんとコマ割り、ペン入れした漫画原稿っぽい感じになりましたが、もっとゆるい、スケッチの一コマ漫画みたいなのもやってみたいと思ってます。理想としては2週に1回くらいは更新したいものですが…まあ、自分でノルマを課すとヘンに「シゴト」になっちゃいそうなので、気楽にやります〜。チョロQは描いてて楽しいんです。ほんとに(笑)。のんびり見てやってください…。

来週のムーパラのほうは、当日あわせの新刊はちょっと無理そうです。というか、あとあとのために手をつけているものを優先することにしました。夏コミ新刊のコナン・ドイル突発本、ドイル生誕150周年記念エコバッグ、宇宙探偵シリーズの『なぞのアイスクリーム惑星』がムーパラ初売りになります。よろしくお願いします。(新刊お試し読みなどは、『同人誌な部屋』にございます)

 

2009/9/19

いろいろいい方に変わってほしいです。
…さて、なんかここ数日、新聞読むのが楽しいです。政権交代の結果がいろいろ「わかる」形で出てきて。溜飲が下がる、というか。
いつもひっくり返してテレビ欄から読むのに、ここんとこ一面から読んでますよ(笑)。

溜飲といえば、ちょっと前に唐沢なをきさんがNHKディレクターに失礼な取材をされて、取材自体を断った話を、よそ様のブログ経由で知りました。NHKが謝罪したそうで。私は唐沢氏のファンではありませんが、これも溜飲下がりました。昔NHKで、やはりあらかじめ偏見に満ちたシナリオがあるとしか思えない、漫画家さんのドキュメンタリーを見たことを思い出しまして。ほかにもまあ、報道関係者のひどい偏見とか、傲慢な態度の例をいろいろと・・・。

今回も、ブログというものがなかったら、はたして謝罪なんかしただろうか。しないんじゃないかな、と思えて。前に、「キリスト教圏の人は神を恐れるけど、日本人は他人の目を恐れる」という言い回しを聞いたことがありますが、まさに今回など、ブログで「他人の目」が健全なほうに機能した例だと思いました。(健全じゃないほうの例もたくさんあると思いますが、とりあえず今回は)
世の中に発信する…「他人の目」に訴えることができる手段が、限られたものだった頃は、それが権力でもあったわけで。だからこそ報道や放送関係者はときどき傲慢なことをしてしまう。その構造が崩れてきたんですね。ちょうど今読んでる、『ロングテール』が、そのへんのことを取り上げてます。(まあ主眼は、「ヒット商品でなくとも膨大な品揃えにすれば儲けが出る。ネットではそれが可能」という話で、生産者より商人の視点なのですが)「生産手段の民主化」を含めて、私たちにとってはいい時代になったのかもしれない…。

ついでなのでもう一つ・・・ニフティーのニュースでちょっとひどいものを見かけたので、書きます。アニメーターの搾取されぶりに関連してなのですが、
「アニメーターの月収は7万円」といった情報がクローズアップされ、日本のアニメ業界自体が悲惨な状況に置かれているという見方がもっぱらだ。しかし実は、『業界人のかなりの部分は稼げている』のだという。」
という導入部からして「はあ?」なんですけど・・・

アニメーター年収100万 業界は全員「極貧」か

アニメーター「だけ」ってナニ?「かなりの」ってどういう基準?…アニメ監督さんのブログを引用してはいるんですが、「実は、収入が低いのはアニメーターが突出しているだけで、他の業界関係者はそこそこ儲かっているという関係者もいるのだ。」なんて明らかに論旨を曲げているでしょう!
… たぶん、ブログのほうの文章は、悲惨さを報道されることで業界全体のイメージが悪くなることを心配してのことだと思いますし、なにより最後に引用されてる「アニメ業界の予算配分はおかしい」がテーマだと思うのですが、ニュース記事のほうは「アニメ業界で搾取されてる人は言われてるほどいない」みたいなニュアンスになっちゃってる。…これって、「サラリーマンのうちで大変なのは会社に勤めてる人だけ」なんて書くのと同じくらいナンセンスな文章なんですけど!
まず基本的なところで、この方の言う「儲かっている」制作関係者に対して、どれくらいの搾取されてるアニメーターがいると思ってるんだろう?番組のエンディングに名前の出る人なんて氷山の一角ですよ!?アニメ作品を作るのに不可欠な人材は、どういう人たちだと思ってるんですか!?プロデューサーや脚本家や監督だけいたって、なんにもできないんですよ!そのうえ原画・動画は特殊技能です。ちょっと絵の描ける人がすぐできるわけじゃないんです!

・・・どういう経緯でこんなひどい文章が、しかも個人ブログとかでなく、ニフティーが提供してる「ニュース」枠で出ちゃったのかわかりませんが・・・もう、腹が立つを通り越して、メディアの知能指数に対して絶望しました。(すみません、このページには批判めいたことはなるべく書かないようにしているんですが、昔ほんの短期間アニメーターをしてたので、ちょっと黙っていられなくなって書きました(^ ^;))

…そういえば今、政府の計画廃止で、いわゆる麻生さんの国営マンガ喫茶(?)の話なんかも、ニュースに出てますね。それを見てて、アニメ制作支援でお金を出すって話もあったよな・・・と思い出しました。「おお、やっとアニメーターの窮状に救いが・・・?」と思いきや、「海外研修」なんてバカな項目が書いてあったので、「ああ、これもじつはその部門の担当になる政治家だか官僚だか天下りだかに甘い汁吸わせるための隠れ蓑か…」とバカらしくなりました。

民主党さん、マンガ喫茶計画をつぶしたら、アニメーター救済のほうに回してください・・・いや、冗談じゃなくて。せめて社会保障完備で働けるように。私がほんの短期間勤めたプロダクションはなかったです。それが普通だと聞きました。(だからそのあと、普通の会社…といってもすごく小さい出版社でしたが…に転職したときには、「毎月決まった給料が出るうえに社会保障つきなんて、夢みたいだ」なんて感じたくらい。それが世の中では普通なんだ、という感覚になるまでには、だいぶかかりました)一日12時間以上働いて、休日も仕事持ち帰りで一日中描いて、それでも終わらないくらいの仕事量で、月収なんて数万円。すぐに身体を壊してやめました。それでもそこは、「男の子は泊まり込みだけど、女の子は終電ぎりぎりで帰してもらえる」というのが「良心的」だと言われてたんですよ!・・・今考えるとほんとになんというか・・・。とにかく動画の単価が安すぎました。韓国などの安い動画と競合してたんですから。…数年前に、動画単価が自分たちの頃と変わっていないのを読んでびっくりしました。これだけ市民権を得て、日本の文化を代表してるみたいに祭り上げられてるんだから、少しは改善されたのかと思ってたのに…。

…いまだに忘れられないんですが、日本のテレビがアメリカのアニメーターに取材したとき、「忙しくなるとやっぱり徹夜続きでしょう?」とレポーターが聞いたら、「仕事が増えたら会社がスタッフの人数を増やすので、徹夜なんてありえないですよ」と答えてたんです。・・・なんだろう、この差は。作品のクオリティーに出てる気がしますね。…アニメーターの技術や描く速度には個人差がありますから、個人的な能力の限界で収入に多寡があるのはあたりまえです。しかし、そもそもが低すぎる報酬で、しかも命を削るような労働時間で働くのが「あたりまえ」になってるアニメーターの犠牲を前提に、成り立ってる日本のアニメ界って…。やはり歪んでいるとしか思えません。必要な予算がない状態で作るのがあたりまえになってる。この状況で特定の人が「儲けてる」ってのが、そもそもおかしいわけです。(手塚治虫の負の遺産だとか、いろいろ言われてはおりますが、分析だけじゃ事態を改善することはできないでしょう)

日本では、誰かの犠牲に頼らないと物事が成立しないことが多すぎます。・・・もっと切実な例でいえば、介護業界の話を聞いてても、一番カナメの、一番大変な部分を支える人が、最低の報酬しか受けられない。必要な専門知識と責任と技術・体力を考えたら、介護現場で働く人の報酬は、普通のサラリーマンの倍くらいあって当たり前だと思います。今の資本主義は欠陥があって、それができるシステムになっていません。需要が正当な報酬の高さにつながってないんです。そこを補完するには、やはり「神の見えざる手」じゃダメです。政治です。いいほうに向かっていってほしいです。ていうか、そのために自分たちも、少しずつでも声出していかないといけないですね。「どうせダメだ」という感覚から、なんとか脱皮しないと。すごくエネルギーも勇気もいるけど。とりあえず、受け容れられない状況を拒否することは第一歩ですね。

 

2009/9/12

DVD感想を三つほど。書きそびれてるうちに新しいのに手をつけるもんだから、ぜんぜん追いつけません…ほぼ毎晩一本のハイペースです。 (^ ^;)

『フランク・ザッパとクリストファー・リーのこわがることをおぼえようと旅に出た男の話』
クリストファー・リーの名前に引かれて借りました。Fairy Tale TheatreというテレビシリーズのDVDで、雰囲気は80〜90年代っぽいです。コメディータッチでドラマ化したおとぎ話大物キャス、というのが売りみたいです。このエピソードも邦題からして・・・(笑)。

お話はタイトル通りで、何を見ても恐くないことで周りから浮き、悩んでいる若者(ピーター・マクニコル。老けてからの顔しか知らなかったんですが、若い頃すっごくかわいくてびっくりです!)が家を追い出され、呪われた城で三晩過ごしたら財宝とお姫様をもらえる、という企画(?)に「これなら怖い思いができるかも」と挑戦する、というお話。本当に怖いものは・・・というオチを含めて、かなり笑えました。

リーは呪われた城の王様役で、元祖ドラキュラとして有名なヴラド・ツェペシュの息子、という楽屋落ちな役(笑)。じゅうたんで簀巻きにされたりしてラブリーです♪
フランク・ザッパという人は、名前は聞いたことあるんですけど、あんまりピンとこないんですよね・・・ミュージシャンでしたっけ?背むしの宿の下男役でした。ナレーションはビンセント・プライスという方で、私はまだ意識して見たことないんですが(いまだに名前を聞くと、『未来世紀ブラジル』に主演していたジョナサン・プライスと混同してしまいます)リーやカッシングと並んでホラースター御三家、な人なんだそうです。というわけで、このエピソードはリーとプライスの二人を擁して、ホラー映画へのオマージュな1本らしいです。

ほかでびっくりしたキャストは、宿屋の主人役だったデビッド・ワーナー『オーメン』での例のスパーン!とやられる役とか、『タイム・アフター・タイム』の切り裂きジャック役などで印象に残ってます。こう並べると、この方もホラーなイメージなのかもですね。たしかに贅沢な一本でした!

『ゲットスマート』
これは珍しく最近の作品。スパイもののコメディ映画で『それ行けスマート』という昔のテレビシリーズのリメイクだそうですが、元ネタは見たことありません。あんまり期待してなかったんですが、めちゃくちゃおもしろかったです!
アメリカの架空の政府諜報組織「コントロール」で分析官をしつつ、エージェント(現場でのスパイ)を目指している主人公(主演の人は見た記憶がない方です。コメディアン…なのかな?)が、組織のなかでは面が割れていないということで、最近整形したばかり(笑)の女性エージェント(
アン・ハサウェイ。恵まれすぎた顔とプロポーションが、まんがチックなコメディと相性いいですね!)とともに活躍する話。敵はこれも架空の悪の組織。ウランを闇で流通させているという設定です。ここのヘッド(じつは中間管理職?)役がテレンス・スタンプ!(なんかうれしい〜♪)

ほかにわかるところでは、コントロールのボスの人がなんか見覚えありまして…名前を見たらアラン・アーキン。・・・『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』ハンサムすぎるフロイド(笑)で覚えてます。つるっぱげになっててわかりませんでした!でもやっぱかっこいい!ちょっとゲイリー・シニーズ入った感じになりましたね。
ほかに、
マシ・オカさんがコントロールの開発部(?)で働いている、オタク二人組の片割れ役でした。かわいいですね、お肉がやわらかそう(笑)。

・・・もっとおバカ系でまとめてるのかと思ってたんですが、アクションが本格的で、テンポも音楽もものすごく良かったです!ストーリーも(コメディの枠の中でですが)破綻なくきっちりできていて、伏線もちゃんとあり。油断していただけに(?)うわーやられた!ってな感じです。思わぬ当たりクジでうれしいです♪最後のクレジットには、監修でメル・ブルックスの名前があって、これもびっくりしました!(失礼ながら、まだ現役とは思ってませんでした…(^ ^;))

『トップ・シークレット』
ピーター・カッシングが出ているということで気になっていたナンセンス・コメディ。1984年の作品です。レンタルにないので買ってしまいました。新品でも中古くらいの価格だったので。
脚本・監督は
『フライング・ハイ』『裸の銃を持つ男』シリーズを作った方たちだそうです。

東西が統合される前の東ドイツで音楽祭が開かれることになり、そこに招かれたアメリカ人ロックシンガー(エルビス・プレスリーのパロディ)が、現地のレジスタンス運動に巻き込まれて・・・というコメディ。東西ドイツが分かれていたのも、もう昔のことになっちゃいましたね。知らない世代の方にはピンとこないかもですが、「東ドイツ」ってたしかにこんなイメージありましたっけね。

カッシングの出演は1シーンだけで、役はレジスタンスに協力しているスウェーデン人の本屋。普通のオヤジさん…と思いきや、じつはとんでもない特殊メイクです。(ネタバレ自粛します。見てのお楽しみに(笑))。しゃべっている言葉はまったく意味不明。じつはこのシーンは信じられないような手間がかかってまして…ああ、これもネタバレしないほうが笑えますのでガマン。「思いついてもやらないよフツー」というアイデアです。いや、アイデア自体はそう複雑じゃないのですが、少なくともこの長さでやるってのは見たことない…。(この映画、この手の無駄に手間かけたジョークの連続です(笑))
この本屋のシーンは1ショットで撮っていて、2分弱くらいしかありませんが、その特殊な事情のためにリハーサルに一日、撮影に一日かけたそうです。いやはや!
監督らの音声解説では、撮影中のほほえましいエピソードが披露されてました。監督があまりに撮影に時間がかかるので、カッシング御大に「ハマーフィルムだったらもうとっくに撮り終わって、セットを壊してる頃だな」と冗談を言ったところ、「ハマーなら撮り終える前に続編に入るよ」と笑って返されたそうです。いやー、いいなあ(笑)。

先日見た『Asylum』の音声解説でも、カッシングが登場したとたんに「Lovely man, Peter.」と言われてました…。(そーいうとこだけはちゃんと聞き取れるんです!(笑))ほんとにスタッフに愛されてた方みたいです。年下の監督からもラブリーなんていわれちゃったりして、まあステキ♪(笑)

主演のロックシンガー役はヴァル・キルマー。あまりににーちゃんにーちゃんしていてびっくり。・・・かわいかったんですねえ、お若い頃!初めて見た時にはもうマッチョなイメージだったので、こんなにヒョロッとしてたなんて驚愕です。プレスリーらしい振り付けを完璧にこなしてます。さっきの本屋の特殊シーンでは、音声解説でその運動神経の良さを賞賛されてました。

それと、やはりハマーやアミカスの映画にちょくちょく出ているマイケル・ガフが、東ドイツ政府に拘束されて秘密兵器の開発をやらされてる科学者役でした。まじめな顔してスケベじじい、という楽しい役でした。(笑)
しょっぱなからオマー・シャリフが出てきたり(しかも進行するにつけ、とことんひどい目に!よく出ましたねこの方!(笑))、グラナダ版ホームズのロイロット博士ことジェレミー・ケンプがドイツの将校やってたり、なにげに豪華なキャストでした。

「無駄に手間をかけてるオカシサ」は脱帽ものですが…(ギャグもそうですが、音楽シーンの振り付けもすごい!)…どうもテンポがイマイチゆるく感じられます。ちょい昔の作品であるためですかね。(80年代を昔と言うのはちょっと違和感あるのですが…(笑))
とにかく、 いろんな大御所が「コンナコトしてくれてる!」というのが楽しかったです♪ カッシングの姿を見られる出演作としても最晩年に近い作品。(姿を見せた最後の作品は翌年のものです)いろいろ貴重でした。

 

2009/9/9

いつまでもあると思うなYoutube(の映像)/モノクロ版『1984』やっと鑑賞♪
ちょっと体調を崩しまして、毎度ながら生産的なことができないので、「美老人でも見てなごもう」と、以前リンクを張っておいたYoutubeのビデオを見に行きました。

・・・がーん。削除されてました。(ちなみにこのページにもリンクを貼っていた、ピーター・カッシングの映像に『フライトナイト』サントラの『Dream Window』を合わせたものです。すごくよく合ってたんですけど・・・)なんか音楽の使用とか、厳しくなったみたいなんですよね・・・ショック。これで売り上げが下がるとは思わないけどなあ。むしろ、ここで初めてこの音楽を聞いて、サントラCDほしくなる人いると思いますが。(私もじつはほしいです♪)とにかく残念でした・・・。

それで「Youtubeのビデオっていつなくなるかわからないな」と考え、DVD騒ぎですっかり吹っ飛んでいた、ピーター・カッシング主演の『1984』をやっと見ました。・・・すごく原作に忠実でびっくりしました!

ストーリーについては、ジョージ・オーウェルの原作の感想を書いたときに、ネタバレしない程度にご紹介しているので省きますね。今回見たのはモノクロのテレビドラマ化作品で、『BBC Sunday-Night theatre』という枠で1954年に放映されたものだそうです。DVDはイギリスのAmazonでも見あたりませんでした。別の1956年製『1984』に「Original」とついていたので引っかかったんですが、レビューを読んだら「オリジナルと聞いてみんながイメージするのは、ピーター・カッシング主演のほうでしょう。これはそのドラマと原作の、影の薄い焼き直しですよ」・・・という感じのツッコミが入ってました。やはり本国では評価が高いらしいカッシング版・・・それでもいまだにDVDが出てないとなると、逆にこれ以降も望み薄かもですね・・・。
・・・となると、このYoutubeのアップは、再放送の録画かなにかをあげてくれたのかもしれません。あるいはVHSが出たことがあるのか…?とにかく貴重な映像をアップしてくれた方に感謝!

主役のウィンストン・スミスを演じているのがカッシング。見た方には語りぐさになっているようで、たしかクリストファー・リーもインタビューですばらしかったと言及していたと思います。それで見たくなったんです(笑)。・・・評判を裏切りませんでした。この時代でテレビ、という制約があるので、自分が覚えているジョン・ハート版の映画に比べるといろいろと表現がマイルドで、サクサク進みすぎるきらいはあるのですが・・・それでも充分。ネタバレを避けると詳細は書けないのですが、形相が変わるところなど、たいした特殊メイクではないのに、急に十年くらい年をとったように見えました。「ねずみ」のくだりやラストの表情も印象的でした。ほんとに見られてよかった・・・。

あと、またまたドナルド・プレザンスを発見(笑)カッシング狩り中に彼を見かけるのは『デビルズ・ビレッジ/魔神のいけにえ』『死体解剖記』に続いて三回目です。『デビルズ・ビレッジ』では邪教崇拝の男爵と神父、『死体解剖記』では医大教授と死体納入者、という共演でした。今回はウィンストンの同僚役です。チョイ役ですが、重要な役でした。やはり目が、すごく印象的てすよね、この方・・・。しかし並ぶとプレザンスって顔小さい…カッシングの顔が大きいのか…?

重要なオブライエン役はアンドレ・モレルという方で、ナカナカ素敵なので、ほかには何に出てるんだろう・・・と調べてみました。・・・なんと、先日見たハマー・プロ版『バスカヴィル家の犬』ワトスンをやっていました!扮装がまったく違うので気がつきませんでしたが、いわれて見るとたしかに同じ人です。うわー、ウィンストンとオブライエンが、数年後にホームズとワトスンかあ・・・!(笑)

・・・Youtubeで「続きもの」のビデオをがっつり見るのは久しぶりだったんですが、なんか自動的に次のビデオを再生してくれるようになったんですね。7分くらいずつ、Part 15まであったんですが、スムーズに見られました。終わったところで、同じジョージ・オーウェル原作の『動物農場』のアニメが始まりました。なんて親切な(笑)。でももったいないのでいったん切りました。これはまだ原作読んでないんですよね・・・たしか日本でも最近公開してたような気がするし。字幕入りDVDがレンタルにあれば、そちらで見たいかも・・・。

今のところまだある『1984』。ご興味のある方はぜひどうぞ♪
→1984 - BBC 1954 with Peter Cushing part 1

ロンドンの街について
・・・体調のせいで原稿は進んでないんですが、ホームズ贋作小説の設定の細部を詰めるために、ちょこちょこと調べものをしました。そしたらとても重要な事実に出くわし、大幅な修正が必要になりました。下手に進めてなくてよかったかも・・・。
ドイルせんせの「なにも積んでいないのに荷下ろしを始めるのは間違っている」というお言葉は、ほんとに至言ですね。何度目かの反省をしました・・・。(^ ^;)

 

2009/9/7

こんなヒトがこんなところに…/『アサイラム/狂人病棟』
ちょっと前にジャケット写真だけご紹介しました、アミカス・プロダクション制作のホラー3本入りボックス、AMICUS COLLECTION。いずれも本邦未DVD化なんですが、目当ては内容でなく、ピーター・カッシングの写真が素敵だったのでジャケ買いしたものです(笑)。VHSが出たときの邦題があんまりなので、なかなか食指が動きませんでした(笑)。そのうちの1本、『Asylum』を昨夜鑑賞しました♪(VHSの邦題は『アサイラム/狂人病棟』

とある精神病院に、新任の医師がやってきます。出迎えたのは車椅子の医師。じつは院長が発狂して自分を襲ったため、患者として二階の病室に隔離されていると言います。数人いる患者のなかから、どれが院長かを当てたら合格、という話になり(この時点でなんでやねん、なのですが(笑))、新任医師は二階へ…。二階には病棟担当の看護師が一人いて、医師を病室へ案内します。そして患者一人一人の妄想話につきあいつつ、どれが院長かを見抜くことに…。

この「患者一人一人の妄想話(あるいは現実に起こったのか?)」がパーツになっているオムニバス作品で、『世にも奇妙な物語』みたいな感じでした。最後には全体としてのオチもつきます。名前が一番最初にクレジットされていたので期待していたピーター・カッシングは、じつはそのうちの一つのエピソードに出演していただけでした。しかも主演ではないのですが、息子を亡くしたショックで魔術に傾倒した紳士という役で、なかなか哀れでもあり、いい役でした。思いつめた表情がたまりません。1972年作品なので、やはり老け具合が絶妙。ルックスにメロメロです。(笑)

しかし拾い物は別にもありました。まずは、ホラーでカッシング狩り(笑)を始めてから存在を知って惚れた、ジェフリー・ベイルドン。IMDbによると、「ドクター・フーを演じた唯一のホモセクシュアル俳優」だそうです。(ただしオーディオドラマで。実写はなぜか降りたらしい)これを見てからさらに腐女子株が上昇(笑)。
看護師役なのですが、これがとってもおいしい役でした!この方は『ドラキュラ』ではヴァン・ヘルシングの執事役、『フランケンシュタイン・恐怖の生体実験』で警察医役、ピーター・セラーズ版の『カジノ・ロワイヤル』ではQ…などをやってます。金髪とちょっと皮肉な表情が印象的な、いかにも英国な感じのおじさま♪今も健在でご活躍中らしいです。あ、今プロフィールを見たら、グラナダ版ホームズの『ブルース・パティントン設計書』にも出ていたらしいです!うわー見直さないと!)

ほかに患者の一人でなんとシャーロット・ランプリング『愛の嵐』以前で、まだ美少女という感じ)、ハーバート・ロムピンク・パンサーシリーズでクルーゾー警部の上司をやってました)など。ほかにも名前がわかりませんが、「絶対見たことある…」というヒトがいろいろ。なんせオムニバスなので出演時間は短いものの、なかなか豪華だと思います。

オチは書けませんが…まあ、いろんな意味で『世にも奇妙な物語』でした。今見ると怖いというより笑えるところも多いですが、俳優陣のマジな演技はちょっと豪華なオモチャ箱ってな感じです。

…邦題のトホホっぷりでB級おバカホラーを想像していましたが、予想よりはちゃんとした作り。設定は穴だらけだったりムリヤリだったりするんですが、「わかってて手を抜いて悪ふざけしてる」のと、「その時代の精一杯」というか、それなりにきちんとやろうとしているのとの違いでしょうか。あるいは出演者の平均年齢が高いからか…ツッコミいれて笑えるシーンでも、「なんか贅沢」な感じがします。英国の俳優の層の厚さ、こんなところにも出るんですね。「こんな映画」でさえ、こんなに質の高い演技が見られるんですから。

じつはアミカス・コレクションではもう1本、『Beast must die』をちょっと前に鑑賞しました。こちらはまた改めて。

 

2009/9/3

隠れた傑作かも!/『死体解剖記』
ちょっと鑑賞してから時間が経ってしまったんですが、ピーター・カッシング出演作で購入した『The Flesh And The Fiends』(VHS邦題『死体解剖記』)の感想です。

1960年のモノクロ作品ですが、見出しに書いたとおり、これは隠れた傑作かも!と思いました。お話は実話を元にしています。時は十九世紀初頭。エジンバラで解剖学を教えているロバート・ノックス博士が、バークとヘアという二人組から解剖用の死体を買っています。この二人がじつは墓荒らし。火葬ではないので、埋葬されたばかりの死体を掘り出しているのです。新鮮であるほど高い値がつくことから、二人は次第に身よりのないホームレスなどを殺して「納入」するようになり、それが露見して逮捕。じつは博士も死体が自然死によるものでないことに気付きながら買っていた・・・というもの。
ノックス博士がピーター・カッシング、二人組のうちの一人ヘアがドナルド・プレザンスでした。(この人が出ているとは知りませんでした。チャッキーみたいな顔が怖い!)

このDVD、英語字幕さえないのがちょっと困るのですが、以前図書館で借りて読んだイギリスの犯罪史の本にバークとヘアの話が出てきたので、ストーリーは問題なく追うことができました。本のほうでは、絞首刑になった犯人は自ら解剖用に献体されるはめになった・・・という落ちがついてたと思います。映画のなかでも、刑を執行される前に犯人が神父さんか牧師さんかになにか言う場面があって、そのへんに関連したことを言っていたようなのですが、充分に聞き取れませんでした。(^ ^;)

「傑作かも」というのは、これが単なるホラーサスペンスではなかったからです。ジャケットやコピーはホラーとして売ろうとしていて、カッシングも片目がつぶれた、少し不気味な顔になっています。このジャケット写真を見ると、博士が悪の権化のように見えるのですが、そこは複雑です。

博士は出所の怪しい死体を買いますが、医学教育のためには必要なことと割り切っています。墓荒らしから死体を買っていると噂になっているのか、医学協会らしき組織の仲間からも、バークとヘアが捕まる前から何やら責められています。(推測ですみません、せりふが聞き取れないのです(^ ^;))博士は罪悪感など見せず、非難を軽くいなしてしまいますが、のちに自分の行為の意味を思い知って苦しむ場面があります。

バークとヘアが逮捕され、ノックス博士を非難するデモ行進も起こります。医学協会にも呼び出されてつるし上げられますが、それでも堂々としている博士。その帰り道、浮浪児の少女に小銭をねだられて、持ち合わせがないのだとやさしく言います。でも家まで来るならあげられるよ、と。(ようするに、根はやさしい人物だというシーンです)
しかしこの小汚い女の子は「No thank you.」と断ります。ここでのせりふも完全には聞き取れないのですが、「あなたがドクター・ノックスだったら怖いもの」みたいなことを、たぶん言われています。(あるいはノックス本人だと知ってて、ついていったら解剖されちゃうもん、とか言ってるのか?)そしてぱっと走り去ってしまいます。

ここで初めて、ノックスは愕然とした顔をするのです。うまいなあ、と思いました。理詰めでいくら責められても自分を正当化できるけど、こういうことで感情が動いてしまうという…。

最後に博士は、講義の前に学生たちにスピーチをするのですが・・・そこが全部聞き取れたらなあ。シーン自体、博士が一番非難されていたときには学生がほとんどいなくなって、そのあとで学生たちが戻ってきた、という感動的なシチュエーションです。講義のシーンは何回かありましたが、朗々とした口調に聞き惚れました。

バークとヘアが被害者を殺すシーンなど、かなりショッキングだったりするのですが…(モノクロだし、今のホラーと比べるとそれほどすごい映像ではないんですが、なぜかすごく怖い。やってることの意味が怖いんですよね。文字通り「ぞっとする」シーンです)、そういうエジンバラの貧民街でのセンセーショナルなドラマと同時に、ノックス博士の周りで論議される、医学の両義性、原罪性やリスクもテーマになっています。臓器移植が問題提起している今の時代にも、充分訴えるところがあると思います。
ほかに ノックスの教え子と貧民街の女性、別のノックスの弟子とノックスの姪の恋愛なんかも盛り込んであります。

…というわけで、このノックス役、フランケンシュタイン系統のキャラクターではありますが、紳士的な態度の下に隠れた葛藤がよりリアルで、カッシングのあたり役の一つではないかと思いました。
(フランケンといえば、足の不自由そうな浮浪児役で出てきたヒトは、フランケン一作目で、思春期のフランケンシュタインをやってたヒトだと思います。医師仲間の一人は、やはりフランケンで食堂のオヤジさんをやってたヒトでした。見知った顔が出てくると、「これは映画なんだから」と思い出せて、なんか安心します(笑))

DVDには、イギリス公開版と、より刺激的なシーンが一分ほど追加されているというヨーロッパ公開版が収録されていました。それに予告編と、アメリカ公開版のオープニング、公開時の広告画像など。なんとなくマニアックに充実していて、「やっぱり『隠れた傑作』扱いなのかも」、と思わせます。日本での未DVD化はほんとに残念!

 

2009/9/1

読書用付箋
使えそうな文具を見つけて買いに行きました。じつはAmazonで見つけたんですが、大きさが25mm×7.5mmの付箋です。(ポストイット スリム見出し )普通のの四分の一くらいでしょうか。本を読むときによく付箋を貼るのですが、ページの余白に貼ると普通のでは長すぎるんですよね。で、自分で半分くらいに切っていましたが、ハサミで切れる程度の枚数ずつにしても、なかなかきれいに切れない。あとから見ると長さも不揃いだし。なので、最近はただ曲げたりしてました。この商品を見つけたときは願ったりかなったり!幅が狭いのもいいです。(あとから見返すときに、どの行に貼ったのかわかりやすい)
別に読書用じゃなくて、商品名『スリム見出し』なんですけど、レビューを見るとやはり読書に使ってる方がいますね。あと手帳に使ってる方も。

サイズの参考に一円玉置いてみました。

この商品、地元のスーパーの文具売場ではやはり置いてないので、コレ目当てで横浜に行きました。西口の有隣堂でさっと買って帰るつもりでした。が。・・・ナイ!ええっ、ここにないとしたらどこ見ればいいんだ・・・?

さりあえず東口のルミネの有隣堂に。おお、ありました!とりあえずホクホク。せっかくここまで来たので、ついでに地元の本屋にはない本をいろいろ見物(?)してきました。

一番の掘り出し物は『モンス・デジデリオ画集 』。こちらは復刊ドットコムのメールで知ってなんとなく興味をひかれてました。実物を見られてうれしい♪17世紀の画家だそうで、真っ暗な背景に浮かび上がる、彫像だらけの壮大な建物が印象的。破滅を描く画家、みたいなコピーがついてました。いちおうふつうの宗教画で扱うテーマも描き込まれているのですが、どう見てもオマケ(笑)。どーんと目に入ってくるのは建物のほうです。ソドムとゴモラなんて、壊滅する街がどーんと描かれていて、手前の丘に小さくキリストと二人の天使が描かれてるんですが、なんかスクリーンでスペクタクル映画を見ているような。すごいです。画集はB5程度のハンディなものなんですが、実物の絵はどれくらいのサイズなんだろう。なんかその前から動けなくなりそうな迫力です。この書店は椅子がおいてあるので、座ってじっくり鑑賞しました。あと、どでかいダ・ヴィンチの画集(とても持って歩けないサイズなので、配達サービスのメモが貼ってありました(笑))もペラペラ拝見しました。ああ、なんかすごくイイもの見ました・・・タダで(笑)。

お昼になってしまったので、同じ階のオーガニックっぽいレストランに初めて入ってみました。野菜のカレーとコーヒーのセットを注文。カレーのご飯は玄米で、コーヒーも有機コーヒーだとか。いやはや。コーヒーについていたクリームがうっすら茶色がかっているので聞いてみたら、豆乳に豆だかなんだかから作った甘酒を入れたものだそうで、少し甘みがあるんだそうです。すごいこだわり・・・!
メニューをよく見たらバターとかも使わない、と書いてあったので、ダイエットとか乳製品アレルギーとかの方に対応したコンセプトなのかしら。(今検索しましたら、マクロビオティックレストランだそうです。→ファンケルガーデン チャヤマクロビ そーか、マクロビってこういう…。味は普通、というか地味でしたが(笑)、たしかに身体によさそうな、胃に優しい感じがしました)

なんかこういうお店は、生成の布が似合いそうな、色白でやせた上品な人しか入れないような気がして敬遠していたんですが(どういう偏見だ(笑))、入ってみると、ガラス張りのわりにはなかなか落ち着けるお店でした。女性一人で入りやすい雰囲気です。(男性の一人客さんも少数いました)ウェイトレスさんたちも有機食品が似合う(笑)やさしい口調の方ばかりで、癒されました・・・。(じつは疲れてたんです・・・(笑))

焼きドーナツ試食
じつはジョイナス(横浜の西口駅ビルの半分くらいを占めてるエリア)の一階が、改装したばかりなんです。オープン日に母が見てきて、若い子向けの服屋とかばっかりだと嘆いていた(笑)のですが、パンフを見て気になってた焼きドーナツのお店に行ってみました。(→お店のサイト ミエルドーナツ

店の構えがシンプルすぎでちょっとびっくり。(笑)大量のドーナツを棒に差したのがカラスケースに飾ってありますが、商品見本というよりオブジェっぽい。あとは焼いてるところがガラス越しに見えて、端に会計のカウンター。(ワッフルを焼く機械みたいなので焼いてます。昔イタリア菓子のレシピ本に、このクッカーの広告があったのを思い出しました。そのわりに焼きドーナツという商品は、これまでぜんぜん見たことなかったですが…)メニューを見て注文するやり方で、販売物自体は見えるところに並んでいないので、遠くから見たときは一瞬何のお店かわかりませんでした(笑)。写真はもう少し大きいほうがいいんじゃないかな…。(よけいなお世話(^ ^;))私の前にはたまたま二人、10秒違いくらいで並んだ人がいましたが、私の後ろにはいませんでした。でもカウンターの前に列用のポールがあったので、時間によっては並ぶのかもしれません。

私が買ったのはシナモンと焼き芋。シナモンはその名の通りシンプルにシナモンシュガーがまぶしてあり、焼き芋は小さく切ったお芋と黒ごまが入っていました。

母と半分ずつ試食。手前のゴマいりが焼き芋。奥がシナモン。
コーヒーで食べましたが、日本茶も合いそう。

食べた印象は、味付けのせいか和菓子に近く感じました。シナモンも「ニッキ味」と言いたい感じ(笑)。生地の感触はキメが細かくてふわんとしたパウンドケーキみたいな感じ。甘さは充分ありました。原材料を見ると砂糖もショートニングも入っているものの、やはり油で揚げてないぶんさっぱりしてます。甘党の年輩の方への手土産にもよさそう。

ほかにもきなことか大納言とかの和風もの、クッキーショコラやラムレーズンという洋風ものもありました。今度は洋風でチャレンジしてみよう。

 

…そのほか、新しいお店をぶらぶら見て回ったり、思いついたグッズ用の素材を物色したりしてきました。(とくに作る計画は立ててないのですが、参考として) 帰り際に別件を思い出して、再度西口の有隣堂の文具売り場に行ったら…午前にはなかったスリム見出し付箋がありました…!何度も見直したのでココには並んでなかったはず!並べる前だったのかなあ…とほほ。でも、東口に行かなければ見られなかったものをたくさん見てきたので、むしろラッキーだったのだと思うことにしました。(笑)

午後から例の付箋を使って資料の読み直し・・・の、予定だったんですが、予期せぬ横浜ぶらり旅になってしまい、帰ってこんな日記を書いていたら夕方になってしまいました・・・でもいい気分転換になりました。資料は夜読みます。(^ ^;)

 

2009/8/30〜31

開票速報を聞きながら
なんとなく十時すぎ頃までテレビの開票速報を見てしまったのですが、今は自室に移ってラジオで速報を聞きながら、ネットの速報情報ページを見ています。(自室のテレビはDVD用で、アンテナにつないでないので)
すごいなあ。ここまで変わるなんて。なんか今まで、自分一人くらいがどこに入れたってどうせなにも変わらないんでしょ、みたいな感覚がありました。国の選挙という規模でなくとも、なにかとあきらめるくせがついてしまってましたが、いやあ、変わるんですねえ。日本でも。政治がリアルなものだと思えるようになってきました。こういうことを頻繁に見聞きしてたら、絶対違う精神構造になってたな。歴史的な瞬間に立ち会ってるんだなあ、歴史的な選挙で投票したんだなあ、というミーハーな高揚感をちょっと感じました。各党のマニフェストをちゃんと読み比べて投票先を決めたのは初めてなのもあり、なんとなくリアルタイムで結果を見届けたい気分です。

政権とったことのない人にやらせたら混乱する、ってへんな批判をテレビで見ましたが、だからダメだってのは違う気がする。それがまかり通ったら、既得権益のある人たちが永遠にその地位にいることになりはしませんか。

これは初めての変化であって、これがどういう結果になるかは当然わかりませんよね。でも少なくとも、これまでのままじゃダメだ、と思ったときに、国民が「とにかく変化する」ことを決められる、というのが当たり前になるための、これはほんの始まりなんだと思います。民主党がどうこう、ということではまったくないと自分も感じています。正直、それ以前のレベルですよ、まだ。選ぶ側の私たち自体が、「自分たちが変化させる、あてがわれたものを拒否する」という感覚に慣れてない。ほとんど違和感があるくらいです。私だけでしょうか(笑)。なんだかぜんぜん違う意味で勇気付けられてる始末ですし。(^ ^;)

…新しい試みがうまくいかなかったときには、民主党が当然たたかれますよね。そのときに単純に自民党に戻せばいい、って話じゃないことくらいは、自分にもわかってきました。二大政党でとどまらずに、もう一つくらい選択肢があるといいなあ…と思いました。揺り戻しはあるでしょうが、自分には、政治家のやることの中身を見る、っていう当然のことが身近になったのが、政権交代より収穫です。アメリカの選挙運動とか、どうしてあんなにみんな熱くなってんだ、というのが理解できなかったんですが、当事者感覚があれば違うんだろうなあ、と想像できる程度にはなりました。

2009/08/31 00:38
民主党が300議席獲得
ポメラのタイムスタンプ機能を使ってみました。(笑)なにかと基準のように言われている300が固まりました。

「これがいいから」じゃなくて「今のじゃとにかくダメすぎるから」という選択でしょうが、これだけ票が入ると、成果が出ないときの失望も大きそう。正直、自分は比例代表で入れたのは民主党ではありませんが、がんばってほしいです。一番に実現してほしいマニフェストはやっぱ無駄のカット系。天下りの禁止なんて、どこの党だってそれらしいこと言ってるんですから、もう党なんかどこでもいいから(笑)早く実行してほしいです。

昨日初めて利用した、yahooのマニフェストマッチがある「みんなの政治」ページを良く見てみたら、議案のウォッチ機能までありました。すごいなあ…。ほんとにすごい時代だなあ…。これからはもうちょっと、実感を持って政治ニュースを見られそうです。裁判官の国民投票についての情報もありました。投票に行く前に気がつけばよかったなあ…。やめさせるヒトに×、じゃなくて、続けさせるヒトに○、という方式だったら、もっと必死に情報届けてくれるんだろうになあ…。

 

2009/8/30

投票行ってきました
午前中、買い物前に投票行ってきました。横浜市の市長選挙もあるので三つ。あと、「この裁判官はやめさせて、と思うヒトに×つけてください」ていうのがありましたですね。こちらは予備知識全く無かったので×つけませんでした。(こんな投票をすることになってることさえ知らなかった!ていうか、裁判官に関する情報なんてどこで知るのだろう…?)

衆院選のほうは、今回はYahooのマニフェストマッチというので決めました。年金だの防衛だの、というジャンル別に、政党名を伏せたマニフェストが並んでいて、その中から支持するものを選んでいくと、最後に自分の考えに近い政党を割り出せる、というもの。これは便利!ジャンルは7つありますが、自分は見事にバラバラの政党のを選んでました…(^ ^;)。かろうじて二回意見が一致した(?)ところがあったので、消去法でそこにしました。小選挙区のほうは、その政党のヒトはいなかったので、こちらも消去法で絞り込んで決めました。

正直「ここが抜きん出てイイ」と思う政党はありません。ただ、せめて「成果が出せなきゃクビにするよ」という権利が国民にある、ということが出る結果になるといいな、と思います。そのライバル政党が勝ったとしても、そこが成果を出せなきゃまたクビ。そういう健全な新陳代謝(?)があってほしいです。民間の雇われ社長ならあたりまえのことですもん。

電球型蛍光灯
投票を終えて買い物。洗面台のうえに二つある電球が一個切れたので買いに行きました。親父殿が「ひげ剃ってて暑い」と言うので、いろいろネットで調べて、初めて電球型蛍光灯というやつを買い、両方付け替えてみました。発熱量・消費電力が電球の五分の一だそうです。今まではオレンジがかった光で、そこで母が化粧をして真っ白になったりしてたので(笑)、電球色でなく昼光色というのを選びました。隣に二個170円の電球売ってるところで一個680円てのはちょっと…と思いましたが、消費電力も少ないのでエコ?ですし。つけたり消したりでの消耗が電球より激しいらしいので、ホントはもっと長い時間つけっぱなしのところに向くらしいんですが、お試しということで。

色は以前と比べるとホントに自然になったので、白塗りは避けられるものと思われます。熱くなる電球は冬には暖房効果があるので、寒くなったらそっちに取り替えるといいんだとか。冬に覚えてたらやります(笑)。

 

2009/8/29

朝散歩
昨日あたりから体調が回復してきました。ああ、うれしい。いつまでも同じ状態のわけがないんですが、体調の悪いときはもう「このまま一生こうなんじゃないか」と思ってしまうんですよね…動けてうれしい!

ゆうべ早く寝たせいか、今朝は六時前に目が覚めてしまいました。外に出てみたら涼しかったので、そのまま散歩に。なんだか無性に缶のミルクティーが飲みたかったのですが、どうせならと自販機を通り過ぎ、駅前の二十四時間営業のスーパーへ。自販機より二十数円の節約(?)。しかも500mlペットボトルが買えました。缶だとせいぜい350くらいですよね。運動もできたし、得した気分です(笑)。

朝早い時間は、うちの近所はお散歩銀座になってしまうので、「一人で道を占領する快感」は味わえません。でも歩いてるのはまず近所の人ではないので、「ぼーっと考えごとしながら」歩くことができます。年輩のご婦人方などだと、目があうと知らない人にも会釈したりなさる方がいらっしゃるので、それを避けるために(^ ^;)人とは目をあわせないように歩きます。ああ、いやな現代ッコ(?)だな、われながら。いや、じつは以前、早朝ジョギングに挑戦したとき、ベテランランナーらしきおじさまが伴走してくださってしまい(^ ^;)、レース出場とかの自慢話(?)を聞かされまくり、懲りて一日でやめたことがあるのですよ…(笑)。こういうコミュニケーションが好きな方は若い方でも確実にいると思うし、励ましてもくれたので、あちらとしては善意だったのはわかるんですが…。損な性分です。つくづく!

今思うと、走ること自体に対する興味が薄かったのもありますね。どっちかというとリハビリに近い感覚で、基礎体力作りをもくろんでましたので、レベルとベクトルが違いすぎたのだと思います。…ありがた迷惑でなく励みを感じて走り続けてたら、今頃ぜんぜん違う体質になってただろうなあ、なんて無駄に思ってみたりして。(笑)
ああ、今思ったんですが、サングラスをして走るのって、無駄なアイコンタクトを防止する効果があるのかも。自分には似合わないのでつけようと考えたことありませんけど、いいかもなあ…。そのうえ好きな曲を聴きながら、なんていいですよねえ。イヤホンが見えれば声かけるヒトもいないだろうし。道によっては外部の音が聞こえないと危険だと思いますが、ダミーでつけておくのはいいかもしれない(笑)。

…話がそれてしまいした。今日はほんとにぼーっとして歩いて、ほとんどなんにも考えませんでした!(笑)

駅前まで来ると、もう部活の中学生の集団とか、早い仕事の人がいて、のんびりしたお散歩ウォーカーとは違った「人の活気」があります。でもお店は大半がまだ閉まってて(開いてるのは二十四時間営業のさっきのスーパーとマクドナルド、ミスタードーナツくらい)、音が少ないんですよね。お正月もこんな感じになるのが好きで、よく見に行くんですけど(笑)、早起きすれば毎日見られますね・・・(新鮮味がなくなってしまうけど)

帰りにはもう太陽が昇りきって、日向はかなり暑かったです。でもかるく汗ばんだ程度。一日の最高気温が今の最低気温くらいになるといいですねえ。
近所の川の水面に、斜面に生えてる草の緑が映って、それが波紋でちぎれてるのがすごくきれいでした。油絵みたいな感じで。思わず立ち止まって見入りました。なるべく日陰を選んで帰宅しました。これで今日のぶんの運動はしたよ、てな気分になれたので、あとは安心して(?)デスクワークにいそしめそうです。ああ、甘い紅茶がうまい。(笑)

ぽ、ポメー!
一昨日、久しぶりにいい感じでエンジンがかかりまして、二時間ほど贋作小説の草稿をポメラで書きました。電池交換の合図が出たので、保存して電池を入れ替え、起動したら・・・真っ白になってる!書いた分が保存できてないんじゃなくて、そのファイルそのものが真っ白!

・・・頭のなかも真っ白に。う、嘘!と何度も開けなおしたりしたのですが、やはり真っ白・・・。毎日ファイルのコピーをパソコンに保存しているので、無くなったのはその日に書いた分だけですが…二時間の労働がパーに!!うわーなんてこった!

・・・なぜかファイル容量は多いままなので、復元方法がないものかと、パソコンに移してワードで開けたりしてみましたがだめでした。検索したところ、同じ目に遭われた方がけっこういるようで・・・電圧が下がった状態で保存しようとするとデータが破壊されることがあるそうで、交換合図が出たら保存せずにすぐ電池交換したほうがいいらしいのです・・・。たしかに直前の打ち込み画面は別のバックアップ電源で保存されるため、保存せずに電源を落として、次に起動するとすぐ続きが書ける・・・のが売りでもあるのですが、ワタシは以前、これで一時間かけて書いた文章を失ったことがあるのですよ・・・(^ ^;)逆にバックアップ電池が消耗してたのか・・・。なので、それからは必ず電源落とす前に保存するようにしてたんです。それでこれかー。くー・・・。

どうも、電池に充電式のeneloopを使ってるのも原因らしいんですよね。充電式電池を使った場合、自動保存がうまくできるかどうか保証できない、というコメントがメーカーから出てるそうで・・・。普通の電池より 、ぎりぎりまで高い電圧を維持するらしいので、交換合図が出たときの残量が足りないのかな…。

・・・結局復元方法は見つからず、観念して思い出しながら再入力しました。三十分ほどで書き出せたのは、やはり一度書いてるからですかね。昨日はそれをプリントアウトして、抜けてた部分などを思い出しては書き込みました。

すっかり文字書き道具として馴染んで、重宝しているポメラなので、まあ電池の消耗に気をつけつつ、こまめに保存するしかないですね・・・。 さっそく上書き保存のショートカット(Ctrl + S )を覚えました・・・。

 

2009/8/26

夏バテ?
だるいのが抜けません・・・その上頭痛がするのがよくわかりません。髪の生え際から少し上までの範囲の、ちょっと奥がずーんと・・・なんというか、熱重い感じで。夏バテなんでしょうか。でも食欲はあんまり落ちないんですよね(笑)。
いつもは「体が動かないならデスクワークをやればいいさ」、なのですが、頭が痛いとどーにもなりません。本を読むのも辛いなんて、いったいなにをすれば・・・。(泣)

というわけで、ちょっと前にポメラに書いて日記に移し損ねていたDVD感想など。

The odd couple/『おかしな二人』
まとめ買いしたリージョン1のDVDのひとつ、『The Odd Couple』(邦題『おかしな二人』)を鑑賞しました。ジャック・レモンの作品のなかで好きな作品の一つです。コメディとしては古典的な傑作なのですが、日本ではなぜか未DVD化。海の向こうでは特典たっぷりの2枚組が出ていました!

原作はニール・サイモンの舞台劇で、主演はジャック・レモンウォルター・マッソー。ズボラ男が、離婚のショックから自殺をはかった几帳面な友人を心配して自宅に泊めてやり、奇妙な共同生活が始まりますが、この二人性格が違いすぎて・・・というコメディ。レモン演じるフェリックスは家事全般が得意で神経過敏。いろいろアレルギーもあったりして、自分の家でもないのに掃除しまくり、消毒しまくり。とにかくもう、すべてがキチッとしてないと気が済まない。対してマッソー演じるオスカーは正反対。テーブルのうえにこぼした飲み物を平然とパンで拭くくらい(笑)。彼も離婚歴があります。

今見ると、ゲイ絡みのギャグがまったくないのが逆に新鮮かも(笑)。でも面白いんですよね〜!冒頭の「自殺」シークエンスからしてもうすごく面白い!(笑)オスカーがダブルデートをセッティングして、同じアパートの美人姉妹を招くシークエンスなんか最高です!ほんとにうまくて面白いんですが、やはり文章では説明できないですね…。(姉妹は苗字がピジョン。吹き替えでは「ポッポちゃん」とか言われてました(笑))妙に記憶に残ってた「マヨネーズもステキだ」のシーンとか、「スパゲティじゃない、リングイニだ!」のシーンとか(食い物絡みが記憶に残りやすいのか?)、懐かしさでたまらなくなりました。

ジャック・レモンの演技の面白さ、ラブリーさというのはもう、言うまでもないんですが、今回見直してウォルター・マッソーの味のある演技がすごく印象に残りました。独特ですね。あの目つきとかやる気の無さそーな風情とか(笑)。
…そうそう、忘れちゃいけないのが音楽。内容はもちろんですが、テーマ曲も軽妙で大好きです♪

別ディスクになってる特典映像は、予告編、写真ギャラリー、監督やレモンとマッソーの息子さんなどによる思い出話など。日本語字幕がないので、英語字幕と電子辞書で(^ ^;)ちょっとずつ攻略しております。撮影が始まったときマッソーは腕を骨折していた、という話が出てきてびっくりしました!主演のお二人が故人で、コメントをとれないのがほんとに惜しまれますですね…。

この作品は主演のお二人がおじいちゃんになってから、『おかしな二人2』という続編が作られました。これは劇場で見ました。(ちょうどジャック・レモンの旧作にはまりまくっていた時期だったので、劇場で見られるのがすごく嬉しかったのを覚えています)年配になってからの共演は、ほかにも『カリブは最高!』とか、『ラブリー・オールドメン』『ラブリー・オールドメン/釣り大将LoveLove日記』…などありました。(ラブリー・オールドメンシリーズは、アン・マーグレットの衰えぬ美貌も見ものです!)ジャック・レモンはわりと品のいいかわいいおじいちゃんになって、ウォルター・マッソーはズボラテイストのあるおじいちゃんを演じてました。いずれも面白かったです。見直したくなりました…(ラブリー・オールドメンはVHSがあるかも…。あとで探してみよう…)

…ウォルター・マッソーといえば、彼とロバート・ショウが共演した『サブウェイ・パニック』がリメイクされましたね!ショウにあたる犯人役がジョン・トラボルタ、マッソーのやった警察官がデンゼル・ワシントンだそうで。まったくイメージ違いますね。ラストも違うらしいです。『サブウェイ・パニック』のラストのもっていき方は自分には「うーん…?」だったので、リメイク版、ちょっと見てみたいです。

テッドちゃん情報
SFマガジンを立読みしたら、大森望さんの連載コーナーでチャンの来日について書かれていました♪迷ったすえに買いました。これだけのために(^ ^;)。インタビュー記事が一月号に載るそうです。Exhalationも載るし、その号はまたチャン特集みたいになりそうですね♪楽しみです!(写真も入れてね!(笑))

 

2009/8/25

『鋼鉄都市』
『鋼鉄都市』読了しました♪地球人がシティと呼ばれるドーム都市…鋼鉄の洞窟 (The caves of steel。これが原題です)…に住み、宇宙に植民した人たちが「宇宙人」と呼ばれて、べつの文化を築いている時代、いやいやながらロボットと組んで殺人事件の捜査をする警察官の話。いわゆる探偵もの、の部類だと思います。ラストは古きよきSFという感じ。各章の終わりがわりとクリフハンガーになっていました。(追記・書き下ろし長編ではなく雑誌連載だったとのこと。では必然ですね)終盤はけっこうがーっと読んでしまいました。

同時に、昔なぜ入り込めなかったかも納得しました。単純に、そのころ読みたかった「SF」はこういうのじゃなかったから・・・いわゆる「探偵もの」の作りなので、当時の堅い頭にとっては、なにかが足りなかったのです。それと、「鋼鉄都市」というタイトルからイメージするものと、描かれているもののイメージがちょっと違ったのもありましたね。今はホームズの洗礼も受け(笑)、探偵ものというのはこういうもんだ、ととらえることができるようになったおかげか、素直に読めました。うーん、若い頃のほうがなんでも受け入れられるとは限らないのね・・・。(笑)

それはともかく、主人公のイライジャとパートナーになる、ロボットのダニールが魅力的でした。読みだしたきっかけだったピーター・カッシングがドラマで演じたのは、主人公の警察官のほうなのですが、キャラ造形が女性(この場合は奥さん)のご都合な使い方も含めて「いわゆる探偵もの」の域を出ないので、ちょっと物足りない感じはしました。カッシングはもっと葛藤を内に秘めるキャラのほうが似合う気がします。(『一九八四年』の余韻で比べちゃってるのかもしれませんが・・・)

逆にダニールの描写はけっこう萌えましたです(笑)。新スタートレックのデータに萌えるのと同じ系統の萌えですね。無機質でなにかと「整いすぎて不自然」で、それでいて人間っぽくあろうとするヒューマノイドロボットってのは、なぜか萌える!(笑)イライジャと一晩同じ部屋に泊まるとこもあったり。まあ、べつに大したサービスはないんですけど。(あったら問題だろう(笑))まあパートナーものなので、萌えポイントはいろいろありましたです。さっそくどーしょーもないパロディがフツフツと頭に…。(笑)

これに関しては今に当てはめるというより、レトロっぽさを含めて、書かれた時代を加味して味わうべきかもしれません。目新しい設定(「未来」のテクノロジー)そのものを楽しむ、という面が、今読むとどうしても欠けますから。それから個人的好みでいうと、大事な部分が説明台詞で進行してしまう、というのが、物足りなく感じられたのは事実です。(でもそんなこといったら、多くの謎解き小説がそうだったりします。小説より映画になじんでいる体質ゆえの嗜好かもしれません)

昔から、アシモフ作品とはどうも相性がいまいちなんですよね。そこそこ楽しめたものもあるんですけど、がっつりはまるというところまでいけない。…尊敬しているテッド・チャンさんは「アシモフとクラークなら、どっちかというとアシモフ」なんですよね。うーん、自分はどっちかというと逆です。残念だ〜。(でも書いたものは好きだから、ご本人の好みとは一致しなくてもべつにいっか!(笑))

でも、有名なロボット三原則を織り込んだ推理もの、という意味で、一度は読みきっておきたかった作品。きっかけができてよかったです♪

 

2009/8/24

コミケ疲れはなかなかしつこい…
お暑うございます。コミケが終わるとすぐ冬コミの申し込みやらなにやらで、慌ただしくすぎた一週間でした。
なんだか体のだるさとあちこちのイタみと、頭のボンヤリ感が抜けません・・・。先日は宅配便の受け取りに出て、配達のお兄さんが一瞬目を丸くしたのを見て・・・うっかり額に熱さまシートを貼ったままなのに気がつきました。ああ、もう恥も外聞も(笑)。頭をはっきりさせるのに額を冷やすのが必須になりつつあります。困ったものです。一度外出して帰宅するともうぐったりしてしまうし・・・運動不足と体力温存、究極の選択に悩まされる日々です。早く涼しくなって〜!(^ ^;)

同人誌な部屋、更新いたしました。
さて、そんななか、昨日やっと同人誌ページのほうを更新いたしました。夏コミ新刊のサンプルページもアップしましたので、ぜひご覧くださいませ。
(通販はメール便も使えるようになりました。到着までに一日か二日程度、ゆうメール(旧冊子小包)よりよけいにかかりますが、送料が数十円節約になるのと、クロネコサイトで荷物の追跡ができるのがメリットです。郵便局サイトを見ると、ゆうメールのほうもゆうパック同様に追跡できそうなことが書いてあるのですが、発送時に検索するべき番号がつかないので、できないのでは?それとも番号がつくように発送することもできるんだろうか・・・?調べようとするとサイトの中でたらい回しになります。いまだにお役所仕事?・・)

部屋でフランスの絶景を堪能♪
先日、テレビでフランスの絶景50、とかいうのを途中から見ました。タイトル通り、投票で決めたらしいフランスの絶景をカウントダウンしながら見せてくれる番組でした。すごくよかったので、途中からしか見られなかったのが悔やまれたんですが、そのあとすぐ再放送があって、見られなかった前半もほとんど見られました♪

フランスって、けっこう「名前だけは知っている」名所がたくさんあるんですねえ・・・ラスコーの洞窟がフランスにあったなんて、知らなかったでございますよ。(すいません、知らなすぎ(笑))

…以前ご紹介しましたが、『素晴らしい風船旅行』という、空撮映像が売りの気球映画があります。(映像美の映画なのでいい画質で見たいですが、DVDになってません!なぜだ〜っ!?)番組の空撮映像を見ていて、その映画を思い出しました。そういえば、あれはフランス映画だったんですね・・・。同じアルベール・ラモリス監督の『白い馬のロケを、たしかそこでしたというカマルグ湿原もでてきました。(今パンフが出てこなくてちょっと確認できません。たぶんそうだったと思いますが、違ってたらごめんなさい!)フラミンゴの繁殖地なんだそうです。『白い馬』はモノクロでしたが、カラーで見るとまたすごい映像でした。

(『素晴らしい風船旅行』を検索していて、『白い馬』(と、『赤い風船』)のDVDのレビューを読んで、目頭が熱くなってしまったのでリンクします。(赤い風船/白い馬)やっぱり、男性でも泣けますよね。2本合わせて75分しかないですが、ほんとに美しい、いとおしい映画です)

奇岩城のモデルになったという奇怪な形の大岩とか、自然の景観もすごいんですが、人工物もすごい。大聖堂はいくつか出てきましたが、その中の一つ(名前は忘れました・・・)で、おびただしい数の彫像に、かつて塗られていた色を精巧なスライドみたいな照明装置で照射して、建設当時の姿を再現する・・・というのがありました。すごいアイデアですね!またその色が鮮やかで、ステンドグラス以外は灰色のイメージになっている大聖堂が、昔はまったく違う迫力を持ってたんだなあ・・・と。日本のお寺や仏像も、最初は色が塗られていて、今見ているのはそれがはげた姿なんですよね。どうも今となっては色がつくとかえって安っぽい感じがしてしまいますが、人工の色が乏しかった時代には、別の意味でインパクト大だったんでしょうね…。

フランスなんて行ったことないのに、見ていてなぜか「懐かしい」と感じる番組でした。ふと思い出したのが『名曲アルバム』『カルピス劇場』。・・・ヨーロッパのきれいな景色に、キャッチーなクラシック音楽をかぶせて淡々と見せる、というのは名曲アルバムっぽいし、自分にとっての「ヨーロッパのきれいな景色」の原体験は、カルピス劇場で放映していた番組・・・ハイジやらフランダースの犬やら母をたずねて三千里やら・・・の、「日本アニメーションの背景画」なのです。(笑)
そういえば、『名曲アルバム』って最近見たことないんですが、今はやってないんでしょうか・・・?

古典SFな夏になってます。
オーウェルを読み終わったあと、アシモフの鋼鉄都市を読んでいます。これも昔ピーター・カッシングが主演したということで食指が動きまして…(^ ^;)。一度挫折した作品ですが、今回はうまく入り込めて三分の一をすぎたので、最後まで読めそうです。おお、なかなかやおいパロもできそうな作品ではないですか・・・♪(ロボット相手に?…いや、いいかも…(笑))

もう冬の話
… コミケの申し込みはすませたものの、なんとなく次回は抽選にはずれそうな予感がするんですよね・・・二回連続で当たったので。今年の残りの参加予定イベントは、ある意味オンリーイベント(洋画オンリーとオリJUNEオンリー)なので、オールジャンルのコミックシティスパークに申し込んでおこうかしら…と思っています。まあそれはそれとして、いちおう冬を目指して贋作小説進行中です。参考にしている脚本指南本に素直に従って、情報カードで組み立てをやってみたら、ちょっと手をつけやすくなりました。この調子で第一稿を進めていこう…。

 

2009/8/19

いろいろいっぺんにきました♪
えーっと、一昨日いろんなものがいっぺんにきてしまって、うれしいやらパニクるやら。(^^;)

まずは注文していたピーター・カッシングものなどの海外DVDが到着しました♪わーい。コミケ後でよかった!ちょうどいいご褒美です。(笑)これについてはまたあとでゆっくりと。

そして、グーグルアラートがまた役に立ってくれまして・・・なんとテッド・チャン氏、先月日本にも立ち寄っていたとのこと。(情報もとのブログはこちら。二年前のワールドコン帰りに北海道の忍者村とか行ってたんですね、テッちゃん先生…(笑))日程的に、韓国のあとに寄った感じでしょうか。内輪のお茶会があったようですが、どうも一般向けの講演会などの企画はなかった…のかな?星雲賞の授与があったそうなんですが、写真を見る限り、ホテルの一室かなにかでひっそりと渡している感じが…こんなに地味なものなんでしょうか。それともちゃんとした授与式に出られなかったのでこうなったのかな。

ちょっと今時間がとれないので詳しく調べられないのですが、おそらくまた大森望さんがSFマガジンに書いてくれるのではないかと…写真に写っているので。そういえば、チャンの最近作『Exhalation』の邦訳が11月号に載るはずですから、もうすぐ発売ですね。(自分の個人的楽しみでやってた翻訳は滞ったままです…(^ ^;))たしか2ヶ月先の月の号として出るから、9月発売の号ですよね。ほかの最新情報も載るといいな。韓国のお話も載るかもしれませんね。楽しみです♪

(…今検索してみたら、大森望さんのサイトに情報がありました。(こちら。あらら、SFマガジンに『Exhalation』が載るのは一月号だそうです。記憶違いしてたかな…)うわー、お茶会はT−con会場で参加者を募った…ということなんですが、希望者がたったの6人!?2年前のワールドコンの盛況ぶりを思うと信じられないんですが…!でもT−conてなに…?とか言ってる状態なので(^ ^;)調べましたら、栃木で行われた日本SF大会のことでした。そうか…少ないわけですね。やはりこういうところにマメに参加していないと、最新情報というのは得られないものなんですねえ…。でも、7/24〜27は東京に滞在してあちこちで歓迎されたということなので、探せばもっと情報があるかもです。出たお話の内容がもっと知りたいですね!とりあえず、お茶会参加者のお一人が書いてくださっているのを見つけました♪(こちら))

…さてさて、冒頭にちらりと書きましたDVD。購入したのは4点、枚数としては7枚です。まずは一昨日すぐに、『The Hound of the Baskervilles』を鑑賞しました♪ホームズものの『バスカヴィル家の犬』のハマープロによる映画化で、「初めてのカラーのホームズ」だそうです。ホームズがピーター・カッシング、ヘンリー・バスカヴィルがクリストファー・リーです。カッシングのホームズは、それまでで最高のホームズと賞されたそうで、今見ても納得です。背は低かったりするんですけど、しゃべり方とか仕草とか、いかにもホームズはこんな感じだろうなあ、という感じ。そして脚色は、とくにステープルトンの設定がかなり違い、ホラー仕立てな感じになってます。かなりテンポよく脚色されていて、うーむなるほど!とうなりました。1時間26分という短さなので、ちょっとあっけない感じはしますが、逆にこの時間的制約に合わせて、そしてホラーものが得意だったハマープロの個性に合わせて、よく脚色してあると思います。
クリストファー・リーが珍しくロマンチックな受け身の役で、心臓も弱かったりして、なんだかお姫様です(笑)。すらりとしたプロポーションで乗馬服なんか着こなしていると、なんだか普通の二枚目みたい。こころなしか目もいつもより大きく見えます(笑)。
今、同人用の贋作小説のほうをやってるんですけど、この作品のカッシングの姿は、若い頃のホームズをイメージするのにちょっと役立ちそうです。このキビキビ感!そしてもちろんハンサムだし♪

特典映像で、クリストファー・リーのインタビューが入ってました。あまり聞き取れませんが…『デビルズ・ヴィレッジ』の特典でも披露していた、カッシングのモノマネが見られました。そして最後の共演となった『ハマーSF&ホラー映画大全』のナレーション収録時の話も。別れるときにこんなふうに手を振っていた…なんてところは、ちょいと泣けてしまいました。

特典ではさらに、シドニー・パジェット(ホームズの連載時の挿絵を最初に書いた人)の絵にのせて、リー氏による『バスカヴィル家の犬』の抜粋朗読が聴ける…というものも入っていて、ホームズファンにとっても嬉しい内容です。字幕入りの日本盤リリースしてくれないですかねえ!

…昨夜はもう一本、やはりカッシングとリーの共演作で、『The Skull』というのを見ました。日本ではVHSがリリースされたらしいんですが、そのときのタイトルはまんま『がい骨』(笑)。原作は『The Skull of Marquis de Sade』(マルキ・ド・サドの頭蓋骨)という短編小説だそうで、書いたのはRobert Blochという人。『サイコ』を書いた方だとジャケットに書いてあります。ほう!
Youtubeでみた予告編が、骸骨に襲われておびえまくるカッシング、(しかもカメラが骸骨目線ホントに骸骨の裏側越しに撮ってるんです!(笑))というものだったので、まったく期待してなかったんですが、意外に拾いものでした。(予告編はこちら→Youtube: The Scull (1965) trailer

ストーリーは、オカルト研究家で収集家のメイトランド博士(カッシング)が、いわくつきのマルキ・ド・サドの頭蓋骨を手に入れ、それにとり憑かれて奇行に走る・・・というもの。感触はホラーというより怪談話というのがぴったり。後半部、とくに終盤は台詞がほとんどなく、映像だけで見せるので、英語苦手な私にはありがたかったです(笑)。映像もプリミティブな表現だけど、なにか文法をきっちり守っているところがあって、今の目では笑えるところはあるものの、「わやくちゃ」ではないんです。歌舞伎の四谷怪談とかを見ているときとよく似た気分になりました。

よくも悪くも怪談どまりなので、 映画としては「だからなに?」ですが(笑)、そんなところも歌舞伎っぽい。千両役者カッシングの演技を堪能する映画、という感じでしょうか。おびえる演技やとり憑かれた演技、泣き演技(後ろ姿だけど)まで見せてくれてお得!クリストファー・リーは頭蓋骨の前の持ち主役で、出番はちょびっとでしたが、二人がビリヤードをしているところなんかが見られました。シヤワセ♪(笑)

ジャケ買いしたアミカス・コレクション。
アミカス・プロはハマーの後できたホラー制作プロらしいです。『The Skull』もアミカス作品です。
すみません、ジャケットにも著作権あるのは知ってるんですが、
かっこよすぎるので激写させていただきました。部屋に飾ってます…。(^ ^;)

カッシングの顔写真とドクロ画像をオーバーラップさせただけかと思ってたんですが、
良く見たら骸骨がはがれてカッシングの顔が見えてるのか、あるいはその逆か…
みたいな処理になってますね。凝ってます。ステキ♪

入ってるのは
『アサイラム・狂人病棟』 『スクリーミング/夜歩く手首』 『スリラー・ゲーム/人狼伝説』
の3本です♪(お菓子を放りあげてからのどに詰まらせる。むぐむぐ…)

いずれも日本では劇場未公開・VHSのみリリース。
さもありなん。もおタイトルだけで見る気も失せます(笑)。
でも全部カッシングが出てるので見ま〜す♪

 

2009/8/17

「人は愛されるより理解されることを望むものなのだろうか」/『一九八四年』読了
昨日はコミケ疲れを癒しながら自分にごほうびということで(?)、久しぶりに喫茶店でがっつり読書。(迷惑な客(笑))コミケで中断していたジョージ・オーウェル『一九八四年』を読了いたしました。…圧倒されましたです。「指は四本?五本?」で「ああ、あったなこれ」と思い出しました。ビッグ・ブラザーという男性の顔に象徴された、「党」に精神まで徹底的に支配される世界で、ひそかに自分のアイデンティティーを保とうとする男性が主人公なんですが…。こんなに壮絶な話だったっけ…?と、ちょっと唖然とするくらいでした。新訳でもあるし、自分の理解力や目のいくところも変わったのかもしれません。

読み終わって、解説を読みたくなかったのでまだそこは読んでません。なんか、権威者(?)の「正解」を提示されてしまう前に、自分で咀嚼しておきたくて。書かれた当時は当然共産主義の脅威とか、具体的な風刺対象があったことが読み取れますが、今読むともっと別の、今の自分たちが直面しているものが書かれている、と読める…。これが古典化ということなんでしょうね。ちょうど、最近買ってちらちらと再読した『思考の整理学 』(…東大生にすごく売れたとかオビがあって、小心者にはかえって手に取りにくかったです(^ ^;)。いまさら東大生・京大生にあやかろうとは思わんからやめてぇん…(笑))にもそんな話題がでていたので、まさにこのことだなあ、と思いました。時間を経ることでリアルタイムの風刺が抜け落ちて、読者が自分の世界観に応じて読み換える…それを受け容れる余地のあるものが古典になるんですね…。 今読むと、ほんとに今の状況を寓話にしたものとしか思えません。「惜しい!こんなところで誤植!?」(笑)てなところもあるんですが、ほんとにおすすめです。スカッとはしません。(笑)でも目を開かれました。

「二重思考」という造語が出てきます。「党」の発表しだいで、自分の記憶を改ざんするための精神的技術(?)なのですが、これは極端に描かれているものの、同じものが自分たちの周りにもある。そういうふうに、意識しなければ見えなくなっているものが見えるようになります。なってしまいます。ある意味困ります。

あらゆる意味での権力者は二重思考をし、被支配者にもそれを強制する。
支配される者の視点にあるとき、二重思考はしばしば許しがたい精神的暴力である。
…ということ。
また、微妙な形での二重思考は、ある種の権力(とても小さなものであれ)をもったとき、誰もがしてしまいがちだ、ということ。とくに組織の中では「そうせざるをえない」と割り切ることがあります。…だから、でてくる「悪役」にも感情移入はできてしまう。この恐ろしさ。

一方で、主人公ウィンストンがおかす「思考犯罪」も、現代の状況に相似します。自分でものを考えることが疎まれる社会であるのは、ある意味今現在でもそうでしょう。
今属しているなにか…広い意味で「グループ」としましょうか…から、理性的に抜きんでることへの、無言の攻撃。これは階層的なものなので、どんなに高層の(?)グループに移動しても起こることでしょう。(くだらない例で言えば、喫煙家の仲間は禁煙することを邪魔しようとする、みたいな(笑))もっと言えば「世間一般」から浮かないために、広い意味で「愚鈍さの仮面」をつけたことのない人なんて、いないと思います。これはある意味礼儀や常識になっていて…ああ、またちょっと横っちょに連想しちゃったんですが、ブログのほうで引用したジョン・スチュアート・ミルの『自由論 』の一説がまさにそれ。「道徳は大部分、支配階級の利益と感情から生まれたものである」。

「こんなこと」には盲目であったほうが楽だし、上手に世間を渡れる、という種類のことに、盲目になりきれないとき。
「二重思考を身につけ損ねている」ことを、隠し切れないとき。
それは一種の「思考犯罪」として、現実には逮捕なんかされないものの、 世間から隠微な形で制裁を受けている、と思います。ムラ社会、なんて日本の特徴みたいに考えてましたけど、世界中どこでもあることなんでしょうね。感情面から表現すれば「制裁」や「疎外」となりますが、異質なものが混じることができないのは当然かもしれない。そして進歩は常にそういうところから始まるのでしょう。
…それはそうと、私たちは現代なりの二重思考を身につけようと奮闘し、折々それに「成功」します。
だから、ラストのウィンストンの姿が心につきささります。

そして「ニュースピーク」。これは思考の道具である言葉の数を減らすことで、概念そのものをコントロールし、思考の幅を狭める人工言語という設定で出てきます。付録としてていねいな解説がついていて、文法的にも単純化されているので、正直「こういう英語なら覚えやすいのに」って感じです。(笑)

冗談はともかく…
「その認識を超えて追求するために必要な語が存在しな」い。(p.471・『付録・ニュースピークの諸原理』)
というのは、日常的に、痛切に感じます。ですます調に翻訳できないことってありますよね。言葉って不便です。一度に一つずつ、順を追ってしか表現できないし、 女言葉では表現できないニュアンスがあり、男言葉でも同様に表現できないニュアンスがある。でも女性の立場から言うと、その違いは端的に権力のありかを示しています。どうしようもなく。

人とぶつかったとき、「失礼」と帽子を持ち上げて「紳士的に」謝ってみたいものだと思いますよ(笑)しかし、女性が(どんなに年配であっても)「紳士的な」態度をとる、というときに使える言葉はありません。この文化の中では、女性に許される感情表現は、男性と比べて少々卑屈です。それが文化全体に「自然に」染み渡っています。言葉で精神をコントロールできるという、見事な例です。 逆に言えば、日本語が「ですます調」しかなかったら、酔っ払いの取っ組み合いの喧嘩は少し減るような気がします(笑)。…道具に善悪はないんですよね。使われ方です。

小説は答えを用意しません。こういった「極北」を描くことによって、露わそうとしているものはなんだろう?…そう考えさせてくれるところが、この作品の価値だと思います。

「人は愛されるより理解されることを望むものなのだろうか」(p.390)
…見出しに書きましたこれは、主人公のウィンストンが、恋人のジュリアと、自分を追及し責めさいなむ人物(ネタバレになるので名前は伏せますね)を比べて独白する言葉です。じつは今回再読して、先に書きました権力構造うんぬんの目立つテーマより、強烈に印象づけられた部分なんです…間違いなくそうだから。ウィンストンとジュリアをつなぐのは「愛」であり(恋人に対するものであれ、肉親に対するものであれ、情愛でくくれるものは同じでしょう)、ウィンストンとその追及者を奇妙にもつなぐのは「理解」。ある状況では、理解は愛に勝る。これは皮肉ではなく真理。大量に供給される、恋愛至上主義のエンタメ作品、歌謡曲、などなど…は、この真理から目をそむけさせます。陰謀を勘ぐりたくなるほどです(笑)。
感情が苦しむのは、理解に対する飢えによってではないだろうか。それが愛に対する欲求と故意にすりかえられているのではないだろうか…。というか、「愛」には当然「理解」が含まれているはずだ、と誤解させられてることも多いかも。自分の他者の対する「愛」の中身を冷静に区分けすれば、けっこうそうでもないことが多いのはわかるのに。それで失望したりするんですから、なんとも…。(^ ^;)

…ちょっと思ったんですけど、JUNEの範疇にはこの「理解>愛」の概念が自然に含まれてますね。…だから、恋愛より強烈なつながり、というニュアンスが可能なのだと思います。男女の「いわゆる愛」でそれは描けない。(できなくはないけれど、「男女の愛」のフィクションにそういうものは期待されないでしょう。需要がないとみなされれば、市場(しじょう)には出ないのが資本主義社会ですから、そういう意味で「描けない」。もちろん世の中の変化につれて変わるでしょうが…)恋愛の見立てに特化した少女マンガ風BLでも、これを描くのはちょっと無理そう。JUNEとBLという言葉を使い分けなきゃいけないな、と思うのは、こんなときです。(笑)…ウィンストンとこの追及者は、そういう意味で「JUNEな」色気のある設定ですが、いわゆる同性愛ではまったくない。むしろ、もしその要素があからさまに持ち込まれたら壊れてしまう。そういうところで成立しているニュアンス…奥が深いです、JUNE。(笑)

愛ある理解、理解ある愛、ちょっとは理解する気がある愛(笑)…と、目盛りは無限に打てるので、そう単純に分けられません。でもこの対比を意識すると、ラスト一行に書かれた言葉がとても意味深です。いろいろ解釈しがいのあるところですが、ここではネタバレできませんので自粛しますネ。

…サテ、これを再読したのは、ピーター・カッシングが昔BBCのドラマ化でウィンストンを演じた、と知ったからなのですが、前にも書きましたとおり、ずばり1984年に公開されたジョン・ハート主演映画のほうに馴染んでおります。…で、それはDVDが出ていないのですが、テレビ放映時の録画ビデオを見つけました!民放の吹き替え版ですが、今ではかえって貴重かも♪冒頭だけ見返したのですが、プリンセス・プリンセスが「カセットテープ」のCMに出てたりして、泣けます(笑)。CMほんとにありがたくて、録ったのも1989年末くらいだと見当がつきました。90年1月発売のサザンの新譜のCMがあったのと、ウイスキーのCMに「1989年秋…」とナレーションが入ってたのです。しかも城達也さんの声で!(涙)
いやー、VHSも捨てないでとっておくもんですね!しかも標準で録ってました(笑)。「あの役」はリチャード・バートンだったんですね。うわ、ぴったりだ!音楽はユーリズミックス。…公開時は話題になったでしょうね。洋楽疎いのであんまり覚えていませんが(笑)。さっそく見てみようかな、と思ったのですが、先にYoutubeにあがっている、BBCのモノクロドラマのほうを拝見しようかな、と迷ってます。

 

2009/8/15

コミケ出展終了
昨日はコミックマーケットに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!たくさんの方とお話させていただけて、楽しかったです!差し入れもありがとうございました。おいしくいただきました♪

急遽作ったドイル突発本も、おかげさまで持ち込み分はほぼなくなりました。(秋のイベント分はまた刷ります)150周年お祭企画(?)のエコバッグも、おかげさまでご好評いただきました。展示の便宜や扱いやすさを考えて、結局B5程度の大きさにパッキングし、商品らしく見えるように、クチを紙ではさんで綴じてみました。「クラフト紙だとエコっぽいかな?」とやってみたら、なかなかそれっぽくなりました(笑)。
しかし グッズらしいグッズは初めてなので、手探りの制作でした。お手にとって、喜んでくださった方がたくさんおられて、ほっと一安心いたしました。またいつかこんなお遊び企画をやってみようかな、と思います。
今回は、 とりあえず年内くらいは販売できるように…と素材を用意していますので、今後のイベントでも展示販売する予定です。通販も近いうちに始めますので、準備が整いましたら『同人誌な部屋』のほうにアップいたしますね。よろしくお願いします。

「何に使ったらいいか…」と笑ってらっしゃった方もおられましたが…(^ ^;)そうですよね、なるべく抑え目の色にはしましたが、まんが絵ですから(笑)。…でも薄くて軽いので、わりと使えますですよ。自分の例でいきますと、昨日は荷物の仕分け(着替えのTシャツとかタオルとか)に試作品バッグを2枚使い、予備で一枚、小さく丸めて持っていきました。ふだんはおやつキープ用(おせんべいの買い置きとかを入れる)などに使って吊るしています。母は普通にエコバッグとして使っています(笑)。(袋物ならなんでも好きで、一枚もってかれました…)…もちろんイベント時のお買い物にもぜひ!(笑)洗濯もできますので、末長く使ってやってください♪

…今回は西ホールで、しかも一緒に西なのはメジャー系…。ひょっとしたらマイナージャンルのエリアは陸の孤島状態では…?と実は心配していたのですが、配置がよかったせいか(入口に向かって「いらっしゃいませ〜」ってな感じの位置だったので)人通りが絶えることがなく、かといってめちゃくちゃ混むことはなく…一日中コンスタントに人の流れがありました。おかげさまで、「まったくヒマ」という時間はなかったです。いつもこうだといいなあ!(笑)

昨夜はさすがに早めにダウンしましたが、今朝はコミケ効果(?)で肌がしっとりしてます。(一日中ぬるいサウナ状態だったせい…?)そしてもちろん筋肉痛と頭痛です(笑)。やりたいことがたくさんありますが、今日はのんびりして身体を休めようと思います。そして早く回復して、昨日いただいたエネルギーを次の作品作りに注ぎこみたいです。(そのまえに、せき止めていた日常生活のもろもろを片付けなきゃいけません…(笑))

しかし今朝の涼しさはなんですか!去年だか一昨年だかも、参加日が暑くて翌日涼しくなった記憶が…。(被害妄想?でも朝10時回ってもエアコンいらないってのはやっぱ違いすぎるぞ…) まあ、昨日も気温は思ったほどは上がらなかったですね。きつかったのは湿度で。「瞬間乾燥スプレー」みたいなのってできないかな。ものすごく乾燥した空気がでてきて肌の湿度を奪う、とか。(あっというまに周りの湿度吸い込んで元通りですね(笑))冷房より除湿ですね、会場に必要なのは…なんとかならないものだろうか。

…コミケ自体は今日、明日もつづくんですよね。皆様おつかれ様です。参加の方はがんばってください!

 

2009/8/13

コミケ直前にいろいろ
いよいよ明日です。新刊は昨日印刷をすませ、今日は製本をしてペーパーを刷って、ディスプレイの準備をして…余裕だなっ!と思っていたら…。…新刊の本文がなぜか見開きB5サイズに刷られてました…最初に試し刷りした分はちゃんと刷れてたのに…っ!じつは表紙のほうも、最初に刷ったときに誤植を見つけて(しかも自分でも許せない誤植。ドイルせんせの名前のスペルミスという…(^ ^;))全部刷りなおした後だったんです…。ご丁寧にもホチキス留めしてから気付くというタイミングの悪さ。くわーっ!(いや、自分の不注意なんですけどね(^ ^;))

おまけに家族が映画見に出払ったあとに予期せぬ宅配便がくるやら、近所の電信柱がなんたらで東京電力の人がきて長話していくやら…くわーっ!試してるのか私の忍耐をっ!?試されてるのかっ!?(こ、これが逆境ですっ!(^ ^;))

…でも、紙も時間もあるのが不幸中の幸い。刷りなおしました…。これからまた製本やり直しです。くじけそうなので、ネットで横浜ワールドコンのときのテッド・チャンインタビューの動画を流して美声を聞きながら(笑)やってます。おまけに黙っていられなくて、貴重な時間を使って日記まで書きました。はい、もう立ち直りますっ!

…でも明日の持込分はちゃんと間に合いますので!徹夜もしなくてすみそうです。明日はよろしくお願いします!

 

2009/8/11

この雑誌がすごい
ずっと書き損ねてたんですけど、今週の『Pen』(隔週刊なので月初に発行されたものですが)すごい!海の生物の特集なんですけど、なかに巨大海洋生物のサイズ比較(鯨とか巨大イカとか)のイラストの折り込みページとかあったりして、「こ、これは・・・『Newton』ですか!?」という感じ。どーしちゃったんだ『Pen』!
写真がきれいだったので、息抜きにながめるつもりで喫茶店に持っていったんですが、鮫の豆知識とか、タコとイカの比較コーナーとか、おもしろくて特集ページは隅々まで読んでしまいました。

表紙にカラフルな色がついた半透明のイカのおもちゃ(?)みたいなものがちりばめられててカワイイんですが、中を読んだらヤリイカの赤ちゃんなんだそうです。てっきりデザインとして色のせたのかと思ったら、本当にこういう色らしい。いやいや・・・すごいなあ。しかも表紙の印刷は、イカの部分だけ光沢があるという凝りよう。イイですねえ!

表紙写真が載ってたのでリンク貼ってみました。イカのオモチャに見えません…?(笑)

・・・基本的には男性向けファッション・雑貨情報誌(?)なんですが、特集がおもしろいときに引かれて買ってます。けっこうこういう女性読者多いんじゃないかな・・・扱うものも品がいいし、レイアウトとかが垢抜けているので女性でも読みやすいです。目線が海外向きなので(もちろんファッションページのモデルさんは外国人)、毎号載っているニューヨーク、パリ、ミラノ、ベルリン、ソウル…の最新情報などは、実用として参考にしている男性読者がどれくらいいるのかは謎ですが…「おのぼり外国憧れ視線」で読むワタクシには(笑)なかなか楽しい雑誌で、読んでてすごくリラックスできます。次号の特集は戦国武将だそうです。おいおい・・・狙いすぎじゃない?(笑)

また大きな地震が。
明け方にまた地震があって飛び起きました。体感としては先日の夜の地震のほうが大きく感じましたが、うちのあたりの震度は同じみたいですね。今、ポストカードの印刷をしながらネットのニュースを読んでいるんですが…伊豆のほう、大変みたいで…。そのうえ台風もきているし。…うちの近所は雨は弱まってます。もう峠は越えたのかな…。新幹線も運転の見合わせがあったりして、コミケ当日でなくてよかった、という方も多いと思います。どちらにせよ夏休みのこの時期、影響を受ける方が多いですよね。インド洋のほうでもさらに大きな地震があったみたいですね。(アンダマン諸島って、ホームズファンにはなじみのある地名です…)なんか立て続けですね。地震のエネルギーは小出しに放出してくれたほうがいい。もっと小さく割って、小出しに…できたらいいんだけど。

 

2009/8/10

追い込み時期ほど日記とか書きたくなるのはなぜだろう
…いつもそう思うのですけど。自分だけでなくて、拝見しているサイトとかブログで、コミケ参加なさる方は書き込みが増える。新刊告知もあるかと思いますが、それだけじゃないですね。進行状況とか逐一書きたくなる…こんなことしてないで作業を続けざまにやったほうが効率的、とは思うんですが、人間効率では動かないようです。自分の場合は、追い込み期間が「作業を優先する期間」というより「ほかのことはしちゃいけない期間」にすり変わりがちで、精神的にバランスをとりたくなるためかもしれません(^ ^;)。そんなわけで、昨日ぽちぽちとポメに打ち込んでいたコマ切れネタを。

洗濯テストしてみました。
コミケ当日に販売するエコバッグ、洗濯できると書いてあるアイロンプリント紙を使ったので、洗濯テストをしてみました。最初の洗濯ではほかのものと別に…と書いてあったのですが、確認のため白いタオルを一緒に放り込んでみました。結果は色落ち・色移りはまったくなし!地のバッグが薄い綿なので、洗濯機から出したときは若干縮みが感じられ、プリント部分が膨らんで見えたのですが、ぴんと張って干したらほとんど元通りになりました。(「しわスッキリソフラン」使用)同人グッズのバッグを洗濯することってあんまりないかと思いますが(だいいちフルカラーのまんが絵が入っていて、実用より記念品、というスタンスで作ったものですが)いちおう安心しました。販売時は念のため注意書きを写して同封しようと思います。

お風呂で地震が。
夜、入浴中に長い地震がありました。あとで震度を見たら3。でもなんか「これからもっと大きくなるんじゃないか」と思わせるような小刻みの振動だったので、一瞬いろんなことが走馬灯のように(?)頭を駆け巡り、「もしここが倒壊して死んだとしたら、こんな状態で発見されるのはいやだ〜」とあわてて出てきました。 直前までくだらないことでクヨクヨと頭を悩ませていたのですが、すっかり吹っ飛びましたね。ありがとう、地震。(でももういいから)

ワードと格闘
新刊本文の下書きはポメラで書いたんですが、ワードに流し込んでいじり始めたら・・・なんかまだ内容に手をいれてるうちに、組み体裁が気になりはじめ・・・スタイル設定をいじりはじめたら、命じた覚えもない変更が全体になされたりして「えっ・・・?」の連続。いつのまにか新スタイルが増えているし。この機能、まだよく使いこなせません。急がば回れ、で、ちゃんと使い方調べたほうがいいかな。でも面倒・・・。こうなると、テキストのほうの推敲をするのに気が散ります。困ったものです。ワードに移すタイミングが早すぎたかな…。(でも広い画面だと読み返すのに都合がいいんですよね…エディターの利点、こんなとこにあるのかも。多機能だと人間が振り回されてしまいます…)

火星にモノリスが!
元宇宙飛行士のバズ・オルドリンがテレビで暴露したんだそうです。(情報元サイト→Technobahn Japan「今世紀最大の科学ミステリー?火星で見つかった「モノリス」記事の最後についてる動画で、オルドリンさん、スタートレックのOPナレーションを引用してます(笑))写真を見ると・・・うわー、ほんとにモノリスに見える!(笑)サイズがわからないんですが、ワクワクしますねえ♪

 

2009/8/

宅配梱包と、新刊計画と、テッド・チャン
コミケ宅配搬入、明日が発送最終日です。今日荷造りをしました。ちょっとした番狂わせがあったりして思ったより時間がかかり、なんだかへとへとになりました。でも、いよいよだなあ、と気分が盛り上がってまいります。

…ほんとは新刊も一緒に送りたかったのですが、いつものとおり当日手持ち搬入になりました…。『同人誌な部屋』のほうに詳細がございますが、宇宙探偵はやはり間に合いそうもないので、生誕150周年にあわせた突発本に変更することにしました。手をつけかけた宇宙探偵はいまだにネタが出続けているので、もう少しあとにカタチにしたいと思います。いつも流動的でスミマセン。(^ ^;)

で、新刊作業中なのですが…我慢できず、いただきもののテッド・チャン情報リンクを簡単にアップいたしました。よろしかったら『特設・テッドちゃんの部屋』のほうも覗いてみてください。つい先月のテッちゃん先生の魅力フォトが目白押し(!)です。 私はこれから一週間の修羅場中、疲れたらこれらの写真で癒されようと思います…。(笑)

 

2009/8/

早起きしてつらつら考えたこと
昨夜早寝したせいか(昼間ちょっとがんばったせいか、10時頃に眠くなってしまいました・・・)4時半頃目がさめてしまい、アイスコーヒーを作って静かな時間を味わっております。
先ほどまで小鳥の声がチュクチュクチュク・・・とかわいく聞こえていたのですが、今はそれがやんでカラスの声がときどきして、なぜか遠くで犬がずっとほえてます。時間帯によってちがうのかしら。・・・朝のこういう動物の声って、やはり縄張りの主張なんでしょかねえ?
こういう音が耳につくのも、静かな時間帯ゆえですね。

さて、コミケ合わせの冊子ですが、宇宙探偵は間に合いそうもないので…かといって(「コミケ初売り」と、新発売グッズはありますけれど)新刊らしいものがないのも寂しいので、突発でドイルせんせテーマのものを作ることにしました。薄いものになると思いますが…。やはり150周年ですし、よく考えたら宇宙探偵はそれとは関係ないし、いつでも出せるネタなので・・・。(とはいえ乗りかかった船、描きかけた原稿、ですので、あとで利用するつもりです)

このところいろんなことがありまして・・・よく拝読している坂田靖子先生のサイト(→サカタBOX)で、「発表のあてのない漫画」(昔なら『JUNE』に描いたようなゲイ関係の内容だけれど、えっちシーンありきの現在のBL誌向きではなく、ほかで載せてくれそうな雑誌もないので・・・という理由で当てがない、というお話)の下描きを拝見できたりして、「プロの、しかもベテランの方でも、そういうものを描くんだなあ・・・」と、姿勢をただされた気がしたり。(商業作家さんはシゴトとしてのみ描くもの、となぜか思いこんでました。締め切りのある依頼仕事を抱えているうえに、そういうものまで描いてらっしゃるなんてびっくりしました。坂田先生のJUNE系の話は好きなので、同人誌ででもいいから出してくださらないかしら…と願ってます!読みたい!)

また、サイトにたまたま立ち寄ってくださった方から、テッド・チャンの最新情報をいただきまして(まとまった時間がとれ次第『テッドちゃんの部屋』にきちんとアップしますね!)、新作の抜粋を韓国のイベントで朗読したらしい、というお話を伺い…チャン氏も、依頼によらない自主的なスタンスで、すごくレベルの高いものを書いている典型、みたいな作家さんなんですよね。そもそも発表媒体に未掲載の最新作(タイトル+チャンの名前でググっても出てこないので、たぶんネットでも未掲載だと思います)の抜粋を、個人的に発表してしまえることからして、出版契約に縛られていないということ(?)だと思いますし・・・。そういえばこの前の『Exhalation』も、たしかアンソロジー編集者がブログで穴埋め原稿を募集したのに応えて、ポンと提供したものと聞いた気がする・・・。しかもそれで書く作品書く作品ヒューゴー賞やネビュラ賞の常連・・・というのがなんとも。(^ ^;)あちこちの情報で知ったこれまでのいきさつを思うと、これも「なんとなく」じゃなくて、意識的にそういうスタンスを守っているのだと思います。すごいことだ・・・。

・・・そんなこんなで、尊敬しているモノカキさんたちがそういう手堅いペースでものを作っているのに、よっぽど自由なはずのアマチュアの自分はなにをしてるんだ、と反省しまして。自分がほんとに描きたいもの・書きたいものってなんだろう…と、ちょっと考えてしまいました。すごい人たちは、締め切りがなくたってちゃんとしたものをかいているんですよね・・・。同人の絵字かき(自分も含めて)がよく言い訳にしてしまう、「締め切りがないとどうも描けなくて…」なんて言いぐさ(しかもその締め切りを理由に、あとで「もっと時間があればマシなモノにできたのに…」とか言い出したりする(^ ^;))が、なんと恥ずかしいことか。…とくにチャン氏の情報は、いただいたタイミングが、自分のある悪習…最近、「これは自分がものを書く(・描く)うえで、自分で勝手に足枷にしている悪習だ」と気付いたもの…を、手放す覚悟をした直後だったんです。なにか不思議なめぐり合わせを感じました。ありがたいことです。

…今回のコミケに間に合わなかったホームズ小説は、やめたんじゃなくて見送ったんだから…冬に出すつもりなら今は書く時期のはず。それなのに、先送りにして空いた時間にいちいち新しい企画を入れていたら、いつまでたっても終わらないじゃないか…。(^ ^;)とはいえ、コミケあわせのものはもちろんやりたくてやってるわけで、べつに義務感や外からの圧力でやってるわけじゃないのですよね!複数同時進行してるわけですが、一時的に優先順位が落ちたりすると、それが意識の外になりそうでこわくなったり…(今手こずってるのは、シノプシス段階での、最終幕のまとめ方なんです…ここがうまくいかないということは、つまり第一幕に原因があるわけで…これを解決しないと書き出せないんですよねー…一度見切り発車をして、結局その草稿のほとんどが使えないことがわかったので、もうそれは避けたいですし…。手強いのがわかってるので、別のものを持ち出して逃避してるのかも…?(^ ^;))いやいや、早くそちらを書くためにも、今書いてるものをがんばろう…。

 

2009/8/

グッズ本番作業開始
昨日から、「コナン・ドイルせんせ生誕150周年記念エコバッグ」を作り始めました。まずはアイロンプリント用紙への印刷。下地が透明でなくて白なのですが、デザインしたときは透明地に刷るつもりで(布の色にじかに文字が乗るイメージで)やっていたので、周りに真っ白な区切りが入るとどうも違和感が。そこで、周りに生成り色を入れて馴染ませてみました。用紙は多少余分に買ったのですが、なんせ単価が高いので(^ ^;)失敗はなるべく避けたい…と緊張しまくり。無駄な胃痛をなだめつつ微調整を繰り返し、なんとか思い描いていたような感じになりました。

用紙乾燥中

つづいてアイロンで転写して出来上がり。転写するとより鮮やかな色になるようです。
アイロンプリントというと「褪せたような色」というイメージがあったのですが、進歩したものですね…。
『同人誌な部屋』のほうに、絵柄の拡大画像がありますので、よかったらご覧ください。
…アイロンかけが暑くて、5枚ほどで根を上げました。毎日少しずつやります…。(^ ^;)

絵柄部分が折れないようにたたんで、ミニタペストリー風に(?)ポリ袋にパッキングするつもりだったのですが、全体にアイロンをかけてキレイになったのを見ると折りジワをつけるのが惜しくなり(笑)、ちょっと考えています。お持ち帰りになる場合はどちらにしろ折るので、パッケージにしたほうが良さそうですが…その場でお使いになる場合とか(あるかな?)、折りジワが気になる方とかいらっしゃるかも…とか思いまして。筒状に丸めたほうがいいかな…?

…今日はコミケ用の保冷剤(首にまくのにちょうどいい、小さいのがつながったやつ)などの買出しに、100均まで行きました。フラフラとブックオフにも寄って、三冊ほどゲット。ドイルせんせがはまった心霊学つながりでスウェーデンボルグの『霊界日記』、坂田靖子先生の『闇月王』、そして有名なのに読んだことがなかったジキル博士とハイド氏(旺文社の絶版の文庫で、ジキルの表記が「ジーキル」)。これは先日注文した海外DVDのなかに、ピーター・カッシングがこの話のイメージソースになったらしい人物を演じている、『死体解剖記』(なんてタイトルだ)というのがあるので、予習です。(まんまモデルではありませんが、先日見たテレビ番組で、『ジキルとハイド』創作に影響を与えたと思われるエピソードとしてでてきたんです。解剖実習用の死体を墓荒らしから買っていた医学校の教授か何かなのですが、その売り手がじつは墓荒らしでなく、殺人によって死体を「供給」していた、という恐ろしい話でした)

ぶら下がるニンジン
…その注文していたDVDの、発送通知がきてワクワクしてます♪(梱包中に破損商品が見つかったとかで、再入荷待ちで時間がかかりました…)これから1〜2週間で到着ということなので、コミケ後のごほうびにちょうどいいタイミングですかね…直前に届いて気もそぞろ、になる可能性もあるので、なるべく早めに進めておこう。なんか盛り上がってしまい、モフ・ターキンのキャプチャー画像をフォトショでいじって、何気にアイロンプリント用の原稿を作っている自分がいました…。そんなことしてる場合か…?(^ ^;)

 

 

2009/7/28

グッズ試作♪
コナン・ドイル生誕150周年記念グッズ(笑)用に準備している、エコバッグの試作品を作ってみました。図柄のワトスンのスペルが間違っていることに気付いて慌てて直したり、最後の仕上げでけっこう冷や汗かきました(^ ^;)。
さて、アイロンプリントのほうは…。前回少し焦げてしまったので、ちょっと低めの温度で時間をかけてやったら、とてもうまくいきました!

発色の仕上がりもなかなか気に入ったのですが、用意したエコバッグの生地が綿の無漂泊で、よく見ると細かいつぶつぶがあるのですね。…これがキャラの顔の部分に来るとやはり気になるので、本番用は今回使った白生地用でなく、濃い色の生地用のアイロンプリント用紙(イラストの白地部分が透明じゃないタイプ)にすることにしました。…しかし、そうなるといきなり原価が倍くらいになっちゃうんですよねえ…!まとめ買いでもうちょっと安くならないかなあ…。(^ ^;)

でも、やってみると楽しいものですね、グッズ作り!グッズ専門サークルさんの気持ちがちょっぴりわかる気がしました。(こんな自家製アイロンプリントでやってる方は多くないかもしれませんが…(笑))アイロンプリントのコツがわかってきたので、イベントとは関係なく、自分用にこっそりほしいモフ・ターキン・グッズもいろいろ頭を駆け巡ってます…Tシャツもいいなあ…。(…自宅以外で着られる場所が…や、やっぱコミケくらいだなあ…(^ ^;))

 

 

2009/7/27

新訳『一九八四年
夏はやっぱりSFということで・・・なんてわけでもないのですが、マイブームのピーター・カッシングのフィルモグラフィーを見ていたら、1950年代に『一九八四年』のテレビドラマ化作品に主演しているのを知りまして、原作を再読したくなりました。(というか、50年代にこれをドラマ化していたってこと自体に驚きました。やっぱBBCってイケてますね・・・)ちょうど新訳版の文庫が出ていたので、そちらを購入しました。

余談ですが、早川書房は新書やノンフィクションの文庫など、いつのまにかずいぶん魅力的なラインナップを作り始めたんですね!『ロングテール アップデート版』も衝動買いしました。ジェレミー・ブレットの写真入り(ミステリチャンネルの広告)のチラシが入ってて、ちょっと得した気分(笑)。今まで単行本でないと読めなかったようなのを文庫や新書にしてくれると、年中金欠な人間でも手が出せてありがたいんですが…(笑)。

・・・『一九八四年』はジョージ・オーウェルの代表作の一つで、極端な管理社会を描いた近未来ものです。(1984年はもはや過去になってしまいましたが、発表されたのは1949年だそうです)その世界では自前の思考をもつことが罪で、政府の発表は改ざんだらけ。もはやなにが事実かなど意味がなくなっています。物資は不足し、当然ながら密告社会。主人公のウィンストン・スミスは、冒頭から日記をつけるという「思考犯罪」を犯し始めます・・・。

自分が最初にこの作品に触れたのは、映画版の『1984』ででした。(今調べたらDVDになってません!びっくり!)いきさつは覚えていませんが、その頃好きだった(そして今でもゆるく好きな)ジョン・ハートが主演していたので、たぶんいもづるチェックでレンタルビデオかなにかを見たのだと思います。原作はそのあと図書館で借りて読んだ気がしますが、毎度のごとくほとんど忘れております…(^ ^;)「イングソック」とか「ニュースピーク」とかの造語はなんとなく覚えていますが、より鮮明に覚えているのは、映画で使われたビッグ・ブラザー(その社会を支配している最高権力者)の広報放送のファンファーレです(笑)。ほかにも音楽ばかり覚えているので、サントラかなにか聞いたのかもしれません。(今うちにはありませんが・・・)

小説を読み始めて、ウィンストン・スミスが金髪だと書いてあるのでちょっと驚きました。ジョン・ハートもピーター・カッシングも髪の色は濃いので・・・。そのうえ設定年齢39歳。もうちょっと若いかと思ってました。(といっても35歳くらいのイメージでした。微妙?)
・・・そして、「『リベリオン』てこんなに「まんま『一九八四年』だったのか!」ということ。(笑)『リベリオン』はクリスチャン・ベール主演作で、やはり極度の管理社会になった世界を舞台にした映画です。でも暗い設定はおいといて、銃と空手を混合したようなガン=カタという超カッコいいだけどトンデモねー!(笑))アクションで有名です。・・・子供たちが密告奨励の教育を受けてて親たちが戦々恐々・・・なんてとこも、まんま『一九八四年』のスパイ団ですね!

・・・小説のほうにもどりますが・・・主人公のウィンストン・スミスは、ノート(白紙の本)を手に入れ、ペンとインクで書くことによって自分の記憶や思考を固定しようとします。これは象徴的に感じられました。言葉を書いて、自分の書いた言葉を読むことは、実感としても思考の大切な支柱です。こういうふうに自分の言葉を外部から入力する回路がないと、一人で考えを前に進めることは、自分などにはとても難しいです。同じことをえんえんと輪を描くように考えたり、あちこちに思考が飛んだりしがち。書きながらだと、それが防げます。これは言語の不便な面(限定的であること、一度に一つの概念しか表現できないこと、書いたものが残ること・・・これは実際の思考とズレがあります)でもあるのですが、利点でもあります。

・・・そんなことを考えながら読み進めていたら、そのものずばりの描写が出てきました。作品に出てくる「ニュースピーク」(政府が奨励している新しい略言語)は、思考を狭めるために言葉の数を減らすことを目指しています。言葉=思考である・・・このへんはテーマの一端なのかも。
・・・ガジェット重視でない、古くさいSFはやっぱイイなあ。グイグイ引き込まれます。ウィンストンが、オブライエンという男性キャラにちょっと執着を示すところなんか、無駄に萌えてみたり。(映画で主人公にヘテロなラブシーンがあったのは覚えているので、ほんとに「無駄に」ですが(笑))結末ははっきり覚えていないので、読み進むのが楽しみです♪カッシングのドラマのDVDは今のところ見つけてませんが、Youtubeに全編分割アップらしきものがありますので、読了してからちゃんと見てみようと思います。

ご興味のある方はどうぞ。モノクロです。カッシング若いです!(笑)
(→Youtube "1984 - BBC 1954 with Peter Cushing part 1" )

・・・ピーター・カッシングは、なんとアイザック・アシモフの『鋼鉄都市』のドラマ版にも主演していたらしいです。これは60年代。(ロボットが出てくるはずですが、どんなふうに撮ってたんだろう…)・・・けっこう最初から、「こっちがわ」のジャンルに縁があったんですね。(笑)原作は昔「有名だから読んでみよう」とトライしたものの、読了できませんでした…。でも、今のミーハーモードなら読了できるかも。(笑)この機会にあちらも手を出してみようかな…。

熱さまシートさまさま
このところ暑さのせいか貧血のせいか、作業中に気が遠くなりやすいので、自宅ではエアコンつけててもオデコに熱さまシートが欠かせません。(つけてるとだいぶマシです!)
コミケのスペースでコレは恥ずかしいですが、いざとなったらこれで・・・とか考えてます。へんな格好で売り子してましたらご容赦くださいませ。(^ ^;)・・・せめて、あんまり目立たないように肌色の熱さまシートってできないですかね。需要あると思うんですが・・・。

カミナリ〜
お昼過ぎまで晴れてたのに、急に雷雨になりました・・・落雷すると怖いのでパソコン作業切り上げました・・・くそー、せっかくエンジンかかってたのに!(この日記の下書はポメラで書いてます。ポメ、役に立ってます♪外出先より、けっこう家で使うことのほうが多くて自分でびっくり)
うわ、今、近場ですさまじい落雷が!カミナリは好きなんですけど、これはかなり怖い…!

 

 

2009/7/25

夏コミは体力勝負なので…
晴れたと思ったらいきなり雨。ヘンな天気ですね。洗濯物の出し入れが忙しくて参りますですね!

さて、夏コミ準備、ちまちまと進んでおります。手を入れ続けてきたグッズ用の図案はほぼ完成しました!自分ではなかなかいい仕上がりになったと思います。(^ ^;)プリントがうまく出来るといいんですが…。

…イベントに向けて、最近マジで困っているのが、体調不良というか、体力の低下です(^ ^;)。夏のイベントはいつもわりと極限状態(?)ですが、今年はほんとに…なんというかへばってまして、めまいがするような日が多くて・・・。女性の方はお仲間が多いと思いますが、基本的に鉄欠乏性貧血体質なんです。ちょっと気を抜くとヘモグロビン値があたりまえのように9を切ってしまいます…先日の検査でも8.7。これくらいだとやはりめまいが出て、集中力もなくなってしまいます。そう貧しい食事をしているわけではないのですが、家族の食事制限に合わせているので、意識して「自分用」を別に作らないと、どうしても精進料理めいて鉄分は不足してしまうんですよね…。(^ ^;)これから追い込み期に入ると、ますます自分で料理する時間がなくなってくるので、こんな状態じゃ当日会場までたどり着けん!と、サプリ摂取強化を始めました。

…栄養といえば、(数年前から少しずつなんですが)最近とくに、牛乳がダメになりました…昔は「飲むとおなかの調子が悪くなる」と聞いて、そんな人もいるのかー、と思っていたのですが、まさか自分がそうなるとは…!ネット調べしてみたところ、乳糖を分解する酵素というやつが、オトナになるにつれてなくなってくる場合があるそうで…自分のように、前は大丈夫だったのにダメになる、というのがあるらしいです。牛乳は鉄分補給には貢献しないのですが、ミルクっぽい味が好きなのでツライです。
…そこで、数日前から牛乳を豆乳に切り替えてみました。シリアルにかけるのも豆乳です。(ちょっと濃いので少々水で薄めたり(笑))味は悪くありません。豆乳は鉄分があるので、地味に効果が出るといいなあ…と願ってます。精神状態って、ほんとに体調に影響されますもんね…ただでさえパニクってポカをやりやすいコミケですから、気をつけなくては…。

『スターウォーズ・エピソード2』
クリストファー・リードゥークー伯爵を見たくなって、DVDで再見しました♪今見るとアナキンが幼くてかわいいですね(笑)。カッシングとリーに思い入れが出来てから見ると、また琴線に触れる部分が変わってきまして、リーの役が「伯爵」であることや、黒いマントを着ていることまで嬉しいです(笑)。(考えてみると、「ドゥークー」と「ドラキュラ」は何気に韻を踏んでますね♪)終盤の立ち回りはCGで顔だけ合成したそうなんですが、すごく上手くいっていて「うおおお!」という感じです。ご本人がやってるようにしか見えない!めちゃくちゃ強いし、ものすごくカッコイイです!そのシーンに来るまでほとんど動かないように撮ってるので、「もういい年だから、動かない役なんだな」と観客が了解したあとに、ものすごいアクションシーンを持ってくる…というのがニクイ!アメリカ人とか、劇場で盛り上がっただろうなあ!(ヨーダも妙にかっこいいし!(笑))

再見の方はこちらをどうぞ♪→Youtube"Yoda Vs Count Dooku"
物語上ネタバレ要素があるシーンなので、未見の方はレンタルか何かで最初から見てみてください♪

そして、ドゥークー伯爵がデス・スターの3D設計図を手のひらで再生している場面で、思いっきりキュンときてしまいました…。…つながりがちょっとややこしいんですが、1977年に最初に作られた『スター・ウォーズ』が、物語の時系列では「エピソード4」なんですよね。で、このデス・スターという兵器はその「エピソード4」で実現してまして、そこを取り仕切る悪役モフ・ターキンを演じていたのがピーター・カッシングなんです。
(ワタクシがカッシングに惚れたきっかけはこの役です♪ずっと「もふたーきん」で馴染んできましたが、「もふ」は「Grand Moff」という肩書きの一部らしいですね。今回、英語のほうを確認して初めて知りました…でもやっぱ、「ぐらんどもふ」とか「総督」とかじゃピンとこないな〜…(笑))

そういうわけで、20年以上を隔てて、今は亡きカッシングのキャラとリーのキャラがつながるシーンなわけで、ジ〜ンときてしまいました。しかも時系列が逆ですから、エピソード2の頃、ターキンはまだ若いんですよね…。(たしか次のエピソード3では、別の方が演じた若いターキンが出ていたと思います。それこそCGでカッシングの若い頃の顔を作って合成してほしかったな〜。フランケンシュタインの一作目あたりの顔を元にすれば、年代的に合うと思うのですが!)

…自分はスターウォーズを見た順番がヘンで、最初に劇場で見たのが、全体では最後のエピソードにあたる『ジェダイの復讐』なんです。で、劇場公開一作目のやつ、帝国の逆襲、と見て、新しく作られた「前半」三部作(ややこしい!)は、一作目の『ファントム・メナス』は食指が動かなくて見なくて、そのあと『クローンの攻撃』『シスの復讐』を見たのです。…なので、全体を貫く背景の「銀河帝国興亡史」(?)みたいな部分が、あんまり把握できてません(笑)。この機会にファントム・メナスからきちんと順に見てみようかな…と思いました。

Youtubeに良いターキン画像ないかな…と探していて、面白いものを見つけました。うまい合成で大笑いしました!
会議中はくれぐれも携帯の電源はオフにしましょう…(笑)
→Youtube "Technological Terror"

 

 

2009/7/22

皆既日食
いよいよ今日。お天気は曇りだったので、テレビで中継を楽しみました。
太平洋上の船からの中継がすばらしかった。太陽そのものよりも、周りの風景があんな風になるのかー、というほうがびっくりでした。水平線沿いにぐるりと夕焼け状態。真上の空の様子も(広角で)見たかったなー。観測ポイントとして話題になってた屋久島や悪石島は雨でしたけど、あんなに真っ暗になるなんて予想もしませんでした。日食の醍醐味って太陽そのものだけじゃないんですね。
昔、 未開地域へ行ったヨーロッパ人が、日食を知らない原住民に「自分が太陽を隠す」と騙して、自分を神だと思わせた…みたいなストーリーを聞いたことがありますが、あの現象を知識なしに体験したら、そりゃービビりますよね〜…。

東京の日食の最大が11:13頃だというので、横浜もその頃かなー、と外に出てみたんですが、もとから曇ってたし、暗くなってたのかどうかもわかりませんでした。欠けが七割程度ではそう変わらないのかもしれませんね。涼しくは感じましたが、あれは関係あったのかしら。
でも、夜のニュースを見たら、関東でも雲越しに見えた瞬間があったみたいですね。雲のおかげで、逆に肉眼でも見やすかったみたいで。もう少し外で粘ればよかったかな〜。

太陽の表面温度が6000度で、なぜか周りのコロナは100万度。原因はまだ解明されてないらしいですね。おもしろいなあ・・・。こういうの見ていると、比喩でなく、太陽が生命体で自分たちは微生物だって気分になりますね。

『激突!』
TSUTAYAで一週間100円コーナーにあったので、昨日『激突!』を再見してみました。再見といっても、小さい頃にテレビで見たことしかないのですが・・・。

スティーブン・スピルバーグの初監督作だそうで、もとはテレビムービー。ある男が道路で大型トラックを追い越したら、そのトラックにえんえんと追いかけられ、ついには殺されそうになり・・・というサスペンスものです。ほとんど車が走ってるシーンだけなので、単調になりそうなものですが、不思議と退屈しないんですよね。特にトラックのほうは運転手がちゃんと出てこず、トラックそのものが追いかけてくるような感じになってます。うまい!ほとんどホラーのような怖さです。

今回初めて知ったんですが、原作・脚本が『ある日どこかで』のリチャード・マシスンなんですね!(原作小説のほうを読んでみたくなりました。こういうもの、小説でどう描いたんだろう?)特典映像の監督のインタビューでは、13日で撮影したと知ってさらにびっくりです。若さというか、勢いというか・・・すごいものですね。マシスンのインタビューでは、「同じような経験(大きなトラックに煽られたり、追い越せと合図されて出て行ったら対向車がきたり、という怖い経験)をしたという人がけっこういる」と言っていて、ちょっとびっくりでした。大きい車を運転すると、気分もでかくなって横暴になりやすいんでしょうか。

…たしかに、普通のサイズの車でも、運転すると性格が荒々しくなる例は見たことがあるので(ふだん温厚な友人が過激な言葉でどなってて驚いた覚えがあります!)、トラックでそれがスケールアップするのはありうるかも…。私は車の運転はしませんが、普段運転なさる方が見ると、そのへんにリアリティーもあってよけい怖いでしょうね。

主演はデニス・ウィーバー。昔『警部マクロード』ってドラマで人気だった方です。マクロードのほうもうろ覚えですが、なんとなくかっこいいイメージだけはあったので、この映画での「フツーの人」、しかもトラックにおびえまくる表情なんかは改めて新鮮に感じました。容姿・服装・役柄含めて、自分の中ではいい意味でミスター・70年代というイメージの方です。(笑)

ところで原題が『Duel』(決闘・対決の意味)というんですが・・・長いことFuel(燃料)だと勘違いしてました…。トラックがでかいタンクをつけてるので、そのへんのイメージだったのか、自分でも思い出せませんが…恥かく前にわかってよかったです(^ ^;)。

 

 

2009/7/21

明日は雨?
天気予報を確認してから日食グラスを買おうと思っていたのですが、どうも明日は関東地方ダメっぽいですね…くやしいなあ。部分日食でもめったにないことなのに…。

書籍用紙
先週、初めて書籍用紙の72.5kgのを注文したのが届き、既刊の小説本の夏コミ用増刷をしました。おおっ!自動両面印刷がスムーズにできる!ストレスなく短時間でできてびっくり。紙のカールも少ないです。ホチキス留めもホームズ本はOKで一安心しました。(これより厚いとちょっとわかりませんが)しかしこう楽だと、今までのストレスはなんだったんだ…って思いますね。最初からこの厚さで注文すればよかった…(^ ^;)(どーいうわけか、ほかの厚さすべて試してから最後に手を出すことになりました・・・)

海外版DVD
前に『ピサロ将軍』のDVDを購入した、アメリカで日本語対応してくれるDVD屋さんが、3アイテム以上買うと送料が半額になるセールをやってるので、国内盤が出てなくて気になってたものをいくつか注文しました。一番の目的はピーター・カッシングがホームズを演じる『バスカヴィル家の犬』なんですが、ほかにもちょっと惹かれたカッシング作品をいくつか。(カバーアートがすてき、とかで選んだのも。…国内盤と比べるとどの商品も「廉価版」に見えるので、つい食指が動いてしまいます…日本語字幕がないことを考えると、画面で楽しめるものか話のわかってるものしか買えないんですが…(^ ^;))

あと、ジャック・レモンウォルター・マッソー『おかしな二人』も注文しました。これ、なんで国内盤出ないんだろう・・・不思議です。性格正反対の二人の中年男が同居することになっててんやわんや・・・というコメディーで、原作はニール・サイモンの舞台劇です。(そういえば、先日大きい書店で原作戯曲が文庫になってるのを発見してびっくりしました。(おかしな二人 (ハヤカワ演劇文庫)) 早川書房、こんなシリーズ出してたんだ…)
几帳面なレモンとズボラなマッソーという組み合わせで、ゲイっ気のあるギャグはなし。あくまでヘテロなコメディーですが、おもしろいんです!

大好きな作品で、以前テレビでやったのを録画したのですが、もともと受信状態がよくない立地条件のうえ、当時一番画像が悪かったテレビ東京の放送だったのもあって、いつのまにかつぶしてしまいました・・・吹き替え音源は今考えると貴重だったんてすが・・・。レモンの声はやはり愛川欽也さんだったと思います。なんか翻訳が面白くて、レモン演じる料理上手の主人公が作ったサンドイッチを友人の一人が褒めるとき、「マヨネーズもステキだ!」と言ってたのが妙に記憶に残っています。食べ物に「ステキ」って…なんか時代感があっていいなあ、とか思いまして。(もしこの先国内盤が出るとしたら、この音源はぜひ入れてほしい!)

全部リージョン1しかなかったので(ものによってはオールリージョンのもあるんですが…)PCで見ることになりますが、到着が楽しみです♪目の前にニンジンぶら下げて、夏コミ原稿がんばります。(笑)

(お店のサイトはこちら。半額になるのは、一番安いランクのUSPSという発送法です)

 

 

2009/7/18

ピーター・カッシングの遺作鑑賞
マック(マクドナルド)で書いてます。ちょっと室内作業が続いて、外で書き物するのはひさしぶり。・・・カウンターで「アイスティーにガムシロップを入れてしまっていいですか?」と言われて、一瞬意味がわからなくて反応できませんでした(^ ^;)。・・・そうか、そうすればトレー使わなくてすむのね。結局トレーで出してくれました・・・。(ごめんねお姉さん、いらなかったのに・・・)いかんなあ。パソコンにばかりカジりついてると反応が鈍くなるみたい。気をつけないと!

さて・・・気を取り直しまして、またDVDの感想です。
『ハマー ホラー&SF映画大全』ピーター・カッシングクリストファー・リー最後の共演作(ただし声のみ)ということで、これもレンタルがないので中古を購入しました。お二人がナレーションを担当したテレビドキュメンタリーです。カッシングは収録の数ヶ月後に亡くなったそうで、これが遺作になるそうです。

ハマー映画のクリップ集にナレーションをつけたものかな?と思ってたんですが、プロダクション成立のいきさつから構成してあって、ハマープロそのもののドキュメンタリーでした。もちろん作品紹介の割合は大きくて、とくにフランケンシュタインとドラキュラのシリーズはそれだけでひとつのチャプターになっていました。制作当時の映像とか貴重でした。

カッシングとリーのナレーションは、チャプターごとにきっちり分かれてるんじゃなくて、交互に話す感じ。きっと一緒に収録したんだろうなあ。(萌)ドラキュラのコーナーで互いに相手のキャラクターを紹介するとこ、なんかたまりません。台本読んでるだけだってことはわかってるんですが(笑)。カッシングの声はさすがにちょっと弱々しく、かすれ気味でもありますが、味のある語りです。リーはいつもの美声。文句なしです。

インタビュー映像もあって、プロデューサーや監督のほか、俳優陣ではクリストファー・リー、『ドラキュラ’72』に出ていたキャロライン・マンロー(年くってもかわいい(笑))とクリストファー・ニーム(ドラキュラの魅力的な手下をやってた彼。お顔はさらにするどくなってました。髪は1972年の段階ですでに危なそうでしたが、やはりかなりきてました・・・でもかっこいい!)、『フランケンシュタインの逆襲』でエリザベスをやってたヘイゼル・コート『フランケンシュタイン・恐怖の生体実験』でヒロインをやってたベロニカ・カールソンなど。

カッシングのインタビュー映像もありますが、このドキュメンタリーのための収録ではない感じです。何年か前のファン集会かなんかの質疑応答っぽい。老け具合はモフ・ターキン程度ですし、映像の肌理も違うので。(でも貴重な映像です!ほんとに「人のいい美老人」です♪)このドキュメンタリーの収録時に撮ったらしい、カッシングとリーのツーショット写真をネットで見かけたことがあるのですが、もうほんとに縮んじゃってて、かわいいおじいさんでしたから。

『デビルズ・ヴィレッジ/魔神のいけにえ』の特典映像に入っていたクリストファー・リーのインタビューで、たしかこのツーショット写真に言及していたのですが、リー御大はたしか「たまらない写真だ。ピーターの肩を抱いてるんだが、彼の身長が私の肩くらいまでしかない。(昔は)180センチあったのに…」というようなことを言っておられました。病気で縮んだように言っていましたが、年齢を考えると自然な老化かも。この収録時に、お二人が大好きな、アニメ(カートゥーン)のDVDを持参して一緒に見て笑ったというような話をして、そのときのカッシングのことを「Dying man」と形容してるのが耳に残りました。(聞き違いだったらゴメンナサイ。そう聞こえたのです)付け焼刃のファンながら、目頭が熱くなりました。ネットでの聞きかじりでは、ナレーションの収録もカッシングの自宅に近いスタジオで行われたということですし、会うのはこれが最後かも、と覚悟してたんでしょうね。

とにかく貴重な一本、貴重な音源です。ついでに、カッシングの未見出演作で見てみたいものも目星をつけました。まだまだ発掘しなくては〜♪

余談(コワイ話)
これを寝る前に見たら、クリストファー・ニームの髪の毛のイキっぷりがよくよく印象に残ってたようで、自分の髪がごっそり抜ける夢を見ました。こわかった・・・ハマー映画よりよっぽどこわかった・・・。(震)

 

 

2009/7/16

夏コミ作業のご報告
…いつも映画の萌え話ばかりですが、夏コミ準備のほうもいちおう進行しております。基本自宅プリンタ製なのでギリギリまで作業できるのですが、今回はなるべく宅配搬入に間に合わせたいとがんばっております。そろそろ一ヶ月前で追い込みモードかな…とか思い始めた矢先、昨日右手を痛めてしまいました。(^ ^;)半分腱鞘炎モード、半分ちょっとひねったみたいな。そんなに根を詰めてたつもりはないのですが、気をつけなくちゃいけませんね。昨夜から湿布をして、今日はなんとかキーボードも打ててます。(ホッとしました!昨夜はキーボードは人差し指で打つしかなく、両手で2、3冊の本を持ち上げても小指の下あたりから手首へピキーン!とくる感じだったので…)

今日も大事をとって、作画は少なめにして、プリントとかを進めてます。…自分へのハッパかけを兼ねて、今描いてるグッズ用図案の工事中の姿をアップしますね。こんなのです。

(追記・大切なワトスンちゃんのスペルが!…正しくはWatson、ですね。
あわてて訂正いたしました…(冷や汗) )

コナン・ドイルせんせ生誕150周年記念グッズなので、最初はドイルせんせそのもののイラスト入り…とか思ったんですが、さすがにマニアックすぎるだろう、ということで、チョロQバージョンのホームズとワトスンになりました。パッと見てホームズとわかるように、(たぶん)初めてディアストーカーをかぶせてみました。原作ではこういう格好だとは描かれてない、とよく言われますが、やはりトレードマークなので。
上の状態は、様子を見ながらワトスンのほうだけちょっぴり陰影を入れてみたところです。ホームズはベタッと下塗りのみです。(英語はこれで意味通ってるのだろうか…もう一度確認しないと…)

なんのグッズにするかは、予算の関係から(^ ^;)手軽な綿のエコバッグを考えております。(絵柄はA5くらいで小さめにいれる予定です)あんまり派手だと使いにくいので、あっさり淡い色がいいかなあ…とか、逆に油絵みたいな塗り込み系っぽくしたほうがいいかな、とか、いろいろ迷っております。が、なにぶん絵柄が「ザ・漫画」ですので、そうシックな仕上がりを狙うのは無いものねだり…。(もっとデザインぽい絵が描ければいいんですけど!)ま、しょせんは同人グッズということで(?)、見逃していただければ…と思います。(^ ^;)
家内制手工業によるアイロンプリントグッズなので、やってみて上手くいかなかったら変更になるかもですが、もし当日机に並んでいたら見てやってくださいませ。

夏コミ用ではもう一つ、宇宙探偵ネタの新刊準備をしています。こちらはただいま字コンテ状態でございます。間に合うかな…。

 

 

2009/7/12

宇宙人と、トウの立ったハムレット♪
日付が変わってしまいましたが、TVタックルで久しぶりの超常現象ネタをたっぷり見ました。新しいネタもあって楽しかったー♪大槻教授が出てなかったのがちょっと寂しいですが…ニラサワさんの相手はやはあの方でないと(笑)。

…さて、ピーター・カッシング&クリストファー・リーで引っかかってきた、ローレンス・オリヴィエのハムレット、昔見たのですが、ブックオフで「未開封で250円」という投売り商品があったので、買って見てみることにしました。(定価を見るとワンコインじゃないんですよ…でも字幕に明らかな「入力ミス」が連発してたりして、クオリティはワンコイン並みです。…パブリックドメイン作品がまだ高く売られてたころの商品かしら)1948年のモノクロ作品で、アカデミー作品賞、主演男優賞などなど受賞している、ハムレットといえばこれ、という定番作品。再見といっても、毎度ながら前回の記憶は薄れてますし、ちょっとカルト系の悪食(?)が続いたので、ちょうどいい口直しかもです。(笑)

…今回一番思ったのは、「ローレンス・オリヴィエってスティング系の顔だったんだなあ…」ってことです(笑)。年くってからはわりと目にしているのですが、気がつかなかった!この作品でもハムレットにしては老けてますが(^ ^;)。最初のほうこそ、冗舌なセリフが馴染めなかったりしてちょっと入りにくかったですが、台詞回しとかやはりさすがですね。だんだんリズムに慣れてきて、引きずり込まれました。ぐるぐる回るカメラワークも、うまく溶け合ってて見事でした。

カッシングはオズリックという役なのですが、悲劇のなかで数少ない笑いをとる、なかなかおいしい役でした。おもな出番は終盤です。字幕の語尾に「・・・ザマス」とかつけたくなるような感じがします(笑)。おフランス生まれ?みたいな。今だったらアラン・カミングとかがやったら似合いそう。(ちょっと道化に近くなりすぎるかな)

派手な伝令で終わりかと思ったら、ラストの剣術試合では審判までしていて、予想したより映ってる時間が長くて嬉しかったです♪衣装がタイツの時代なので、たくましいおみ足も披露。ほんとにたくましい足ですね!後年の痩せぎすなイメージからはほど遠い、筋肉がついたスポーツマンの足です。コミカルな身のこなしと口調…なるほど芸達者という感じ。見たあと戯曲のほうを確認したのですが、オズリックは小柄で妙に気取った、流行の帽子をかぶった若者と書かれていて、仕草の指示もありました。忠実に演じていたようです。オリヴィエが監督・脚本ですから、やはりセリフを含めてなるべく原作に忠実に撮ったのでしょうね。

クリストファー・リーは、とうとうどこに出てるかわからず。Indbで確認したら「槍持ち」だそうなんですが・・・。しばらく検索してみたんですが、ファンの方の「ここで見つけた」という話はひっかからず。…エキストラの扱いでジャケットのキャスト欄に名前を出すのはちと詐欺かと。(^ ^;)しかも台詞のあるピーター・カッシングより先に名前が書いてあるし…うーむ。

…気を取り直しまして…ハムレットの中の役としては、一番好きなのはクローディアスです。ハムレットの父を殺して王位を奪い、ハムレットの母を妻にする悪役ですが、悪行を悪行と意識して苦悶する、という面が、とてもおいしい。この映画ではベイジル・シドニーという俳優さんがやってました。やはりパワフルである種の色気があります。そういう役なんですよね…。見ながら「クリストファー・プラマーのハムレットでは、この役をロバート・ショウがやったんだよねえ・・・」と妄想することしきり。見てみたいです、ショウのクローディアス…!

…ほかでは、冒頭に出てくる父王の亡霊のしゃべり方が、なんとなくダース・ベイダーを連想させました。スターウォーズって作りが古典劇ですもんね。ひょっとしたら影響があるのかも。その場面のあたりでは、『ナバロンの要塞』なんかに出ているアンソニー・クエイルも出てました。ほかで自分にも名前がわかるのは、オフィーリア役のジーン・シモンズくらい。(可憐で歌声もすばらしかった!ご本人が歌ったのでしょうか…?)レアティーズをやってた方もものすごく美形でした(笑)。この若々しい兄妹と並べると、やっぱハムレットはトウが立って見え…(^ ^;)いや、かっこよかったですけれど!(笑)

ひっかかりがとれました。
先日感想を書きました『デビルナイト』で、カッシングにまとわりついてリーの不興を買う(笑)女記者をやってた方に、どうも見覚えがあって気になってました。調べてみたら、『新スタートレック』「クリンゴン人のウォーフの義理の母」をやってた方でした。ああ、スッキリした…(笑)。

 

 

2009/7/9

ホラー・エクスプレス / ゾンビ特急"地獄"行
…ホラー好きじゃないのに、こんなタイトルのものまで見る羽目になるとは…(笑)。

マイブーム中のピーター・カッシングクリストファー・リー共演作、手に入りやすそうなDVDでめぼしいのはこれが最後です。 Youtubeで全編分割アップがあったのですが、冒頭見ているうちに、台詞がほとんど聞き取れないままネタバレしてしまうのが惜しくなり、これまたカルト作品でレンタルがないので中古で購入しました。(こんなのばっか(^ ^;))

…どんな作品でも作ったもん勝ちだな!・・・というのが、見終わって最初の感想です。(笑)
ジャケットの解説がすべてを語ってくれてます。

英国ホラーの名門ハマー・プロの二大名優に、「刑事コジャック」でブレイクする寸前のテリー・サヴァラスが加わるという豪華なキャスト。加えて、別の作品から流用されたミニチュア鉄道、目から人間の記憶を抜き取るエイリアンの蛮行、風呂敷を拡げすぎた世界観の大きさ、あまりにも内容とミスマッチな「オリエント急行殺人事件」風のエレガントなBGM、なぜか机の上にある月桂冠などなど、カルト・ムーヴィーたる要素をこれでもかとブチ込んだ、究極の珍品である。合い言葉は「魚の目が白い!」(以上DVDジャケット解説より引用)

いちおうお話を書きますと、中国の山中で類人猿のミイラを発見したサクストン教授(クリストファー・リー)が、「箱の中身は化石」と偽ってシベリア横断鉄道でミイラを運ぼうとします。列車にはサクストンの知り合いのウェルズ博士(ピーター・カッシング)や、怪しげな神父、伯爵夫妻、正体不明の美女などが乗り合わせます。

タイトルから察するとおり、このミイラが蘇って人を襲うのですが…そこにはなんともトンデモな、そしてついていけないほど壮大な設定があるのでした!(笑)

音楽が妙にステキでなんだかマカロニっぽい・・・?俳優さんの名前もなんかラテン系っぽいし・・・とか思ったんですが、イタリアでなくスペインでした。イタリア製だったらもっとお色気サービスに流れたのかしら。(意外なことにこの作品、女優さんのサービスカットが皆無です。ハンパに志が高いのかも!あっぱれ!(笑))リーとカッシング以外も、ちょっとロバート・デ・ニーロ似のハンサムなラスプーチンもどきやら、顔だけ見るとヴィスコンティ映画にでも出てきそうな美女やらで、なんのかんの言って目の保養に事欠かない映画です。

…でも今回の目的はリーとカッシングなので、彼らに絞りますと…またもやリーの焼きモチ演技(要深読み)が見られてウホウホです♪(笑)
カッシング演じるウェルズ博士の個室(上下二段のベッドがありますが、一人で一部屋占領していた)に、謎の美女が助けを求めて来ます。切符をなくしたとかなんとか泣き始めて、要するに匿ってくれということです。じつはワケありな美女なのですが、英国紳士なウェルズ博士、色仕掛けにひっかかるというより、若いレディーに泣かれては放っておけない、という感じで匿います。

泣いてる美女の手をとりながら話を聞いていたところに、間の悪いことにサクストンが入ってきます。あとから切符をとって、この部屋の上段ベッドを割り当てられたのでした。(あるいは裏で手を回してこの部屋の切符を入手したのかも!(笑)
美女の手をとるウェルズ博士を見たとたんに不機嫌モード突入。ウェルズ博士はご婦人を助けるために(けっして下心ではありません(笑))、サクストンに他へ移ってくれないかと頼みますが…聞くワケないじゃありませんか!せっかくアンタと同室とったのに!(笑)

さっさと上段ベッドを占拠するサクストンと口論するウェルズ。それを尻目に美女は先ほどのしおらしさもどこへやら、デカイ態度で下段を占拠。
「あなたたち上段で仲良くしてね」
・・・ナイスだ美女!!!(笑)

ここでカットされちゃうのですが、オヤジ二人が上段ベッドで同衾したのかどーかが気になります!(リーだけでも狭そうだが!)ゾンビなんかどーでもいいからそれを教えてくれ!(笑)

ほかのお楽しみといえば…オマージュなのか、フランケンシュタインをホーフツとさせる解剖シーンもあったりします。死因の調査なのに体はいっさい見ず、いきなり開頭するウェルズ博士。強引だがよし!そのあと出てくる「脳のシワと記憶に関する”科学的”説明」はさらにアレだけど、言ってるのがカッシングだからよしっ!(笑)(もしかしたら、「ピータ・カッシングにトンデモねー設定を説明させる」こと自体がオマージュなのかも…(笑))

・・・いちおうネタバレは避けておきますが、蘇った化け物の活躍(?)後、(ちょっと特殊な設定がありまして)乗客と化け物の見分けがつかなくなるため、乗客は厳戒態勢をとることになります。絶対一人にはならないように・・・というわけで、当然サクストンとウェルズはペアに。
見回りにきた刑事が
「どっちかが化け物(モンスター)じゃなきゃいいけどな」
というと、ウェルズが血相変えて
・・・モンスター?無礼な!」
…フランケンシュタインのモンスター役でブレイクしたリーが、とぼけた顔で聞き流します。なんか微笑ましい楽屋落ち!(笑)

…解説にあるとおり、風呂敷広げすぎは事実ですが、アイデア自体としては、『ボディ・スナッチャー』が許せるなら充分有り、だと思いました。要は撮り方です。・・・もろに見せちゃうんだもんなあ・・・とたんに笑えちゃう(笑)。こーいうのって、いかに「見せない」かが大事なんだなー、と勉強になりました。見せるとサスペンスがなくなるんですねー。(ま、こういう狙いの映画だとすれば、はじめから監督の頭にはサスペンスのサの字もないと思いますが(笑))
そしてあの珍妙な「科学的」説明が脱力感MAX。か、科学・・・カガクなのか・・・(笑)。

いっさい説明しないで、気持ち悪いものもモロに見せないで焦らして、列車が停車できない(密室状態になる)合理的な理由をつけたら、案外「ほんとに怖い系」のSFホラーにできるかも…なんて思いました。(野暮でスイマセン(^ ^;))

ともあれ、テリー・サバラスもとんでもない熱演(?)を見せてくれたりして…とにかく何度も笑わしてもらいました。ラストの「地球」に至ってはもう、発作のような吹き出し笑いが止まらず…ああ、ネタバレできないのが歯がゆいです!

というわけで、映画としてはまったくの駄作ですが(笑)、珍品という意味での価値は破格。いろんなパロディーを織り込んだホラーコメディと思えば、かなりの拾いものでした。(ホラーというのがはばかられます。まったく怖くありません(笑))「作ったもん勝ち」というありがたい教訓も得たことだし。

Youtubeにあがっていた「魚の目が白い!」のシーンのカッシングが水もしたたるベッピンぶりなのが、正直一番の購買理由なんですが、ほんとにもうこれだけでも満足です。(黒いジャケット似合いますね♪)リーとのからみシーンは、もっとベッタリしっぱなしの(?)『デビルナイト』を先に見てしまったので喜びも半分くらいでしたが、やっぱ「上段で仲良くしてね」は嬉しすぎますし(笑)。
これも72年作品ですか…自分のなかで、1972年はカッシングの美貌最絶頂の年、ということになりました。
こーいうのに限ってレンタルにはならないんですよねえ・・・ワンコインくらいで売ってくれればいいのに。(笑)

 

「魚の目が白い!」のシーンのカッシングはこちら→ Peter Cushing Moments #4
冒頭とエンディングに流れてるのは、『Peter Cushing lives in Whitstable』という曲です。検索していて何度もひっかかってきて、最初はどなたかアマチュアの方が自作のコメディーソングをアップしてるのかと思ったんですが、BBCのコメディー番組(なんと司会が『オスカー・ワイルド』でワイルドをやってたスティーブン・フライ!)で放送された曲だそうです。(→番組の映像はコチラ)PV(?)も面白いです(笑)。歌詞が聞き取れないのがくやしいです!
なんか、阿部サダヲさんなんかがやってるグループ魂っていうバンドが、「リキ!リキ!竹内リキ!」とシャウトしていたのを連想しちゃったんですが、同じよーなノリでしょうか…?(笑)

…Whitstableは実際カッシングが住んでいたところだそうで、Cushing's Viewと名づけられた場所に、カッシング夫妻の名前で寄贈されたベンチがあるそうです。そこからの眺めが好きだったんだそうで。(泣ける話だなあ…)お墓ではなくて、埋葬場所は公表されてないらしいです。(→情報元ページFind a Grave。こんなサイトがあるんですねえ…)
…森の石松並みにファンに墓石削られそうな気がするので、賢明な措置かも…(^ ^;)

 

 

2009/7/7

ちょっとした贅沢と、漫画の自由度
夕ごはんどきに、テレビで桂歌丸師匠が落語(なのかなんなのか、よく区別できないのですが)をやってました。ちょっと贅沢な時間でした♪そういえば、昨日はやはりテレビでロバート・ショウ出演のザ・ディープもやってたんですよね。前半はジャクリーン・ビセットのサービスシーンで辟易するのがわかっていたので、途中から見ました。(新しいテレビにしてから録画ができない状態なので、リアルタイムに見るか、見ないかのどちらかなのです(^ ^;))うまい具合にほぼショウが出ずっぱりのところを見られました♪後半だけ切り取ってみると、なかなか面白いサスペンスとカリブの沈没船ミステリーの映画になってました(笑)。昨年廉価版が出たときに買いそこねて、最近「季節柄もう一度みたいなー」とブックオフの中古コーナーとかで探していたので(ツタヤさんでは棚から消えてしまいました…回転しなかったのかな〜)、ジョーズとはまた違った、ノーブルな海の男のショウが見られて嬉しかったです♪

さて、話は変わりますが、本屋で別冊宝島の『“そのまま”連載第1回 松本零士 』というのを見つけて、衝動買いしてしまいました。雑誌掲載時の版面をそのまま印刷してあるもので、銀河鉄道999などの宇宙モノの一回目が5本収録されています。うち、『宇宙海賊キャプテンハーロック』『クイーンエメラルダス』『ミライザーバン』はコミックスを持ってるのでちょっと無駄遣いかな…とも思ったのですが…いやいや!B5判で見るとぜんぜん違いますね!買ってよかったです♪

どうも昔から漫画はコミックスで買うタチだったので、大きい画面に慣れてないのかもしれませんが、ほんとに見映えが違うというか。それに、いまどきの整理されたカチッとした線の漫画があたりまえになってから改めて見ると…タッチの個性というか、パワーがすごい。絵が生々しいんですね。漫画って、もっとこういうパーソナルな息遣いと一体のものだったよなー、こーいうのもありなんだよなー、と、いろいろ思いました…。しかし連載第一回のメーテル、かわいいですね。(笑)

デビルナイト』/これは掘り出し物♪
ハマープロ製でない、ピーター・カッシングクリストファー・リーの共演作を中古でゲットしまして、昨夜(正確には今日未明(笑))鑑賞しました。すでに日付が変わってから見始めたのに、あまりにおいしいので、早回ししながらリーとカッシングのシーンだけ即再見してしまいました(^ ^;)。1972年作品です。ひでー邦題ですが、このタイトルから想像するよりははるかに見どころのある異色作でした。原題は『Nothing but the night』。解説にはホラーと書いてありますが…これホラーかなあ。オカルトチックなサスペンス風の味付けで、じつはSFなところも。

…孤児院を経営する金持ち財団の管財人たちが、立て続けに不審な死をとげ、クリストファー・リー扮するビンガム閣下(もと警察関係の仕事をしていたらしく、死んだ管財人の一人が親友だったため捜査に乗り出す)が、ピーター・カッシング扮する美人病理学者(笑)マーク・アシュレー卿にわがまま言って、一緒に謎を追います。こ、このカッシング…衣装がいいのもあってハンパでなく、ホントにめちゃめちゃ美人です!(70年代前半のこの方は、やっぱ自分の目にはルックス絶頂期です(笑))ほかに、警察官の役でどーも見覚えのある顔が…と思ったら、若かりし頃のマイケル・ガンボンでした。なかなかステキですねー(笑)。

お話のキーになるのが、冒頭でバスの衝突事故に遭い、以後悪夢を見るようになる少女なのですが・・・この子役ちゃんがすごい!正直ストーリーを支えていたのは彼女の不気味さでした。ある意味美少女なんですが、かわいいというより険しいイギリス系男の子顔。スティング系で黒目がちでロングヘア・・・という。こんな女の子いるんですね〜!演技はべつにうまくもなんともないですが、もうこの顔の子役をキャストした時点で作品のトーンが決まるような、パワフルなルックスです。目をむき出して叫ぶ顔がこわい。

オチもとんでもなくて・・・(この説明台詞をシリアスに語って絵になってしまう、カッシング御大の偉大なこと!(笑))なんとも奇妙な後味。隠れた傑作というのはよくわかります。こういう映画、今ではいろいろ問題あって作れないと思います。

それはともかく、今回は友人という設定のリーカッシング「閣下」と「卿」がホームズとワトスンばりに一緒に行動するので、英国紳士然とした二人をたっぷりツーショットで堪能できました♪ツーショット、またツーショット・・・と出てくるシーンの8割くらいはつるんでたような。並んでいると身長差がたまりません。クラクラ。(長身のリーと並ぶとたいていの男優さんはかわいく見えちゃいます。カッシングも180センチあったそうなのですが・・・リーの目か鼻あたりにしかなりません。た、たまらんバランス・・・(笑))
さりげないアイコンタクト、ドアを支えて相手を通す、背中に手を添える、微笑み合う・・・などなど、ドラキュラなどの敵対設定では絶対見られない紳士な萌えショット満載。ツーカーな感じが鼻血ものです!

とくに、むっつりとカタブツっぽいビンガム閣下の表情を深読みするのが楽しいです♪孤児院のある島へ行くことになると、あきらかにニヤけてたり(マーク卿と二人で飛行機に乗るのが嬉しいらしい)、卿と話してるところで女記者に割って入られてヘソ曲げたり。焼き餅やきらしいビンガム閣下、そのあと卿が女記者と話してると、どーでもいい理由で卿を呼びつけて引き離してみたり。子供かあんたは。たまりません。クラクラ。…ほかにも、ビンガム閣下を救おうと全力疾走するマーク卿とか、珍しいシチュエーションが盛りだくさんで喜び疲れました…。(笑)

…これ、じつはクリストファー・リーが自前のプロダクションで制作も担当した作品なんだそうです(ただし制作としてはクレジットなし)。それでコレか!(悶)・・・前半で学者肌のマーク卿が切れたとき、ビンガム閣下がなだめモードで歩み寄って眼鏡をはずしたときには…「…このあとなにが起こるんだ!」と一瞬ときめいてしまいましたよ。無駄に雰囲気出すのはやめてください。つーか…いや、こんな映画作ってくれてありがとう…!(^ ^;)

プライベートでも親しかったという名優ふたりの蜜月映画(?)、作品の内容とは関係なく癒されました・・・(笑)

 

 

2009/7/6

新ドラキュラ/悪魔の儀式
ピーター・カッシングのヴァン・ヘルシングとクリストファー・リーのドラキュラもの、最後の1本を鑑賞しました♪

またもや現代(70年代)によみがえったドラキュラ伯爵、今度は政府や経済界の要人をたらし込んで世界征服・・・?と思いきや。こりゃ壮大な心中願望! ・・・永遠につづく戦いに疲れ果てたドラキュラ…って新鮮な設定(笑)。そしてドラキュラの心理をただ一人、セラピストばりに理解してるのが宿敵ヴァン・ヘルシング教授・・・くーっ!おいしすぎです!(笑)

またもや「伯爵、ヘルシングの孫娘を狙う」という展開なんですが、今回は露骨にヘルシング教授が本命なのを隠し切れず。せっかく据え膳状態にした彼女を目の前で持ってかれてもほったらかし、教授を追っかけドラまっしぐら!(ほんとにまっしぐら。障害物を迂回することさえ考えつかない伯爵!愛は盲目つーかアホすぎ!)・・・そうかそうか、ほんとは教授を永遠の伴侶にしたかったんだもんね・・・奥ゆかしいもんだから、そうは言えないんですよ、ええ。それで代わりに彼の血を引く孫娘を、なんて言ってんのよね。教授の色香はますますパワーアップしてるものねえ。たまらんよねえ。そのねじれた愛はよおくわかるぞっ!そして二人の前には世界なんて滅びてしまえばいいのだ。わはははは。(マントを翻して去る)

・・・というわけで、こんなにおいしい話なのですが(ほんとか?)・・・どーすればここまでアレな映画になるのか!?謎です!いや、この映画の通りにすればいーんですが・・・(泣)。内容のトホホっぷりはこのジャンルでは織り込み済みなのでいいんですが、テンポが異様に悪い。編集の問題かもですね。深読みで楽しめる題材なので(笑)この仕上がりはちょっと残念です。

まあ見所はやはり、教授と伯爵のタイマン問答でしょうか。本心を言い当てられたドラキュラの表情もイイです。二人の「絆」が他者の干渉できない、特別なものだと表現されてる気が…(笑)。…前半ちょっとカッシングの目がどんよりしているのが気になりましたが、ドラキュラと対峙して戦闘モードになると目つきが違う。この戦闘モードをたっぷり見られるのもうれしいです。

あと、ドラキュラとの対決を前に、教授が銀の弾丸を作るシーンがあるんですが、そこで流れる音楽が妙に感傷的で、ああ、意味シンで良いなあ・・・なんてうっとりしたり。(笑)

ともあれ、オフィスを構えてビジネスマン(?)になってるドラキュラなんて、めったに見られるもんじゃございません。珍品でございます。カッシング鑑賞ビデオとしてもなかなかでした。女の裸がうざったいけど、そこは早送りすれば問題なしです。(笑)『ドラキュラ’72』の続編なので、前回も出てきた警部が活躍しますが、この方架空のリアリティをかもし出すのに地味に貢献してます。ヘルシング教授と話し合うシーンなんかが、じつはとんでもないこと話してる(笑)にもかかわらず、ちゃんと見てられるんですよね。カッシングの演技の説得力と、この警部さんのリアクションの自然さがすばらしい。それで作品全体を救うのはもちろん無理ですが、ボロクソな作品でも(あ゛(^ ^;))役者さんのしどころってあるものだな、と思いました。孫娘は『’72』とは別の女優さんで、性格的にも二年間でずいぶん変わったようです。(笑)

今回、女吸血鬼(「中国女」って呼ばれてる人…どこかで見た顔です)が、やはり眼力で男性を催眠状態にしてしまうシーンがあったのですが・・・その気になれば伯爵、教授も眼力で骨抜きにできるんじゃないの?・・・試そうよ!人生チャレンジだよ!ファイトっ!(いや、冗談抜きで、吸血鬼になったカッシングって見てみたいです・・・どこかでやったことないのかしら。リーとは別の意味ですごく似合いそう♪)

・・・しかしリーのドラキュラとカッシングのヴァン・ヘルシングという組み合わせは、この作品が最後でした。残念だったね伯爵・・・。せめてもの慰めは、今回も教授自身に貫かれて(もちろん杭で(笑))灰になれたことでしょうか。…ふーむ、ドラ受けだったのか…そう考えるといろいろ深読みのし甲斐があるショットなんだな、これが…。(←バカめ(^ ^;))

灰のなかから指輪を拾い上げた教授、ふっと息を吹きかけて何を思うのか…いろいろ想像できてニクいラストシーンでした。伯爵にとっては、また復活したときにヘルシングに会うためのエンゲージリングでしょう…。(←バカも極まれり)
ということで、ドラキュラとヘルシングの壮絶なラブストーリーと思えばけっこう楽しめました。めでたしめでたし。(笑)

 

 

2009/7/4

吸血鬼ドラキュラ
ドラキュラシリーズ一作目の感想、書いたつもりになって先に『ドラキュラ’72』の感想を書いてしまってました。(^ ^;)あらためて一作目のほうの感想を。…これも再見ですが、いい感じに前の記憶は無くなってます(笑)。

…ドラキュラ伯爵のもとに司書として潜入したジョナサン・ハーカーの日記で始まるので、おそらく原作にある程度忠実なのだと思います。(きちんと読んだことはないのですが・・・)ただ、たしか『リーグ・オブ・レジェンド』に出てきたミナ(ドラキュラに吸血鬼にされるヒロイン)はジョナサンの奥さんだったよーな気がしますが、この映画のミナは義理の姉なんですよね。(ジョナサンの婚約者の兄の嫁。ややこしい)どちらが原作通りなんだろう?

ま、それはいいとして・・・そのジョナサンから手紙をもらって、友人のヴァン・ヘルシングがやってきます。二人は吸血鬼の研究をしていたようです。そして伯爵との対決が始まります。ヴァン・ヘルシングがピーター・カッシング、ドラキュラ伯爵がクリストファー・リー。ジョナサンの婚約者の兄役で、マイケル・ガフが出てました♪たしか『ヘルハウス』でゴニョゴニョ・・・(重要なネタなので自粛(^ ^;))の役をやってた方ですね。お若い頃、わりとかわいい(?)お顔で驚きました。(笑)ヘルシングの執事役で、先日ちょっと書きましたジェフリー・ベイルドンも出てました♪

・・・ハマープロのドラキュラシリーズ一作目、1957年作品ということで、当然みなさんお若い!モフ・ターキンから転んだワタクシの目には、アクティブなヴァン・ヘルシングを演じるカッシングは別人のように見えます(笑)。特にクライマックス、ドラキュラとの直接対決で、テーブルの上を走ってバッとカーテンに飛びつくアクションなんか体操選手みたいで、一瞬ハッとするようなキレのよさ!(ただし後ろ姿なのでご本人かどうかは謎。ほんとに体操選手なのかも(笑)。ほかのシーンの身のこなしを考えると、べつにスタントマン使う必要もなさそうですが・・・)

腐目線では、その前にドラキュラがヘルシングの首を締めて、一瞬気絶したところでニヤリとして首に食らいつこうとするシーンがおいしいです(笑)。

ドラキュラ役のクリストファー・リーは・・・声が素敵なんですよねえ!ドラキュラは眼力で女性をうっとり状態にさせてしまいますが、このステキボイスをあまり使わないのが不思議です。・・・ふつうの伯爵として振る舞っているときはしゃべりますが、吸血鬼モードになってるときはほとんどしゃべらない。かわりにうなったり歯をむき出したりして、人間というより本能で反応してる動物っぽいんです。「動く死体」なわけですから、そういう役作りなのかも。あまり頭がよろしくない(笑)のも、そういう解釈なのだと思うと自然です。

それとステキなのはやはり、あの長身。マントが似合います。先日買った『ドラキュラ’72』(えらく気に入ってパワープレイ状態です(笑))にも、リーのショットですっごく好きなのがあるんですが…それがドラキュラが歩いてただくるりと向きを変える一瞬なんです。マントの裾さばきっていうんでしょうか・・・それがほんとにもう美しい!マントの端まで神経が行き届いている感じ。さすがですね。様式美なんだなあ・・・。

・・・カッシングは・・・もちろんかっこいいんですが…どーも自分の好みからすると…若すぎる。(笑)ほかにもYoutubeとかでいろいろ見ているんですが、どうも自分は70年代頃の老け具合がツボみたいです。
Wikipediaの解説を見ると、71年に奥さんが亡くなったそうで、そのショックでぐっと老け込んでしまい(大変愛妻家だったそうなんですが、そういう人ってお子さんがいないことが多いのはなぜだろう・・・)「容貌も衰えが目立つように」なったとか書かれてるんですが・・・。ワタクシの目には美しさに磨きがかかったようにしか見えません…!
弱々しさが出て受けオーラが増した、というのがホントのところかもですが・・・(笑))

カッシング映像で本格的にドーパミンが出るようになってきたので、ちょっと力をいれて作品探し始めました。ちょうどプロジェクト三本同時進行中(?)なので、エネルギー補給として渡りに船。(「これが終わったらご褒美」ではどうもダメで、「これをやるためにエネルギー補給」があると頑張れるタイプみたいです・・・(^ ^;))とくにリーとの共演作を中心に、中古含めていくつか注文しました。昨年のロバート・ショウ/クリストファー・プラマーのブームのときは、共演が少なくてあまりそういうお楽しみはなかったのですが、このお二人は22本も共演してるので、少しずつ攻略を楽しめそうです♪(ただし自分が飽きる前に見ないと意味ないので、あまり「出し惜しみ」しないようにしないと・・・)

Youtubeではいろいろ漁っておりますが、日本ではDVDが出てない作品とか(断片どころか10分ずつ分割して全編アップしてくださってるのとか、じつは問題あるんでしょうが、ソフトを入手できない立場からはありがたい!)のほかに、映像を編集して音楽と組み合わせたものもたくさんあって、それぞれ作った方のセンスが出てておもしろいです。そのなかで、選曲と編集センスのよさでシビレてしまったものをご紹介します。2分足らずで、プロモーションビデオっぽい仕上がりです。音楽と映像がぴったりと合っていてムードたっぷり。道具立てといい、ベテラン俳優との組み合わせといい…こんな感じのPVって昔絶対あった気がします。オチもPVっぽい♪そしてなんといっても「手」がいいです。カッシングの「手」!(もちろん表情も…♪)

'Dream Window' The Peter Cushing Version

映像は日本ではVHSのみ・未DVD可の『ブラッド・ゾーン』(邦題)というオムニバス作品から、音楽はフライトナイトのサントラからだそうです。『フライトナイト』は、もろにカッシングをモデルにしたような「かつては吸血鬼ハンター役で人気だった老俳優」役を、ロディ・マクドウォールが演じてる吸血鬼映画です。映画そのものはお子ちゃま向けB級ホラーですが、マクドウォールがかわいいので好きです♪発声もカッシングの物まねっぽい感じです。(笑)

 

 

2009/6/30

「おはよう、フェルプスくん」
一昨日の夕刻、駅前へ行ってついでにTSUTAYAへ寄りました。とくに借りたいものもなかったのですが、洋画のタイトルを眺めていると気分がよくなるタチなので(笑)、気分転換がてらぶらふらと。
帰り際に、すごいものを見つけてしまいました。なんとテレビシリーズの
スパイ大作戦!しかもシーズン1、2同時に入荷です!

・・・つい先日ヨドバシでボックス商品を見て、「ああ、見てみたい作品に限って販売商品しか出ないんだよなあ・・・」と嘆いていたところでした。私はだいたいの海外ドラマはそうなんですが、昔テレビ放映でちゃんと見られたものはものすごく少ないんです。見た記憶がある場合も、多くは断片的です。で、名前だけはいろいろスリコまれてるので、最近になってからDVDで見てハマる・・・というパターンが多いんですね。なかなか「惹かれるものに限って」レンタル用のが出ないんですが、スパイ大作戦はVHSのレンタルで少しだけ見たことがありました。有名なテーマ曲ももちろんですが、よけいな「人間ドラマ」抜きで、淡々と手順を見せていくところが逆にカッコいいなあ・・・と思いました。とくにマーティン・ランドー(奇しくも話題にしたばかりですね!)とピーター・グレイブスはもう、文句なしの目の保養ですし♪

で、「今日は眺めるだけ」のつもりだったんですが、急遽借りることにいたしました。グレイブスが出ているシーズン2の1巻目を。 たまたま研修中の新人店員さんと、付き添っている先輩店員さんのいるレジに当たりました。いつもは、半額キャンペーンでないときは節約のために(笑)なるべく当日返し(翌日の朝10時までにポストへ返却)にするんですが、4エピソード入っていて選択肢が当日返し〜2泊ということなので、1泊でお願いしました。そこで 横にいた先輩店員さんが、「いや、これ当日か一週間だよ」と新人くんを訂正。「えっ?」と私も一緒に聞きなおしてしまいました。なんでも、「商品自体は新入荷だけれど、旧作の再発売なので」旧作扱い、なんだそうです。びっくり!というか今回ついてはラッキー♪ おかげで同じ値段で一週間手元におけることになりました!

さっそく一つ目のエピソードを鑑賞。つくづくカッコイイテーマ曲ですよね!ラロ・シフリンだったんですね…。映画のミッション・インポッシブルで流用されてたバージョンは8拍子にアレンジされてるんですが、やっぱオリジナルの5拍子は独特のカッコよさ♪楽器がなんなのかわかりませんが、バックにポカポカと入ってるパーカッションがステキです。映画はヒーロー1人でしたが、オリジナルはチーム。(というか、リーダーが登録者(?)の中から複数選んで今回のチームを組む、みたいな描写になってます。…でもメンバーがコロコロ変わったりはしないんですけどね(笑))このチームがイイ。よけいなこと話さないのがプロっぽくて。

…リーダーのジム・フェルプス役ピーター・グレイブスが登場したところは、「なんかフィギュアみたい…」と思いました。顔もプロポーションも含めて。カッコイイ…。(今思い出せるほかの作品のグレイブスというと、たしか『フライング・ハイ』で飛行機の操縦室を見学に来た男の子に、「ところで男のハダカを見たことはあるかい?」とかにこやかに聞いていた変態ショタコン機長しかないんですが…(笑))
紅一点のシナモンを演じるバーバラ・ベインもすごくオトナっぽくてステキ。そして変装名人ローラン役がマーティン・ランドー。べインとランドーは実生活でご夫婦だったそうですね。このドラマの前からか、この共演がきっかけなのかは知りませんが。…とにかくドラマの中ではクールなお二人。

もう一人ちょっと地味な男性がいて、そしてメカや細工物担当の黒人の人がいるんですが、見ていて「ああ、小さい頃こーいうの憧れたなあ…」としみじみ。スパイ大作戦は記憶にありませんが、ほかの洋画とかアニメとかでもいますよね、こういう…なんかわけのわからない配線をいじったりとかできちゃって、なんでも壊れたら修理できちゃう人。「こういう部品があれば可能だ」、とか言えちゃう人。時限爆弾を解除するときに、切る線は赤か青かを指示できる人。(笑)

ただ、「そういう男性ってステキ」じゃなくて「自分がそうだったら面白そうだなあ」という憧れ方だったのが、早々に女子人生の挫折を予言していたかもしれません(笑)。そのうえ「いいなあ」と思っただけで勉強はしなかったので、いまだにそういう特技はありませんし(^ ^;)。…でも面白そうですよね、電子工作とか。(ハンダゴテとか使うレベルがクール(笑))

…悪役で、以前刑事コロンボの『死の方程式』の副社長役で見たウィリアム・ウィンダムが出てました。(犯人役がロディ・マクドウォールのエピソードなので、何度も見返して覚えてしまいました(笑))たしか『新・猿の惑星』では合衆国大統領をやってた方。押し出しのいいハンサム中年さんです。前に見た役が会社の重役と大統領なので、なんとなくゴリッパなイメージだったのですが、今回は麻薬ディーラー。髪型が違って、下衆な感じがよく出てました。へんなところで知り合いに会ったような気分でした。(笑)

youtubeにオープニング映像がありましたので、リンクしときますね。(→こちら)かっこいい音楽をご堪能ください♪
リーダーがグレイブスじゃないので、シーズン1ですね。

映画の『ミッション・インポッシブル』と『スパイ大作戦』の違いを考えていて、設定とかなんとかよりやはり時代感かな、と思いました。新しい、古い、というのじゃなくて、同じスパイを扱うのでも…007とかもそうですが…「エレガントさ」。服装も、行動原理も。これって今の流行ではなかなか出しにくい。「なにがカッコイイとされているか」が違うんですね。でもエレガントなものって、今見てもほんとに「いいなあ」って感じがします。これを今やったらお笑いになっちゃうのが悲しいけれど。(笑)

 

 

2009/6/27

「スティ〜ブ〜っ!」
先日、目の保養をしにヨドバシのDVD売り場を歩いていたら、なんと懐かしの『世界の料理ショー 』のDVDボックスなんてのが出てました!…いや、もうボックスという段階で衝動買い対象から外れるんですが(^ ^;)、なんか嬉しくてしみじみ眺めてしまいました。アメリカの料理番組で、キッチン風のセットで男性がしゃべくりながら料理します。(たしか刑事コロンボの『二つの顔』ってエピソードで、マーティン・ランドーがこんなふうな料理番組に出てる男の役をやってました。モデルじゃないかな…)

で、番組のディレクターだかなんだかがスティーブという名前なんですよね。で、なにか備品が足りないとか(?)、問題があると「スティ〜ブ〜っ!」と叫ぶんですね(笑)。昔友人がよくモノマネしていたので、そこだけ覚えてます。もう即出てくるイメージが、「夕方」!って感じです(笑)。テレビ東京で夕方やってたのをそれとなく見てました。アーティーチョークって単語を始めて覚えたのは、あの番組です。いまだに食べたことないですけど(笑)

これレンタルにはならないかなあ。ちょっと買えないなあ…。でも見たいなあ…。
こいういう番組のDVDが出るなら、アレとかコレとかも出ないかなあ…とか想像して、ひとしきりシアワセになってしまいました。『600万ドルの男』とか、『アトランティスから来た男』とか。『マッコイと野郎ども』とか。あと、えーとえーと…

夏コミ準備…だったはずなのだが…(^ ^;)
夏コミ用に作りたいと思っている、ドイルせんせ生誕150周年記念グッズ(?)の、テスト商品を作ってみました。印刷屋さんに頼むと、高いうえに無駄に大量に作らなきゃいけないので、小ロットで同じようなものを自家製でやれないかなあ…と、いろいろ情報収集・試行錯誤していまして、その一つ、インクジェットプリンタで原稿を作れるアイロンプリントのテストです。とりあえずプリントの具合だけ見ようということで、ありもののイラストを少々いじって、無地のエコバッグにプリントしてみたんですが…おお、思ってたよりすごく鮮明!こりゃいろいろ使えそうです♪ついでにクリアパックに入れて、口を厚紙で挟んで綴じたらなんかちゃんとした商品ぽいぞ、とかいじり始めたら止まらなくなりました。あとは持ってて恥ずかしくない図案を作れるかどうかだなあ…(笑)。

…なんて考えてたら、いつのまにかイベントとは関係なく「自分がほしいもの」で妄想が広がってました(笑)。用紙の注意書きを読むと、「著作権がある画像は、個人で楽しむこと以外に営利目的で使用することは法律で禁じられています」…と書いてあるんですが…じゃあ個人的に楽しむ分にはいいの?DVDのキャプチャー画像入りのクッションとかやってもいいの?私は真剣に、モフ・ターキンのトートバッグがほしいです…。(^ ^;)

 

 

2009/6/23

ネロとセネカのいもづる
昨晩は、先日中古をゲットした、ハンス・マシソン主演の『NERO ザ・ダーク・エンペラー』を鑑賞。ローマ帝国の暴君として名高いネロの物語ですが、もとは優しかった青年ネロが、どのように狂気に陥っていったか…という感じで、子供の頃から死ぬまでを描いたもの。冒頭出てきたカリギュラになんだか見覚えが…こ、この人は時空刑事!?(笑)…その人でした。ほかに『コナン・ドイルの事件簿』でジョセフ・ベル教授をやっていたイアン・リチャードソンも元老院メンバーの一人で出ていました。

見ていてどーも話のテンポがすっ飛ばしすぎで、「…これはもしや、(以前やはりマシソン目当てで見た)『ドクトル・ジバゴ』と同様に、テレビのミニシリーズを短く編集したのでわ!?」…INDBで確認…やっぱそうでした。(^ ^;)6エピソードってなってるんですが…それを2時間くらいにしちゃったんじゃ、ほんのダイジェストですよ…。(涙)

でもまあ、ネロの変貌の過程はわかったので、できる範囲でうまく編集したのだと思います。史実についての定説には詳しくないので、あくまで映画の感想として書きますが…こういう変貌、おおいにありうると思いました。…感受性が強くて悪気のない…むしろ悪を許せないタイプの人物が、理不尽な出来事の繰り返しに深く傷ついて、自分自身が邪悪の権化みたいな行動をとるところまで堕ちてしまうこと…。ここまで大げさではないにしても、義憤から人を憎んだり、理不尽な仕打ちに対して仕返しをしたくなったり…というレベルで言えば、誰でも経験のあることが描かれていると思いました。誰でもある程度は持っている「弱さ」ですよね。(ローマ皇帝だと、その発露がいきなり暗殺や処刑になっちゃったりするのでオソロシイわけですが…)
…おそらくそういう、一般人が共感できる部分を主軸にストーリーを組み立てたんだと思います。ダイジェストではほんとに残念。ちゃんと全編見てみたい気がしました。

役者さんたちはすごくよかったです。主演のハンス・マシソンは、以前にも書きましたヘビ系美男ですが、ナイーブなところも怖いところも説得力のある演技でした。そしてすごかったのは、ネロの母アグリッピナ役の女優さん。もう、陰の主役はこの人じゃないかと思うくらい、存在感たっぷり。迫力もあって威厳も美しさもあって…どこまでも「女・母」で決して男勝りではないんですが、単にヒステリックなのとは一味違う、力強さの表現が圧巻でした。「覚悟」がすごいんです。男性キャラクターでは、なぜかこういう芯の強いキャラクターというのが出てこなかったので、作品の「男前」部分を一手に引き受けてたキャラクターでした。演じたのはラウラ・モランテという方。イタリア系ですかね。すごい女優さんがいるんだなあ!と思いました。

…特典で入ってる予告編には戦闘シーンとかもあったので、もとのバージョンには入っていたものと思われます。ネロはたしかただの暴君ではなく、芸術方面とかでは貢献もしたと聞きかじった記憶があるので、そのへんもたぶん描かれてたんだと思います。DVDのバージョンでは、皇帝自身がローマ市民の前で竪琴で弾き語りをして拍手を受けるシーンがあるくらい。マシソン本人がミュージシャンでもあるのですが、吹き替えでないとしたら歌も上手い人ですね。(皇帝ライブ…?ジャイアンのリサイタル…?(笑)いや、あんなにハンサムで歌が上手かったら、客も本気で拍手するかも)
…とにかくカットされた戦闘シーンとかが入ってれば、ジャケットのコピーにあるとおり
「狂気と恐怖に彩られたその波乱の生涯を 壮大なスケールで描き出す 歴史スペクタクル超大作!!」
…になったのかも。でも「スペクタクル」の部分をカットしちゃってるんだから、コレはちょっと詐欺だよね…(^ ^;)

…さて、今日は資料探しで横浜に行ったのですが、そごうの紀伊国屋でふっと、ネロの教師として出てきたセネカのことを思い出しました。以前…なんで興味を持ったのか忘れましたが、著作を検索して、ここの店頭在庫にそれがあったんです。岩波文庫で『怒りについて 他二篇』という本です。せっかく思い出したので購入してみました。…なんか、ネロの中古DVDを偶然入手して、鑑賞した翌日にあの本屋に行くことになったのは、この本を私に買わせるためのお膳立てだったんじゃないか?(笑)と思うくらい、今気になってることが書かれた本でした。

『怒りについて』の前に、『摂理について〜摂理が存在しながらも、なぜ善き人に災厄が起きるのか〜』と、『賢者の恒心について〜賢者は不正も侮辱も受けないこと〜』が入っています。後ろの二つを先に読んで(『怒りについて』は長いので、怒りに駆られた歴史上の人物の例の部分は飛ばし読みしましたが…)、これから『摂理について』を読んでみるところです。けっこう詭弁ぽいところも感じますが、今流布しているビジネス系自己啓発本と根本的に同じ言い分も出てたりします。ということは、たぶん昔は権力者でないと接することが出来なかったようなものが、一般にあたりまえのように広がってるってことなんですね!「なんのかんの言っても、やっぱり世の中進化しているんだなあ…」とか、へんな感慨がありました。それを実際に生かせる人がどれほどいるかはまた別問題ですが。(皇帝や王様たちの例を見れば、驚くには当たりません…でも、ヘタな鉄砲も数打ちゃ当たるといいますし…こういう情報があたりまえに転がってること自体に意味があるはず!)

怒りについては、その大半が怒ることの害を説明していて、一番私たちが知りたい「じゃあ思わず怒ってしまうような出来事に遭遇したらどうすればいいの?」についてはあまり記述されていませんでした。とにかく抑えろ、ということなんですね。そういうときに使えそうな対症療法(?)については、俗っぽく見える自己啓発本(笑)のほうが実践的だと思います。(自分たち自身が俗なわけですから)でも、根本的に矛盾をはらんでいるものを前にしたとき、「居酒屋で上司の愚痴を言う」程度の気軽さで読めば、意外な拾い物がたくさんあって、物事をいわゆるBig Pictureのなかで見ることを助けてくれる気がします。

 

 

2009/6/21

大失敗
今日はツタヤの半額クーポンがあるので(なんかしょっちゅうこうですが)借りてたものを返しつつ、別のものを借り・・・ようと…したら…財布がない!うう、今日は外で仕事はしないつもりで、小さいバッグに詰め替えてきたのがいけなかったか…!…と、帰ってきたら…玄関で鍵を出してるときに、ファスナーつきのポケットのほうに財布を入れたのを思い出しました。

・・・・・・・・・・・

なんつーか…ワレながら呆れてものがいえない…。そうです、「広いほうに入れると他のものに紛れてわからなくなりそうだから、ポケットのほうに入れよう…」と思ったのでした。よ、よけいなことをぉっ!!!(^ ^;)

…引き返す気力もないので、あきらめました。とほほ。

男爵と教授を堪能♪
さて、気を取り直して見たものの感想を。昨夜と今日で、『ドラキュラ’72』と『フランケンシュタイン・恐怖の生体実験』を見ました♪フランケンのほうはシリーズの5作目だそうなので、書き損ねていたシリーズ第一作の感想からいきます。

フランケンシュタインの逆襲…昔見たようで、部分的に記憶にありました。(しかし一作目なのになぜ「逆襲」?原題を直訳しても「フランケンシュタインの呪い」にしかならんのですが…?
獄中にいるフランケンシュタイン男爵の告白話という形で語られる、怪物(クリーチャー)制作と殺害の経緯。…父を亡くした男爵が、自ら優秀な家庭教師を雇い、科学知識を極めてついには生き物を蘇生させることに成功します。家庭教師は対象が人間になると協力を拒み、屋敷にやってきた男爵の従姉妹エリザベスを、男爵から守ろうとします。一方男爵はすでにメイドとデキており(笑)、メイドは同居を始めたエリザベスに嫉妬します…。男爵が
ピーター・カッシング、クリーチャーがクリストファー・リー。家庭教師の人はちょっとラッセル・クロウ似(笑)。

外面は紳士的でじつは冷酷な男爵が、じつに魅力的です。単純に悪いとか狂気というより、物事の優先順位が世間と完全に違ってしまっていて、本人はいたって理性的にものごとをやっているつもり。悪いことだとはこれっぽっちも思ってない。(まあ、それも狂ってるというのかもしれませんが)しかし怪物に自ら襲われたあとも、怪物に対して母親のような(?)執着を示すのがJUNE的でいい感じです。すぐさま別バージョンのストーリーが脳裏に…(笑)。男爵に作られるつぎはぎの怪物は、頭からボルトは出てません。長身で短めの黒いコートを着ています。手足の長いクリストファー・リーが、男爵を恐れて縮こまるところなんぞ、ちょっと男爵の嗜虐的な嗜好が見えてたまりません。(でも男爵受け希望(笑))

フランケンシュタイン 恐怖の生体実験…じつはこちらも再見。ずーっと昔に、サイモン・ウォード目当てで見ました(^ ^;)。…死んだはずのフランケンシュタイン男爵が、じつは生き延びて密かに研究を続けています。男爵はかつて共同研究をしたブラント博士が精神病院に入っているのを知り、昔聞き損ねた公式を手に入れるために、博士をさらって手術することを企てます。宿泊先の若女主人とその婚約者の美青年(これがサイモン・ウォード。『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』に出ていたソフィー・ウォードのお父さんです。娘そっくり!(笑))の弱みを握った男爵は二人を脅し、協力させて博士を病院からさらいます…

…少し年食った男爵がものすごく素敵♪モミアゲがなくなっているので、いい男度が上がってます。冷血度もますますパワーアップ。サービスなのか女主人を手込めにしたりしますが、少しとってつけたような印象。…ああ、そういえば、男爵はメイドに手を出してたくらいで好色な面もあるんでしたっけね…。しかしもちろん、腐った目には「あんな美青年が目の前にいて言いなりなのになにやってんだよ男爵!行くとこちがうだろ男爵!」みたいな(笑)。…いや、むしろとってつけたようなサービスシーン自体が、「これがないと男爵がホモか不能者に見えかねない」という心配でつけたのかも?(絶対違うけど(^ ^;))…しかしあのカップルは間抜けです。男爵は無防備にも食事の用意を女主人に任せているし、その恋人は医師で薬品を手に入れられる立場なのに…?(笑)

…とにかく悪役を極めた男爵。予告編にもあるので書いてしまいますが、怪物(詳細は自粛)に捕まって燃える建物の中へ連れ込まれる…という絵面が壮絶でステキです。怪物に背負われながら「NO!NO!」と暴れる男爵(きゃー)のアップがないところが、かえっていい。ロングの後姿とホンモノの炎。崩れていく建物…いいなあ!いやー、ほんとにいい!…思わず吹き出すタイトルでしたが、けっこう脚本がよかったのも意外でした。見せ場の作り方が、すごくうまい。…しかしつくづく、カッシングいい役者さんですねえ。
他では、警察医の人がステキで目を引きました。カッシングをもっと鋭くした感じ…絶対どこかで見た顔です。調べてみたらジェフリー・ベイルドンという方で、ピーター・セラーズ版の『カジノ・ロワイヤル』をやっていました!うちにあるので、あとで見直そうと思います♪トリビアを見たらゲイ俳優さんなんだそうで、イッキに株が上がりました!(笑)

ドラキュラ '72…舞台を現代(公開当時)に移して続く、ドラキャラとヴァン・ヘルシングの対決。…百年前にいったん終結し、ともに死んだ二人ですが、今度はヘルシングの孫の、オカルトの大家になってるヘルシング教授(これもカッシング)が、遺灰から復活したドラキュラ(クリストファー・リー)と対決!(もうなんでもありだな!(笑))ドラキュラがヘルシングの孫娘を狙うのが『ドラキュリア』と似てます。あちらも表向き、元祖のヴァン・ヘルシングは劇中に出てくるヘルシングのご先祖様、という設定でした。

…冒頭、不自然に長い70年代なパーティーシーンで始まったので、もっとずっとトホホな映画かと覚悟したんですが…意外にもかなり楽しめました。アングルとかも工夫されてます。ドラキュラの出番は思ったほど多くありませんでしたが、そのぶんヘルシングの出番が多く、しかも現代(70年代)の扮装で普通にタバコなんか吸ってる姿とか拝めて、アクションもあって、手負いもあって(笑)、筋肉がしなびた細腕も拝めたりなんかして…お得です!(笑)
小道具をよく使う、という話を聞いていたのですが、納得しました。しかも使い方がうまい。ミディアムショットでしゃべるとき、カメラに入る位置まで手をあげて、なにかいじってたり、指で芝居してたりする。細かいです。絵面にメリハリがつきますね。ご本人の工夫だとしたらすごい。スターウォーズのモフ・ターキンが「指で自分の唇に触る」クセなんて、見事にキャラの個性になってましたもんね。

ドラキュラの弟子(?)で、師匠を復活させる若者が、ちょっとステキな美青年なのもみどころ。いかにもイギリスっぽい、そしていかにも私のようなオタク女が食いつきそうな(笑)タイプです。マーク・ウォーレンポール・ベタニーをブレンドしたような…というか。マルコム・マクダウェルとかスティングとかの系統です。彼とヘルシング教授の対決シーンが、けっこうドキドキしました。教授色っぽいし(笑)。それに、この彼がお師匠様に不死にしてもらおうと、うっとりした顔で首筋を差し出すシーンが(一瞬ですが)おいしいです。噛むところは見せてくれないんですけどね…時代かなあ。ちぇっ。

ヘルシング教授の孫娘役が、たしか『謎の円盤UFO』で天体望遠鏡を持ってる美人役でゲスト出演してた女優さんでした。(すいません、エピソード名が思い出せません(^ ^;))巨乳さんなんですね。あと、ボンドガールのキャロライン・マンローも出てました。いろんな意味でけっこう豪華かも。
ドラキュラがチョロすぎるとかはともかく(笑)、今見ると70年代風俗そのものが見ものだし、カッシングも今度は正義の味方役でかなりかっこいいので、「い、いいもん見さしてもらいました…♪」という感じです。脚本も単純でなくて、(まあ多少のご都合はありますが)けっこうよかったと思います。

ところでいつも思うんですが、ドラキュラに血を吸われただけで吸血鬼になる場合と、死んじゃう場合があるのはなぜだろう。吸われる量?…『ドラキュリア』は血液で感染という解釈でしたね。作品によって設定違うのかな?

 

 

2009/6/20

すごい、今20日の20時20分です!(笑)
いえ、日付を確認しようと思ってPCの時刻表示を見たらそうだったもので(笑)。

赤と黒
昨夜は
ジェラール・フィリップ『赤と黒』を鑑賞しました。(先週お誕生日クーポンというやつで借りたので半額でした。ありがとう、ツタヤ!(笑))1954年作品で、有名なスタンダールの小説の映画化です…と言っても、原作は読んだことありません(^ ^;)。先日古本屋で見かけてちょっと心が動き、「そういえばこれはツタヤさんにあったな…」と借りたものです。貧しい職人の息子が学問で頭角を現し、上流階級の子供の家庭教師から始まって、次第に上流社会に入り込んでいこうとする話。赤は軍服を、黒は僧服を象徴しているそうで、主人公のジュリアン・ソレルはその両方を手づるに、そして結局は翻弄されつつ、出世をしようとします。

全編階級社会への批判に満ちていましたが、恋愛が大きなモチーフです。この恋愛映画っぽいところが(それと、ジェラール・フィリップの髪型がちょっと好みでないのが(笑))今まで食指が動かなかった原因なんですが、見てみたら冒頭から引き込まれてしまい、180分くらいの長尺をイッキに見終わってしまいました。退屈した部分はありませんでした。今どき見ないモノローグの使い方とか、テンポのため方とか、古臭いところはあるんですが…深かったです。単純に感想を言葉にできません。

フィリップはさすがに設定年齢には見えないけれど(ラスト近くで23歳だと出てきたのですが、見た目はせいぜい30歳くらいですね…(笑))それを抜かせば絶妙の匙加減でした。うっかりするとただの野心的な色事師になっちゃいかねないキャラクターでしたが、ナイーブさと才気、内に秘めたある種の怖さ、そして持ち前の品のよさが、不思議に違和感なく溶け合っています。そしてヒロインの人妻をやったダニエル・ダリュー(たしかコクトーがらみの映画でも見たことがある気がします)が、すごく存在感があって、圧倒されました。貴族の令嬢をやった女優さんはちょっとヒラリー・スワンク似でした。(笑)

好きな映画かと聞かれると、ちょっと自分には答えるのが難しいです。ラストにはやりきれないものが残ります。でも先ほども書きましたが、深い…。美男美女の共演に素直に見惚れる面もあります。音楽も感情に迫ってくるものがありました。ああいう音楽はほんとに今はないですね。
とにかくずっと気になっていた有名作品なので、ようやくちゃんと見られて感慨無量。見てよかったです。
なんというか、こういう「深さ」には最近触れる機会がなくて、飢えていたようです。近所のツタヤにあるジェラール・フィリップ作品は、これと『花咲ける騎士道』だけでした。

掘り出し物と肉食の効用(?)
… 今日
の夕方は所用で横浜に行き、ついでに久しぶりにHMVのDVDコーナーをチェック。ここ、けっこうマイナー作品も並んでいて、しかも全部五十音順なので探しやすいんです。25%引きだったので、
『ナバロンの嵐』、『ドラキュラ’72』、『フランケンシュタイン・恐怖の生体実験』を購入。ロバート・ショウ、クリストファー・リー、ピーター・カッシング、の出演作です。いずれもヨドバシではもう置いてない商品でホクホク。ナバロンはじつは8月に再発売されるみたいなんですが、それより安いので躊躇しませんでした。
ただ会計のときに、タイトルをずらっと見た店員さんに一瞬微笑まれてしまいました。ははは…これでも
『若妻・恐怖の体験学習』ってのはあきらめたんですよ…。(カッシングが出てるのです。このタイトルはさすがにちょっと…しかも店頭で買うのは…(^ ^;))

じつは午前にちょっとしたトラブルがありました。怒りを抑え込まなければならず、かなり精神的に無理をしたので、ドカ買いは自分へのねぎらいというか、ガス抜き狙いです。ついでに夕食にファミレスの一番安いステーキを食べたら、直前までくよくよと胸の辺りにしこっていた怒りを「外側から」扱えるようになり、非常に楽になりました。
「自分を怒りから解放すること」って、けっこう「チカラ仕事」でスタミナがいるってことなのかも…。よりインパクトのある出来事が起こってくれれば、パッとそちらに気を移すことができるんですけどね。そういう助けなしに自力でやろうとすると、けっこう難しいです。・・・もしも同じタイプの方(怒りが外へ出せず、内側にこもって処理に困るような方)がおられましたら、ダメもとで試してみてください。肉食。安い赤身肉だったのがかえってよかったのかも…。(それは貧血対策ってことでは…?)

 

 

2009/6/19

2009/6/18の日記
(早朝に目が覚めてしまったので、昨日のことを普通の日記風(?)に書いてみました)

朝、島本和彦先生のブログであずまんが大王の新装版というのが紹介されていた。未読作品。島本先生がもともと「ヘビーローテーションで繰り返し読んで」いたと書いてらっしゃるので興味がわく。新装版でなく古い版なら確実に古書があると思うので、とりあえず古本チェックしてみることに。好きな作家さんの好きなモノがファンの趣味にも合うとは限らないので、まああまり期待しすぎないように…と、自分に言い聞かせつつ。

朝食後、図書館へ資料を返却に行く。これで借りている本はなくなった。なんかすっきり!

体がかったるいのでゆっくり歩いて(いつもの半分くらいのペースで)駅前へ。時間をかけたおかげで本屋も開いていた。最近できたリサイクル古書店をチェック。・・・『あずまんが大王』、なぜか無い!なんかブックオフとかではやたら目に付いてた気がするんだけどなあ。ブックオフまで行く気力は今日はないし、このタイミングを逃すとまた興味がなくなりそうなので、新刊のほうを買う。うう。高い。(古本に慣れすぎだ・・・)

マクドナルドへ行って読んでみる。 ・・・意外と読める!とくに 初めのほうは。 先生キャラの毒舌が自分の本音に響いて気持ちいい。これまで絵柄をちらっと見て「萌え絵漫画か」と切り捨ててました。ゴメンナサイ。(^ ^;)食わず嫌いを直すチャンスをくださった島本先生に陰ながら感謝。 結局お昼近くまで読んでしまう。
時計を見て、慌てて午前のノルマだった漫画用の細切れアイデアのシナリオ化。ポメラに打ち込む。まだネタがたりないので、 リラックスして落書きを描きためることからやらないと。

身体がだるくて仕方がない。昨日の新聞の星占いで「仕事を忘れてリラックス」 とあったのを思いだし、午後は(も?) 思い切り自堕落にすごそうと決める。 スーパーでスナック菓子と炭酸飲料を買う。 (下戸の自分には、自堕落のイメージはコレらしい)

・・・(中略…ためていたデータのバックアップとかやりながらのんべんだらりと…(^ ^;))・・・

夕食後、母のためにシーバス(横浜港内の水上バス。たしかこの「バス」は車のバスじゃなくて、魚のバスの方だとどこかで聞いた)の時刻表を調べて印刷。 明日叔母と従姉妹たちを横浜案内するとはりきっている様子。

ネットにつないでしまったので、 ついででピーター・カッシングについていろいろ検索。 先日お気に入りに入れておいた ファンクラブのオフィシャルサイトをじっくり見る。 海パンで走ってる写真とか、意外なものを拝見。 「レシピ」というコーナーがあって「?」。 ベジタリアンだったことを知ってびっくり。 好きな献立がトーストにバターとママレードと紅茶。 シンプルだけどおいしい、とのこと。 なんとまあ、愛らしい人だろう。

そういえば、フランケンシュタイン男爵も その通りの朝食を食べていたっけ。 自分の目にはイギリス人の定番の朝食としか 映っていなかったけれど、 好物と聞くと見方が変わりそう。

今週末使えるTSUTAYAのクーポンがきたので、 借りたいものがないか考えているうちに、 アマゾン、TSUTAYA、ヨドバシなどのウインドウを並列して、 カッシング作品のリサーチになってしまう。 近所の店にはもう未見のはないのだけど。 見たいものにかぎってレンタル商品が出てない。 でも、Youtubeで『ホラー・エクスプレス』の 分割全編アップを見つける。 クリストファー・リーとの共演作で評判がいい。 30分ほど見る。『悪魔の異形』も少し見る。 貴重な映像がたくさんあがっている。 ほかにも目に付いた猫映像とかいろいろ拝見して癒される。ありがたい時代になったものだ。
結局11時すぎまでネット。いいのか悪いのか・・・まあ今一番興味のあるものを見られたのだから いいのかも。

寝る前に『タリズマン』少し読む。 眠くなって寝る。 このところ毎晩、寝る前には2、3ページしか読めない。

☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆

・・・やらなきゃいけないことのほうはあんまり進まない一日でしたが、こうして見るとそれなりに収穫もあった一日だったのかも…?(^ ^;)ほかに、最近見て感想を書いていない作品を、覚えてる範囲でタイトルだけ書き出しておきました。再見ものも多いですが。

花は贈らないで!
吸血鬼ドラキュラ
マックス・ヘッドルーム
ホームズVSヴァンパイア
新シャーロック・ホームズ/ヴィクトリア瀑布の冒険
新シャーロック・ホームズ/ホームズとプリマドンナ
エアポート77
フランケンシュタインの逆襲
キューティー・ブロンド

・・・拾い見したものは抜かして。まだ何か忘れてる気がします・・・。生産できないときはせめて吸収ってことで…。(^ ^;)

 

 

2009/6/15

酢酸に負ける
買い物に行ったら下処理済みの小アジを売っていたので、最近二種類のレシピを切り抜いて気になっていた、「小アジの南蛮漬け」を作ってみることに。とりあえず朝日新聞に載っていたほうのレシピで作ってみました。小アジを素揚げにして、タマネギやセロリなんかと一緒に、甘辛い酢に漬け込むという料理なんですが・・・

30分以上漬け込めば食べごろ、冷蔵庫で2〜3日は保存OK・・・ということなので、昼過ぎに作って夕食に。食べてみると・・・酸っぱすぎる!?・・・初めて作るのでレシピに忠実にやったんですが・・・なにか間違えたかと切り抜きを確認。やっぱり間違いはない・・・はて?

もともと酸っぱい味には弱いほうなので、「こんなものなのかなあ・・・?」と納得しようとしたんですが・・・市販の酢っぱい系のお総菜なんかは平気で食べられるので、やっぱ納得いきません!

・・・ということで、レシピを検索してみました。・・・いくつか見てみると、どーも自分がやったレシピと比べると、他のレシピは酢の比率が低いことを発見。せいぜい水(だし汁)と同量。水の3分の1くらいのもある。それに醤油や砂糖を加えていったん煮立てる、というのはみんな一緒です。しかし朝日新聞版のレシピは・・・酢のほうが多い。酢が2カップに対し、水が1と3分の1カップ。・・・おまけに「甘みを抑えた汁ごと全部食べるのがおすすめ」恐ろしいことが書いてある・・・。(あの漬け汁ごとぜんぶ平らげたら胃がただれそうです!(^ ^;))

・・・これはもしかして誤植?酢が2分の1カップの間違いでは???・・・しかし天下の朝日新聞だぞ???
それとも私の味覚が酢酸に弱すぎ???・・・

・・・謎は謎として、とにかくこれでは食べにくいので、いったん漬け汁を捨て、だし醤油とみりんと砂糖だけを水で割って煮立て、それを改めてかけて酸味を薄めるべく努めてみました。

中にしみこんだ酸味はやはりちょっときついですが、まあ食べられる味になりました。一晩寝かせてマシになるといいんですが・・・。(家族に「おいしかったよ!」と見え見えの気遣いをされて、ますますへこみました・・・ショボン。いや、気遣いはありがたいんですが、自分で食べればわかっちゃうことなので・・・(^ ^;))

こういうお料理は、漬け汁だけ味見しても出来上がりの味は想像しにくいので、結局「出来上がるまで味見ができない料理」なんですよね・・・。くやしいのでリベンジしたいです!

 

 

2009/6/13

ポメラ試し打ち
ポメラ到着しました♪電池は単三かと思ってたら単四でした。最初カナ入力ができないのかと思ってびっくりしましたが(そんなワケあるかい!)、設定できました。

思ったよりキーボードが静かで安定してます。部屋で使ってるUSB接続のキーボードより感触がいいくらいです。
点と丸とシフトキーの位置がちょっとまだ慣れませんが、使ううちになれるでしょうから、意識して使ってみます。
しばらくはショートカットキーの一覧が入った説明書を持ち歩いたほうがよさそうです。

 

2009/06/13 16:01
(日付と時刻が一発入力できるということなので使ってみました)
ただいまマクドナルドでポメラを試しています。
キーボードはムラマサより使いやすいです。
それにこれくらい小さければ、逆説的ですが 「使わないかもしれない」ときでも気楽に持ち歩けそうです。(笑)

駄作だけどスバラシイDVD
レンタルや中古DVDで見たものの書いてない記録がまたたまってしまいました・・・ピーター・カッシング出演作品とか、ぜんぜん関係ないのとか、旧作ばっかですが見まくってます。

とりあえず直近でデビルズ・ビレッジ 魔神のいけにえをご紹介します。・・・美人な老男爵(カッシング)が仕切る邪教崇拝村の話。トホホなタイトルですが、内容はタイトルから想像する以上にトホホでした・・・なんだあの鼻穴から火(見るからにガスバーナー)を噴いてるチープなミノタウロス像は・・・スッポンからせりあがってくるときガタついてるし。おまけにしゃべります。しょっぱなから村人の正体ばらしてるし。謎やサスペンスを仕掛けるつもりは毛頭ないらしいです。挙句の果てに邪教集団は聖水で爆発。ええっ?爆発!?(笑)(同じくカッシングが出演した『地底王国』での、鳥人間爆発シーンを思い出しました・・・(笑))
エンディングクレジットには、アマチュアっぽいバンドがデビルだのなんだのとまんまな歌詞の(笑)チープロックを奏でておりました…。(^ ^;)風呂ばっかり入ってるおねーちゃんの裸がせめてものサービスらしい、どーしょーもない映画でしたが、なんとドナルド・プレザンスとピーター・カッシング共演!無駄に豪華な顔合わせなんですよね…まあ二人以外に見るとこないですが・・・。(笑)

そしてすごいのは、特典映像で入ってるクリストファー・リーのインタビュー!・・・出てないのになんで・・・?と思ったら、ピーター・カッシングについての思い出話なんです!そーだよねー、ご本人はDVDの特典映像用に取材するなんて習慣ができるまえに亡くなってしまった人だものねえ・・・。ご本人の特典映像が望めないなかで、なんと豪華なものをつけてくれたことか。

クリストファー・リーは、最近も「ロード・オブ・ザ・リング」のサルマンや「スターウォーズ」シリーズのドゥークー伯爵などで大活躍してますが、1950年代には有名なハマープロの怪奇映画でピーター・カッシングと共演していました。カッシングはすでにテレビで名前が売れていて映画では主役だったのですが、リーはまだ無名だったそうで、「フランケンシュタイン」(カッシングがフランケンシュタイン男爵役)のモンスター、「ドラキュラ」(カッシングはヴァン・ヘルシング役でこちらが主役)シリーズのドラキュラ伯爵を演じてブレイクしたんだそうです。その後いろいろな形で、カッシングとは20本以上共演したとか。腐った脳ではすでにカップリング扱いになっております(笑)。

インタビューはスターウォーズエピソード3後のものらしく、リー自身もドゥークー伯爵風の髭面でかっこいいです♪

インタビュアーから「なにかみんなが驚くような話を・・・」と所望されて出てきたのが、電話での会話の話。じつはリーはアニメが大好きなんだそうです。(アニメといってもバックスバニーとかトムとジェリーみたいなカートゥーンです)で、あるときカッシングにモノマネをして見せたらえらく受けて、それから二人で一緒にカートゥーンを見に行くようになったそうです。劇場にわざわざ短編アニメを見に行ったという話ですから、50〜60年代くらいかと思います。座席でモノマネをしながら騒いで、劇場から追い出されたことがあるそうです・・・マジですか。ホラー映画のスター二人が?信じらんないくらい素敵な光景ですね♪

・・・とにかくそんなわけで、電話口でもお互いアニメキャラのモノマネをするようになったんだそうです。カッシングのモノマネを聞いてリーが笑うと、「ピーターは電話口の向こうで大喜びしていたよ」なんて言われると・・・なんかたまりません腐女子脳全開になってしまいます。(笑)

他にも、リーが「ピーターのしゃべり方」のモノマネをチラッと見せてくれたり、愛妻家だったというカッシングが、奥さんに先立たれてからも、手紙の結びに奥さんとの連名でサインしていたとか、泣ける話もあったり、盛りだくさんの内容でした…。

このインタビューが貴重すぎるので、作品とは無関係にDVD商品としては星四つくらいあげてもいいです!いや、劇中のカッシングがあまりに美しいので五つ星でもいいです!ジャケット写真のカッシングのあまりのかっこよさに釣られて借りましたよ、ええ。(笑)

・・・本編はフィルムの傷出まくりで、リマスターのリの字もありません。場末のレンタル屋でホコリかぶってたVHS、というポジションが一番ふさわしいようなシロモノですが、これ、DVDは準新作なんですよ・・・今年の2月に出たばっかり。特典抱き合わせで、よくぞこんなものを(いろんなイミで)商品化してくれました!という一本でした。
(追記…日本ではVHSも出なかった作品だそうです。大納得(笑)。でもほんとに、よくぞDVD出してくれました!)

近所のTSUTAYAには、スターウォーズ以外ではこれともう一本しかカッシング出演作がありません。残りは前述しましたドラキュラシリーズの一作目、『吸血鬼ドラキュラ』。長くなっちゃったので、これはまた別の機会に書きますね。

 

 

2009/6/12

電子の道具と「飽きる」こと
立てつづけに別々の方から、音声編集フリーソフトのお話と、ポメラ 購入のお話をうかがいました。自分も最近立て続けにソフトを購入して「電子の道具」づいてるのですが、なにかそういう情報が集まる時期なのかな…?などと面白く思ったり。

RETAS STUDIO の前に、じつはインスピレーション も購入したんです。定番のブレインストーミングソフトで、大昔マックだった頃にちょっぴり使ってました。今回はウィンドウズ版です。似たようなことが出来るフリーソフトの『フリーマインド』に慣れて重宝してたんですが、「階層に組み込まれない、浮遊してる事項」が書き込めないのにストレスを感じ始めまして…二ヶ月くらい迷った末に購入しました。…中古DVDも、じつはいろいろ。(^ ^;)…買い物依存症みたいでお恥ずかしいですが、「これは浪費でなく投資!」と自分に言い訳しとります…

アニメが作れる道具がそろったので、もういつでも作れるようになりました。あとはやる気と時間だけ(アイデアだけは腐るほど(笑)あるのですが!)。…購入時には絵コンテ機能がないと文句だけ書いてしまいましたが、この値段でこれだけの作業ができるというのはもう、セルと8ミリフィルムで自主制作をやっていた頃を考えると魔法のようです。もともとアナログな作り方に馴染んでいたので、フラッシュアニメの作り方を見てもどうも馴染めなかったんですよね…。で、デジタルアニメには結局手を出せなかったんですが、RETAS STUDIOは考え方がアナログセルアニメなので理解しやすいです。音声編集ソフトのお話を聞いて、「そういえば活用してなかった音楽制作ソフトも、ようやく使い道ができたんだわ…」と、思い出したりしました。(その前にソフト自体に慣れなくちゃいけませんが)

ポメラのほうは、じつは新製品ニュースで見かけたときに気になっていたのですが、手持ちのムラマサ(古いモバイルPC。現行のネットブックくらいの大きさ)があるし…と思ってました。でも改めてリサーチしてみたら、レビューが絶賛の嵐なのに影響され、ムラマサとは違った使い道もいろいろ想像できてしまい…なにより2秒で起動、軽くて乾電池で使える、というので…結局注文してしまいました(^ ^;)。(タイムセールを見つけてしまったのが直接の引き金です…(笑))

明日あたり届く予定で、今は使い道の情報を収集してます。Amazonのレビューを見たら、けっこう「私なりの知的生産の技術」的な書き込みが散見されてたので楽しく読みました。趣味で小説を書いてる方の使い道紹介とかもあって、お仲間(?)がこんなにいるんだ…みたいな嬉しさも。(笑)

…自分が思ったのは、これなら『情報は1冊のノートにまとめなさい 』式の、メモの一元管理も簡単に出来そうだ…ということでした。『情報は…』は、小さいノート(著者が使ってるのはA6判)にアイデアでも本の感想でも買い物メモでもなんでも書き込み、一冊使い切ったらPCに索引データを作って管理する…というものでした。ひとつのノートになんでも書き込む、というのが書き込み時のストレスを劇的に減らしてくれるので、読んだ直後はちょっと真似てみました。でも問題は…やはりPCで索引を作る作業です。かなり「気分が盛り上がって」ないとできない(笑)。その索引デジタル化でラクに検索できるというのが、このアイデアのキモなのですが…。

…で、これのノート部分をポメラにすると、ファイル名を検索タグにしてPCに移して溜めていけば、同じことができそうだなー、と。しかも検索したテキストそのものをその場で開くこともできるし。(ノートだと、そのノートを探して開く、という手間がかかります)…そう考えて、物置にしまい込んでいた『情報は…』を引っ張り出してきて、参考になりそうなところを拾い読みしてます。

…手書きならではの物理的な刺激や、ページごとの一覧性、ぺらぺらっとめくれることなどは手書きノートの利点。ムラマサはワードなどのアプリケーションが入っているので、いったん作ったファイルを持ち出して手を入れるような作業ができます。ポメラはいつでも携帯できそうで、キーボードで打てる電子メモ帳…道具によってとりえが違いますよね。いろいろ試してみようと思います。

…こういうことを考えるのはじつに楽しい(笑)。「システム改善ミーハー」みたいなところがあるらしく、飽きっぽいうえに新しいものにいちいちときめきます。ははは(^ ^;)…でも…最近は自分のなかで正当化できるようになりました。前にビジネス書で、あるフレーズを読んでから。

飽きたらツールを切り替えるくらいでいい」 (『ライフハックス心理学』p.40)

…ここで言ってるのは手帳の話なんですが…。ものに飽きるのは生物の習性らしく、「飽きがこないデザイン」というのは心理学的にありえないんだそうです。…消費文化肯定ともいえますが、「続けられなかったらどうしよう」とビビッて、新しいことに手が出せないことが多い自分には、誇張でなく福音でした…。(笑)

 

 

2009/6/11

夏コミ当選しました!
夏コミのスペースが取れました。今回は西ホールです。『同人誌な部屋』のほうに詳細がございますので、ご覧くださいませ。よろしくお願いします!(コミケのおかげでちょっぴり活が入ってきました〜(笑))

手をつけている小説はちょっと間に合うかどうか流動的ですが、今年はドイルせんせ生誕150周年でもあるので、なにか別にノベルティーっぽいものでも作れないかなあ…とか思い、気まぐれに印刷所のグッズ制作の広告など見てみました。…かなり予算がかかるものなんですねえ!(^ ^;)でも150年に一回の夏だし(?)、とか気持ちが揺れ動いています。なにかもう少し、手の届きそうなものがないだろうか…。

小説版ジョーズ
…さて、いろいろ読み散らかしてる中のひとつ、『ジョーズ』の原作を一昨日読了しました。いろいろ面白かったです♪

えーと、これまでジョーズについては内容の説明抜きで書いてしまったのですが、名前は有名でも実際には見たことない、という方もおられると思いますので、蛇足かもですが映画のほうをざっとご紹介しますね。大事なところは伏せておきますのでご安心を。

舞台は海水浴地アミティ。そこで大型の鮫が人を襲うという事件が起こります。地元警察署長のブロディ(ロイ・シャイダー)は海岸を封鎖しようとし、海洋協会からは鮫の研究家フーパー(リチャード・ドレイファス)が派遣されます。しかし夏の観光収入に頼っている町なので、シーズン中に海岸封鎖は困る、と圧力がかかります。そんな中でまた犠牲者が出てしまい、いろいろあって、ついにはベテラン漁師のクイント(ロバート・ショウ)が、大金を出せば退治してやると名乗りを上げます。フーパーとクイントは、インテリとたたき上げで馬が合いませんが、ブロディと三人で海に出ることになります。そして鮫との対決が始まります…

監督はスティーブン・スピルバーグ。音楽はジョン・ウィリアムス。鮫そのものをなかなか見せない演出と、絶妙の音楽が効いている傑作です。ご覧になるときは、ぜひ小さいお子さまのいないところで…。(スプラッタなシーンは今見るとむしろ少ないくらいですが、怖がらせ方がうまいんですよ〜(笑)。私は小学生の頃、テレビでジョーズを見てしばらくトラウマになりました…(^ ^;))

この映画で「ジョーズといえば鮫のこと」と定着しましたが、単語自体は「アゴ」という意味だそうです。複数形なので上下の顎→大きく開けた口と並んだ歯のイメージ、が含意されてる言葉らしいです。日本語でアゴと聞くとアゴの先っぽ(chin)を連想するので、ちょっとイメージ違いますね。

…さて、原作小説ですが…まず、図書館が貸してくれたのは、じつは文庫版でなく、最初に出たハードカバーのほうだったんです。裏表紙が全面著者のモノクロ写真ですよ!うわー時代感!(笑)…いや、かっこいいぢゃないですか!先にDVDの特典映像で老けた姿を見ていたので、(著者のピーター・ベンチリーは映画用脚本の初稿も書いているのです)よけいにそう思いました。タートルネックにジャケット、ってファッションがまた70年代ぽくてイイです(笑)。

話の流れはだいたい映画と同じなのですが、細部はかなり違いました。ブロディ署長の奥さんと鮫学者フーパーの不倫話が挟みこまれてたり(レビューを見て覚悟はしていたものの、この部分長すぎる…(^ ^;))するので、全体を通すと鮫の比重が映画より低いというか、ブロディ署長の心理…コンプレックスのある中年男の葛藤が、じつは主題というか。でも最後の鮫との対決はすごく面白かったです。引き込まれるという意味で。

読んだ目的だったクイント船長は、前半でちらりと出てきたあと、130ページくらい出てこなくて(笑)、その代わりにえんえんと奥さんの不倫描写だったりでちょっとゲンナリしました。でも逆に、映画は引き締まった脚色をしてるんだなあ、とわかりました。フーパーのキャラクターを大胆に変えたのも英断だし(リチャード・ドレイファスのフーパーで、あの美人妻との不倫はちょっと考えられません(笑))、鮫との対決に焦点を合わせているのが良くわかりました。

映画の名シーンのひとつになっている、クイント船長が戦時中に乗っていたUSSインディアナポリスの顛末について語るところは、小説にはありませんでした。あの長ゼリフは、ロバート・ショウが最終的に手を入れて仕上げたそうですね。(前にも書きましたが、もともと作家さんなんですよね…)クイントのキャラが一気に深くなり、同時にフーパーとの距離が縮まる、いいシーンです。それもやはり鮫がらみなので、やはり映画は主題が鮫と人間の対決、になってるんですね。小説はさきほど描きましたとおり、ブロディの心理がじつは主題です。

私には不評だった不倫話(笑)は、構造としては後半の、ブロディ署長/フーパー/クイントが三人きりになる長いシークエンスで、キャラの間…ブロディとフーパーに緊張感を持たせるための伏線として、作ったのだとは理解できました。たしかにあれが無かったら、心理劇が同時進行する重層性がなくなります。…でもやっぱり、不倫部分が木に竹を接いだように見える感は否めませんでした。あそこだけ視点が奥さんなのも唐突で、編集サイドから「もっとサービスいれないといかん」と注文されて、あとから入れたんじゃないかなー?くらいの印象を受けます。

やはり自分には、女性キャラの性的な描写ってなんのサービスにもならない…というか、むしろセクハラ感覚で正直不快ですし。…一応そこに踏み切る心理は描かれてるのでマシなほうかもですが、その心理が何でそーいう方向にいくかなー…?と、同性としては不自然な感じが。しかもあとがほったらかし(この不倫の隠れた主題はブロディ夫婦の心理的葛藤なのですが、そこがきちんと着地してない)なので、バランスもヘンだし。ここはもう、男性読者向けなのだと割り切りました(^ ^;))
フーパーのキャラがわりとあいまいなのも、違和感の原因です。彼がもう少しきちんと描かれていたら、違った印象になったと思います。(ま、所詮は脇役の扱い、ということなのですが)

映画では、その緊張感をフーパーとクイントの「若いインテリ VS たたき上げのベテラン」の構図に担わせます。ここでも間をつなぐのは鮫。彼らが協力するようになる過程も、鮫という主題から離れずに進行します。…ほんとに焦点のはっきりした、引き締まった脚色なんですね、つくづく!

…ということで、小説自体読みやすかったですが、映画の脚色ぶりを見る、という意味で、すごく勉強にもなりました!

本のカバーの見返しには、発表当時の書評が載っています。白鯨もかすむ、とはかなり言いすぎだと思いますが(笑)、終盤はたしかにちょっとそんな(『白鯨』や『老人と海』みたいな)ムードもありました。一番面白かったのもそこで…つまりやっぱり、クイント船長が活躍してる部分が面白かった、ということですね!(笑)

 

 

2009/6/8

適応していくお店と街並
昨日の夕方、駅前に買い物に出たら、昔からある小さな本屋さんが地味にリニューアルしてました。オモテから見て、「棚を新しくしたのかなー」くらいに思って入ってみたのですが…なんと店の半分くらいのスペースが、リサイクル本の棚になっていてびっくり!買取も始めたとのことでした。できたばかり、というのもあるのでしょうが、今までより人が入ってました。

うまく考えたなあ!と思いました。近くに大きなツタヤができてから、明らかに売上が減ったはず。つぶれちゃうんじゃないかなー、と心配でした。敷地面積が小さいので、品揃え点数ではかなわない…でもツタヤはゲームの買取はやってますが、古本は扱ってません。古書は本好きの人間を引き寄せるにはグッドなアイデアです。…私なんかは、正直コロコロ変わる新刊書の売れ筋本よりも、古書で読みたい本を探すほうが多くなりました。古書店の品揃えは不定期に変わるので、つい行くたびに寄ってしまいます。古本好きはもちろん普通に本好きですから、新刊書も買います。とにかく人がきてくれる流れを作る…ということでは非常にピントの合った戦略だと思いました。

近所にもう一軒ある小さい古本屋はコミックスとゲームに特化してるので、私はほとんど行ったことがありませんでした。当てにして行くのはちょっと遠いブックオフだけ。…でも今回リニューアルしたお店は、漫画以外の、自分も読めそうな本が半分くらいを占めていて…もちろん本格的な古書というより「リサイクル本」ではありますが…「ちょっと寄ってみたい」タイプの棚になってました。これから駅前に行くたびに(つまりほぼ毎日)通ってしまいそうです。

このお店は、ツタヤができたときも品揃えで特徴を出して、ツタヤでは置かない一般向け科学書とかを置いてくれてて、点数は少ないながら品のいい品揃え(そして本屋らしい品のいいBGM)にかすかな潤いを感じてました。(そのわりにはあまり買ってあげてなかったけれど・・・(^ ^;))リニューアルで新刊書が雑誌と新書、漫画、文芸書やビジネス書の売れ筋商品に絞られたので、それはちょっと寂しいですが…ビジネス戦略としては正しいのでしょう。それに、なにがあるかわからない古書のほうが、自分には宝の山です。近くに古書店ができたのはほんとに嬉しいです。

…最近ではローソンが一軒店じまいし、イトーヨーカドーも閉店されることになりました。そのあとになにが入るのか…冬に閉店したタリーズの痛手はいまだにありますが、行く店あれば来る店あり。悲しいばかりじゃなくて、こういう嬉しい変化もあるかもしれないなあ。

…ご祝儀代わりに特価本を買ってきました。ゆるくマイブームな潜水・沈没船探検ノンフィクションで『シャドウ・ダイバー ―深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち』という文庫上下巻。各100円。値段のわりにとてもキレイでした。別の棚で各350円で売られてた同じ本と、どこが違うのかわからなかったくらいです。(全部の棚をじっくりチェックしました(笑))写真の潜水装備が新しそうだったので、90年代くらいに発行された本かな?と思ったら、奥付の発行年月日は昨年でした。…キレイなわけだわ♪

帰ってから、いつものようにカバーを除菌洗剤で拭いたのですが、値札シールをはがしたら下にブックオフの値札が…ブックオフでセドリしてきたんですか!?…まあ、考えてみれば最初から買取本で棚が埋められるわけがないんだから、どこかで調達してきたわけですよね…しかし105円でセドリした本を100円で販売…?いいんですか???…まあ先行投資ってそんなものかな。ご祝儀のつもりが、こちらがご祝儀いただいた感じです。(笑)

 

 

2009/6/6

『オルフェの遺言』再見
UFOがあっち行ってこっち行って落っこちる日ですね。(ドラえもん絵描き歌…って前にも書いたかも。しかしもうコレは子供たちには通じませんね…(涙))手持ちのおバカ映画を浴びるほど拾い見して、こーいうオヤジギャグが出る程度に立ち直ってきました。ふひー。読み返すと昨日はずいぶん辛口なこと書いてるなあ。何様だわたしは…。でもまあ、本心でないことは書いてないので残しときます。つくづく世間様の流行と趣味が合ってないことを再確認、てなことで。(^ ^;)

さて、『オルフェの遺言-私に何故と問い給うな』、昨夜再見いたしました。以前にもご紹介した気がしますが、ジャン・コクトー監督・主演(!)の遺作です。いちおう『オルフェ 』の続編という体裁ですが、ストーリーのある映画というより映像で書いた詩。リアル世界のジャン・コクトーと表裏一体のキャラとしてのコクトー、『オルフェ』のキャラクターのセジェスト、死神とその運転手ウルトビーズ。セジェスト(であると同時に、リアル世界のコクトーの養子でもあるエドゥアール・デルミ)に導かれて、詩人が人生の総決算をしていきます。…というとなんか暗いシリアスものみたいですが、じつはすごくコミカルでもあります。主人公の詩人は時間を自由に旅することができ、「光より速い」弾丸に撃たれて蘇ります。深読みするとSFでもあります(笑)。

逆回転映像を多用した画面も魅力的です。前にも書きましたが、それが単に奇妙な映像なんじゃなくて、実際に「時間が逆戻りしている」映像だからで、それが詩人の文脈では独特の意味を持っている…詩人は説明はしませんが、なにかが伝わる。奇をてらってデタラメに奇妙な映像やセリフをちりばめたのではなく、ちゃんと「詩人の理屈」が通っている…こういう作品が廉価版で出たなんて、ほんとに奇跡ですね。ユル・ブリンナーや子供の頃のジャン・ピエール・レオーピカソなんかもカメオ出演しています。公私にわたるパートナーのジャン・マレーも。(なんとセリフなしですが、印象的なオイディプスの姿で出てきます)ほかにも「たぶん有名人なんだろうな」という撮られ方の人がいろいろいますが、私にはわかりません。

…残念なのは、字幕の翻訳が昔と違うみたいで、初見のときよりセリフの意味がとりにくかったこと。はっきりと覚えていた部分が意味の通じない訳になってたので…。フランス語なんてさっぱりわかりませんのでココとは指摘できませんが、感触としては「慣用句を直訳してしまって意味が通らなくなってる翻訳文」みたいな感じ。

…死神とウルトビーズがコクトーを裁くシーンがあるんですが、そこで(死神とウルトビーズは前作でとある罪を犯したために刑罰を受けてるので)それがどんな刑罰なのか、とコクトーが聞くところがあります。初見のときには「人を裁くこと」そのものが死ぬよりつらい罰だ、という意味の答えだったように記憶しているのですが、今回の訳だと過去形で「人を裁いたこと」となっているので、なんとなくつながりがヘン。昔のと今のと、どちらがより正確な訳なのかはわかりませんが、見ていて意味がすっと「感じられる」のは昔のVHSで見たバージョンのほうでした。そのおかげで好きにもなったわけで…。…まあ、意味がとりにくかったのは眠かったせいもあるかもしれないので(笑)、頭がはっきりしてるときにまた見てみます。

閉じたまぶたに目が描いてあったり、一瞬お遊びかと思うシーンもたくさんありますが、ギャグじゃないんですよね。(そういえば、ちくま学芸文庫の『ぼく自身あるいは困難な存在 』の著者の写真は、なぜかこの「まぶたに目を描いた」姿です。知らないで見ると吹き出します!(笑))いろいろ感じ取れる映画で、でも言葉で説明すると全部ウソっぽくなってしまうような、不思議な映画です。こういう「感じ取る」タイプの作品て、作者の意図を拾い損ねたり、逆に作者の意図しないことまで深読みしちゃうこともありますが、それはそれで「自分の」財産になるんじゃないかな、と思います。この「意味を手探りする経験」そのものが。( …とはいえ、死神などの位置づけが説明されないので、『オルフェ』を見てからの鑑賞がおススメです。こちらはワンコインDVDにもなってます)

…コクトー、顔に愛嬌があるんですよね。以前ロディ・マクドウォールにはまったとき「なんとなく似てるなー」と思ったんですが、最近見た若いころのピーター・カッシングも近い系統。細面で目がキョロッとしてて。ドクター・フー役のコミカルなカッシングは特に似てました。(カッシングのほうがはるかにハンサムですが(笑))

コクトーの養子で恋人でもあったというエドゥアール・デルミは、『恐るべき子供たち 』にも出ていた美青年です。私にはこの『遺言』での少し老けた顔のほうが、美しく見えます。彼が海から蘇ってくるシーンが大好きです。単純な逆回転技術なんだけど…なんかすごくイイんですよね。今ではCGでなんでも出来てしまうので、こういうシンプルなトリック映像はなかなか見られませんし。逆に、CGでこの映像を作っても意味が生じないし…いろんな意味で新鮮です。

…ところで、ユニヴァーサルの1500円シリーズには、なんだか意味不明な「●●度」という星付けがあります。今回のDVDについてた基準がなかなか笑えたのでご紹介します…。(星は五つで満点)

不思議度★★★★ 時空度★★★★ 蘇り度★★★  トリック度 ★★★

…これらはまあいいとして…
最後にコクトー度。
なんだコクトー度って(笑)。五つ星でした。そりゃそーだよな…(笑)。
あんまり受けたので、いつもは捨ててしまうその紙、とってあります。

 

今日のおやつ
くるみゆべし風がんづき(?)

気分転換にまたがんづきを作りました。今回は東北ハイブリッドでくるみゆべし風。
いつもトッピングにしているくるみを、倍量くらいザクザク刻んで中に入れてしまい、
味付けの黒砂糖を少し減らして、しょうゆとはちみつ大さじ1ずつを入れました。
ビギナーズ・ラックで(?)味はゆべしっぽくなりました。
くるみが沈んじゃうのが今後の課題。小麦粉でもまぶすかな?

 

 

 

2009/6/5

オルフェの遺言と掘り出し物♪
コクトーの最後の映画『オルフェの遺言-私に何故と問い給うな 』が今日発売になりました♪なんとユニヴァーサルの1500円シリーズで!すごく好きな作品なんですが、長いこと絶版で中古も高額だったため、入手できずにいた作品です。再販だけでも嬉しいのに、まさかコレが廉価版になるとは!…しかし前にDVDを出したのは別の会社なんですよね。(Amazonの商品解説に「初DVD化」とあるのは間違いです)なんでコレだけユニヴァーサルから出るのか不思議…他のもっと有名なコクトー作品(『美女と野獣』とか『オルフェ』とか)は出してないのに…?まあ安く見られるんだからどうでもいいですが!

…で、これも店頭に出向けばヨドバシポイントで買えるので(ヨドバシサイト経由だと送料とられちゃうんで(^ ^;))、用足しついでに発売日に買いに行こう!とカレンダーに印をつけて楽しみにしておりました。…ですが体調がイマイチ戻らないので、「店頭に並んだとたんに売れるような作品じゃないし、数日待ってもよかろう…」と…思ったんですが…。念のため店頭在庫を見てみたら「在庫残少」発売日にコレってどーいうことよ!?(焦)

…そ、そうか、仕入れ数自体が少ないのか…(苦)ということで、身体をひきずりつつなんとか行って参りました。本日発売コーナーに無かったので一瞬冷や汗が出ましたが、廉価版の棚に行ったらありました。1本だけ。まさかこれだけ…?(追記・今見てきたらやはり横浜支店の在庫なくなってました…(^ ^;))

とにかくゲットして一安心。…ついでに最近テレビ用のヘッドホンが片側聞こえなくなっていたので新しいのを買い、他の用事を済ませてふらふらと本屋へ。『人は原子、世界は物理法則で動く―社会物理学で読み解く人間行動 』というのが、中をパラパラ見たら面白そうだったので、(ちょっと自分には高かったですが体調戻しの景気づけで(?))衝動買いしました。4分の1ほど読みましたが、けっこう自分好みのアプローチでホクホク。果たして最後まで期待を裏切られないですむかな…?

…前回読みたがっていた『ジョーズ』も昨日から読み始めました。読みやすいです。クイント船長出てきました。きゃー♪(…)同時進行で本腰入れてる本が増えましたが、楽しいです。(ほかに『タリズマン』、『貧困の終焉』、『謎のバミューダ海域』、『海底考古学の冒険』。資料半分で『レストレード警部と三人のホームズ』『大列車強盗』…などなど。…なんだか疲れっぷりが出てるようなラインナップ…(^ ^;))

そういえば、昨年予約が多すぎてあきらめた『数学的にありえない』があっさり図書館の棚にあったので、ちょっと前に借りました。上巻を4分の3ほど読んだんですが、おお、たしかに読みやすい。ぐいぐい引っ張られました。「あちゃー」と白けたのは、えらく不自然な会話のなかで量子論の説明をする際、ご丁寧にも定番の「スリット実験」と「シュレーディンガーの猫」を両方持ち出してることくらい。…量子ネタというと必ず出てくるこの二つ、いいかげんバカの一つ覚え(すいません、暴言です(^ ^;))というか、食傷気味です。いや、入ってたっていいんですが、なんかいかにも…とってつけた「知的でしょ?」な飾りなのが見え見えで…。しかもまんまセリフで「説明」(と言うかまるで解説本の丸写し)して済ませてるので、プロ作品にしては怠慢な感触でした。(だいたいこの会話に出てくるのさえ不自然)…いえ、数学も物理もシロートの自分が、同人誌でかなりあやしく(笑)量子ネタを扱ったときでさえ、 「安易過ぎてみっともないからスリットと猫だけは出すまい」 と気をつけたのに、なんか「商業作品でこれかよ!」みたいな…どーにも萎えるものがありまして…。(今確認しましたら、これが第一作だということでした。なるほど…って納得していいのか?)小説は数学の素養がない読者を対象とするんだから、よけいに「ナマ」でお皿に盛ってはダメだと思うんですが…。

…まあ、女性キャラの心電図と脳波を測定するのに、なぜか下半身まで無駄に裸にして嬉しげに肉体描写してる程度の作品世界だしな!(疲れてるので、ものわかりのいいフリはやめだ!(笑))測定する対象が男性だったら、こんなバカな描写でリアリティを犠牲にはしないだろうな…男社会だな、つくづく。…とはいえ、同じように「ノンストップサスペンス」と理系っぽいモチーフが売りでジャケ買いしてしまった『アインシュタイン・セオリー 』よりはナンボかマシだったのはたしかです。(^ ^;)

(『アインシュタイン…』は「アインシュタインが実は完成させていた統一場理論」が、一応キャラクターたちを動かすコマ(強盗ものにおける金塊、みたいな)として使われてます。でも3分の2ほど読んでも、統一場理論自体はいっこうにストーリーに絡んでこない。…これじゃあコマが統一場理論だろうが爆弾だろうが麻薬だろうが変わらないじゃん!というただの「追っかけられもの」になり下がっちゃってたので、なんとなくラストへの期待が薄れて挫折しました。たしかに書き方は(まるで小説の書き方教室から抜け出てきたように)クリフハンガーの基本を忠実に守っているので、ページを繰らせることは繰らせるんです。でも個々のアイデアがチープだったりして、かえって…なんか覚えたてっぽい手管が見えすぎて萎えるというか…ひょっとしてこれも「第一作」なのかな(^ ^;)。でも、レビューを見ても自分のようなことを言ってる人皆無なんですよね…自分はつくづくアンテナが曲がった読者らしいです。くすん。これだからベストセラー小説を楽しめないのだわ。損だなあ…(泣))

…さて、気を取り直して『オルフェの遺言』を見なくちゃ。ここのところ涼しくて、読書をしつつ身体を休めるにはありがたいですが、予報を見るとそれも明日までのようです。愚痴っぽいのはたぶん体調のせいなので(ほんとか?(笑))、そろそろほんとに、調子が戻ってくんないと困るぞ〜。

 

 

2009/6/3

まあこういう日もあるさ
引き続き頭がグラグラ、ポンヤリしております。あがいてもぜんぜんダメなので、昨日の日記など。

注文した『RETAS STUDIO 』が到着。噂のアニメ制作ソフトです。ついに買ってしまいました。…長く悩んだ末やっと入手したのに、なぜかまったく気分が盛り上がらないのは、やはり体調のせいかしら。(^ ^;)

とりあえずインストール。あてにしていた絵コンテ作成機能が削られていて大ショック。レビューでは廉価版なのにまったく制約されてない、と褒められまくっていたのに…他のユーザーさんにとっては、無くなってても気がつかないくらいの機能なのかな…私には一番最初の「アイデア→ビジュアライズ」という工程をサポートしてくれる…つまり形のないものに形を与えるときの心理的ハードルを下げてくれる、アマチュアにとっては特に大事な機能に思えるんですが…。(悩)

…というわけで、新ソフトで遊ぶつもりだったんですが、あまりのショックで萎えてしまったので中止。自分をなだめるためにいい男エキスを摂取しようと『ジョーズ』を再見しました。(怖いところは飛ばして(笑))ロバート・ショウのクイント船長やっぱりステキ♪ロイ・シャイダーの脚線美にもやっぱりクラクラ。原作はクイント船長の死に方が違うらしいので、読んでみたくなりました。…早川文庫で絶版。DVDは繰り返しリリースされてるだけにちょっと意外。いや、意外じゃないかも。…ええ、どうせ私が興味を持つよーなモノはみんな世間から消えていくのよお!(シェリルさん状態でひがんでみました)
とりあえず図書館にはあるようなので予約を入れました。手元に着く頃には興味がなくなってるかなあ。(^ ^;)

…トンデモ成分の補給でちろちろと読んでいた『謎のバミューダ海域 』、けっこう手堅い書きかたで引き込まれてきました。(グラハム・ハンコックをスラスラ読めるくらい広い心モードになってれば充分読める、という程度の手堅さ(笑))有名な消失事故に、1945年にフライト19という米国の編隊が消失し、その後捜索に出た救援機も消えてしまったというものがあるそうなんですが、読む前にWikipediaで、その後残骸が発見されたので消失ではない、と書かれていたのを思い出し、逆に「どこに沈んでたんだろう?」と興味がわきました。きちんとした経過が知りたくて検索してみました。…してみたところ、じつはエンジンの製造番号とやらを照合したらフライト19に入っていた機体ではなかった、というオチでした。…結局未解決じゃないですか!(怒)

トンデモネタの反証話はつい信じてしまいやすいんですが、反証もいい加減に書かれている可能性は当然あるわけですね…。うがってみれば、エンジンの製造番号うんぬんもガセの可能性はあるわけで、キリがありません。ネットの情報なんてそんなもの、とは言いつつ、ちょっとがっかり…楽しみたかったので。怪我の功名(?)で、なつかしの『特命リサーチ200X』のアーカイブサイトなんぞを発見したので、まあ良しとしましょうか…。(しょんぼり)

…夜はちょっと拾い物をしました。NHKハイビジョンでやってた世界史発掘!時空タイムス編集部・アラビアのロレンス 。はじめて見た番組なんですが、海外のドキュメンタリードラマの映像と、日本でスタジオ録画したゲストのコメントとを編集したような番組でした。スタジオ部分は余計かも(笑)。…それはともかく、『アラビアのロレンス』の状況設定がよくわかりました。今度再見してみよう…。(番組自体は、6/9の午後2時から再放送するそうです。ご興味のある方のご参考までに)

それと、ささいな部分で、自分にとっては重要な設定ヒントを得ました。ダメな日はあきらめてテレビをチンタラと見るのも一策、かもですね。

…アラビアのロレンスというと、最近調べモノで探していた『砂漠の反乱』という、インドのセポイの反乱の古書があるんですが、それを検索していると必ずロレンスの同名書籍(自叙伝『知恵の七柱』の抄訳だそうです)が引っかかってくるので、お門違いの恨みが募ってました(笑)。でも、今回番組でも引用されてた『知恵の七柱』には興味がわきました。これは完全版が出ておりますね。

T.E.ロレンスは腐女子系の女性には昔から人気のある人物。映画はピーター・オトゥールオマー・シャリフも美しかったし、内容的にも広い意味でJUNE系古典の1本でした。音楽もすばらしかったですね。未読ですがロレンスは漫画化もされてましたっけ。

映画から入って興味が広がり…というループを辿るのは本当に至福ですよねえ。…ああ、ジョーズの原作読みたい…。(そこに戻るか…(^ ^;))

 

 

 

 

2009/6/1

日曜日がダメで、月曜日もダメよ
引き続き体調がダメモードでございます。ほしかったソフトの注文とか、やろうと思っていた最低限のことだけして、ふらふらと坂田靖子さんのHPを拝見。更新記事からいもづるで過去の記事を読んで、コメディを描くときは醒めた目線が必要、シリアスものは陶酔ボンノー系…というお話にハッとする。今ぶち当たってる壁は「醒めた目でボンノー系を書こうとしている」矛盾にあるのだ、と気付きました。…けっこう大変なことに気付いたかもしれませぬ。坂田先生に感謝。体調が戻ったら、今後のとっかかりになりそうです。

…体調の悪いときはトンデモ本が読みたくなる体質なので、なんとなく思いついてバミューダ・トライアングルについていろいろ検索。そのものズバリ『謎のバミューダ海域』という、しかもこのジャンルの重鎮チャールズ・バーリッツの著書があるのを知り、ああ、読んでみたいなあ…。って、あれ?これ持ってない?…探したところありました(笑)。古本で買っただけでちゃんと読んでなかったんですな。ペラペラ見てみると、有名なマヤの「宇宙飛行士みたいに見える」壁画や、ピリ・レイスの地図まで写真が載っています。バミューダの話じゃなかったのか?(笑)…後半はオーパーツものになってるみたいです。うふふ。体調回復するまでコレでまったりと脳を休めよう♪

…ついでにあのあたり(フロリダ沖)が舞台になっていた、ロバート・ショウの(というか正直ジャクリーン・ビセット鑑賞映画ですが)『ザ・ディープ』のことなど調べて映画サイトへ。ついでにアーロン・エッカートが新作でメタボ体型になっていることを知る。ダメ男の役作りで10kg増やしたんだそうで…。写真を見ると表情もそれっぽくしていて、『幼獣マメシバ』の主役の人みたいになってました。(ちょびっとしか見たことないんですが、マメシバの人も妙に色気あっていい男さんですよね〜♪)

…映画といえば、『』スーパーマンリターンズ』や『その名にちなんで』に出ていてちょっと贔屓なインド系俳優カル・ペンが、しばらく俳優業をやめてオバマさんの下で働くことになったそうです。ちょっと前にニュースを拾ってびっくりしました。(ニュースはコチラ)人生いろいろですねえ。

 

 

2009/5/31

ルーカスとおやつログ
体調絶不調のため朝食後半日睡眠。お昼過ぎからヨロヨロと起き出し。生産的なことがまったくできない状態なので、レンタル中の『スターウォーズ』(一作目・エピソード4)の音声解説を拝聴。いろいろ目からウロコなことあり。

今月食べた珍しいおやつなどの写真がたまっていたのでまとめてみます。


一番最近撮ったもの。キムタクドラマのタイアップ商品『Mr.BRAIN脳トレパン』。
ネットで「売り切れ店続出」と書いてあったのですが、近所の西友で山積みになってたのでなんとなく(笑)。
DHAの入った塩キャラメルチョコクリームとやらと、ホイップクリームが入ってます。
脳にいいかどうかはわかりませんが(笑)、美味でした!
番組終わったらなくなっちゃうのかなあ…惜しい。残してほしい商品です。

 


横浜の高島屋の京都物産展にて、「限定」の言葉に釣られて(笑)購入した抹茶ロールケーキ。
お店の名前は忘れました…なにやら、ダイアナ妃が来日したときに
食事を提供したというフランス料理店でした。
生地は思ったほど抹茶感はありませんでしたが、クリームと粒あんが予想外に合って美味でした!

 


同じ京都物産展にてゲットした、イノダコーヒのレモンパイを入れて、家でランチセットを気取りました。
イノダコーヒは京都にハマってた頃、行くたびによく訪ねていた喫茶店です。
(自分にはちょい高めですが、本店の落ち着いた雰囲気が好きで。
あれ、サイト写真を見ると店の構えが変わっている…)
京都で始めてモーニングコーヒーを始めたお店だそうです。
パスタは好きなお店のチャオ(ビッグサイト近くの、TFTビルに入ってます)の
「アルラ・チャオ」をまねて、にんにくと白ワインのソースにシソを絡めたもの。
具はいただきものの冷凍ホタテの残り物。
サラダがないけどコーヒーつきで1400円…という設定(笑)。

 


こちらも京都モノなんですが、別の物産展にて購入した京黒ロールくろまる
生地に竹炭が入ったロールケーキで、 だいぶ前から情報だけは聞いて気になってました。
偶然横浜で期間限定出店してるのを見つけて大願成就。
食べてみるとほんの少しシャリシャリ感があります。(意識しないとわからない程度)
たっぷり詰まっているクリームが甘さ控えめ・あっさりしてておいしかったです♪
自由が丘に支店ができたそうで。もう少し近所ならなあ…。

 

 

2009/5/30

きれいなじいさんに萌え返し♪/ピーター・カッシング
先日『サブウェイ・パニック』を買ったついでに、『地球侵略戦争2150 』という1966年作品を買いました。タイトルではピンときませんが、これ、じつはドクター・フーの劇場版なんです!しかもドクター役があのピーター・カッシング!(喜びの舞)Amazonのほうで、ジャケット写真に写ってる、ゴミ缶に飾りをつけたようなデザインのダレク(ドクター・フーに出てくる悪役生命体)を見て「もしやドクター・フー?」と気がつき、しかもカッシング様主演ということで目をつけていた作品でして、店頭で実物を見かけて衝動買いとなりました。(全額ヨドバシポイントでの購入だったので太っ腹(笑))

内容はまあ、ドクター・フーなので…(笑)。しかしオープニングの音楽にはやられました!妙にかっこいい!メインの音楽担当はビル・マクガフィーという人なんですが、「電子音楽」という肩書きでバリー・グレイの名前も!(『謎の円盤UFO』の音楽やった人ですよね♪)それにダレクの宇宙船の外観デザインが、内装のチープさとはつりあわないカッコよさで(笑)たまりません!カッシングの主演は劇場版のみなのか、テレビシリーズもやってるのかわかりませんが…茶目っ気があってすごくかわいい!(笑)

『ドクター・フー』はちょっと前にNHKで最新シリーズをやっておりましたね。たまに見る程度でしたが、その新しいシリーズでの二代目ドクターだったデビッド・テナントのギョロ目っぷりは、なかなかピーター・カッシングと似ていたなあ…孫役だったら面白いのに…などと脈絡ないことを思ったり。そうそう、NHKで見た最新ドクターとは設定が違っていて、宇宙人じゃなかったみたいです。孫や姪が出てきたし。シリーズによって設定が変わるのかな。とにかくチープでレトロなセット(先週前半だけ見たキムタクさんの『Mr.ブレイン』のセットとテイストが似てました(笑)。あれもいっそレトロSFにしてくれれば、チープさを逆手にとれるのに…!)、ステキな音楽、そしてピーター・カッシングああ、なんて美人なじいさまなんだ!

…で、ピーター・カッシングに萌え返し、なにか他のも見たいなあ、と思い…とりあえずツタヤでも必ずありそうなもの…というと『スター・ウォーズ』のモフ・ターキンしか思いつかないので、昨夜さっそく借りてきて再見しました。

借りるとき、棚の並びにちょっと戸惑いました。そうか、一作目が四作目になってるんでしたね。(いまだに公開順のイメージでいるのでちょっと違和感が)CGが追加されてて、ジャバ・ザ・ハットとハン・ソロの合成なんかはちょっと「おや?」という感じでしたが、ほんとに懐かしかったです。…いやー、それにしても一作目のマーク・ハミルの美青年ぶりといったら!R2もやっぱりかわいいし♪…そして、昔見たときは気にしていなかったモフ・ターキン…美しすぎる!あの横顔、完璧です!

…ピーター・カッシングは、シャーロック・ホームズもやってるんですよね。Youtubeできれっぱしだけ拾いましたが、まさにホームズのイメージどおり!指の細長さとかも完璧にマッチしてるので、個人的にはジェレミー・ブレットよりさらにイメージに近い感じが。きちんと見てみたいです。クリストファー・リーのホームズは日本でもDVDが出てるのに…カッシングのバージョンも出てくれないかなあ。

 

 

2009/5/29

お悔やみ/栗本薫さん
作家さんの訃報の話続きで残念ですが、栗本薫さんが逝去されましたね。個人的にはファンではないのですが(アンチでもありません。門外漢に等しいのです)、この年代でオタクっ気のある青春時代を過ごしていれば、必ず周囲に栗本ファンの一人や二人はいたもので、他人事という感じがしません。昔の『JUNE』では小説道場という、投稿小説の批評コーナーもやってらっしゃって、ここ出身で現在プロ作家の方もおられると聞きました。日本の腐女子文化にとってはゴッドマザーの一人ですね。

小説作品は、当時友人に勧められたりして代表作など数作はトライしたのですが、残念ながら入り込めず、ご縁がないとあきらめました。以来、JUNE系ジャンルの隅っこに足を浸しつつ、別ジャンルをつまみ食いし続けている自分にとっては、直接の思い入れはないながら、「自分が下っ端として所属しているサークル(複数のうちのひとつ)の創立メンバーさんの一人で、直接は知らないけど写真や噂話では知っている人」くらいの距離感です。(つくづくメインストリームに乗りそこねて損してます。(^ ^;))唯一、小説でなく評論系の『コミュニケーション不全症候群 』というのは買って読了した覚えがあります。

…なけなしの思い出を辿りますと、昔歌舞伎に傾倒していた頃、よく劇場へ同行していた友人が栗本ファンでした。あるとき、栗本氏が脚本を担当した一幕ものの舞踊劇(たしか道成寺かなにかを妖怪仕立てにしたもの)が上演されました。三階席で鑑賞しておりましたところ、休憩時間にくだんの友人が後ろのほうを見てソワソワ。
「栗本薫が来てる!」
…見るとたしかにご本人が4〜5列後方に、ファンらしい女の子の集団と一緒にいらっしゃいました。ファンクラブの引率かなにかだったのだと思います。ファンは若い女の子たち(〜二十代前半くらい。自分も当時そのくらいでした)ですから、三階席で同席しているのは心遣いを感じました。(ちなみに、当時の歌舞伎座の三階席ははとバスのお客さんが途中で出入りもしてましたが(^ ^;)、何度も見に来る熱心な層もここなので、活気があって好きでした。一階席の最前列なんて、幕があいてから来るようなひどいお客さんがよくいますから。タダ券なんでしょうなあ…(ヒガミ目(笑))しばらく観劇していませんが、今はどうなんでしょうか)とにかくファンサービスのマメな方なんだなあ、という印象を受けました。

友人は
「どうしよう、サインもらってこようかなあ、どうしよう…」
と長いこと迷い続けていました。せっかくのチャンスだから行ってみたら?と言ってみましたが、結局思いとどまっていました。日頃はそんなしおらしい(?)タイプのヒトではなかったので(笑)、逆に相当好きなんだなあ、と思いました。
唯一の「栗本薫」に関する思い出です。

…最近では、『ユリイカ』の杉浦日向子さん特集号を読んだとき、寄稿記事の中でご自分の病気と照らし合わせているのを読んで、初めてご病気なのだと知りました。五十代はまだ早すぎます。人気の某シリーズも完結していないとか。ファンの方はさぞや心を痛めておられると思います。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

2009/5/27

ここんとこ数日の日記/DVD感想など
SFマガジン 7月号 』を立読み。伊藤 計劃さんの追悼特集。横浜ワールドコンでのテッド・チャン拉致座談会(?)のあたりでお名前が出ていて、国内で評価されている作家さんらしい、とインプットしてました。ご冥福をお祈り申し上げます。ファンでもないのに訃報に接したときはショックでした。なぜだろう。…要するに若い人だから、かもしれない。年々、自分よりずっと若い方が亡くなったと聞くと、痛みを感じるようになってきました。

作品は紹介記事などを読むとどうも食指が動かないので、今のところ読めてません。ゴメンナサイ。今国内SFの棚を眺めて感じるような、いわゆる「オトコノコ臭」に遠ざけられまして(^ ^;)。当然その手が好きな読み手にとってはものすごく魅力的なはずで、その中で高評価を得ているわけですから、そういう趣味を持つ読者の比率が高いのが、今の日本SFなのでしょうね。自分も「そういうもの」が読みたい気分になる時が再びきたら、挑戦しようと思います。(高校生くらいのときには、たしかに「こういうもの」に魅力を感じた時期がありました。流行は繰り返す、は個人でもあることなので、いつかまたそうなるかも知れませぬ)

(余談ですが、テッド・チャンの作品を読んだときに最初「女性が男性のペンネームで書いてるのでは?」と思ったのは、そういう「オトコノコ」な匂いを感じなかったからなんです。お好きな映画リストを見ると、かなりオトコノコな趣味をお持ちのようなんですが。一人の人物が受け手として好むモノと、送り手として作り出すモノの傾向は、必ずしも一致しないという好例ですね)

遺稿の長編の冒頭部分らしきものが掲載されていたのですが、それがなんと主人公がワトスン!(とはいってもホームズものではなくて、フランケンシュタイン的架空技術と絡めた設定らしいです)ああ、やっぱ生きてるうちに書かないとなあ…と、いろいろ思いがよぎりました。

 

見たDVDの記録がたまってしまったので、手短に。

時空刑事1973 ライフ・オン・マース 1』
邦題に「なんじゃこりゃー(喜)」と受けて手に取りました。現代から70年代にタイムスリップした刑事のドラマ…という紹介なんですが、おお、そう来ましたか!ネタバレになるので書けませんが、じつはそう単純じゃありませんでした。ある意味逆マトリックス?プラトン?(深読みしすぎ?(笑))なんで70年代なんだろう、とか、どうオチがつくのか気になります。着想が面白いと、SFな設定でも特撮なんかいりませんね。主役の俳優さん、初めて見た方ですが、顔の上半分は若いのにホウレイ線はある、という、イギリス人ぽい(?)顔です。

チャーチルズ・ ウォー
「イギリスのチャーチル首相はじつはアメリカ兵だった!若きエリザベス女王がヒトラーと結婚させられそうになり…」みたいなジャケットの紹介文。花嫁衣裳の若い女性(ネーブ・キャンベル。これがエリザベス女王)と機関銃を抱えた、ランボーばりのクリスチャン・スレイターの写真。これも「なんじゃこりゃー!(喜)」と手に取りました。いい意味で「こりゃマンガだよ!」な1本。ジャンル分けが戦争アクションになってましたが、コメディですよこれは!(笑)ミランダ・リチャードソンだのアントニー・シャー(あちこちでチャップリンと間違われるヒトラー役(笑))だの、脇役も豪華だったりします。アメリカ人は自分が大好き、世界の人もアメリカ人を大好きだと思ってる…というのもよくわかります…(笑)気楽に見るにはとっても楽しい作品。

ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル1』
FBI捜査官の兄と、天才数学者の弟が事件を解決するドラマ。絡ませるのが数学であるゆえの面白さは、期待したほどはありませんでした。まあ、がっつり数学ネタだったら自分などはついていけませんが(^ ^;)、もう少し…もう少しメタファーとして絡められると面白くなるのでは。2話に出てきたハイゼンベルクの不確定性原理のもってき方なんかは、(かなり強引ではありますが)「イメージとしてドラマに溶け込ませる」のに成功していたように思います。
「兄弟もの」としては、萌え狙い(?)に成功してるかも。なるべく人を責めないでいようとする、感情を抑えがちなお兄さんがいい味出してます。(昔のガブリエル・バーンを少し太らせたような感じの俳優さん)弟は典型的な弟キャラだし。(笑)この弟(父や兄は普通の白人なのに、彼はちょっとインド人ぽいルックス。やっぱ数学や物理というとインド人、なのだろうか)が実家で定年後の父と二人暮らし、というのがちょっと新鮮かも。普通だったらお母さんがやる役割をお父さんがやってました。家事やったり、ボランティアに出かけたり。世の中動いてるなあ。

或る旅人の日記
アカデミー賞を受賞した『つみきのいえ』の作者、加藤久仁生さんの短編アニメーションシリーズ。トルタリアという架空の国を旅する男のほのぼのファンタジー。静かで奇妙な夢のような、イメージを楽しむ作品。古巣を思い出しました。音楽がとても合っています。まとめて見るより、1本ずつ時間をあけて見たほうが味わうにはいい気がします。(続けて見ていたらちょっとイライラしてしまいました(笑))

サブウェイ・パニック
ロバート・ショウ出演作のDVDが再発売!去年は躊躇しているうちに『ナバロンの嵐』と『ザ・ディープ』の廉価版があっという間に店頭から消えたので、今回は発売日に買いました(笑)。武装グループがニューヨークの地下鉄を乗客ごと乗っ取り、市長に身代金を要求する話。ショウは犯人グループのリーダー「ミスター・ブルー」。終始落ち着いててかっこいい。犯人グループにヘクター・エリゾンドマーティン・バルサムなど。犯人と交渉にあたる刑事がウォルター・マッソー。たしか昨年も書きましたが、オープニングの音楽がたまらなくいい!ザクザクしてて、グラマラスで。中身も途中まではすごくいい。でもエンディングの解決のつき方の順序が、「映画の文法として」なにか違う気がする。あの逃げ道を警察側が最初に思いつかないのはヘンだし。まあ、もともと「B級パニック映画だと思って見たら案外面白かった」という文脈で評価されている作品。高望みはしますまい。ショウがとってもかっこいいので、やっぱり買いです(笑)。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
アメリカの下院議員が冷戦を終結させた、という実話。トム・ハンクス主演。共演ジュリア・ロバーツ。感想は…かなり違和感あり。ほんとの彼の戦争はこれからでは?ってところで表彰されて終わってしまう。ていうか、あんまり戦ってるように見えないし。(ウラの利害で動かしていくのですが、その辺はセリフで軽く触れるだけなので印象に残らない)関与している問題の大きさに対して、主人公たちの心理や行動が薄っぺらすぎる。そういう皮肉なのだ、といえばそれまでですが、それにしては描き方が甘すぎる。皮肉を前面に出すなら、自分だったら主人公たちを冷静に見るキャラを狂言回しとして入れますね。この映画の場合なら…ありがちですがジャーナリストとか?主役議員の秘書はその辺でもう少し使えそうでした。演じていたのは『魔法にかけられて』のエイミー・アダムズ。キレイでした!主人公が好きになれないのが、自分には致命的だったかも。(トム・ハンクス主演作ではこういうことが多いんです…ハンクス自身にはなんの反感も持ってないのに、なぜだろう)フィリップ・シーモア・ホフマンが主人公に協力する「CIAのはみ出し者」をやっていて、彼が出てくるシーンだけは場のテンポがイキイキしてました(笑)。実話ベースですしスター俳優の共演作。「どっちにしろハンパ」な印象は、もしかしたら監督の意図に反してぶった切られた結果なのかも?と、ちょっと思いやりを書いてみたりして(笑)。(利害関係めんどくさそうな題材ですしねえ…)

ダーウィン・アワード
信じられないくらいバカな死に方をした人に、遺伝子プールを汚すのを防いだ、ということで送られるというダーウィン賞。そのダーウィン賞受賞者がもつ要因の研究に取り付かれたプロファイラーのコメディ。主演はジョセフ・ファインズ。共演はなつかしのウィノナ・ライダー。「ダーウィン要因」や、劇中映画(ドキュメンタリー)の撮影と絡ませてるのがイマイチちゃんと溶け合ってない感じがしましたが、気楽に見るには面白かったです。ジョセフ・ファインズの「なんとなくいつも思いつめてるような」個性はコメディにはまりますね!新たな使い道に開眼?(笑)昔かわいい子役だったルーカス・ハースが「えっ、こんなんになったの?」という姿で出ていてびっくり。

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
ベン・スティラーオーウェン・ウィルソンブームの余波で再見。かつて天才少年・少女だった子供たちを擁する、変わった一家の物語。この作品のグウィネス・パルトロウはいいなあ。他の作品ではそう思ったことはないのですが(笑)。監督・脚本のウェス・アンダーソンの持ち味がわかってきました。いい意味箱庭細工。嫌いじゃないなあ…。

 

 

2009/5/26

SFとしての経済/ジェフリー・サックス『貧困の終焉』からの連想
(読んでいて頭に浮かんだことの、まとまらない覚え書きデス)
宇宙人から見た地球人…くらいの視点で人類を見られるのが、SFの醍醐味の一つだと感じている。その観点でずっと頭にあった「経済システムがキモだ」という直感…それに関して、今まで読んだ中では一番応えてくれる本だ。(残念ながら、フィクションでは見たことがない)人類の進化を意識して目指すとして、今大きな障害となっているものは、まずほとんど経済の問題が根本にある。戦争もそう、飢餓による大量死もそう、地球温暖化もそう(地球炎熱化、くらいの言葉にしとけばもう少し優先順位が上がるんじゃなかろうか)。必要な分野の科学が思うように進歩しないこと、環境破壊、貧困、高齢者の冷遇、働き盛りの精神疾患…。もしそういう問題を抱えた惑星の、進化を促すというテーマのSFがあったら、主人公はなにをするか。もちろん経済システムに手をつけるだろう。必要なところに必要な資源や方策をあてる、ということだ。それが今人類ができていないことで、段階的にできるようになろうとしていることだ。

仮想的な「宇宙人」視点から見て…同じ星に住む者の餓死を、資源の量で言えば充分防げるのに、そうできていない種は、科学技術的に発展途上種と見なされるだろう。これはヒューマニズムではなく「技術」の問題だからだ。経済システムの技術だ。今地球の経済システムが、惑星規模では上手くいっていない証拠が、先ほど上げた数々の乗り越えるべき障壁だ。この本はフィクションではない。現実の成功例と失敗例の話だ。だから面白い。

正直、本の中に出てきた「債務の帳消し」という方法は、心理的に受け容れるのが難しかった。単純に「借りたものを返さない」のはいけないことだと思っているからだ。けれど、「貸してる」時点で違うのだ、と気付いた。そうか、最低レベル(飢餓死を防ぐ、くらいのレベル)での援助は、「貸し」ではいけないんだ。「返済不要」のものでないと。貸し借りサイクルが機能するようになるのは、その国が立ち直ってからだ。だから譲与か、必要なレベルの経済になるまでの無期限の返済延期が必要なんだ。アメリカもドイツも日本もそういう「援助」を受けた過去がある、と言う指摘には目からウロコが落ちた。道徳とか美談とかでなく、「立ち直って発展するのに必要なプロセス」なのだ。

いわゆるサイエンスと同様に、経済学にもいろいろな仮説があるはずだ。(最近のテッド・チャンの作品では、経済学も科学的な学問に数えられていた)シミュレーションも無限だが、実地での実験はなかなかできない。でもフィクションでなら?
近いうちに、経済学者が書いた面白い「ハードSF」が出てくるんじゃないかと思う。

 

 

2009/5/22

思い出のNHK特集の音楽
いっちょ景気づけに…というワケでもないのですが、必要なソフトがあったので購入するついでに、前々からほしかったCDを二枚注文しました。(ソフトのほうを定価より5000円くらい安く買えたので、その分で…)奇しくも両方NHKスペシャルのサントラです。

まずは『「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック』。たまたまちょっと前に『映像の世紀 第6集 独立の旗の下に 』をブックオフで半額くらいで手に入れまして、焼けぼっくいに火がつき(?)、いろいろ検索していて「やっぱりほしい!」と我慢ができなくなったものです。(笑)
番組自体は、二十世紀の歴史を残っている実際の映像で構成したドキュメンタリーシリーズです。誰でも名前だけは知っているような、近代史の有名人・政治家・歴史的事件などの「実際の」映像のオンパレードで、番組自体インパクトがすごかったです。でもなにより強烈な印象を残したのが、その音楽。番組を見た方は覚えてらっしゃると思います。あのテーマ曲『パリは燃えているか』。シビれましたよねえ…。個人の思惑とは別に歴史が動いて、大勢の人間が時代に流されていく感じ。運命とか、悲壮感、荘厳さ、悲しみ。それでも頭をあげて「どうしようもなく」つき進んでいくような、ある種のたくましさと、表裏一体のはかなさやもろさ。人間という種の業まで感じさせました。二つの世界大戦があり、科学がすごい勢いで進歩した、陳腐な表現ですがまさに「激動」だった二十世紀が見事に表現されていて、今聴いても圧巻です。あれだけで涙腺にきてしまいます(^ ^;)。

(→Youtubeに上がっていた『映像の世紀』オープニング。大胆な文字の使い方も印象的でした)

じつは昔「完全版」という言葉に引かれて、『パリは燃えているか ― NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック完全版』のほうを買ったんですが、聞いてみたら「なんかテレビで聞いたのと違う…?」…じつはサントラが好評だったため出たらしい、一枚目に未収録の曲と新録音バージョンを収めたものだったんです。一番好きなメインテーマの『パリは燃えているか』がいろんなアレンジで入っているので、これはこれで魅力はあるのですが…やはり「テレビで聞いたアレ」が聞きたかった自分には、少々遺恨が残りました。(Amazonのレビューを見たら、同じ体験をしている方がいらして、思わず「そうそう!」(笑))ちょうど同じ頃に買ったオムニバスアルバムの『イマージュ』に、聞き覚えに近いバージョンの『パリは燃えているか』が入っていたので(というか、これで先に聞いてからサントラがほしくなったわけですが)、そちらを繰り返し聴いておりました。今回一枚目のサントラを手に入れて、ようやく「二枚合わせて完全版」になりました。

もう一枚は、『ルーブル美術館 TVサントラ』。こちらもタイトルどおり、ルーブル美術館所蔵品を見せるドキュメンタリーシリーズのサントラ。作曲は映画音楽で有名なエンニオ・モリコーネです。リアルタイムに「カセットテープ」(^ ^;)で購入して以来、しばしば聴きかえす定番でした。でもいいかげん途中で「カチャッ」とB面に切り替わる音がいやになってきて(笑)、痛んできてもいたので、CDのいい音で聴きたくなっての購入です。メインテーマの『永遠のモナ・リザ』は2分足らずの短い曲ですが、格調高く美しくて、これも涙腺に来ます。悲しいんじゃなくて、美しくて泣ける。贅沢なことです。

収録されてる曲は、実は番組用のオリジナル曲ではなくて、過去のモリコーネ作品からピックアップしたものなんだそうです。でもとてもうまく映像にあっていました。(封入されていた解説で出典を知ってびっくり。未見映画のサントラばかりですが、まったく違う文脈・テーマで作られた曲を、よくここまでぴったりにチョイスしたものです!)なにより曲そのものが美しいので…薄っぺらい言い方になりますが、ゆったりと癒されるというか、満たされるというか…。うん、文句なく美しいものって人の心を癒しますね。つくづく。これがいまだに廃盤でないのは嬉しいです。

 

 

2009/5/19

仕切りなおしです
書いただけでアップしてなかった前回分とまとめてアップします。…ここ数日間は、作品のためのリサーチにかなり没頭できて…というか、強制的に没頭体制を作って、久しぶりに手ごたえを感じたせいか、ストレスが軽減されました。ここのところ、親戚の入院とかいろいろあって家の中が落ち着かなかったので、イベント疲れがとれないまま雑用に振り回されたことと、自分の仕事に集中する時間をとれなかったことがストレスになってたみたいです。

…まあ「いろいろ」のほうは一応ひと段落しましたし、そのとばっちりで自分の仕事に集中できなかったツケがたまり、自分も精神的に参ってしまったので(^ ^;)、ここ数日はなるべく家を離れて、「自分の仕事」に没頭することを自分に許しました。ああ、一番気になってることに没頭できる時間てこんなに幸せなことだったのか…(涙)

「思いっきり」没頭するには、5〜6時間は人から声をかけられないですむ環境がいるものなんだな…というか、そういう環境に身を置くと、自然に成果が出るものなんだな…とつくづく思いました。図書館はともかく、マクドナルドやドトールに5時間も粘るのは…と躊躇してましたが、もうそんなこと言ってられないので解禁(?)しました…(^ ^;)。たくさんの資料のクロスリファレンスやネットでのリサーチは部屋でないとできないので、外でできることは限られますが…それでもずいぶんはかどりました。

…反動で必死こいたおかげで、ちょっとしたブレイクスルーになったのかもしれませんが、これまで仕込んできた点と点が、ようやく線でつながるようになってきました。気をとりなおしてがんばります。

 

 

2009/5/14

世の中報われないこともある。ありすぎる。
通院日。肝臓や膵臓を年に一度の超音波検査してきました。いつも肋骨の一番下の骨に器具の端がぐりぐりと当たるのが痛くて、検査後3日くらいは痛みが取れないのですが、今日担当してくださった方はだいぶ気を遣ってくれたみたいで泣かずにすみました。(いつもはあまりの痛さに涙が出てしまうのです。いいオトナが…と恥ずかしいのですが、ほんとに痛くて止められないのですよ(^ ^;))その代わりいつもと別の角度から撮ったりしていたので、いろいろ工夫してくださったんだと思います。ああ、ほんとに感謝。お礼を言ってきました。マスクでほとんど顔は見えませんでしたが、なんとなく谷原章介似のハンサムさんだった…ように見えた…です。(笑)

帰り際、病院の出入り口付近で、看護週間のイベントとやらで栄養相談とかやってたんですが、外に出てみたらお人形を使ってAEDの操作講習会、というのをやってました。たしか東京マラソンで松村邦洋サンが救われたという機械。チラシをもらって、AED自体名前しかわからないので、せっかくだし、と講習受けてきました。講習と言っても一人2〜3分で終わるんですけど。

AEDというのは、心臓が細かく痙攣している細動という状態かどうかを自動的に診断し、必要なら電気ショック処置をして細動を除去くれる機械なんだそうです。診断の正確さは99%以上だそうで、「一年目の医師より正確なくらい」とか。必要がないと診断した場合は電気ショックは作動しないので、怖がらずに使ってください、とのことでした。

→AEDの使い方はこちら

教えてもらったのは、意識の確認、救急車を呼ぶこと、に続いて行うAEDの操作と心臓マッサージの仕方。AEDは機械に音声ガイダンスがついていました。右の鎖骨の下と左のわき腹(心臓を通る対角線的な位置)に電極パッドを貼り、あとは機械にお任せ。もし電気ショックが必要といわれたら、周りの人と自分が患者から離れているのを確認し(感電しちゃうそうです)、所定のボタンを押す。AEDは細動をとるだけなので、そのあと2分間心臓マッサージ。・・・これって左胸じゃなくて胸の真ん中を押すんですね。初めて知りました。左手の「かかと」にあたる部分を当てて、右手を乗せて一分間100回のテンポ。ピッ、ピッ、という電子メトロノームみたいなものに合わせてやりました。人形の胸が4〜5センチ沈むように…ってけっこう力がいります。思ったより重労働でテンポも速いのにびっくり。超音波検査のために絶食状態だったので、ちょっとふらっと来ました(笑)。腕をまっすぐにし、垂直の位置で体重をかけるのがコツだそうです。

…上記サイトに載っている気道確保と人工呼吸はやりませんでした。ちょっと半端?ですが、AEDがどういうものかはわかりました。講師の方が力説していたのは、応急処置が躊躇される原因の一番は「自分が何かしたためにかえって悪くならないか?」という心配だけれど、ヘタな心臓マッサージをしたためにかえって死期が早まることは絶対ない、ということ。心停止していない状態で心臓マッサージをしてもなんの悪影響もないし、逆に「ヘタでも」やっておけば、もし心停止していた場合は50%生存率が上がるんだそうです。やっても悪影響はないのだから、無駄(余計なこと)になるとしてもやっておいたほうが良い、ということなんですね。ヘンなたとえですが、パン屋さんが多めにパンを作って、売れ残りを捨てることを繰り返すのを思い出しました。(もし余って捨てるとしても、それをほしいお客さんが来たときに品切れしているよりはマシ、という考え方。昔バイトしたパン屋で言ってたことです)医療ってけっこうそういうものかも。自分が日常的に考える、「なるべく必要最低限に、無駄なく」という感覚とはまるで違う世界。

帰り道、つらつら考えました…。応急処置に躊躇するもう一つの原因。もし死んでしまった時に、自分が関与していたくない、というのもあるんじゃないかと。まるで自分が手を下したように感じるのがいやだ、と。これは「やっても報われないかもしれない」というリスクの最たるものかもしれません。でもそれにこだわるということは、直面している問題よりエゴが勝っているわけですね。うーん…。自分の未熟さを思い知らされたような。

さて、帰ってから坂田靖子先生のサイトを覗いたら、コミックスの文庫化のために二週間かけて原稿に加筆したものが、結果的に無駄になってしまった…というお話が。どう読んでも編集側の確認ミスで迷惑をかけられたケースとしか思えないので、坂田先生の紳士的な態度には頭が下がりました。…自分だったら絶対我慢できないなあ。切れるか、まあ気弱なので口に出して相手を非難することはできないとしても、なんか傷ついて怒りを抱え込んで、それを押しつぶすのに全精力使い果たして、数日鬱状態になるのが関の山かと。(^ ^;)

…そんなことを考えていたら、いろいろ、そういう「無駄になったことに対する怒り・やりきれなさ」の思い出がよみがえってきてしまいました。ついでに、自分の栄養補給のために肉を入れて作っておいた煮物が、留守中に親に食べられ、それ自体はいいのですが、肉の部分が(親は糖尿病で肉類を敬遠しているため)捨てられてしまったことから、果ては会社時代に三時のお茶を入れてたとき、配る直前になって要領のいい後輩がやってきて、「あ、アタシが配りまーす♪」と持ってかれたというよーなくだらないことまで…。(だんだん連想がレベルの低いものに…っ)

…多いよっ!世の中報われないこと多すぎる!(^ ^;)

…そうなんだなあ。それにいちいち傷ついてる自分がコドモなんだなーきっと。だってそれを言ってたら、お医者さんはどうなるよ。いくら最善を尽くしても誰かを死なせてしまうしかない場合は。報われないどころか、救えなかったことで見当違いな非難を受けることだってあるはずだ。

…なんか極端から極端へイメージが飛んでしまいました。世の中「無駄に」やることのほうが多いのだ、くらいに思っていないと、きっとなにも出来なくなっちゃいますね。たくさんパンを焼いてたくさん捨てていくことが、生きるってことなのかもしれない。だから、「パンをおいしいと言ってもらえるのが楽しみ」というよりも、「パン焼き自体が好き」なほうが幸せだし生きやすいですね。よく言われることですが。

…それと、「自分のプラスの行為が無駄にされることの無念さ」という内面に向かう思考を、「他人のプラスの行為を無駄にすることは失礼だ」と外向きに変換することが出来る人は、目立たないけれど確実にいるということ。考えてみると、これって根本的な意味での「礼儀」ですね。自分から見たオトナの基準のひとつです。でも年をとったからといって自然にできるものではないですね。経験だけあったって、学べないこともある。…なんかいろいろ思います…。

 

 

2009/5/12

母の日とキアヌくん版クラトゥ
昨日は一日遅れの母の日をしました。今年はお店を見て回る時間がなかったので、初めてネットでケーキのお取り寄せというのを試してみました。イベント準備でなにかとあわただしかったので、なにやら楽天で人気が高いということで安直に選択。自分も食べてみたいというのもあり(笑)、ロールケーキの花月堂というお店の、プランタンヌーボーというフルーツ入りロールケーキを注文しました。母も楽しみに待ちうけ、到着後すぐに半分以上平らげてしまいました。なるほどおいしい…。近くにこんなお店があって、送料なしで買えたらイイなあ、と思います(笑)。あとは久しぶりに夕飯作りをし、ちょっとキレイめに盛り付けて母の日バージョンとしました。ちっと目新しいものにしたかったので、クックパッドでみつけたシソ巻きつくねと豆腐ステーキきのこがけ、あとは我流のポテトサラダをたくさん。あまり華はありません(笑)。
ほかにイベントで後回しにしていた大物の洗濯やら、会場からの荷物の受取やら整理やらしていたらほとんど一日終わってしまいました。なんか家事労働で終わったような…。

イベント終了の自分へのご褒美もしたかったので、とりあえずDVDをレンタル。リメイク版の『地球が静止する日』を借りてきました。クラトゥという人間そっくりの宇宙人が、たつた一人で地球にやってきて、その目的はじつは…?というお話。宇宙人役をキアヌ・リーブスが演じています。オリジナルのモノクロ映画『地球の静止する日』(ああっ、いつのまにか廉価版になってるし!くそ〜倍以上出して買ったのに!(^ ^;))がわりと好きなので、どうしても比べちゃうだろうなあ、とは思いつつ鑑賞…。

結果からいうと、やはりオリジナルのほうが面白かったです。なんか地球人(とゆーかアメリカ人しか描かれませんが)の反応の描き方とか、キャラの心理がクラトゥ含めて薄っぺらいというか。「あんなことでこうなるか?」みたいに見えてしまう。寓話的なトーンと、おそらくリアリティや現代性を加味するために入れたと思われる要素(シングルマザーとか血のつながってない家族とか、大統領代理が女性だとか、軍や警察の「よくあるやりとり」とか)のトーンがうまくつながってないというか?画像にかけてるお金はテレビとはケタ違いだと思いますが、全体の印象はテレビドラマ的なスケール感でした。でも今どきの映画としては、わりと低予算(中予算?)ぽい画面ではありました。オリジナルではかなりズシンときたテーマも、なぜか感じられない…ハリウッド的な「人間ドラマパターン」の枠に押し込められちゃってるんですね。それでエピソードの力学関係(?)がおかしくなってる。話が小さくなってるというか。それと、「その物語を語るにふさわしい画面の質感というものがあるんだな」…ということも感じました。アクション映画の質感で寓話的ドラマを撮ってるような違和感、といいますか…。たぶんライティングとか、色味とかのコンセプトが物語のトーンと噛み合ってないのだと思います。あのトーンなら、肝心の「地球が静止する」ところをもっとちゃんと見せるべきだったのでは。全体に、オリジナルを下敷きにして対象年齢を下げた感じ?でした。

まあそれはともかく、見る前に気になってたのは、宇宙人クラトゥが連れて来るロボットのゴート!オリジナルでは露骨に着ぐるみで(笑)それはそれは味わいがあったのですが、アレをどう今風にアレンジするんだろう…?と興味津々でした。これが顔面イメージはそのまんま!シンプルです!サイズが巨大になって、ボディの部分だけはなぜかリアルな人間のアウトラインに近くなりましたが、全体のイメージは再現していました。あんまり「そのまんま」なので、かえってびっくりしたくらい。でも、見えない部分でナノテク進化(笑)してました。

あと、露骨にオマージュだったのが、クラトゥがノーベル賞学者の家の黒板に数式を書く場面!あの「黒板」。そしてオリジナルに出てきたUFOの形をした卓上ランプ。(あれほしい!(笑))ちょっとそこに気をとられましたが、好きなシークエンスです。学者と宇宙人が、一言も交わさずに数式で会話してる。数学は全宇宙共通言語だという、あの映画の中では一番「SFな」ときめきのあるシーンだったように感じました。数学が苦手だった自分にはほんとに異星の言葉ですけど(笑)、なんかいいなあ、と思います。

キャストでは、中国系俳優のジェームズ・ホンさんがまた出てました。このごろよく見るような。ちょっと前に『チャイナタウン』でお若いころの姿を見たばかりです。お元気で嬉しい。孫役の俳優さんもかわいかったです♪あとはまあ、見も蓋もないことを言えば、胎児状態のキアヌくんのオールヌード(CG?)とかも見どころかと(笑)。オリジナルでクラトゥを演じたマイケル・レニーの「見た目は人間だけど、中身が地球人よりオトナな感じ」は残念ながらありませんでした。(まあキアヌくんにそんなところまで要求する気はありませんが…用途の違う俳優さんですから(^ ^;))こういう現実離れした役ほど演技力がいるんだな、と改めて思わされました。

突っ込んでいくとキリがない(笑)映画でしたが、例によって「自分ならこうするな」といろいろ脳内で楽しんでます。オリジナルを見直したくなりました。…あ、でもオマケで入ってた『Burn Nortice』というドラマの第一話は面白かったです!、クビになったスパイのお話でコメディタッチあり、謎もあり、という感じ。テンポがいいです。まだ日本ではDVDになってないみたいですね。ガブリエル・アンウォーが出ていてびっくり。相変わらずキレイですねえ。主役の人は初めて見ましたが、ほんのちょっとジョン・レグイザモを思い出させるような。でも笑顔がとてもかわいいです。(笑)

…今思い出しましたが、同じ「地球が静止する日」というタイトルのOVA『ジャイアント ロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』はすごく面白かった記憶があります。…こちらもレンタルにあったら再見してみたいです。

 

 

2009/5/10

2連チャン終了!ぷはー!
本日は文学フリマに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました。会場はエアコンが入っていて助かりましたが、やはり行き帰り、暑かったですね。おつかれさまでした!

初参加なのでキンチョーしつつ、でも会場は慣れたPioなのでちょっと安心もしつつ…の参加でした。ただ、配置がジャンル別でないのか、なぜか両隣は男性の大所帯な評論系サークルさん。しかも正面が壁のお誕生日席だったので、前を向いていると会場内の様子がわからず…午前は場違い感Maxでした。とほほ…。(^ ^;)

そうこうしつつも、1時すぎ頃からお客様の流れが多くなり、まず最初にちょっぴり再版したコクトー本、続いてホームズ本がなくなりました。ありがとうございました! …小部数ですが、コクトー本がこんなにあっさり売れるとは正直驚きました。しかも中に男性がおられてまたびっくり。イベントによってお客様は違うものですねえ…。楽しんでいただけますように。
机の上がスカッとしてしまったので、そのあと先週の残りの漫画系の本(スパコミから直送したので…)をこっそり売らせていただきました…。(^ ^;)

(その後見本誌を見てわざわざお立ち寄りくださった方には、本当に本当に申し訳ありませんでした。また別のイベントでは持参いたしますので、機会がありましたら、どうぞ寄ってやってくださいませ)

さて、そんな感じでしたが…お隣さんがお友達のたまり場と化していたのが、正直ちょっと辛かったです。じつは事前に来た参加案内に、わざわざ「関係者同士が隣スペース前にはみ出してのおしゃべりはNG」みたいな注意書きが図解までしてあって、「こんなことを今さら…?」と思ったのですが・・・納得!まさにそのNGがひんぱんに!(^ ^;)…苦情が多いために注意書きを入れたのでしょうね。スタッフの不足から、当事者同士で解決してくれということなのですが…。参りました。こちらからは声をかけヅライですし…。

仕方ないので、スペース前がふさがれそうなときはあえて「その後ろ」を通るお客様に、“にこやかに”声をかけるようにしてみました。(きっと笑顔がこわばっていたに違いない。ワレながらコワイよ〜(^ ^;))そうすると気付いてどいてくれて、何度かやったら学習してくれたようです。…しかしこんなことをするのは、ほんとに胃が痛かったです!いまだに痛いです!朝はきちんと挨拶もしてくれて、今日はいいサークルさんの横でよかったなー、と思ったのですが…。

…悪気がないのはわかるんです。夢中になって周りが見えなくなっちゃう。よくあります。でもそのへんは、やはり当のサークルさんのほうで仕切ってほしいです。マナーですからね。(ウチのような零細サークルは、スペース前に二人以上お客様が並ぶようなことはめったにありませんが、やはり何度か「どうぞ真ん中へお寄りください」とお願いしたことがあります。関係者同士であればなおさらでしょう)一時的にはみ出すのは不可抗力ですが、そのあとなんのフォローもなしでは、やはり気分が悪いものです。

こういうマナーはサークルはもちろんですが、一般参加者への告知も必要なのかな、と思いました。逆に日頃のコミケなどは、サークル・一般参加者ともにかなり場慣れしてるんだなあ、とつくづく…サークルさんがお願いする前に、自主的に並んでますもんね。…とはいえ、自分も舞い上がっちゃったときなど、行き届かない時はたしかにあります。人のフリ見てなんとやら…ですね。気をつけませう。

さて!気をとりなおして…これで二週連続のイベントが終わりました。改めて、スペースにお立ち寄りくださったすべての方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。ご購入いただいた本が楽しんでいただけてますように。

 

 

2009/5/9

イベント準備、と、なぜかインド系レストランの話
うわあ、昨日の日記、日付を間違えてました!(今直しました…(^ ^;))ご紹介した二冊の発売日は5/7、です。ハイ。

さて、今日は明日のイベント準備ラストスパート。プリントして重しをかけていた紙を、これから製本します。(レーザープリンタで本文を刷るようになってから、「重しをかけてのばす」が必要な工程になりました(笑))あとは見本誌の準備とか、ペーパーとか…細かいものがここで思い出されて仕事が増えることも多いので、気を引き締めなくては。しかも初めて参加するイベントですし…。どんなイベントなのかなあ。(どきどき)

…修羅場は家事免除してもらっているのですが、昨日は自分の貧血対策のため、速攻で牛肉・にんにく多め入りの野菜いためを山ほど作りました。…ふと、料理がけっこうストレス発散になってることに気付きました。うーん。修羅場に料理をしなくなるとかえって精神的に追い詰められるのかも?(思い当たるフシが)…でも、料理してると家族にヒマだと思われて、ほかの雑用が降ってくるのですよ。パフォーマンスとして(?)必要なことでもあるわけで…ああ、なんかバカみたいだなあ。

料理といえば…最近よく拝見しているブログがあります。タイトルがまんまで、『インド人シェフのブログ』。料理つながりでなく、ホームズ小説のリサーチでインドについて調べていて、偶然見つけたブログです。インド料理店シェフのハリオムさんという方が書いています。インドについての豆知識ももちろん読みがいがあるのですが、写真入りのインド料理ネタがすごくおいしそう!こちらも知らなかったことがゴロゴロ。(チャパティーとナンの違いとか…)横浜市内なので、一度食べに行ってみたいと思っています。

インド人さんがやっているお店で馴染みがあるところというと、歌舞伎座近くのナイルレストランだけです。以前母をつれて食べに行ったら、偶然その日がインドの大切なお祭の日で、帰省のため休業…だったことがあります。ハリオムさんのブログにも、インドに帰省してお祭を紹介している記事がいろいろ。そういえば昔、独立記念日(インドの)にインド料理屋さんでお祝いを述べるととても喜ばれる、という話も聞いたことがあります。なんか「自分の国」と密接につながってるんだなー、と思います。独立の経緯がありますから当然といえば当然なのですが、建国記念の日も終戦記念日もあまりピンとこない自分を、思わず比べてしまいました。
(インドの記念日についてはこちらに解説があります→インドチャネル/ナショナル・ホリデー

インド料理といえば…(イモヅルばっかり…(笑))母がテレビで見た『朝カレー』を買ってきました。試食してみました。なんか甘口で懐かしい…そう、ボンカレーみたいな味。朝に食べると脳の血流をよくすると言われるカレーですが、そのためには辛くなくていいんだそうですね。(カレーは好きですが、あまり辛いのはダメなのでありがたいです)でもこれなら、わざわざ朝用のものを買ってこなくても、「ゆうべの残り」で充分なような…(笑)

 

 

2009/5/8

坂田靖子さんの新刊♪
なんでしょう、この天気、この寒さ…いや、寒いのは歓迎なんですけど…。スパコミ後からずーっと体調がどん底だったのもあり、あまり仕事が進まないうちにもう週末…。ちょびちょびと資料を読んだほかは、無くなった本のプリントをちまちまやるのが関の山でした。ああ、なんでこんなに別パーツの多い本ばっかり作っちゃったんだろう…。(新刊のときは張り切って「ここはカラーの口絵を入れよう!」とか、「どうせならオビもテカテカの光沢紙にしよう!」とか面白がってやってしまうのですが、それがのちに一つずつでなく、数種まとめて刷ることになることを忘れているわけで…だああパニック!(^ ^;))

さて、昨日は少し体調も戻ったので駅前の本屋まで行き、昨日が発売日だった坂田靖子さんの新刊『たぷたぷ だいあり』をゲットしてきました♪我慢できず、喫茶店で読み始めました。見開き2ページずつの連載エッセイ漫画をまとめたものでした。まんがくらぶという雑誌に連載していたんだそうです。知らなかった〜。坂田靖子さんのHPサカタBOXはよく拝見しているのですが、そのテイストを絵付きで読めるのがなんとも嬉しいです♪文字が多いので長い時間楽しめるのも嬉しい。食べ物ネタが多いのも嬉しい。読んでるとおなかがすいてきます。(笑)きちんとした基礎知識があるうえでB級グルメっぽいところも押さえてらっしゃるので、すぐに応用したくなるようなお話がいっぱい…。魚のおいしいところにお住まいなので、そのへんはちょっとマネできませんが…。あと、自分が下戸で味覚がわりとお子ちゃまなので、お酒や魚類の肝系のオトナな味の話になると、憧れをもって眺めるのみ。(笑)それでも楽しいです♪

で、読んでたら中にチラシが入ってまして…良く見てみたら、なんと竹本泉さんの『ねこめ〜わく 6』も同日に発売なんじゃないですか!うわー、うわー、今唯一(唯二?)新刊を楽しみにしている作家さん二人が同じ日にコミックスを出されるとは…!さっそく本屋にとって返し、探したんですが…こちらは見つからず。在庫検索でも在庫ゼロ。入らなかったのか、もしくはもう売れちゃったのか…?…とりあえず、次に大きな書店に行くまでお預け。でも、貴重な「自分でも読めるコミックス」の新刊を一日で2冊消化しちゃうのはもったいないですから、ちょっど良いのかも…。

そういえば、坂田先生の新連載(個人的に描きためていたものだそうですが)が掲載されるということで楽しみにしていた『夢幻館』が、次号から雑誌でなくウェブ配信になるんだそうですね。(これもサカタBOXで知ったのですが…)無料で読めるらしいのです。以前漫画の編集者さんに、(そこはもともと固定ファンのいる作家さんを数人抱えていたので)「雑誌自体は赤字で、コミックスが出た時点で初めて儲けが出る」というサイクルだと聞いたことがあります。いわばコミックスになる作品のプロモーションをやりつつ、アンケートなどで人気を測ってコミックスの部数を決める…みたいな感じなのかも。だとしたら、紙に刷って販売で苦しむより、在庫スペースのいらないネット配信でプロモーションをしたほうが合理的かもしれませんね。

(日本の出版業界は流通で大手取次店が力を持っているので、出版社の側はかなりの営業努力がいる…という話も、昔務めていた小出版社で聞きました。そこは教科書が主で、書店で売るものの売上における比率は少なかったのですが、やはり「取次さん」には頭が上がらないようでした。(教科書も取次は通しますが、採用を決めるのは学校の先生なので、営業の対象は全国の学校の先生でした))

ウェブ配信ならアクセス数はカウントできるし、簡単なフォームがあれば、はがきのアンケートよりも回収率はいいでしょうから、企業が大好きな「マーケティング」は大いにできますね。(笑)(でも、そもそも自分は雑誌を買わずにコミックスを待つことが多いタイプでしたし、雑誌を買ってもアンケートって出したことがありません。周りにも出してる人はいませんでした…編集サイドでは重視されてるらしいですが…けっこう「熱心な少数ファン」の意見で動いちゃってるのかも?)ウェブならページ数の問題がないので、新人さんの作品を紹介していくのも容易になるでしょうね。

…いいことづくめなようですが、PCで漫画を読むという人がどれくらいいるか、もしくはこれから増えるか…という問題はありますね。(携帯配信のほうが今は主流かもしれませんが、一コマずつ読む、というのは、見開きごとの漫画とは違うメディアだという気がします。むしろ「動かないアニメーション」に近いような…)自分は、漫画はやはり紙のほうが読みやすい…と思うほうです。なので、コミックスがなくなることはないと思います。あくまでプロモーション目的なら、ウェブは便利…かな?どうなるんでしょうね。もしかしたら、数十年くらいあとには「紙で刷られてた雑誌」ってだけでヘンな骨董価値が出てたりして…。(笑)

 

 

2009/5/5

まったりと休日/チャンポンめん自由研究
スパコミの余韻の筋肉痛とか、いろいろ襲ってきてぐったり・まったり(?)しております。お天気もイマイチだし、まあぼーっとするにはいい日かも。

…いただきもののチャンポンめんを、フォー風にして食べてみました。(やったのは先週なのですが、イベント前のごたごたでアップできなかったので…)フォーというのはベトナムの米麺だそうで、以前お店で食べたらあっさりしてておいしかったんです。たまたまニフティーの日替わり料理レシピに「フォー・ガー」(鶏肉入りフォー)の作り方が載ってたので、参考にして作りました。(元のレシピはこちら

フォー風チャンポンめん♪

鶏の胸肉を使うので、なんとなく硬くならないかなー?と心配になり、レシピには無かったのですが、お肉には先にお酒を絡めて塩コショーしておきました。ホントは具と麺は別に茹でるんですが、一つの鍋で済ませるため、

1.鍋に水とチャンポンめんのかやく、一口大に切った鶏肉、トリガラスープの素少々(今回は小さじ1)を投入・点火

2.肉に火が通ってきた頃に、粉末スープ、しょうゆ・塩コショー少々を味見しながら追加

3.もやし投入

4.麺投入

5.盛り付けて刻んだ小口ねぎをのせ、レモン汁をさっとかける(生がないのでポッカレモンで代用)

…という手順でやりました。本物のフォーはレモンじゃなくライムで、のせるのもねぎじゃなくコリアンダーとか、エスニックな薬味をのせるみたいです。でも「冷蔵庫にあるもので略式」でもおいしかったです♪普通の塩ラーメンでもできますね。レモンのおかげでまったく違うさっぱり味になりました。胸肉は脂肪が少なくてヘルシーだし。(皮は切るときに剥いちゃったんですが、ダシが出そうなので一緒に入れて煮、食べずに残しました。多少カロリー減…の、つもり(笑))

反省点はスープの味見で手間取って、もやしを入れたあとにもいろいろやってたので、もやしに火が通り過ぎたことと、スープに色がついてしまったこと。じつはチャンポンめんの粉末スープを先に入れたつもりで、味見しつつ「薄い…?」としょうゆを足してしまい、こうなってしまいました。追加のつもりだったトリガラスープしか入ってなかったのに気付きました…(^ ^;)。あわてて粉末スープを少しずつ追加。…やはりスープには色がないほうがフォーっぽいですよね。もやしもシャキシャキしてるのが理想。麺と同時投入くらいでもいいのかもしれない…。つぎは忘れずに先に粉末スープを入れて、色の薄いスープで仕上げたいと思います。(抱負)

 

 

2009/5/4 追加

文学フリマのお知らせ
来週日曜日は初めて文学フリマというイベントに参加します。オリジナル文芸同人誌の即売会で、たしか公式サイトに宣伝用データがあったのでリンクを…と思ったら、自分で印刷して配布するチラシの原稿データでした。(^ ^;)うわー、昨日配布させていただけばよかった!てっきりウェブちらしかと思ってました…(泣)。

会場はいつもMovies ParadiseをやっているPioで、京急蒲田からは歩いてすぐです。見本誌閲覧コーナーやショートストーリー投稿箱なんかもあるみたいです。コミティアみたいな「作り手の本気度」を感じるのでちょっとドキドキしますが、楽しみです。ぜひお運びくださいませ。入場無料です。(公式サイトはこちら。当サークルの出展詳細は『同人誌な部屋』にございます)

 

 

2009/5/4

スパコミ終了と、デジタルリマスターホームズ!
昨日はスーパーコミックシティ1日目に参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!今回もいろいろお話させていただいたり、ちょっぴり買い物もできたりで、フルに楽しんだ一日でした。シティ初売り本のほうも、おかげさまでたくさんの方にお手にとっていただけました。楽しんでいただけてるといいなー、と思います。差し入れもおいしくいただきました。合わせてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

シティはあまり出ないんですけれど、スパコミはあの規模の大きさと女性の多さ(笑)、企業や食べ物の出店の豊富さがお祭っぽくていいですね。鬼気迫る(?)コミケとはまた違う感じで。ケバブ屋さん、また来てましたねー。今回は食べ損ねました…屋内での販売だったので、近くのスペースの方はいい香りに食欲が増したんじゃないでしょうか。(笑)

さて…日記より先に昨日のペーパー(数の読みを間違えて途中でなくなり、後半お渡しできなくてすみませんでした)に書くことになったので、そちらと同じことを繰り返しますが…ジェレミー・ブレットのシャーロック・ホームズDVD、少し前にDVDつきパートワークが出たことは知っていたのですが、DVDのみのものが、たまたま横浜ルミネの有隣堂の催事スペースで販売されているのを見かけてしまい…イベント前日に『最後の事件』までの13話ボックスを購入してしまいました…。(^ ^;)

抗えなかった理由はデジタルリマスター。旧版DVDの画質の荒さが気になっていたもので、我慢できず…。今回のものには吹き替えはないのですが、日本語・英語の字幕が入っているほか、セリフの対訳小冊子もついています。これで一枚500円…13話セットはさらにお得で5980円とは嬉しい!…そしてなにより、ホントに画面が鮮やかです!

イベント前日ということもあり、とりあえず『ボヘミアの醜聞』だけ見たのですが…何度も見ているのに、初めてラストで泣いてしまいました。うーむ、なぜだろう。新訳字幕のせいなのか、鮮やかな画質のせいなのか…。字幕は、たとえば最初にベイカー街に帰ってくるワトスンのモノローグでは、ワトスンは「地方での診療から」帰ったことになってるんです。ハピネット版では休暇から帰ったところでした。これだけでもワトスンのキャラがずいぶん違ってきます。仕事でやむを得ずロンドンを離れた…となると、そのあとの、一人にしておいたホームズを心配するセリフがすごく活きますよね♪

画質については、鮮やかな分「ビデオっぽい」強調された色彩で、ハピネット版のほうを改めて見ると、色は褪せているものの「フィルムっぽさ」があります。好みが分かれるとこかもしれませんが、とにかくこの価格ですし、ばら売りもありますので、今まで手元に置けなかったファンの方の元へも普及するのではないかと思います♪

(ペーパーでは「前半」BOXとか書いてしまったのですが、正しくはBOXは三種類でした。私の購入したのが『シャーロック・ホームズの冒険』、その次が『シャーロック・ホームズの帰還』、最後のBOXが『シャーロック・ホームズの事件簿/思い出』で、グラナダ版シリーズの原題に忠実になってるのかも。ただ、ワンコインDVD扱いなので、普通のDVD屋さんで売っていないのが面倒です。(ヨドバシにあればポイントで買えたのに…)楽天とかで検索すると数店ひっかかってきます。販売元のキープ株式会社のサイトはこちら。販売もやってますが、なぜかバラ売りしか載ってないようです)

(有隣堂での販売は5/9まで。一枚500円でバラ売りもありました。BOXは自分が見に行ったときは二つずつしかなかったので、買いに行く場合は電話で確認したほうが良いかもしれません。こちらの有隣堂サイトに催事情報が載っています)

 

今年はドイルせんせ生誕150周年でもありますし、こう、パーッと盛り上がってほしいものです!コミケもホームズサークルは落選なしとか、粋なはからいをしてくれないだろうか!(笑)

イベントで教えていただいた情報では、やはりDVDつきパートワークのほうも、入っているDVDは同じだそうです。レビューによるとDVDがケースに入っていないらしいんですが、解説冊子つきですので、実物を見て検討…が良いかと思います。(パートワークはAmazonにも扱いがあります→シャーロック・ホームス゛の冒険 DVD BOOK vol.2 (宝島MOOK)

会場で情報を教えていただいた方によると、この破格は近々ブルーレイが出るためではないか…なんてこともあるようですが(^ ^;)、うちはブルーレイ導入はちょっと先になりそうなので、とりあえずコレで萌え返します。作業が停滞している、新しい贋作小説の燃料にもなりそうです!(笑)

 

 

 

2009/5/1

イベント準備とシナリオ読書
スパコミ準備でなんとなくあわただしい数日です。宅配搬入は無事終了。あと、どこかで「あると買うときに便利」と聞いたので、値札に発行年月を入れて新調してみました。スペースで閲覧していただくときに、お役に立てばと思います。

今回は当日あわせ新刊がないので、精神的にはかなりラクです。でも家族には、「イベント二週間前くらいからは修羅場状態」というのが慣例で、なんとなく家事免除ムードができているので、このチャンスに継続中の小説のリサーチやなんかをできるだけ進ませてもらおう、と忙しいふりをして(?)、まとまった時間を確保し、がんばっております!(笑)

先日話題にしました『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと― シド・フィールドの脚本術』は、昨日読了しました。やはり買ってよかったです。昔買った別冊宝島のほうはワークショップ形式で、今回の本はより深く、より広く解説されています。(自分の著作権を守る、なんて話もあり、ちょっと目からウロコでした。さすが訴訟大国!)両方あっても無駄ではないです。ちょっと誤植(と誤訳?)が散見されるものの、翻訳してくれてホントにありがとうと言う感じです。(ちょっと繰り返しが多かったり、話が前後したりというのは宝島の本でも思ったのですが、この著者のクセみたいですね(笑))

かなりはまった映画でシナリオが販売されると、勢いで買ってしまうことがあります。でも、あくまで映画のシーンを思い起こすきっかけとして楽しむだけで、これまであまり「シナリオ自体を通して読む」ということはしてませんでした。今回シド本を読んでみて、ちょっとシナリオ自体を読むことに興味がわいたので、たまたまブックオフで見つけた『グッド・ウィル・ハンティング』『ローマの休日』を購入してきました。

まずは『グッド・ウィル・ハンティング』を読んでみました。マット・デイモンベン・アフレックが自分たちで脚本を書いて主演し、ブレイクしたうえアカデミー賞までとった作品です。こちらは公開時に見ましたが、いい感じに記憶が薄れているので、「シナリオ自体を読む」という感覚でした。劇場で見たときには「思ったほどでは…」という感想でしたが、今回不覚にも泣かされた箇所があり、ちょっとくやしいです。(笑)思うに、映画自体を見倒した作品だと「見たシーン」が頭に浮かんでしまうので、「文章で書かれたシーンを自分なりに想像する」には、かえって記憶が薄れているものや、未見のものがいいのかもしれません。

ただ、出版されるシナリオは読みやすいように体裁が変えられていますし、とくに翻訳出版されたものはシナリオ自体としてでなく、英会話の教材として売られているため、ものによってはト書きが省かれたり、書き変えられたりしているものもあるみたいです。DVDなんかと合わせて使うのが目的ですから、どうしても公開版に合わせて調整するでしょうし。(実際には、制作前に読む脚本と撮影用の脚本も一応別なんだそうです。制作GOサインが出るとシーンナンバーが入るんだとか。その後編集・スクリーニングでの変更を経たものが公開版ということですから…監督と脚本が別の人の場合は特に、大幅に変わることがあるみたいですよね。今の個人的興味としては、最初の「読まれるための」脚本を読んでみたいわけですが…翻訳商品としては成り立たないかも(^ ^;))著者として脚本家の名前が書いてあるかどうか、とか見分ける基準はあると思いますが、まあそのへんは折込済みで…とおおざっぱに調べてみたら…けっこうありますねえ!図書館にも英語−日本語対訳のがわりとたくさん入っていました。とりあえず図書館に『マトリックス』の予約を入れました。小説一冊読むよりはるかに早く読めますからね(笑)。(『グッド・ウィル…』はほんとに映画1本ぶんくらいの時間で読めました。そういうものなのかしら?)マトリックスは、グッド・ウイル…とは逆に、「どんなト書きからあんな映像になったのか」が興味津々です。

うちにあるシナリオ本を探したところ、英語−日本語対訳で『L.A.コンフィデンシャル』のセリフ集というのを発掘。中を見たら柱(場所・昼夜の指定)とト書きも入っているので、実質的にはシナリオでした。あとは英語版で『スーパーマンリターンズ』と、物置から『アパートの鍵貸します』を見つけました。英語はちょっと通して読むにはハードル高いですが、ト書きはシンプルなので、(セリフの口語表現は映画自体を参照できることを思えば)小説よりはラクなはず。…ちょうど、四月恒例の突発的なやる気で(笑)ラジオの英会話番組も聴きはじめているので、飽きないうちにチャレンジしてみようと思います。英語でもOK、となれば、アマゾンの洋書でScreenplayを検索すると、山のようにあるんですよね…。このまえのアカデミー賞で話題だった『スラムドッグ・ミリオネア』『ミルク』もすでにあって驚きました。ああ、英語…この壁がなければ、どんなに情報が得られることか…!(^ ^;)

 

 

2009/4/25 追加

チャンポンめんとつよしくん。
プリント中はハンパに手持ち無沙汰になるので、合間にちょっとずつ書いてます(笑)。今日は雨です。寒い…。冬物のコート類はクリーニングに出したばっかりなんですが、机の足もとのヒーターは出しっぱなしでよかった。年によっては4月はすでに半袖だったりするのに、差が激しいですね。でも寒いほうが自分にはラクなので嬉しいです。

…さて、ちょっと遅くなってしまいましたが、先週、ここで話題にしておりましたチャンポンめんを、はるばる九州からいただいてしまいました!(S様ありがとうございました!)

関東では幻のチャンポンめんを激写♪

さっそく坂田先生のキャベツと卵を入れるレシピで食してみました♪…キャベツを入れすぎ、おまけに煮詰まってちょっと失敗。二度目は上手くいきました。ちゃんぽんというよりあっさりした塩ラーメンに近いのですが、麺の弾力がちょっと独特でした。キャベツや卵の風味のせいで、かやくのエビとシイタケの香り(これがウリらしい)があまり感じられなかったのが残念。今度はパッケージの写真をまねて、具を一緒に煮込まずに試してみようかなー、と思います♪


ところで巷で話題のツヨシくん問題…いやー、ちょっと驚きました!(じつはほんの10年くらい前、スマップ同人誌などもやっていた前科がある身なのです。(^ ^;)最近はすっかり離れてしまったので、レギュラー番組も見ていないのですが)最初の感想は「いったい(その前に)何があったんだ!?」。なんかいろいろあったんだろーなー。(なんとなく納得)…それよりも、逮捕時に叫んだという「シンゴー」に、現役のJ禁ワールドではシンツヨ幻想が盛り上がったのではないかしらん…くらいしか連想できなかった腐バカです(笑)。そのうえ昨晩は9時からテレビをザッピングしまくって会見を見てた暇人です(笑)。(こんなワイドショーちっくな話題を、NHKがトップニュースで生中継してたのに母とバカ受けしたのですが、じつは生中継しちゃいけなかったのに、NHKだけがうっかりやっちゃったらしいんですね。おかしいと思いましたよ。民放がやってないんだもん。弁護士さんがしゃべってる途中で切れたので「さすがにNHKでこんな話題に長時間は避けないよな」なんて思ってたのですが、買いかぶってたようです。(笑))

ちょっと呆れたのは、このニュースが載っていたニフティのページに、「緊急発売・『裸でなにが悪い』Tシャツ」とかいう広告が載っていたこと。いやはや…商魂たくましいというかなんというか。いや、写真を見に行った自分も自分ですけど(^ ^;)。胸にこの言葉が書いてあって、「なぎ」の漢字の印つき。うーん、ちょっと悪趣味かなあ。ツヨシくんのキャラがキャラだけに、弱い者いじめみたいでカラッと笑えない感じが。…ともあれ、「大人として…」…もう34歳だったのね。会見は言葉を選んだ誠実な受け答えが印象的でしたが、まあいろいろ責任はあるでしょうねえ。

でも元J禁同人から見ると、妙に「キャラに合ってる大失敗」で、正直イメージダウンというより笑えちゃう要素のほうが大きいんです。こんなネタどこかで描かれていそうだ、みたいな。これが逮捕されてなくて、仲間に「あの時裸になっちゃったよねー」とか言われてたら間違いなくネタ扱いでしょう。泥酔と言っても人に暴力を振るったわけではないので、本人が恥ずかしいだけですしね。

韓国とかの反応も出てましたが…ちょっと前の中川泥酔会見といい、海外から見ると、日本人はお酒の量を制御して飲むのがヘタ、というイメージはできちゃったかもですね。おまけに政治家がこんなワイドショーネタを真面目に振りかざしたり、たたかれて撤回したりしているのはちょっと恥ずかしいかも。日本の政治家さん、もう少しセンス良く受け答えできないもんですかねえ?

 

 

2009/4/25

やきもきしながら
一昨日ご紹介しましたシド・フィールドの本、やっぱり読みたくなって注文してしまいました。最初は図書館に入ってたので予約を入れたんですが、なんか表示が「準備中」で、いつ貸し出しが始まるのかわからないんですね。結局待ちきれないので買うことにしました。

楽天ポイントが少しあったので楽天ブックスにしたんですが…楽天て発送までの途中経過が調べられないんですね。在庫ありなので3日以内には発送されるらしいんですが、その発送メールが届くまで、まったく経過がわからない。そのうえ発送メール自体が着くのが配達後だったりすることも。(^ ^;)ああ、はがゆい!待ち遠しい!Amazonのほうが早かったかなあ…などとやきもきしております。
この週末は、5月3日、10日と二週続くイベント、スパコミと文学フリマの準備…既刊の増刷とディスプレイの検討をしなきゃならないのですが…なんか手につきません!うあー、早く読みたいっ!(^ ^;)でも、到着したら心おきなく読めるように、イベント準備のほうを終わらせとくべき…ではあります。なんとか自分を乗せないと〜!

(イベントでの配置は『同人誌な部屋』のほうに告知しております。当日合わせの新刊はありませんが、先月のJ庭で出した『宇宙探偵ホォムズ・なぞのアイスクリーム惑星』がシティ初売りになります。文学フリマは文芸オンリーなので、文章系の既刊を持参します。どうぞよろしくお願いします!)

 

 

2009/4/23

基本に帰る、と、クリス・クーパーさま
進行中の小説、にっちもさっちもいかなくなってたのですが…思い切って構成から書き直してみたら、なんかちょっと方向性が見えてきました。ああ、助かった!(^ ^;)ホントにここ半年くらいは、ムリヤリ進めては枝葉ばかり広がって立ち往生…みたいな感じでしたから。でもなんとかなるかもしれない…と思えてきました。コレまで書いたものはほとんど没になりそうですが、自分のなかで的が絞れてきた感じです。長丁場でストーリーを作るって、きっとこーいうことの繰り返しなんですね。「今自分はなにをやっているのか」を確認・把握することが、毎日の大切なプロセスなんだな、とつくづく思いました。

さて、今回お世話になってるのが、もはや古本ですが別冊宝島の『シナリオ入門』。定評のあるシド・フィールドの初心者向けシナリオ講座を翻訳したものです。(後半に日本の脚本事情の記事もありますが、そちらは創作上の参照価値はないです。脚本家のエッセイの寄せ集めだったりするので(^ ^;))映画のシナリオ作りを前提にした本ですが、ストーリーを創作すること全般に応用できる内容です。国内では定番の新井一さんの本も、ちらちら参照してるのですが、作品自体に問題を抱えているときの処方箋としては、だんぜんシド・フィールドの本が役に立つ気がします。…「うわあ、もうダメだあ」という状態になったときの対処例も出てるので。どーも日本人はそこで「根性」だとか言い出して、無駄に自分を責めがちなのですが、この本は合理的に問題を把握して解決しよう、というアプローチなので、精神面を立て直すのにも効果があるのです。けっこう自分にはそこが大事だったりします。(…うまくいかないのには、原因が必ず作品のどこかにあるんですよね。それは「自分を」責めたって見つからないわけです)出てくる作品例も洋画なので、洋画好きとしてはわかりやすいというのもあります。

宝島の本は絶版ですが、最近書店でちゃんとした単行本でシド・フィールドのを見つけました。(『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術 』)ぺらぺらっと立読みしたところでは、例に出てくる映画が新しくなってるほかは、基本的なメソッドに変わりはなかったので買いませんでした。でも改めて目次を見たら…最後のほうに、宝島版にはない項目がありますね…読んでみようかなあ。

さて、レンタルの感想ですが、クリス・クーパーの『あぁ、結婚生活』を見ました。主演のクリス・クーパーが好きなので…という理由で借りましたが、映画としてもアタリでした。嬉しい♪お話は、なぜか若い愛人を持ってしまったクソ真面目な中年男(これがクリス・クーパー)が、離婚して愛人と結婚したい、でも今の奥さんが苦しむのにも耐えられらない…というので、苦しめないためには…とおかしな論理でとんでもないことを企てて…さて?というもの。キャラクターがありきたりでなくて、とくに奥さんのキャラが面白かったです。一人も悪人は出てきません。みんなそこそこ欠点があって、そこそこ良心がある。ブラック・コメディと言い切るのはちょっと違うかも…。サラリと奥の深さもあり、深刻でもあり、ユーモアもあるという作品でした。監督の音声解説と特典でついてる別バージョンエンディングがまた、創作修行者にはすごく得るところ多いです。でもカップルやご夫婦では一緒に見ないほうがいいかも。(笑)

ミーハー目線では、クリス・クーパーが珍しくたくさん笑顔を見せているのが嬉しいです(笑)。残念ながら(?)ラブシーンらしいラブシーンはないのですが、ちょっとだけ、愛人といちゃついてるシーンのクーパー氏が色っぽくてたまりません♪露出度はゼロなのに。おそるべし、最近のクーパー氏の色気…(笑)。それにホントに、目で語る人ですね。台詞のないシーンがすごく「濃くて」、監督の指摘にいちいち頷けました。奥さん役のパトリシア・クラークソンは、以前『幸せのレシピ』でかっこいいレストラン経営者役をやってた女優さんでした。まさにエレガント。でも今回は、髪型のせいで妙にYOU似(元フェアチャイルドの。…かえってわかりにくいですかね)でした(笑)。愛人役は『君に読む物語』にも出ていた、ちょっと童顔な美人女優レイチェル・マクアダムス。クリス・クーパーの友人で下心ありの中年男(笑)がピアース・ブロスナン。(女にモテそうな男というよりは、自分はモテると思っている男、と自分には見えてしまって困ります…(笑))オーストラリア出身のデヴィッド・ウェンハムも久しぶりで顔を見ました♪時代設定が1950年代なので、男女ともにファッションも素敵でした。アニメーションのオープニングも洒落てます♪

音声解説では、特定のジャンルに固定したくない、という、とても共感できるお話がでてきました。でも、特定のジャンルでないと売りにくい、というのも…いずこも同じなんですね。ハリウッド映画でも、アマチュア同人誌でも(笑)。別バージョンエンディングは三つあって、エンディングの違い、そして一つや二つのカットの違いで、物語全体の意味づけが変わってしまうのが良くわかりました。まるで映画の教材のよう。解説でも、それをわかってもらえれば…みたいなことをおっしゃってました。ありがたいです。それにしても、実際に採用したエンディングとくらべると、別バージョン一個目、二個目は木に竹を接いだような感じなのですが、プロの監督でさえ、スクリーニングで観客の反応を見るまで、それを判断するのが難しかったらしい…。興味深かったです。

テーマが結婚生活ですが、監督のアイラ・サックス氏はゲイなんだそうです。でも解説の通り、人間関係の物語にゲイもストレートもないですね。(ゲイの結婚を認めているところもあるのですし…)

…しかし、ダンナさんがベッドまで奥さんの朝食を運ぶのが、アメリカでは「日常的な風景」なんですか…???ホントだとしたらうらやましいですねえ…そーいうことなら日本ももっとアメリカナイズしてくれい。(笑)

 

 

2009/4/18

期間限定独身貴族
家族が一泊二日の旅行に出かけて留守番をしたため、二日間は「あれもやりたい、これもやりたい」と詰め込んでました。とは言っても、静かな部屋で落ち着いて調べ物をするとか、本を読むとか、原稿を書くとか、居間の大きいテレビでDVDを見るとか、実験料理をするとか、その程度のことなんですが…。これだけでもとても二日では足りないです。(^ ^;)

手狭ながら自分の部屋があるのに、こんなことで不満を感じるのはバチが当たりそうですが…やはり家では一人でないと、トイレに立つだけで途中で声をかけられてしまったりして、なかなか集中を維持することが難しい。喫茶店はいくら人がいようと声をかけられることがないので安心。おしゃべりのボリュームが異常に高い仲良しグループご一行とご一緒しない限りは。(笑)

…そういえば、喫茶店について、先日爆笑問題の番組に出てた益川敏英さんも、同じようなことをおっしゃっていて親近感がわきました。誰も声をかけてこないから集中できる。おまけに長居しにくい店だと余計に短時間に集中力が高まる。だから喫茶店が好きだ、と…。ノーベル賞受賞者さんでさえ、一人になれる環境を手に入れるのは難しいようです。(笑)

…ええと、見まくったDVDの感想です。

『ズール戦争』…1876年に起きた、アフリカのズール族とイギリス軍の戦いを描いたもの。マイケル・ケインが貴族の将校役でイントロデューシングになってました。制作・主演はスタンリー・ベイカー。たしか『ナバロンの要塞』に出てましたが、ほかはよく知りません。印象的な音楽はジョン・バリー。…なんか、映画というより出来事」を目撃している、という感覚。ドキュメンタリー的だという意味ではなくて。古い映画だとこういうことがときどきあります。特典のインタビューなど見ると低予算映画だということなんですが、とてもそうは思えません。おまけにアパルトヘイト最高潮のときに、実際のズール族に協力してもらって撮影したんだそうです。現地の黒人に報酬を払うことが禁止されていたそうで、牛で払ったとか。(ということは、金銭の報酬は禁止、ということだったんでしょうね)先日見たケインの『国際諜報局』で、この『ズール戦争』のケインを見てキャストを決めたという話が出てきたので、そのへんから「ついでで」借りた作品でしたが、見てよかった…。こんなきっかけがなければ、なかなか見る機会がない映画でした。イギリスでは、テレビで放映される夜はパブに人がいなくなるという人気作品だそうです。アフリカへの仕打ちの歴史を思うと複雑なものがありますが、イギリス人好みだというのはすごく納得できました。日本人も好みじゃないかな。『国際諜報局』ですごくよかったナイジェル・グリーンが、この映画でもすごくよかったです。

『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』ベン・スティラー監督・出演の一番新しい作品。戦争映画に出た俳優たちが、ホントの戦闘に巻き込まれるブラック・コメディ。随所に映画業界そのものの辛らつなパロディとか、台詞とかがあってかなり笑えました。架空作品の予告編も座布団進呈!おバカ映画としてはここまでやってくれたら、もうすごいと言うしかないっス♪唯一残念だったのは、スティラーの親友で共演の多いオーウェン・ウィルソンが出ていなかったこと。スティラー演じる元人気アクション俳優のエージェント役でマシュー・マコノヒーが出ているのですが、なんとなくタイプが似ているので、「もしこれがウィルソンだったら…」とつい考えてしまいました。ロバート・ダウニー・Jr.は、ホントに「一皮むけた」というしかないはじけっぷり。人生わからないもんです(笑)。東洋人の凶暴な子役くんもかわいかったです♪噂のトム・クルーズは一目で彼だとわかりますが、こーいう出演だとすごく好きです。『マグノリア』並みにヨカッタです。(笑)

『ライフ・アクアティック』…こちらはその不在だったオーウェン・ウィルソンの出演作。主演はビル・マーレー。ジャック・イブ・クストーを連想させる海洋学者とその家族や仲間の物語。ウィルソンはマーレーの息子かもしれないヒト、の役です。奇しくも『トロピック・サンダー』と続けて「映画作り」がモチーフの作品でした。こーいうのはなんというんでしょうねえ…コメディなのかしら。笑えるんですけど、しみじみするところもあり…笑いの質もギャグではなくて、いい意味でテンション低く笑える感じ。独特の世界ですが、嫌いじゃないです。監督のウェス・アンダーソン『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』も撮ってる人なんですね。なるほど、雰囲気似てます。ウィルソンとは昔から脚本を共同執筆したりしてたそうです。

もともとクストーは好きなので、『沈黙の世界』などのクストー映画をホーフツとさせる記録映画の撮り方・画質とか、セット(研究船ベラフォンテ号)のレトロ感ある作りとか、架空の海洋生物とか、隅々まで楽しめました。海洋生物はCGかと思ったら、ストップモーションアニメなんだそうです。手間がかかってます。画面に工芸品的な楽しさ・かわいさがあるのは、そういうこだわりの賜物かも。キャストはほかにもアンジェリカ・ヒューストンケイト・ブランシェットウィレム・デフォージェフ・ゴールドブラムマイケル・ガンボン…と豪華でした。特にデフォーの妙にかわいいところ(笑)はちょっと新たな魅力発見(?)。…ナイスキャストでした。

…最近のレンタルで思うことなんですが、本編を見る時間だけを見積もって借りて、見てみたら音声解説が入っていた…ということがあって、かなり困ります。聞きたいけど「これをもう一回見るだけの時間を費やせというのか…」(蒼白)ということに。『ズール戦争』はあきらめて返却しました。『トロピック・サンダー』なんか、ジャケットの説明を読んで音声解説はないのを確認したつもりだったのに、2種類も入ってるし…!(見落としたのかな〜…それともレンタルのシールで隠れてたとか…?)

 

 

2009/4/15

『ウォッチメン』/』スケールでっかい「悪い冗談」(←褒め言葉)
レディースデイで『ウォッチメン』を見てきました。評判の高いグラフィック・ノベルの映画化作品。じつは復刊ドットコムで原作の復刊に投票していたので(読んだこと無かったんですけど偶然存在を知って、評判が良いので読みたくなり投票)、最近再発売された原作(WATCHMEN ウォッチメン)を購入しておりました。読んでいくうちに「これはヒーローものじゃなくて謎解き要素多め…?」と気がつき、途中で読むのやめました。映画を見る前にネタバレしたくなかったので。やっと原作も読めるようになりました。(笑)読んだ部分に関しては、画像も原作に忠実に作られてました。

時代設定は冷戦時代で、かつてはアメコミヒーローたちが街を守っていたのが、条例で(笑)ヒーロー禁止になった、という世界。その世界で、かつて活躍したヒーローの一人「コメディアン」が殺されたところから、謎解きがらみでお話は進行します。ヒーローものの定石を皮肉るオトナ向けの内容でした。(ヒーローの個人的悩みとか倦怠とかのテイストは、同じくアメコミの『アストロシティ』とも似ている感じ)終わり方も皮肉でスカッとはしません。「悪い冗談だ」という台詞が何回か出てくるのですが、まさに人類そのものが「悪い冗談」な存在なんだなあ、という救いの無さ。この重々しさが原作の評価されたところなんでしょうね。

ただ、それが今の目で見るとちょっと「古く」感じられるところも。原作が出た頃にリアルタイムで読んでいたら、たしかに新しい、深い観点だと感じたはずですが。理屈っぽいところも好き嫌いが分かれそうですが、とにかく異色作であることは確か。三時間近い長さでしたが、退屈はしませんでした。暴力描写には辟易しましたが…。(レイティングがR−15ですが…これは親同伴だと15歳以下でも見ていいのかしら?…見せないであげてほしいような。レンタルが出ても、いわゆるヒーローものと間違えて小さいお子さんが目にしないように祈ります…トラウマが残りそう…)

キャラクターの中では、核実験事故(?)かなにかで不老不死の存在になってしまったDr.マンハッタンというのが魅力的でした。フルヌードにスキンヘッド、目に瞳がないキャラで、肌は青白く発光しています。昔懐かしいクリスタルボーイ(『コブラ』の)とか、シルバーサーファーとかみたいな感じ。原作で見ていたのでインパクトは減じてしまいましたが、まさかほんとにフ●●ンで出てくるとわ(笑)。このヒト、宇宙や時間の仕組みを人間とは違う次元で体感していて、未来透視や瞬間移動もできます。その視点から見たら人間はどう見えるか…「生命活動は過大評価されている」…みたいな台詞が、SFっぽい視野の広さを感じさせてくれてよかったです。静かな語り口もよかった。いえ、べつにヌードだったからじゃなくて(笑)。

…ただ、この物語は、あたりまえですが隅から隅まで「アメリカの思考回路」だな、と思いました。アメリカってのは、決して自分自身を相対化はしないんですよね。あの映画の世界で描かれる暴力や堕落はアメリカのものです。まったく価値観が違う社会が、地球の中だけでもいっぱいあるわけです。まあこれはアメコミですから、そこは突っ込んじゃいけないところですが、素直に、手加減なしに映画として見ると…そんなことも感じました。

…それを考えていて、ちょっと前にテレビの『サイエンスゼロ』で見た統計を思い出しました。殺人者の年齢統計という、ちょっと物騒なデータなんですが、各国の男性殺人者の数を年齢でグラフにすると、どの国でも二十代あたりがピークになって、同じような曲線を描くんだそうです。ところが現代の日本では、それが当てはまらないのだそうです。わりと平坦な、むしろ中年あたりにピークがある曲線でした。つまり、若い世代の殺人者は日本では減っているわけです。これを人間のオスの弱体化ととらえる文脈もあると思いますが、自分の目には進化に見えました。社会としても人間としても、進化した証拠ではないかと。暴力性を若い男性の「能力」と結びつける考え方は、もはや古いものになりかかっている…と感じました。そんなこともあって、映画の世界観がちょっぴり古く感じられたのかも。(もちろん出てくる世相は冷戦時代ですが、古さを感じたのはそこじゃなくて…世相じゃなくて世界観、です)

…サテ、俳優さんに関しては、ヒーローの一人ナイトオウル役でパトリック・ウイルソンが出ている、くらいしか知りませんでした。顔はお坊ちゃま、身体はムキムキ(笑)。エンジェルス・イン・アメリカでの悩めるゲイ弁護士(だったかしら)の役でしか見ていませんが、すごく印象的でした。ナイーブなムキムキヒーローにはぴったりだったかも。他に見覚えのある人は…あ、脇役でマット・フリューワーが出ていて、すっかりおじいさんなのに驚きました!あのマックス・ヘッドルームがねえ…(しみじみ)コメディアン役のヒトは、一瞬ハビエル・バルデムかロバート・ダウニー・Jrかと思いました(笑)。

昨日の追記
昨日書きましたテレビムービーのドクトル・ジバゴなんですが、日本でリリースされているDVDは半分くらいにカットされていることがわかりました!もともとはテレビのミニシリーズだったものを、編集して二時間の「映画」っぽくしたらしいです。ひどいなあ。(以前、パトリック・スチュワートの『モビー・ディック』も、VHSでは同じことがされていて、DVDでやっと元のバージョンが見られたことがありました。ミニシリーズって日本では馴染みがない形式だからかなあ…)場面転換がトートツだったのはそのせいだったんですわ。ちゃんとしたバージョンで見てみたいものです!

 

 

2009/4/14

おから菓子とドクトルと博物館
ここ数週間ほどおから料理に凝ってるのですが、おやつ系になると失敗が多く、「もともとぺたっとしているものを、無理にフワッととか、サクッととかしようとするのがいけないのだわ」と腹をくくり、「いっそあんこにしちまえば?」と昨日試作品を作ってみました。これはちょっと成功かもです♪

おからまんじゅう。特許申請中(ウソ(笑))

中身がほとんどおからです。お彼岸に作って余りを冷凍していたつぶあん少し(おからの三分の一くらい。ほとんど甘みがない(^ ^;))と、黒すりごま、黒糖、はちみつと水とまぜて火にかけ、適当に煮詰めました。甘みは味見しつつ調節。甘さ控えめのゴマあん風になりました。皮は重曹で膨らませる「炭酸まんじゅう」とかいう、ネットで拾ったレシピを利用。生地は白かったのですが、蒸したらこういう色になりました。重曹の作用で色が出るんだそうです。びっくり!でも温泉まんじゅうみたいな色がおいしそうに見えて家族には好評でした。…しかしおまんじゅうは成形が難しいですね。和菓子屋さんはすごいや。やりにくいのでついつい大きめになりました。10円まんじゅうみたいなかわいいのを作りたかったのですが…。おからあんは余って冷凍になったので、成形のこつを調べて近いうちに再挑戦したいです。

まとめ借りのDVD、昨日はただいまチェック中のヘビ系美男ハンス・マシソンのテレビムービー『ドクトル・ジバゴ』を鑑賞。ロシアを舞台にした、大河不倫純愛物語(?)。マシソンは映画でオマー・シャリフがやったジバゴ役をやってます。ヒロインのラーラがキーラ・ナイトレイ。映画では「ララ」という表記だった記憶が。(余談ですが、映画で使われた「ララのテーマ」という音楽をコミカルに脳内アレンジして、イメージソースに使ったことがあります。なんか映画の内容と合わない、とぼけた感じがあるいい曲でした(笑))…ジュリー・クリスティーと比べるのは酷ですが、これはいくらなんでも痩せすぎ…(笑)。妻子あるジバゴを虜にし、サム・ニール演じる淫乱オヤジ(笑)に執拗に追いかけられる、という魔性の女のはずなのですが…う、う〜む…ちょっと視覚的に説得力が…(^ ^;)。(男性の観客にはどう見えるのだろう?私にはジバゴの奥さんのほうがよっぽど美人に見えたのですが(笑))

…ちょっとストーリーもはしょりすぎかもです。ロシア近代史がベースなので、世相の変化が激しくて、うまく描写してくれないと唐突な感じ。説明台詞だけではやっぱキビしい。まあ、かつて見た映画版も自分にはあんまり入り込めなかったので(不倫で悲劇=自業自得としか映らない朴念仁(^ ^;))、ラブシーンでマシソンくん自慢のきれいな身体を拝めただけでも良しとしましょう。キーラちゃんは脱いで魅力的という人ではないので、マシソンくんのほうをメインに撮っていたのは正解ですね(笑)。つくづくお色気星人。もっと他の作品も見たいんですが、レンタル屋にあるのはこれくらい…。

プロフィールを見たら、新作のホームズ映画(ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウがホームズ&ワトスンをやるという映画)にも出るらしいです。写真で最近の姿を拝見すると、だんだんフランコ・ネロみたいな凄みも出てきたような。(黒髪にきれいな碧眼というところも似ている)いろいろと楽しみな方です♪しかしサム・ニール、年とってもハンサムですねえ。役はいつもイマイチだけど(笑)。もう少し出来のいい作品だったら、絶対サム・ニール×マシソンくんでやおい本作ってますよ。(ラーラ目当てに家に押しかけ、内縁の夫ジバゴのほうに転ぶ淫乱オヤジ。金のためにレーニンの写真の下で泣きながら身を売るドクトル。…よっぽど面白そう(笑))…それと、『デス・フロント』にも出ていたクリス・マーシャルが、けっこういい役で出てました。役はいいんだけど…まあ…テレビドラマだし…?

物足りなかったのでもう1本。こちらもチェック中の、ベン・スティラーオーウェン・ウィルソンが出ている『ナイトミュージアム』。博物館の展示物が動き出す、というのがウリになってたので、じつは借りるとき「クソつまらなそう…」と覚悟していたのですが…いや、面白かったです!ゴメンナサイ!(^ ^;)お子様向けですがすごく好みのアプローチでした!展示物が動くのがクライマックスじゃなくて、それを「前提に」すえた上で話が展開していくんですね。細部に「?」はあるものの(笑)、楽しさの仕掛け方がうまい!脚本家が気になり、調べたら『燃えよ!ピンポン』を作った人たちでした。そうだったのか〜!(大納得!)レンタル版には音声解説がないので、監督と脚本家の解説がついてる販売版がほしくなりました。しかしスティラーとウィルソンはつくづくいいですねえ。すっかりファンになりました。ちっこくて態度でかいオーウェン最高♪ロビン・ウイリアムスも、主演のときには感じるクドさが、脇役では適度に効いてよかったです。蝋人形役ってはまりすぎ(笑)。往年の有名俳優さんたちも出てるのですが、老人パワー全開な設定が嬉しかったです。気持ちのいい映画でした。

えーっと、じつはそれ以外に『オースティン・パワーズ・デラックス』の再見もしました。身体がコメディーを要求しているようです。(おかげで寝不足です)このシリーズは1本目が面白くて、続編はだんだん落ちていくのですが(^ ^;)、だんだん派手になるセス・グリーン(ドクター・イーブル)の息子役)を再見したくなり…(笑)。ウィル・フェレルも出てたんですね。(そういえば1本目も?)若い頃のナンバー・ツーを演じたロブ・ロウが、発声までロバート・ワグナーそっくりに演じてたのがすごく面白かったです。泣かされちゃうし(笑)。

 

 

2009/4/12

チャンポンめんの謎
少し前から、漫画家の坂田靖子先生のHP(→サカタBOX)が更新を再開なさっていて、楽しみに拝読しています♪新刊も出たばかり。発売日に買いました。(『海に行かないか』)人外のものが主人公のショートショート集。いや、本音を言いますと、ホントに最近読める漫画がなくなってしまって、「こういうの」に飢えてました!繰り返し読んでます♪

…で、その坂田靖子先生のHPで、ちょっと前に「イトメンのチャンポンめん」という即席麺の、おいしい食べ方が紹介されていたのです。おいしそう!しかし「チャンポンめん」…?聞いたこともない!
…調べたところ、関西や北陸ではロングセラーだそうなんですが、関東では売られていないようです。入手するにはメーカーサイト(→イトメン株式会社)のオンライン通販を利用するしかないようでした。しかしいきなり30袋単位というのは…(^ ^;)。試しに食べてみたいだけなんだけど…といいつつ、頭から離れない状態でした。

そんな昨日(笑)、近所の業務スーパーに行ったら、カップ麺ですが「チャンポンめん」という商品が!…しかし、「イトメン」ではありません。販売元の住所は兵庫。イトメン自体が兵庫なので…あれか?売れてる商品と似た名前で作る…バッタもん???? …まあそれでもいいや、と一つ購入してまいりました。

今朝も体調不良のため朝食を作るのが面倒で、玄米フレークとグレープフルーツで済ましたらどーも物足りない。そこで昨日買ったカップ麺の出番となりました。…しかし!謎はここから。開けてみたら、中に入っているスープの素の袋には「イトメン」と印刷が。・・・???私の頭の中には、イトメンの工場から即席スープ(包装済み)を大量に盗み、自社製商品に利用している悪の組織の姿が…。

…ンなわけもないので検索してみました。とりあえずイトメン本家のカップ麺のパッケージをチェック。…やっぱりデザインが違います。(奇妙なことに「悪の組織」のほうが高級感(?)のあるパッケージ…)

さらに麺をすすりながら検索すること十数分…。結果を言えば、業務スーパーブランドの即席麺を作っているのがイトメン、ということでした。なーんだ…(^ ^;)。

ということは、中身は「イトメンのチャンポンめん」と同じなのでしょうか?この味が?…まあ普通にカップ麺…という感じですが…(^ ^;)でも、カップは袋麺より劣りそうな気がするので、ぜひ袋麺を食べてみたいところです。坂田先生のおいしい食べ方も袋麺でないと試せないし。

業務スーパーの袋麺も作ってるのはイトメンらしいのですが…近所の店にはカップしか入ってません。ううむ。しばらく通ってみますかね。

ほんとは「スタースキー」
…さて、体調不良中に運よくツタヤ半額です。DVD見まくり、昨日はベン・スティラーの『スタスキー & ハッチ』。有名な刑事ドラマをコメディでリメイクしたものですが、自分はオリジナルのテレビシリーズは見た記憶がありません。だいぶ前にベン・スティラーの『ズーランダー』を見たとき、オーウェン・ウィルソンとのコンビがなかなかよかったので借りました。気楽に楽しむには絶好の作品で、かなり楽しめました♪ちらっと出てくる変態刺繍マニア役のウィル・フェレルもよかった。なにより印象的だったのが、黒人の情報屋役で出ているスヌープ・ドッグというヒト。すごくいい味出してました。ミュージシャンかな?特典で入ってる、共演者や監督をけなし合うインタビューも笑えました。ほかのスティラー関連作品でも同じことはやってますが、普通の特典映像に入ってるお世辞合戦を皮肉ってて笑えます。(笑)

…ベン・スティラー作品は、『トロピック・サンダー』を劇場で公開していた頃に、見に行けない埋め合わせで(?)立て続けに何本か見ました。(『ドッジボール』『隣のリッチマン』など)プロフィールを見たら『メリーに首ったけ』とか『ミート・ザ・ペアレンツ』とか、出演作は見ていたのですが、スティラー自身はまったく記憶に残ってなかったです。なんでかなー。制作や監督でかかわってる作品のほうが生き生きしてるのかも。なんか若返らせたトニー・シャルーブという感じもして、なかなかエキゾチックなハンサムさんです。その上才能(≒実行力)豊か。こーいうヒトには弱いです。
そのとき見た中ではズーランダーが一番面白かったですが、トロピック・サンダーはもっとすごそう。レンタル始まってますね。こちらも見たいです♪

 

 

2009/4/10

三本立ての日
昨日は体調不良のため一日家から出ず。DVD三本立てやりました。(^ ^;)

まずは国際諜報局。007と比べて「リアルな」スパイもの、ということでカルトに人気がある作品の初DVD化だそうで、プレミアム・エディションというやつです。これも「いっぺん見てみたい」だったのですが、レンタル商品がなかったのでヨドバシポイントで購入したもの。マイケル・ケインハリー・パーマーという主役を演じて、本格的に売れるきっかけになった作品だそうです。たしかに007と比べるとサラリーマンとしてのスパイ、という側面がよく出ていて新鮮。クライマックスで出てくるネタは今から見るとちょっと説得力に欠けますが、まあ60年代ということで、時代感として楽しめました(笑)。あと、音楽がめちゃくちゃいい!ジョン・バリーでした。なるほど。ちょっと実験的な映像とけだるい音楽が、「カルト」っぽいかっこよさを醸してます♪主人公が料理上手だったり、スーパーで買い物したりするのもスパイ映画としては面白い(笑)。

解説など見ていたら、このハリー・パーマーというキャラクターが人気になってシリーズ化されたそうで、知らないうちにそのうちの1本は見ていました。『10億ドルの脳』というやつです。一時マイケル・ケインブームになったときに見たのですが、よく覚えていません。(^ ^;)そういえば扮装は同じだったような。(フチの太い、いかにもあの時代っぽい眼鏡をかけてます)特典で入っていたパロディスケッチ『ハリー・パーマー・ゴーズ・ステラ』というのがすごく面白かったです。パーマー(を演じているマイケル・ケイン)のモノマネなのですが、しゃべり方がすごく似ていて…(笑)。独特のコックニー訛りがある、といわれるマイケル・ケインなのですが、私にはただの英語としか聞こえないので、これまでピンとこなかったのです。モノマネで見ると「なるほど!」と納得です。(笑)

そういえば、マイケル・ケインブームの頃見たかった『アルフィー』『探偵〈スルース〉』はいまだに見られないまま、いずれもジュード・ロウでリメイクされてしまいました。スルースのほうはマイケル・ケイン共演ということでレンタルで見てしまったのですが、なかなかJUNEな要素も濃厚で面白かったです。(もとはアンソニー・シェイファー作の舞台劇だそうで。作者は『ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン』のピーター・シェイファーと双子の兄弟です。JUNEな要素は血なのか?(笑))若い妻を持つ富豪とその妻の若い愛人、という設定の二人の男の丁々発止。ロウがやった愛人役を、かつてはケインが。そして富豪役がローレンス・オリヴィエ。ますます見てみたくなりました…というか、リメイクを見てオチを知ってしまう前に見たかった。(というか、リメイク版は早めにネタバレしてしまう部分があって。オリジナルはどうだったのか?)リメイク版と一緒にオリジナルのほうもレンタル店に揃えてほしい。…とか思ったら未DVD化じゃないですか…。(こんなのばっかり…(泣))

…さて、三本立てのあとの二本は再見で、グレートレーススティル・クレイジーの残り。『グレートレース』はVHSを持っているのでDVDは躊躇していたのですが、いったん品切れになり、1500円で再び店頭に出てきたのを発見して、なくならないうちに、と(ヨドバシポイントで)購入。メイキングの特典付です。いったん980円まで価格が下がったことを思うと悔しいですが、まあ1500円では申し訳ないほど面白いので。(笑)チキチキマシン猛レースの元ネタみたいな映画で、ブラック魔王にあたるフェイト教授をジャック・レモンが演じてます。部下のマックスがピーター・フォーク。(かわいい!かわいすぎるっ!♪♪♪)対するグレート・レスリー(元祖引田天功みたいな人)がトニー・カーティス。ウーマンリブの新聞記者がナタリー・ウッド。完璧な映画の1本。ドタバタコメディの最高峰かもしれません。昨日もやっぱり声立てて笑ってしまいました。元気が出ます!トニー・カーティスを広川太一郎さんが吹き替えた音源がついたのを出してほしい。(昨年も書いたような気がしますが…(^ ^;))

『スティル・クレイジー』も、笑って、泣けて、いい映画です。ビル・ナイ様はやっぱりイイけれど、今回は『デス・フロント』のチョイ役で再会したハンス・マシソン目当てで。…お話は、解散した人気ロックバンドが、中年になって再結成する話なのですが、マシソンは欠員を埋めるためと見た目に若返るため(笑)に雇われたギタリスト役。すごく堂に入ったギタリストぶり(ライブでのカッコの付け方とかが完璧)でびっくりしたのですが、実際音楽もやってる方みたいです。惚れ直したので他の作品も見たいのですが、これまたレンタルにほとんどない方ですねー…(泣)

余談ですが、『スティル・クレイジー』には「あの」ティモシー・スポール(『魔法にかけられて』の王子の従者とかやってる、いかにもおとぎ話の太っちょさんなヒト)が、なんとロックバンドのドラマー役で出ています。長髪で見ものですよ(笑)。

 

 

2009/4/

『ワルキューレ』見てきました〜
ブライアン・シンガー兄貴の新作『ワルキューレ』、レディースデーでやっと見てきました。実話であるヒトラー暗殺計画…という、観客にはあらかじめ失敗することがわかっているストーリーなのに、最後まで緊張感を維持してハラハラさせられるというのはすごい。なんか…「成熟」?を、感じさせました。シンガー兄貴。終わった後もなんか「どーん」…という感じが残りました。感動というのとはちょっと違う、正しいことが必ずしも報われない、冷たい現実。「どーん」という感じ。

ぢつは主演のトム・クルーズが苦手なので(^ ^;)、ちょっと入りこめるかなー…と心配だったんです。でも、大好きな英国ジジイ俳優ビル・ナイ様が、オルブリヒト将軍という、ちょっと弱いところのあるおいしい役でほぼ出ずっぱり。ミーハーの目も楽しませてくださいました。繊細な演技で素晴らしかった。偶然ですが、つい昨夜、ナイ様が中年グラムロッカーを演じた『スティル・クレイジー』をチラ見したばかりでした。名優ですね。(そういえば、ナイ様とスティーブン・マッキントッシュが出演している『アンダーワールドビギンズ』をまだ見に行ってなかったんですが…終わっちゃったみたいですねー…(泣))

題材が題材なせいか、兄貴の映画にしては萌えポイントが乏しかったですが、ほんとに最後までたるみ無しでした。萌えポイント…予備隊長が一瞬肉体美を披露してくれた水泳シーンくらいかな(笑)。このトーマス・クレッチマンという役者さん、小型リーアム・ニーソンという感じですごく魅力的でした♪なんかネットで調べたら、元水泳選手なんだそうです。でも泳いでいる必然性なんざゼロなシーンですよ。あきらかにサービス。うふふ、兄貴ったら♪(笑)

ほかにもテレンス・スタンプとか、トム・ウィルキンソンとか、ドイツ系萩原流行みたいなヒトとか、かなりいい感じの役者さんが出てました。(流行サンは日本語表記が見当たらなくて読み方わかりませんが…ウェルナー・ナントカさん?→IMdbのフォトケネス・ブラナーは久しぶりに見たので太ったのにびっくりしましたが、いい感じの貫禄出てきましたねー。総じてイギリス人俳優がいいとこ持ってってた感じです。

トム・クルーズはやはり自分の目には、ちょっと合わない気がしました。最初からヒーロー然としてるので、周りが協力してくれるのがあたりまえ、みたいに見えてしまう。葛藤が希薄で強すぎる、というか。ある意味華がありすぎるんでしょう。周りがすべてヒトラーに従っている中で、葛藤や恐怖はハンパでないはずなのですが、どうもそういう意味での必死な部分が感じられない。そのわりには、作戦行動に精通しているという設定がとってつけたように見えたり。人間というより「キャラ」っぽくみえちゃうんです。うーん…。自分の好みの問題でしょうか。(華を逆手にとった『マグノリア』のカリスマナンパ指南役は、すごくハマってたと思うのですけど…)ネットで拾った情報では、元はさきほどの元水泳選手トーマス・クレッチマン主演、という企画だったとか。…そのバージョン見てみたかった気がします。

シンガー兄貴自身のコメントとか知りたいのですが、来日もトム・クルーズだけだったし、ネットでも今のところちょっと見つかりません。うーん。良くも悪くも「トム・クルーズの映画」という扱いなんですね。脚本家さんの一人は『ユージュアル・サスペクツ』の脚本も書いた方なので、シンガー監督との再コラボ話とか、聞いてみたいですけど。DVDの音声解説を待つしかないかな…。(ひょっとするとこれもトム・クルーズの解説だけになっちゃう恐れがありますが(^ ^;))兄貴のファンとしては、あまりシンガー節(?)を感じられなかったのが残念です。早く次の映画撮ってほしいです!(笑)
鋼鉄男は流れちゃったのかしら。気になります…。

 

 

2009/4/

桜ハント
朝、急に思いついて、午前中に地元相鉄沿線の桜ポイントの一つ、横浜水道記念館というところに行ってきました。

これは相鉄の上星川駅近くで見た桜並木。
写り込んでるのは測量をやってたお兄さんです。作業衣男子と桜の組み合わせも乙なモノ。(笑)

途中にあった小さい神社。目の前の交差点が「蔵王神社前」というので、
これが蔵王神社なのでしょう。境内の桜が適度に桜吹雪状態で素敵でした。

これも途中にあった、洋館風の建物。民家じゃあるまいな…?と思ったら、
旧浄水場計量室で、文化財として保存・公開しているんだそうです。
中は入れませんが、窓から覗いたらメーターのついたレトロな機械が見えました。
いい感じ♪

長い上り坂を上って、やっと横浜水道記念館へ。記念館自体は休館日でしまってましたが、
敷地内はお花見・散歩用に解放されてました。お弁当食べてるヒトたちも結構いましたが、
混むというほどでなくてよかったです。

UFOみたいな巨大物体。水槽だそうです。

下に入るとほんとにUFOの下にいるような♪

水道管とか、妙にレトロチックなメカ(?)っぽいものがいろいろ。

スチームパンクなイラストとか描くときに使えそう、と
ほかにもいっぱい撮ってきました。(そんなものいつ描くの?(笑))

水道管で作ったベンチ。こういうセンス好きだ…。

高台なので素晴らしい眺望ぐるり。真ん中遠くにボンヤリ見えるのがランドマークタワーです。

いちおう桜も撮っときましょう。

幹から直接咲いてるのを見ると生命力を感じます。

 

門のデザインもレトロ。注意書きもなんかレトロ。

さっき見たランドマークタワー(真ん中あたりのボンヤリがそうです)を眺めながら
降りていく帰りの坂道がいい感じでした。

途中咲いていた、見事な源平咲きの桃。

猫ハント。

猫の背中ハント。上の猫とは別です。あったかそうな色でした♪
(もしや●●●中?(笑))

駅前に戻り、 行きにチェックした三吉野という和菓子屋さんで、お土産用の草餅とお赤飯を購入。
線路を渡って、以前から電車から見えて気になっていたルアーブルーという
「自家製」洋菓子店をチェック。今どき珍しいサバランが!…で、一つ試しに購入。
製造もやっているらしい、かなり年配のおじさまが 会計してくれました。
↓上に 乗っているのはシロップ浸けみかん。お酒は入ってない感じです。なんか懐かしい味♪

帰ってから、寄ったお店を検索してみたのですが、ルアーブルーのことを書いてた方は揃ってサバランを買っていました(笑)。やっぱり目をひきますよねえ…サバラン…。

 

 

2009/4/

銃とコドモと秘密基地
まとめ借りしたなかのジェイミー・ベル出演作の最後の1本、『DEAR WENDY ディア・ウエンディ 』を鑑賞。今回借りたジェイミーくんつながりでは一番見られました。(へんな言い方ですいません。けっこうアレなのが続いちゃったもので…(^ ^;))炭鉱町の若者がオモチャの銃を偶然手にいれ、じつはその銃がホンモノだったことから展開していく物語。あらすじ紹介を読んでもっとちょろい話かと思っていたので(スミマセン)、思ったより見ごたえがあって嬉しい。

舞台はアメリカの炭鉱町。炭鉱で働かない男は「負け犬」と見なされる町で、主人公もその一人です。しかし拳銃を密かに持つことで、人前でも堂々としていられるようになります。その効用が彼のなかで銃の平和的利用という哲学になっていき、それが他の「負け犬」にも薦められるものだと思い始めて、話が大きく動き出します。

誰でも一度は持った若者(コドモ)の論理。そしてあまりに大きな、「現実的な」破壊力をもつ拳銃。武器を持っていることで自信が持てる、という感覚は誰でも持ちます。護身用という以上に。たとえ他人に見せなくとも、自分が強くなったような気分になれるでしょう。中学生がナイフを持ちたがるのも同じ。国が核兵器を持ちたがることにもその側面はあるかも。対外的に威嚇するだけなら、ハリボテでもいいのだから。

でも「現実的な」破壊力を他者(オトナ)から見れば、解釈は一つしかありません。コドモの論理はいかれた論理で、彼らにとっては筋が通ってる。でも現実には通じません。なかなかよくできたお話。秘密基地や暗号の楽しさとか、「コドモ」心を刺激するモチーフがてんこもり。そして銃がロマンティックな妄想の対象になることと、無粋なほどに「現実的な」破壊力を持っていることを並置させています。ジャッジしているというより、ただ並置させている感じ。
惜しいのは、要所要所でのキャラクターの決断がとってつけたようで、いかにもストーリーを前に進めるため、と見えてしまうところ。(それともカットしすぎたのか)そこで現実に戻ってしまうのは自分が年とったせいでしょうか。でもウルッときたところもあったので他愛無い自分です(^ ^;)。主人公たちと近い年齢で見たらまったく違う感想を持ちそう。観客にいろんな解釈を促すところがあります。青春(コドモ)映画の風変わりな小品として、傑作とは言えないけど敢闘賞献上します。

(ちょっと余談ですが、銃に名前をつけてるのを見て、『俺がハマーだ !』を思い出しました。刑事もののコメディドラマで、たしか自分の銃にマギーって名前をつけて一緒に寝てました(笑)。主演のデビッド・ラッシュがちょっぴりバート・ランカスター似のハンサムで、しかも面白くて、家族で毎週楽しみに見てました♪吹き替えの羽佐間道夫さんもよかった…レンタル店にこーいうのが入ってくれたらなあ!)

…さて、昨日書きましたジェフリー・サックスの『貧困の終焉―2025年までに世界を変える』ですが、先ほどダッシュで買ってきました。なんか今日中に読み出さないと、熱が冷めて手をつける機会を失いそうな気がしたので。(ナサケナイ)まだ一章までですが、かなり引き込まれました。ぺラッとめくったときは、グラフや統計地図(?)が載っていて読みにくいかな?と警戒しましたが、思ったより読みやすい本です。

 

 

2009/4/2 追加

ジェフリー・サックスという人
『未来への提言/経済学者ジェフリー・サックス 〜貧困のない世界を目指して〜』という番組を見ました。テレビが新しくなってからNHKハイビジョンが見られるようになり、数日前に予告を見て、恥ずかしながら「お、いい男♪」という興味とテーマそのものに対する興味が半々くらいでチェックしたものです。退屈だったらすぐチャンネル変えよう、と思ってましたが、引き込まれて最後まで見てしまいました。

この経済学者さんは、2025年までに地球上から貧困問題をなくせる、と提言し、それを実行する国連ミレニアムプロジェクトというのをやっているリーダーなのだそうです。初めて知りました。U2のボノ「パンクロッカーのような反骨精神にしびれる」とか評した方だそうです。(もちろんパンクな格好をしているわけでは…(^ ^;))番組の内容は、元国連事務次長の明石康さんがサックス氏にインタビューするのを軸に、現在の活動、これまでの活動、番組名になってる「未来への提言」などをまとめたものでした。

惹かれたのは、貧困の撲滅が人道的な活動であると同時に、大げさに自分の言葉で言うと「人類全体の進化」にかかわる視点で語られていたところです。番組中で紹介された、過去のニュース出演時のビデオで、「ドイツのハイパーインフレがヒトラー政権を生んだことを肝に銘じるべきだ」というふうなことを言っていたのが印象的でした。(東欧などに経済顧問として招かれ、経済を立て直した実績があるそうなのですが、ロシアに招かれたときには米国の経済支援を取り付けることができず、失敗したそうです。ビデオはその頃のもので、アメリカ人議員の「軍事費を削ってロシアを支援するなんて(馬鹿げてる)」という批判に対しての答えでした)

経済がご専門ではありますが、話には政治、軍事、環境問題、科学の進歩などが出てきて、人間の活動はすべてがつながっている…という大きな視野にワクワクしました。語弊がありますが、一種のSF(未来小説と言う意味の)に対するようなときめきがあります。しかも絵空事じゃない。国際宇宙ステーションや月探査の話題に対するのと似た感じです。

どんなに「科学的・技術的に可能」なことも、実現するかどうかは経済次第です。前にテッド・チャンのエッセイ『科学と魔法はどう違うか」の感想で、なぜSFには経済と言うファクターがあまり出てこないのだろう…というあたりを書きましたが、サックス氏はそのへんの、資本主義…というか、極端な形の「市場原理主義」の限界も指摘しておられて、自分のSF的な欲求のツボにはまりました。

深く知りたいと思って著書(貧困の終焉―2025年までに世界を変える )を調べたら、邦訳を発行してるのが早川書房でした。(やっぱSFつながり…とかくだらないこと言ってすみません(^ ^;))ちょっと、こんなふうな切り口で扱ってしまうのは間違ってる感じもしますが、今知ったばかりなので、自分の狭い了見での一時的感想しか書けません。もっと知りたいです。ほんとにまったく知らなかった分野です。

番組はあと4回ほど再放送があるようです。(番組サイトはこちら

 

余談
朝日新聞の夕刊を読んでいて、「あれっ、瀬名秀明さんがウサギに埋もれている…」と思ったら髭男爵の樋口くんでした…。きなこ、おはぎ、小豆って名前がかわいい(笑)。

 

 

2009/4/2

ジェイミーくんとか反省(?)とか
週末がツタヤ半額だったのでまとめ借りしました。『ニコラス・ニクルビー』からのいもづるでジェイミー・ベルくん出演作などいろいろ。

まずはニコラス・ロウが出ていた『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』。少年時代のホームズとワトスンが出会っていたら…という映画。二人は寄宿学校の生徒として出会います。どう見てもホームズのほうがかなり年上だったりするのはご愛嬌。(笑)懐かしいです!劇場で見てパンフも買った覚えがありますが、あの頃はまだホームズそのものにはまっていませんでしたので、細かいところの「くすぐり」はわからなかったはず。ですが、まだCGが珍しかった頃で、予告編でさんざん流れていたステンドグラスの騎士が動き出すところなど、素直に映像を楽しんだ覚えがあります。

ホームズ役がニコラス・ロウ、ワトスンはアラン・コックスと書いてありますが、コックスと聞いて唯一連想するのがブライアン・コックス。そーいや目の辺りが似てる…と調べたら、息子さんでした。現在の写真より、むしろ『ヤング・シャーロック』の頃のほうが似ています。伝統的(?)食いしん坊ワトスンくん♪幻覚でお菓子にいじめられる(笑)ところなどいかにもでかわいいです。…そしてヒロインであるホームズの恋人役がソフィー・ウォード。こちらは、公開時にも二世女優さんだと意識した覚えが。というか、顔を見るとお父さんが女装をしてるんじゃないかと思うくらいにそっくり。(笑)お父さんのサイモン・ウォード目つきの悪い美青年(?)で一時的にマイブームになったことがありました。たぶんテレビで『戦争と冒険』を見たんだったと思います。内容はほとんど覚えていないのですが、調べたところチャーチルの若い頃を描いたものだったようです。じつはチャーチルの父役でロバート・ショウが出ているのを最近知りまして、別の意味で再見したくなってます。DVDにはなってません…(泣)

もう1本も再見もので、昨年見たばかりの『ジャンパー』。ジェイミー・ベルくん見たさ。(笑)テレポート能力のある「ジャンパー」の一人、グリフィン役です。やはりこの映画のジェイミーくんはすごくいい♪映画そのものの感想は昨年も書きましたので省略します。いかにもシリーズ物のプロローグ。続編はどうなってるのかしら。

そして昨夜見たのがジェイミーくんもので『デス・フロント』。公開時に来日したジェイミーくんに、その頃『英語でしゃべらナイト』に出ていた松本アナウンサーが英語インタビューしてたことをなぜか覚えてます。たしか「すごく怖かった」と言おうとして、terrifiedをterrible(ひどい)と言い間違え(自分も絶対やりそうな間違い)「ひどい…???」と戸惑われてました。(笑)

…でも実際、映画の出来自体は「ひどい」かも…(^ ^;)。いや、キャストがわりといいお芝居をしているので余計にそう感じるのかもしれないですけど。お話は、第一次世界大戦時のイギリス兵が、占拠したドイツ軍の塹壕で恐怖の体験をする…というもの。戦争の恐怖でなくてホラーものなんです。うまくいけば「新鮮なとり合わせ!」とか思いそうなのですが…要素がうまくかみ合ってませんでした。

でも、今朝起きがけにうつらうつらしながら「どこがいけなかったのか」を頭のなかで整理していたら、自分が以前書いたもの(ホラーではないのですが)で違和感のあった部分が、その要素の一つを共有していることを発見しました。一つの作品に複数の要素が、まずい形で混在している、というやつです。『デス・フロント』の場合は、トーンはむしろ1本調子なのです。(極限状態で始まって、ずっとそのまんま、みたいな)しかし、「怖さ」の質とリアリティにおいて、種類やスケールが違うもの…人間の狂気の怖さ、単純な暴力の怖さ、とがった物の怖さ、戦場自体の怖さ、人体損壊の視覚的怖さ、超常現象の怖さ…などがバラバラな方向で作用して散漫になってしまう感じ。それぞれのパーツはちゃんと怖いんですけど、まとまったときになにも見えてこないというか。(もともとホラー好きではないので、怖いパーツが上出来、というだけではまったく満足できない、というのもありますが…(^ ^;))なにより、普通に戦争映画かと誤解させてしまうパッケージとオープニング、そして音楽が齟齬をきたしてます。どっちがやりたいんだろう、みたいな感じで。うまくいってれば「両方」というのもありだと思いますが…。個人的には、「戦争」の重さの前に、ホラー的な「怖さ」がスケールで負けるのが、どーも座りが悪い感じです。

自分の場合は、トーン自体が違う複数のストーリーを、(自分としては)意識して絡めたつもりだったのですが、うまく扱えておらず、木に竹を接いだ感じが否めなかったもの。『デス・フロント』と同様に、オープニングで違う種類のストーリーかと思わせるところがあります。期待が気持ちよく裏切られるならいいのですが、ちょっと「アレ?」みたいな感じに…。
今回「反面教師」(ごめんなさい(^ ^;))を得たことで、自分のほうの問題を把握しやすくなりました。今後の改善の糸口がつかめた気が。ゆえに感謝です。
『デス・フロント』の監督・脚本の方は、これが長編映画第一作だそうなので、ようするに「初心者がやりがちな」失敗のひとつかも。詰め込みすぎ、ともいえます。特典映像で、監督自身がどういうねらいで作ったかを話しているので、その「うまくいかなかった部分」を理解しやすかったです(笑)。でも、それを自分の場合に置き換えて腑に落ちることができた、というのは貴重なことでした。こーいうことは、下手な形で他人に指摘されると防御反応が出てしまって、かえって受け入れにくかったりしますから…(人間のエゴってのは不便なものです(^ ^;))

…さて、ジェイミーくん以外のキャストで顔のわかるヒト…というと、『ラブ・アクチュアリー』などに出ていたクリス・マーシャルがいました。あと、とてもハンサムで見覚えがあったけど名前がわからない…と思ったのが、『スティル・クレイジー』に出ていた美青年さんでした。ずいぶんオトナっぽくなったなー♪…総じて演技陣はほんとにいいお芝居してると思います。

ジェイミーくん、たぶん『リトル・ダンサー』のイメージからかけ離れてるという理由で出たんだろうなあ…と思って見ていたら、特典映像でそう言ってました。バレエ少年のイメージを払拭したかったのはよくわかります。うん、いろいろあるよね。できるだけのことをして、あとは前に進むのよね。

…そういえば、ジェイミーくんの次回作、実写版のタンタンだとか!すごく似合いそう!ていうか似てるかも!(笑)レッド・ラッカムがダニエル・クレイグだとか、そそる情報を目にしてるのですが…。IMdbを見たらアニメで声の出演てなってるんですよね…ええ!?そうなの?でもアニメならもう過去に作品化されてるんだけど…どうなんでしょう。ジェイミーくんのタンタン、見てみたいんですけど!(映画ニュースによるとこちらの通り…「撮影」って書いてあるのでやっぱ実写ですよね、これは…3Dモーションキャプチャー映画ってどんな…?人物以外CG、みたいな?それとも人物自体CG加工とか…?気になります!)

 

 

2009/3/28

『ゴッド・アーミー』/「アイスも食べ放題」!(笑)
堪能しました!ゴッド・アーミー/悪の天使』!日本公開版と全米公開版のセット。もったいないので1本ずつ別の日に見るつもりだったんですが、我慢できずにゆうべ二本立てしてしまいました(^ ^;)。記憶がほとんど薄れていたものですからすごく新鮮。改めて、こんなに色気あふれる映画だったとは…。激JUNE。しかも非ホモ。(やたら舐めたりキスしたりする両性具有の天使たち。「神の寵愛」や「嫉妬」。深読みはし放題ですが…もはや深読みの必要すらないくらいサービス満点(笑))腐女子のモダン・クラシックですね、これは。しかしあまりメジャーな作品ではないので、未見の方へのご紹介として書きます。キリスト教ベースの物語で、「信仰を捨てる」とか、日本人にはピンときませんが、映画自体のトーンはあくまで「アクションホラーにくくっとくのは惜しい、めちゃくちゃJUNE度の高い掘り出し物」。「B級ホラーだと思って見たらすごくおいしかった」という意味で大絶賛なので、メインストリームの「傑作」とはちょっと違います。そのへんはご了承くださいませ。

お話は…神父から転身して刑事になった男、トーマスの部屋に、不思議な侵入者が現れます。彼はトーマスがかつて書いた天使に関する論文に興味を示し、今でも天使の存在を信じているか?と謎めいた問いかけをして去ります。その後トーマスは事件の捜査で眼球のない死体と出くわし、その所持品の聖書に、本来は存在しない「黙示録第23章」が記載されているのを発見します。その23章を読み解くうち、神に一番愛されている人間、それに嫉妬して人間を滅ぼそうとする天使たちと、それを防ごうとする天使たちの戦い…という構図が見えてきます…。

とはいえ、壮大な天使たちの戦闘シーンなどは出てきません。(予算があったらやりたかったのかも。いかにも低予算な画面ですから)バックグラウンドにそういう設定があるのですが、ストーリーはえらく個人レベルです(笑)。ストーリーより、個性派俳優が色気たっぷりに演じる天使たちが魅力です。(地上での姿は翼はなく、ロングコートでキメてます。かっこいい♪)天使の肉体的設定も具体的で面白いです。

キャストに参りますと、まず人間の主役トーマス役がイライアス・コティーズ。日本ではあんまり名の通った俳優さんではない…かも。プロフィールを見るといろいろ出てらっしゃいますが、ちょっと地味。自分も別の映画で見かけて、名前を覚えているのに自分で驚き、「なにで覚えたんだろう…?」といぶかっていたくらい(笑)。ゴッド・アーミーだったとは…。ちょっと若いころのロバート・デ・ニーロを面長にした感じもするお顔。鼻とかガシッとしてますが、表情が繊細で黒目がち。殺人課の刑事と悩める神父を兼ねるにはうってつけのハンサムさんです。

そしてこの映画の魅力の屋台骨、アナーキーな大天使ガブリエル役がクリストファー・ウォーケン!エキセントリック一直線!(笑)仕草がいちいち妙にかっこよく、ファンの間で語り草の「天使座り」も似合ってます。(ほかの天使たちもですが、鳥が枝にとまるようなしゃがみ方をします。もともと翼つきの人たちだから?(笑))エキセントリックでかっこよくてコミカル。今日のタイトルの「アイスも食べ放題」は彼の台詞です。どういうシチュエーションで出てくるかは見てのお楽しみ(笑)。

…さて、おそらく日本でのDVD発売実現の強力な要因だと思われるヴィゴ・モーテンセンは、かつてもっとも神の寵愛を受け、その後堕天使=悪魔となったルシファー役。DVDのケースには「妖艶」とまで書かれてます。露出度は顔と手以外ゼロに等しく、しかもヒゲもじゃですが、たしかに妖艶。エキセントリックで色気あふれる濃厚な芝居を披露してます。出番は少ないですが、強烈な印象です。(そのわりには忘れてましたが…(^ ^;))
余談ですが、ルシファーが消えるときの表現、たしか『ドラキュリア3』でも使っていたと思います。ドラキュリアシリーズの監督パトリック・ルシエは、『ゴッド・アーミーV』の監督・脚本をした方です。(自分はゴッド・アーミーは一作目しか見たこと無いんですけど・・・評判はイマイチですが、続編も一度は見てみたい…)最近では3D映画の『ブラッディ・バレンタイン』を監督しています。ドラキュリアは一作目にクリストファー・プラマー、2、3作目にジェイソン・スコット・リーがバンパイアハンター役で出ていて、大変かっこ良いです♪

…ウォーケン、モーテンセンのインパクトの陰に隠れがちですが…ものすごく大事な、ガブリエルを阻止しようとする天使シモン役が、エリック・ストルツ。自分は最初に見たときは彼目当てでした。今見直しても美しいし色っぽいです。静かで雰囲気たっぷり。ダ・ヴィンチが描く天使に似ている気がする…。

女優さんでは、ヒロイン的役割の田舎教師役が、痩せてる頃の(笑)バージニア・マドセン。そして天使ガブリエルがパシリとして使うゾンビ(?)の一人で、なんとアマンダ・プラマーが出ていました!クリストファー・プラマーの娘さんです。『フィッシャーキング』や『パルプフィクション』でのエキセントリックな演技が印象的で、父プラマー様とは無関係に、昔チェックいれてました。親子だと知ったときは驚きました。

ところで、西洋人の名前はだいたい聖書からきていますよね。人間の主役トーマスの名前は、聖トマスからですね。たしか復活したキリストをホンモノかどうか疑って、磔になったときにできた手のひらの穴に指を入れてみたとかいう…。信仰を捨てて刑事になった、という揺れ動くキャラにはぴったり。ほかのキャサリンとかレイチェルとかにも意味があるのかも知れませんが、自分にはわかりません。調べてみようかな…。そのへんがわかるともっと楽しめると思います。
ちょっと気になったのはシモンです。シモンてたしかトマスと同じく十二使徒の一人ですよね?天使ではないのでは?それとも聖人て天使になるのか、同名の天使が別にいるのか…うーむ、このへんも調べてみよう…。こういうキャラ設定があたりまえのように基盤になるあたり、やはり洋画は「聖書の二次創作」という面がありますね(笑)。

…で、今回のDVDですが…。冒頭書きましたとおり、日本公開版と全米公開版のセットなのです。 自分が昔レンタルで見たのは、もちろん日本公開版です。その後全米公開版も『プロフェシー/ゴッド・アーミー全米公開版』のタイトルでビデオ化されたそうですが、自分は見ていません。ですので、全米公開版を見るのは今回初めて。テッド・チャン『地獄とは神の不在なり』のインスピレーションを得たのは全米公開版のはずなので、今回はそちらから見てみました。

どこが違うかというと…大きく違ったのはオープニング。あと、全米公開版は終盤に特撮シーンが追加されてました。ほかにもいくつか細かい違いがあったような。
個人的な印象だと、映画としてのまとまりは日本公開版のほうがいいです。オープニングに挿入されてる短いシーンが、あとになって大事な伏線になり、トーマスのキャラをきちんと主役にしています。

↓この部分ちょっぴりネタバレというか、見た方でないと通じないお話でスミマセン。
(終盤でルシファーがトーマスにべったり抱きついて(笑)ささやきかけるシーン…あのときトーマスはルシファーと顔を合わせようとしませんよね。受け答えも独り言のよう。全米公開版だとあまりピンとこなかったのですが、日本版のオープニングがあると、あのシーンではトーマスにはルシファーの声しか聞こえておらず、触れられているとは感じていないお芝居をしていたんだなー、とストレートに腑に落ちました。すごい色っぽいシーンですよね(笑))

逆に、全米公開版で挿入された特撮…95年の作品ですから、その頃の技術ということもあるのですが…どうもチャチくて、B級感を増す役にしか立ってないような気がします。直接的表現でパワフルで、わかりやすいのは確かですが…そのへんがアメリカ人向けなのかな。でも、なくてもちゃんと意味はわかるんだけど。とにかく、画面で説明する匙加減と技術のバランスは大切だなー、と思いました。

反対に、日本公開版にはない、全米公開版のオープニング。こちらは天使のほうの設定をよりわかりやすくしています。エリック・ストルツもすごく雰囲気のあるいい表情をしているので、これはこれで好き。「天使の戦争」というテーマはこちらのほうが前面に出てくる気が。でも、最終的にトーマスの独白になるラストとは呼応しないんですよね…。うーん。

この二つのバージョンの差、ちょうど昨日、テレビの『サイエンスゼロ』に出てきた「アメリカ人の新奇探求性」というトピックとリンクして、妙に納得できました。この新奇探求性というのは、より強い、より新しい刺激を求める性質のことだそうで、それは遺伝子に原因があるというお話。それによると、脳が快感を感じるのに必要な、ドーパミンを受け取る器官を決める遺伝子の地図は、複数回同じ配列を繰り返しているんだそうです。で、その繰り返し数が多いほど、一度の刺激では充分に満足できず、「もっともっと」になるんだそうです。

日本人の「繰り返し」の平均は4回、アメリカ人は7回(だったかな?とにかくそのくらい)なんだそうです。それで、一般的にアメリカ人のほうが日本人よりも「新奇探求性が高い」んだそうです。

この説明を聞くと…「新奇探求性」なんて耳慣れない表現してますが、ひっくり返すと「感受性の鈍さ」、なんじゃないでしょうか。直接的に表現されないと読み取れないとか、逆に日本人ならストレスとして耐え難く感じるものにも耐えられるとか。そう考えると「アメリカ人」というイメージとぴったり合います。

で、ゴッド・アーミーに戻りますと、全米公開版での特撮の直接的表現、天使の設定を説明するオープニング…と、よりアメリカ人向けになっている、と解釈できます。そういえば、エンディングクレジットの音楽も日本公開版は神聖な感じがするオーケストラ曲、全米公開版はロックです。なるほどアメリカ向け?(笑)
どう見ても平均的アメリカ人より感受性が強そうなテッド・チャン先生には、日本公開版も見てほしいです。(笑)

…このDVD、二つのバージョンをセットにしていながら、二つのバージョンが生まれたいきさつとかはまったく説明ないんです。なんでも日本先行公開だったそうなんですが、なんでそうなったのか…。タイトルも日本公開版には『GOD'S ARMY』と映像で出てくるのですが、全米公開版のタイトルは『PROPHECY』だし。ネットで調べればわかるかもしれませんが、両方をセットにしたくらいファンの心理を汲んでくれているのだから、解説リーフレットか特典映像で情報を入れてほしかった…二枚組みなのに、本編と予告編だけですもん。監督・脚本のグレゴリー・ワイデンの音声解説はぜひともほしかったなあ…。

これからちょいと、そのへんを調べにネットめぐりしてきます…。

 

 

2009/3/26

『ニコラス・ニクルビー』とディケンズの妖しさ…(笑)
連チャンで映画の感想を。こちらも先日ヨドバシポイントでゲットした、『ディケンズのニコラス・ニクルビー』(2002年)。チャールズ・ディケンズの小説の映画化です。クリストファー・プラマー様出演作で、前にレンタルで探して無かったものです。ディケンズとかいうので、BBCのテレビドラマかなんかかと思っていたら、劇場公開作品でした。見てみたら…なんかすごい豪華キャストで、映像も綺麗。見ごたえもあり。メイキングに音声解説、キャストのインタビューなど特典もたっぷり。これが890円とは!(ヨドバシ価格。元値は1000円。それにしても安い!)前回書きました『地球爆破作戦』が本編のみで3000円以上の定価がついていたことを思うと、DVDの値段てつくづく…(^ ^;)

さて、お話は…
田舎で幸せな幼少期を送ったニコラス青年が、19歳で父を亡くします。 彼は母・妹とともにロンドンに出て、高利貸し・投機ブローカーの伯父を頼りますが、仕事を紹介されて送り込まれた「ドゥーザボーイズ学院」(Do the boys。へんな名前?)は、児童虐待を極める、学院とは名ばかりのひどいところ。彼はそこで奴隷のようにこき使われていた、足の不自由な少年スマイクと出会い、見るに見かねて彼を救い、一緒に学院を出ます。二人は終生の友情を誓います。
一方妹も伯父の下で自尊心を傷つけられる出来事が続き、ロンドンへ戻った兄と伯父は敵対することに…。それを軸に、いろんなキャラクターがからみます。

キャストのほうですが…前述のプラマー様高利貸しの伯父・ラルフ役です(笑)。金の亡者的キャラですが、じつは屈折した過去があることが明らかになったりして、一筋縄ではいかない、おいしい役です。扮装もかっこいいです♪そのほかも豪華で、私にわかる範囲でも、エドワード・フォックス(ラルフの客の一人である好色貴族役。(^ ^;)『ジャッカルの日』のかっちょいいスナイパーもおじいさんになりました。プラマー様とのツーショットは、若き日の『空軍大戦略』を思い出させてくれて感慨が…)、アン・ハサウェイアラン・カミングネイサン・レイン(大好き♪)、ティモシー・スポール(『魔法にかけられて』に出てましたね。「昔話」には必須の方(笑))、昔『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』でホームズ青年を演じていたニコラス・ロウも顔を出してます。

そして特筆ものが、スマイク役のジェイミー・ベルやっぱすごいですこの人。リトル・ダンサー』で天才バレエ少年を演じた彼なので、あの身体能力を買われ、足の不自由な演技をこなせると期待されての出演だそうです。期待にたがわぬ名演技。曲がった足で自然に歩き、演技も素晴らしい。虐待され、おびえる姿が本当に哀れで、上半身を剥かれて両手を縛られ、鞭で打たれるなんていうサービスシーン(ゴメンナサイ(^ ^;))もこなしてて、ニコラスでなくとも助けたくなります。たま〜に見せる笑顔がこれまた価千金。
そしてニコラスとの友情には、ついつい腐女子脳が頭をもたげます…(^ ^;)だってニコラス役のチャーリー・ハナムという俳優さんが、これまた美青年なんですもの。(この方は初めて見ました。角度によってはちょっとヒース・レジャー似)二人が学院を抜け出したあと、廃屋で友情を誓うシーンがすごく良くて、がーんとやられてしまいました。

ニコラスは、これから港に行って仕事を見つけるつもりなのですが、その前にスマイクを家に送っていくと申し出ます。しかしスマイクには、すでに頼れる肉親がいない(学院への送金がなく、手紙も来ない)のです。そこでこんなやり取りが。

(ニコラス)「君の家はどこ?」

(スマイク)「…(長い沈黙)…あなただ。(You are my home.
一緒に連れてって。あなたの僕(しもべ)として精一杯働く。約束するよ。そばにいたいんだ」

「You are my home.」…なんてすごい台詞。やられました。
星空が見える大きな窓をはさんだ二人のツーショットで、このやりとりがされます。そしてニコラスは、ずっと一緒だと誓います。すごく美しい、いいシーンです。ジェイミー・ベルのつぶやくような自然な話し方が、すごくイイ。

…腐女子脳というのは、男性同士の絆に色気を読み取ってしまうわけですが、それは単純に恋愛に読み替えるというものではなく、恋愛以上の絆であるときに、もっとも魅力的に映るんだよなあ…と、改めて思いました。

…そんなわけで、予期せぬ大当たりでございました。

ディケンズといえば、偶然ですが最近ディケンズの『エドウィン・ドルードの謎』を読みました。ミステリー仕立ての遺作で、途中で作者が亡くなってしまったため、結末をめぐって愛好家にいろいろ推理されているんだそうです。年が近い甥(エドウィン・ドルード)を溺愛する叔父・ジャスパーというのが出てきまして、甥の婚約者に横恋慕するのですが、そのへんが逆に深読みされて、甥への同性愛説も出ていたり。読んでみるとほんとにあやしくて、心理が屈折しています。

同じくディケンズ原作のドラマ『われらが友』(原作は『我らが共通の友』)にも、貧しい美少女に異常に執着する、ヘッドストーンという教師が出て来ます。ちょっとジャスパーと似たような「怖さ」があります。(演じていたデビッド・モリッシーと言うヒトが、鬼気迫る気持ち悪さを好演(笑)してました)ヘッドストーンも、恋敵やその他との関係になんだか妙な色気があったりするんですよね。(笑)

ディケンズというとクリスマス・キャロル、みたいな、わりと文部省推薦ぽいイメージがあったのですが、じつはすごく屈折した「おいしい」キャラを書いてた人なんだなー、と、自分内で徐々に評価が高まってます(笑)。長いらしいのが難ですが、ニコラス・ニクルビーの原作も読んでみたくなりました。

…ところで!いよいよ明日発売の『ゴッド・アーミー/悪の天使』!Amazonに予約していたのですが、先ほど発送を知らせるメールがきました。長いことDVD化が待たれていたこの作品、美しいクリストファー・ウォーケンとの再会も嬉しいですが、細部が違うという全米公開版とのカップリング商品なので、見比べるのも楽しみです!!!

 

 

2009/3/25

念願の『地球爆破作戦』♪
感想を書いてない映画の覚書です。…とりあえず直近で昨日見た『地球爆破作戦』。(ぜんぜん未記録分消化できないじゃないか…(^ ^;))
すごい邦題です!(笑)1971年公開のSF作品…いかにもそんな時代のタイトル。内容からはちょっとズレてるんですけど(笑)、そのへんも含めて時代感を感じます♪(原題は『COLOSSUS: THE FORBIN PROJECT』)

未見作品だったのですが、初DVD化へのカスタマー様たちのコメントが絶賛の嵐で、気になっていたのでした。レンタルで済ませたいところなんですが、なぜか自分が「いっぺん見てみたい」と思う作品はレンタル商品がなかったり、あっても近所の店には入らなかったりします。(泣)いきおいそういう作品を購入することが多くなります…図書館には入らないトンデモ本に限って自腹切らなきゃならないのと似てますかね。(^ ^;)

とにかく、これもそういう「いっぺん見てみたかった」作品の一つでした。廉価版とはいえないので長いこと手が出なかったのですが、先日のテレビ購入時のヨドバシポイントがたまっていたので(買ったのは親なんですが、カード持ってるのが自分だけなのでちゃっかりポイントだけイタダキました(^ ^;))やっとゲットました。いや、買った甲斐ありました!

舞台は冷戦時のアメリカ。防衛システムを一括管理するコロッサスというコンピューターが、想定されていた以上の能力を示し、人類そのものを管理し始める…というもの。主人公はそのコンピューターを生み出した科学者です。今となると手垢のついた設定ですが、後続作品より丁寧に作られている感じがします。というのは、決して「賢いコンピューターの反乱」や「狂ったコンピューターの恐怖」というテーマではないんです。「悪役コンピューター対人間の戦い」と単純化できてしまう場合は、「SFガジェットを使ったヒーローもの」になって、構図はファンタジーでも刑事ものでも西部劇でも変わらなくなってしまいますよね。それはそれで面白いんですけど、作品の目的が変わってきます。

…ちょっと見、『地球爆破作戦』も「悪役コンピューター対人間」に見えるんです。でもコロッサス、言ってることまともです。与えられた役割を忠実にこなしているし、理性においても人間をしのいでいます。矛盾があるのはむしろ人間のほうじゃないか…そう見えてくる。明らかに人間が劣っている、と見えてしまうところに、インパクトと深みを感じます。人間(とくにアメリカ人)が考える「平和」とか「自由」とかって、いったいどういうものなんだろう?…というところまで反省させられる…つまり、間接的に「人間そのもの」を批評している。ガジェット満載作品も楽しいけれど、こういう「昔ながらのSF」的なアプローチは、現代の作品ではなかなか見当たらないので新鮮です。

前半は、生みの親である科学者が、コンピューターの進化に脅威を感じつつ、わが子の成長を見るような…微妙な心理も「さりげなく」描かれているんですが、ありがちなマッドサイエンティストじゃないところがいいです。こういうオトナなキャラ造形って、やっぱり「時代」な気がします。ディスプレイにメッセージが表示されるときの、バシャバシャバシャ!という、うるさい(笑)効果音もレトロで素敵でした。大統領の顔がなんとなくケネディチックなのも時代かな。それと、クレジットに使われてる「ひと昔前のデジタル」っぽい字体…昔使ってたワープロ専用機にはこういう字体も入ってたんですが…パソコンになってからは見なくなってしまいました。懐かしいなあ…。

冷戦テーマのSFとしては、『博士の異常な愛情』や『未知への飛行 フェイル・セイフ 』とも通じる部分を感じました。
コロッサスと似たような賢いコンピューターには、『2001年宇宙の旅』のHALがありますね。(特典映像付の二枚組が出てたんですね…待てばよかった!)でもあちらは、与えられた命令自体に論理矛盾があり、そのために狂うみたいな設定でしたっけ…。

2時間にもならない、短くてアクションもない地味な作品ではありますが、なるほど傑作でした。主役の科学者をやっていたエリック・ブレーデンと言うヒトに見覚えがあって、何で見たのか思い出せなかったのですが、調べたら『新・猿の惑星』に大統領科学顧問役で出ていたそうです。あのヒトかあ!似たような役を立て続けにやってたんですね。(笑)

ジャケットのイラストが時代感あってステキなので、画像入りのリンク貼っときます♪

ちょっと前にリメイクの企画も出ていたようです。どうなったんでしょう。…今こーいうの作るとどうなるんでしょうねえ…。

 

 

2009/3/23

いろいろやりました。あと、がんづき。
今日は前述のテレビのアンテナ調整屋さん(?)が来ることになっていたので、それを待ちつつホームズ小説の作業再開。といっても、しばらく離れていたため、これまでに出したアイデアと進行、未決事項の確認です。マインドマップ一枚できたところでアンテナ屋さんがきました。調整でなかなか見えるようにはなったのですが、まだ信号が弱く、アンテナも線もかなり古いタイプのものなので、改めて丸ごと交換することになりました。ちょっと物入りになりそうです。地デジ補助金出してほしいですよね。ほんとに。(うちはまあ前のテレビにガタがきての買い替えではありますが、アンテナのほうは地デジ化での出費なので…。なんにせよ、選択の余地なしで出費を強いるこの地デジ化は、今の世相を考えると、ちょっとひどいと思います…)

お昼を食べながら、父が見ていたWBCの日本×アメリカ戦に付き合いました。ちょうどイチローがツーアウトでヒットを打ち、ランナーを還したおいしいシーンを見ることができました。勝ちましたねえ。特に興味はないほうなのですが、なんか目頭が熱くなりました。しかし野球発祥の地アメリカで、アメリカが負けて、決勝戦は韓国対日本のアジア対決とは…。「日本の相撲みたいなもんだな」と父。そう、今、日本人の横綱いないんですよね。

さて、昼食後は散歩を兼ねてさっと買い物に行き、帰ってから「がんづき」を作りました。東北地方の家庭菓子で、クルミと胡麻が乗ったどっしりした黒糖蒸しパン…みたいなものです。じつはちょっと前に、横浜でやってた東北物産フェアで見かけまして、売られているのは珍しかったので、母(宮城出身)に「がんづきもあったよ〜」と軽い気持ちで報告したんです。

すると翌日、「がんづきがあるんだって!」と伯母(埼玉在住)まで呼び出し、見に行ったらしく…ところがその催しが前日で終わりだったそうで、二人してがっくりきたと後から聞きました。開催期間は確認しなかったので、ちょっと責任感じておりました…ていうか、そんなに食べたかったのか、がんづき?というわけで、イベントも終わって時間もできたし、ちょうどネットでレシピを見つけたので、罪滅ぼしも兼ねて…の初挑戦です。

ふくらみすぎて割れましたが、おいしかったです。
コゲのように見えるのは「これでもか」ってくらいかけた黒胡麻です。
それとクルミが乗っています。

切るとこんな感じ。素朴なお菓子です。
黒糖少なめにしたので色が薄くなりました。ほんとはもっと濃い色です。

クックパッドで検索したら数種類レシピが出てきたのですが、その中でも一番材料がシンプルそうなのを参考に、カロリー対策で黒糖の量だけ減らして、低カロリー甘味料とはちみつちょっぴり補いました。トッピングをべつにすれば、粉と水と甘みと重曹だけで、油は入っていません。とてもいいレシピで、手順が異様に簡単でした。粉類をふるう代わりに泡だて器でかきまぜて済ませたので(これもネットで知った裏技です(^ ^;))、ふかす時間を入れても30分くらいでできちゃったんじゃないでしょうか。がんづきというにはふかふかすぎるくらいでしたが、おいしかったです♪母も気に入ってくれたので一安心。(参考にしたレシピはこちらです)

おやつ後は調べ物→図書館に予約していた本が入っているのをサイトで確認→その受取にもう一度外出→帰宅後その資料読み…で、一日終わりました。自分にしてはいろいろこなせたような。時間が細切れだったのがいい方に転んだ一日でした。(悪い方に転ぶこともままあります(^ ^;))

…夕飯前になって、予約購読している『日経サイエンス』の最新号が到着♪(最近、郵便物が届く時間帯がものすごく遅くなりました。なぜだろう?)発売2日前です。やはりこうでなくちゃ。(予約購読なのに届くのが発売日より3日も遅れちゃありがたみがありませんから、今後もこの調子でお願いします。(^ ^;))…おお!これまで中綴じだったのが無線綴じになって、背表紙ができてます!これまで背表紙がなかったので、本棚に並べたとき、どれがなんの特集号だかわからなくて、なんか不便だったんですよね。手に持ったときもベロリとして読みにくかったし。紙質も変わったみたいで、読みやすくなりました。

中身のほうでも、自分の好きな2大トピック・宇宙ネタと脳ネタが揃っていて嬉しい号です。まだざっと見たところですが…フレッシュマン向け書籍案内に寄稿している菊池誠さんて名前に見覚えが。横浜ワールドコンのときのテッド・チャンへのインタビューをしていた方じゃないかしら?(紹介してる本もSF多いし)ちょっと興味深く眺めました。新連載の英単語解説も面白かったです♪昔『イベント・ホライゾン』てSF映画がありましたが、タイトルが「事象の地平線」(ブラックホールから光も逃げ出せなくなる境界線)の意味だったとは初めて知りました。映画はなんかSFというよりスプラッタなホラーっぽくて辟易した記憶がありますが、ブラックホールがらみの話だったのかなあ…?サッパリ覚えておりません。サム・ニールローレンス・フィッシュバーンは覚えてるんですがねえ。(というのは、サム・ニール目当てで見に行ったため)俳優目当てのミーハーの記憶はこんなものです。(^ ^;)

…新連載…そうか、四月って新年度だものね。学生でなくなると、毎年フレッシュマンが入ってくる会社にでも勤めていないかぎり(勤めてたところはそうではありませんでした)、なかなか「新しい年度」の感覚が味わえないものですが…ちょっと改まる感じがしました。

…うーん、なんか日記っぽい日記になってしまった(笑)。そういえば、ここのところ映画の感想を書いていません…けっこう見ているのですが。近いうちにまとめて備忘録だけでも書いておかないと。

 

 

2009/3/20

液晶テレビがきました。
じつは昨年の秋頃(だったかな?)テレビが故障しました。修理にきていただいたら、電源入れなおしてあっけなく復活(笑)。でもそのとき内部を見てもらって、「いつ壊れても不思議ではない状態なので、早めに買い替えたほうがいいですよ」と言われておったのです。たしかに音声が勝手に副音声に切り替わったりしてたので、心霊現象でなければ(笑)かなり寿命だったかも。でも「3月は決算セールで安くなるらしい」という情報もあり、なんとか見られるなら3月まで待とう、と家族で話していたのでした。で、いよいよ買い替えました。

選んだのはSONYのBRAVIAというやつの40インチ。最初は置く場所の都合で37インチのものを考えていたのですが、店頭でいろいろ見せてもらっていたら、40インチでもこの機種だとギリギリ置ける(外枠の幅が狭い)ので、コレにしたのでした。家で見てみると、つくづく横長ですね。

いちおうUHFアンテナはあるのですが、地デジは入るところと入らないところがあり、別に調整してもらうことになりました。アンテナを換えれば済むのか…あるいは、もともと地形的な条件は悪いところなので、ケーブルを薦められるのか。びっくりしたのが、アナログ放送がめちゃくちゃ汚く見えること。解像度が上がったために画像の悪さも強調されてるんだそうです。据え付けに行くとよく言われます、と来た方が言っていました。これもアンテナの調整待ちです。

しかし、この横長画面…映画を見るにはめちゃくちゃいいのでは…と思い、さっそく試してみました。とりあえず手元に出てた『007 ロシアより愛をこめて 』を。…おおおっ!こりゃでかい!今まで上下に黒いオビが出ていたことを考えると、なんか四倍くらい大きく見えてるような感じ。ロバート・ショウの顔がよく見えて感動です(笑)。いつもDVDは自室のテレビデオ(死語ですね(^ ^;))で見ているのですが、居間で見たくなりそう。父は「眼鏡がなくても字幕が見える」と喜んでおります。とりあえず、テレビの画像が汚い間はDVDを見倒したいです。

…007といえば、DVDつきのパートワークが出ているんですよね。先週あたり店頭にあったのが第2号の『ロシアより…』でした。ロバート・ショウの写真や記事がもう少しあったら買ったんですが…大々的にフィーチャーされているのはボンドガールで(仕方ないか!)買うほどではなかったので、立読みで済ませました。オリエント急行内の殴り合いシーンについて書かれてましたが、あれもアルティメット・エディションの特典で聞いたようなお話だったので…。でも、小さいながらショウの腰タオル姿の写真が載っていたのが嬉しいです。ああ、全国の書店にこの写真が…(笑)

007つながりですが、先日Amazonから007の悪役をテーマにしたスウォッチが出たという売り込みメールが来ました。「レッド・グラントなら買うぞっ!」と意気込んで、『ロシアより…』のをチェックしました。しかし…デザインテーマはなぜかローザ・クレッブ。ロシアのレズおばさんです。(swatch (スウォッチ) 007 VILLAIN COLLECTION ローザ・クレッブ - ロシアより愛をこめて )…まあ、グラントより立場は上だったけれど…しかし、しかし!007との敵対という意味では絶対グラントでは!?

↓商品説明
ロシア情報機関出身のローザ・クレッブは、『ロシアより愛をこめて』の中で、メリケンサック(ナックルダスター)を振りかざす。このクレッブ大佐のナックルダスターのモチーフをアレンジしたラグのデザインがとてもユニーク。さらにブレスレットは、劇中でボンドが悪役との交渉時に使用した金貨をモチーフとし、サテン仕上げの上品なテクスチャーに仕上げている。なお、ダイヤルの3時位置にはロシアを象徴する星のエレメントをレイアウト、大佐の出身国ロシアをさりげなく表している。/日常生活用防水

…オリエント急行の中でグラントへのエサとして使われた(^ ^;)金貨モチーフも入っているとのことなので、まあ無関係ではないですが…(「悪役」で片付けられてますが(笑))それにデザインに人物の画像を使っているわけではないのでまあ…それに女性ものっぽいデザインなのは好都合かも…とは思いつつ、悩んでます。うーん、箱についてる写真がロバート・ショウだったら、即買いだったかも…。(笑)

事後報告
前回書きましたおはぎ用の鍋炊きごはん、うまく炊けました!(水の量や火加減等についてはネットで検索しました。つくづくありがたい時代になったものです)なんか「炊飯器がないとご飯は炊けない」という思い込みが粉砕されて…いえ、もちろんキャンプで飯盒ごはんを食べたことはありますが、あくまで「炊飯器が使えない非常時の炊き方」という感じがしてたんですよね。鍋でもちゃんと炊けるんだ…って、うまく言えないんですが、、少し人生の自由度が上がったような(笑)、初めて自分で髪を切ったときと似た感じがします。

 

 

2009/3/16

NASAとおはぎの準備
昨夜テレビでやっていた、NASA五十年分の実写映像を見せるという番組を見ました。なぜか司会がたけしさん。じつは宇宙開発ネタに詳しいのだそうで、意外でした。映像はけっこう見ごたえがあって、先日劇場で見てきた『ザ・ムーン』よりよかったくらい。(映画は元宇宙飛行士のインタビューがメインだったので、「当時の映像」の割合が半々くらいだったのですね)ちょっとテレビ的な下世話なところもありはしましたが、民放番組では珍しいくらい(笑)見られました。ゲストで出ていた毛利衛さん、いつもちょっと浮世離れしたコメントがけっこう笑える(ごめんなさい(^ ^;))のですが、今回はあまりおしゃべりが聞けなくて残念でした。

有名なコロンビア号の事故や地上訓練の火災事故の話も出ました。残った音声が生々しい。リスクはあるものだとはいえ、やはり心が痛みます。「防げたかもしれない」ってところがやはり。火災事故の話は『ザ・ムーン』でも出ていたのですが、不可抗力ではなく、現場の性急さ・杜撰さが原因の事故。なんともやり切れません。最先端での人命の優先順位がそういうものだった、ということがショックです。犠牲者が出て初めて反省されたというのが。急いじゃいけないことってありますよね。人命は何より大事ですもん。

…ところで月面基地、2024年頃にできる予定だそうで。うーん、ちょっと間に合わないなあ。もう50年くらい遅く生まれていたら、ひょっとしたら「豪華な海外旅行」くらいの感覚で月も行けたのかなあ。100年遅く生まれれば、火星も行けたかなあ。

開発中の宇宙服というのが出てきたんですが、これが身体の線丸わかりの薄物でびっくり。気圧のかかった空間を持ち歩く代わりに、服そのもので圧力をかけるんだそうです。見た目はSFアニメの女性キャラ並みのボディコンシャスです。あれで宇宙線とか温度とかの問題は大丈夫なんだろうか。でもおむつが依然として必要ならば、あんまりボディコンじゃないほうがいいかも…(笑)

…さて、今日はお彼岸用のおはぎを大量に作る予定です。前回面白かったので、またあんこから作ってみようと思います。それと、炊飯器がふさがっているので、初めてお米の鍋炊きに挑戦してみます。ちょっとワクワク♪

 

 

2009/3/15

江戸な身体/歌丸さんの落語
昨日は関内ホールへ桂歌丸独演会を見に行ってきました♪桂歌丸さんは、現在『笑点』の大喜利の司会をしている方です。横浜生まれ横浜育ちの噺家さんで、地元ネタをするりと滑り込ませて笑わせてくれます。自分はとくに落語好きではないのですが、何年か前に初めて生で拝見して、あまりの語りと仕草のうまさにすっかり見方が変わりました。(同じ時期に何人かの名の通った噺家さんの落語を見たのですが、ずば抜けて上手い、とシロウトながら感じました)まるで一人芝居のすごくいいのを見ている感じで、引き込まれてしまったんです。歌舞伎はもともと好きなので、そのへんと通じるものがあり、受け入れやすかったのかもしれません。今回は、両親へのプレゼントと自分へのご褒美を兼ねて、チケットを取っていました。たまっていた雑用のなかでも大物だった確定申告を、前日にやっと郵送したので、文字通り自分にもご褒美になりました。(まだ部屋の片付けはやり残してるんですけど…(^ ^;))

それはそうと歌丸さん、少し前に肺気腫で入院なさっていたので、ぶっちゃけ「払い戻しになったらどうしよう」なんて心配でした。少し咽喉の調子が悪かったようですが、ちゃんと拝見することができました。入院のいきさつも笑い話をまじえて枕で話してくれました。(点滴の針を刺すのの上手と下手、「針刺してから血管探してるような」看護師さんが…みたいな(笑))お元気になって本当に嬉しいです。

お弟子さんの前座を入れて一つ、休憩を挟んでまた前座のあとに一つ、と二回聞くことができました。二回目のほうは落語じゃなくて…なんていうのでしょう。人情噺でもないみたいなんですが…笑いの場面はほとんどなくて、でも下げは落語風。「これはどう受け取ったらいいんだろう」と戸惑いつつも、生のお囃子さんのBGMに乗っての長台詞など、まるで歌舞伎の世話物(江戸時代の市井の「現代劇」)を見ているような感じで、見入ってしまいました。…結局「こういうもの」と受け取りました。

歌舞伎がショーアップされて強調・誇大化された江戸だとしたら、こちらは人間の等身大スケールで再現された江戸、という感じ。歌丸さんにはとくに感じるのですが、もう身体に江戸が染み付いている。演じている中身だけじゃなくて、そのほかも…傍らに咽喉を潤すための蓋つきの茶碗が置いてあったのですが、その蓋をとる仕草や茶碗の持ち方(茶碗のほうは見ないで自然にやってるのがスマート)、羽織の脱ぎ方。手の位置。…こういうものって、歌舞伎俳優さんは意識して身に付けていくのだと昔読みましたが、歌丸さんはそれがとことん身について自分の身体そのものになっている…完成形、という感じがしました。あと、歌丸さんが女形(?)になると独特の雰囲気があって好きです。(笑)

前座のお弟子さんの一人は、短い落語のあと踊りも披露していました。(小唄だか端唄だかなんだか、自分には区別がつきませんが、なにかそんな感じのバックの生歌に合わせて。贅沢です)…もちろん江戸には文化として織り込まれた男尊女卑があって、前座さんの噺のなかで、聞いていて「はあ?」とついていけなくなった瞬間もありました。(語り口のせいじゃなくて、題材のせいなんですけど…「よくできた女房」の噺だったんです。「それ、虫がよすぎねぇか?」と心のなかでツッコミが(笑))ほんの百年ちょっとで、けっこう変化したのですね。…まあそのへんも含めて、たっぷり江戸情緒に浸りました。

前回も言及しました杉浦日向子さん、たしか江戸に生まれ変わるなら大店の若旦那がいい、と書いてらっしゃいました。私もそのへんがいいな。少なくとも、男性のほうが絶対いいです。(笑)

 

 

2009/3/11

パワースポット行ってきました
新刊の修羅場で後回しにしていた雑用が続いております。ひー。そのせいか、なんだか労働の疲れとは別に、体の力がどんどん抜けていくような感じが…。(同人誌と違って(^ ^;)、がんばっても成果が目に見えないので、ザルで水を汲んでるような感じが…!)いけないわ、これでは。というわけで、今朝突然「半日だけぶらつこう!」と思いつき、前から気になっていた寒川神社へダッシュで行って帰ってきました。うちからはほんの一時間もあれば行けるところなんですが、じつは一度も、初詣ですら行ったことがありませんでした。神奈川県内の有名なパワースポットの一つ…なんだそうです。

途中の海老名。ここからJR相模線というのに乗り換えます。
ここまで来ると山が近いです。

雪をいただいてる山も見えてました。
上の写真の一部の ズームです。

宮山駅で降りて(切符を通す改札機がなくてびっくり。ほとんど無人駅みたいなノリ)
徒歩5〜6分くらい(?)で着きます。 ↓寒川神社の鳥居、太鼓橋なめ。

神門。なんか、素質のある人は境内に入るとエネルギーを感じるらしいです。
写真からなにか感じます?(笑)

本殿(じゃなくて拝殿…ですかね?)…パワスポとして有名なせいか、
両手を広げて深呼吸している方とかいらっしゃいました。
自分はその手の感受性がないので残念。でも、行きには精神的にピリピリしていたのが、
帰りはすーっと落ち着いていました。こういうのも効果なんでしょうか。
大きな樹がたくさんあるので、プチ森林浴効果も期待できるかもしれません。

…落ち着いた原因はこちらかもしれない(笑)、
神社近くの八福茶屋というお店で帰りに食べたかき揚げそば
(じつは神社に行くことにした瞬間に、「そばを食べよう!」となぜか決心してました(笑))
最初は「ちょっと値段高め?門前値段?」とか思ったのですが…
エビがごっそり入ったかき揚げが二つ、たっぷりのそばと別に出てきて感動!
一個はそばに乗せて、一個はサクサクのままでいただきました。めちゃくちゃおいしかったです!
天ぷら盛り合わせをおかわりしている人がいましたが、大納得です。
店員さんもおっとりと上品で、いい感じのお店でした。また行ってみたいです♪

でも、有名な神社のわりには門前町というものがありません。
境内に少しみやげ物屋がありますが、外に出るとお茶屋さんが一軒、
それと 少し離れたところの、自分が おそばを食べた店が目に付いたくらい。
でも今日は人ごみは行きたくなかったので、人の少なさが嬉しかったです。
駅と神社の間にある川のほとりは、菜の花がイッパイ咲いてました。

寒いけどもう春ですね…。

…というわけで、駆け足で半日、でしたが小旅行気分を味わってきました。JR相模線は本数が少ないので、駅のホームのベンチで二十分くらい「ポンヤリ」したりして、よっぽど遠方の田舎町に来たようなのんびり感を味わいました。家よりずっとリラックスできました…。

寒川神社は、富士山とかとつながる日本の有名なレイラインに立っているそうで、かなり「強力」だという話です。レイラインと聞くと、自分はイギリスのストーンヘンジとかしか連想できないのですが、日本にもあったんですね…検索してみたら、寒川神社の近辺にも昔ストーンサークルがあったらしい、という話がひっかかってくきました。ほんとかな。だとしたらなんかワクワクしますが(笑)、最近はやりの「エネルギー」を感じることができない体質なのは、ほんとに残念。以前、京都の太秦駅前にある広隆寺(切手にもなった弥勒菩薩半跏像で有名なところです)に行ったんですが、タクシーの運転手さんは「門をくぐるとピリッと感じる」とまで言っていたのに、自分も一緒に行った友人も、なんにも感じられませんでした…ダメなものはダメかな。(^ ^;)

でも、なにか今日はリラックスできた感じはします。 人ごみに出て行く元気が戻ったら、同じくパワースポットとして有名な明治神宮とかも行ってみたい…なんだか神社仏閣系クセになりそうです。 あと、おそばも。

そういえば、おそばを食べたお店ではお酒を頼んでいるオジサンもけっこういたんですが、べつに「昼間から酒くらって…」みたいな乱れた雰囲気でないのが不思議でした。ふと、杉浦日向子さんが昔「蕎麦屋は昼間から女が一人で堂々とお酒を飲める場所」だと書いていたことを思い出しました。うろ覚えですが、たしか日向子さんは、卵焼きを肴にきゅーっとやるのがお好きではありませんでしたっけ。…粋だなあ。下戸なのがくやしいです。なんかお酒が飲めないと、年だけくってもオトナにはなれない気が…。(^ ^;)

 

 

2009/3/9

J.GARDEN終了
昨日はJ庭に参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

新刊『宇宙探偵ホォムズ/なぞのアイスクリーム惑星』、なんとか出すことができました!今回は新刊掲示板にも書き忘れ、サイトでもはっきりと告知できなかったうえに、ディスプイを考える時間がなくて、わりと地味(?)だったのですが…そのわりには、たくさんの方にお手にとっていただけました。ホントにありがとうございました!(今日は3と9でサンキューの日(笑))

しかし今回はほんとに、ホントに久しぶりに完徹でした。不思議なほど焦りは感じずに済んだのですが…前日に神様にお願いしたのが効いたのでしょうか(笑)。でも、なんか冷静というよりは「心配する機能がオフになった」みたいな感じで、ナチュラルに他人事のように徹夜(?)、していました。朝まで眠気はあまり感じませんでしたが、ひどかったのが足のむくみ。そうか、ずっと足を下に向けていたもんね。むくみは今日も残っております。長時間飛行機に乗ったときみたいな。タダで海外旅行気分。わーい。(カラ元気)

今回は初めてのお試しビッグサイトだったんですよね。一人出展なので、あまり会場は回れませんでしたが、展示とか企画ものも少し見ることができました。やはり立ち止まって、じっくり間近で絵を見ることができるのは楽しいです。スペースではなかなかそうは出来ませんから…展示は今後もやってほしいです。心残りはいつもの「帰っちゃうの?ポスター」の掲示コーナーを見忘れたことです。他のサークルさんの絵もじっくり見られるので、いつも楽しみに見に行ってるのですが、これを失念するとは…ホントにボーッとしていたらしいです。(たった今気がついたくらいです(^ ^;))

『帰っちゃうの?ポスター』は、新刊の表紙イラストをアレンジしたものを提出しました。(表紙はチョコミントアイスの惑星に立つホォムズ&ワトスンなのですが、テーマカラーが黄色だったので、色相をいじってパインチョコにしました)どなたかに身請けしていただけたのかなあ…。

あと、企画ものの「100円BL」というのも語呂が良くて見てみたかったのですが、見損ねました。ガチャガチャ(ガシャポンともいうらしい)で豆本やグッズが出てくる企画だったそうです。どんなのだったのかなー。食べ物屋さんも来てたんですよね。ああ、ほんとにいろいろ回り損ねました…。

でも、スペース配置が尊敬している方のスペースがまともに視野に入る位置でした。嬉しいやら、なんか目を向けづらいやら。でもなんとなく一日そこにいて、エネルギーもチャージできたかな、と言う気がします。がんばろう、と思いました。…それはそうと、やはり頭がぼーっとしていたのは確かで、スペースではちょっとレスポンスが鈍かったかもしれませぬ。いろいろおしゃべりさせていただいたのに…申し訳ありませんでした。代金計算とかも時間がかかる、とかいう以前に、「今、どの機能を起動するべきなのか」を検索するのに時間がかかる…みたいな感じで。(^ ^;)まあなんとか無事に帰ってこれて、ほっとしました。

ビッグサイトでかちあっていた男性向けイベントの余波で、帰りは駅周辺が混雑していました。(そういえば、会場でもいつものJ庭より男性含有率が若干高かったような。あちらから流れてきたんでしょうか?逆に、事前にアナウンスがあったわりには、朝は拍子抜けするくらい空いてましたけど)で、こちらも久しぶりですがTFTビルのパスタ屋さん『チャオ』に寄ってきました。好きなお店で慰労です。こちらはあまり混んでなくてラッキーでした。店員さんもなんか親切で。(ものすごく疲れてるように見えたんだろうか…(^ ^;))シーフードの白ワインソースにシソがまぶしてあるアルラ・チャオと、ブラッドオレンジジュースを食してきました。う、うまかった〜!♪

最寄り駅についたあと、デザートとおみやげ(今回、直前に母に世話になったので)がほしかったので寄り道し、スーパーでカップのミントチョコアイスを発見!カップで売られているのを見たのは初めてです。サーティーワンでないと食べられないものと思ってました…ちょうど新刊にちなむので縁を感じ、これも買いました。風呂上りにおいしくいただきました。

一夜明けて今日は…溜め込んでた雑用を書き出したら11個もあってゲンナリ。(ひー(^ ^;))とりあえず今日は緊急のを三つ、なんとか片付けました。今週は雑用整理で終わりそう…くさらないように、ちょびっとずつ楽しいこともまぜながら、やってこうと思います…。

 

 

2009/3/7

コミスタ三昧
朝8時40分です。完成してないコマがあと10個。あと、メカ(?)ものの背景をペン入れするのが5、6個。オマケでいれたい一コマ漫画が一枚。うーん…。間に合うかどうかは今日のコンディションによります。一日中絶好調ならあるいはいけるかも?どちらにせよ、週が明けたら後回しにしている雑用の山をどうしても片付けなくてはならないので(コレが頭をよぎるのが、じつは気が散っている原因の一つです…)今日のうちにできるだけ進めておきたいところです。(でも明日持って行けないとなると、日の目を見るのは二ヶ月後だもんなぁ…しくしく)

作画作業では、体より先に精神的に限界が来てしまうのが問題です。これはいつもそう。なんとかならんものでしょうか…皆さんどうなさってます?…神様、どんなに残りの仕事量が多くても、リラックスして集中できるように力を貸してください…。(^ ^;)

まあ、コミスタ導入以前を考えたら、自分には3ケ月はかかりそうな仕事量。それを一ヶ月弱でできるかできないか?というレベルで悩んでいるのだから、思えば贅沢になったものです。コミスタ様様。とにかくがんばります!

夕方までの進み具合で決めますが、間に合わなかったら、無料配布のしおりをお詫びに持参いたします。お立ち寄りくださいませ。(冬コミで配布させていただいたワトスンの牛コスプレのやつです)…しかし前日になっても当日新刊の有無が未定って…しかもビッグサイト開催なのに〜。(^ ^;)

 

 

2009/3/4

プリント三昧
明日にはJ庭用の宅配発送を終えなければならないので、今日は既刊のなくなったやつをプリント・製本。まー大半はレーザープリンタの分なので半日くらいで終わるだろう…と甘く考えていたら、一日仕事に…。なんでしょう、この紙詰まりの嵐は。やはり湿度が関係しているのかも…。機械の中に詰まった分は、おりこうなプリンタ君が勝手にもう一度刷りなおしてくれるのでいいんですが、排出時にぐしゃぐしゃになったものは自分でカウントして刷りなおすしかありません。ひ〜。(泣)

…とりあえず別のセットから無事なページを繰り入れて…とやりくりをしていくと、なぜか同じページが失敗しているのが4セットくらいできてしまって。そして特定のページにぐしゃっとなりやすい傾向があることが判明するの。(←「私の人生の物語」(^ ^;))…うーん、なにか印刷される部分の片寄りとか関係あるんでしょうか。

プリンタの小冊子印刷機能で面付けしてもらっているので、コレがけっこう大変です。(離れたページが一枚に刷られてしまうので)半分無駄になるけれど、ほしい部分を含んだ4ページずつを設定して部分印刷…と繰り返しました。最後の最後になって、特定の離れたページ同士を設定しても両面に面付け印刷できることを発見。あ゛あ゛…あのヘロヘロになった2時間はいったい…。

ま、それはともかく…先月作った『腐女子の本懐2008』がJ庭初売りになるので、ついでに品切れだった一冊目もちょっぴり刷りました。合わせてよろしくお願いいたします。

…とりあえず最後のプリントが終わったので、あとはホチキス留めをして、背をテープで貼って…。新刊の原稿を気にしつつ、今日はコレで終わってしまいそうです…。くう。

どーもこういう作業をぶっ続けでやってると、気分が盛り下がり気味になるので、好みの懐かしソングをパワープレイしてました。スティングとかパフィーとかスーパーマンのサントラとか…。『ナッシング・ライク・ザ・サン』なんて、自分にはいまだに「現役」なのですけど、もう二十年くらい前になるんですよね…なんか信じられません。たしかこのアルバムのツアーで初めて生スティングを拝んだ、思い出の(?)一枚です。あの頃はもっと髪がありましたね、スティング先生…。(笑)
(今リンクを作りにAmazonへ行って初めて知ったのですけど、SHM−CDという新規格バージョンが出てるんですね。知らなかった〜。音質が絶賛されているのでほしくなってしまいました…(^ ^;))

 

 

2009/3/3

こんなところにロバート・ショウが!
昨夜はツタヤ半額で借りたなかの一本、『シンドバッド黄金の航海』を鑑賞。黄金の銘版を手に入れたシンドバッドが、魔力を使う悪玉や化け物と戦うファンタジー。特撮草創期の神様・レイ・ハリー・ハウゼンの作品というのがウリですが、自分はシンドバッド役の美男俳優ジョン・フィリップ・ロー目当てで借りました。前にB級特撮映画の『地底帝国』で見た、むっちり系ボンドガールのキャロライン・マンローも出ていました。ハウゼンのコマ撮りはやはり見事で、腕が六本あるインドの女神カーリーの像が動き出してシンドバッドと戦うところなんか、CGでは出せないワクワク感が漂ってます♪(しかしカーリーが出たかと思えばキュクロプスが出たり、グリフォン?みたいなのが出たり、だけど神様はアラーだったり。でもってヒロインの名前はマリアンナ???…こーいうのを見ると気が楽になりますね!(笑))しかも音楽がミクロス・ローザ。『ベン・ハー』チックな壮大な音楽で盛り上げてました♪

金持ちのバカ息子役がさかなクン似だったり、脇役さんも味のある俳優さんが多かったので、名前を知ろうと映画データベースで調べたところ…なんとキャストにロバート・ショウの名前が!でも「クレジットなし」と但し書きつき。一体どこに出てたの!?

…英語版のImdbのほうで調べたらキャラ名がでてまして、シンドバッドに託宣を与える、全能の預言者役でした。井戸みたいなところからどろどろんと現われる幻影みたいなキャラで、特殊メイクバリバリ。見直してみましたが、意識して見てもショウには見えません(笑)。でも声は確かにロバート・ショウ!そういえば、以前出演作をチェックしたとき、シンドバッドのなんたらというのがあったのは覚えているのですが、どうせツタヤでは見られないレアものなんだろう…とたかをくくって(?)油断していました…。うわー、なんかすごく得した気分です!しかしなんでクレジットないんだろう?公開年で見ると『スティング』と同年なんですが…。でもこの方、原作を書いた映画でもクレジットを辞退したりしてるんですよね。なにか思うところがあるのか…。

特典映像には、他のハウゼン作品についての、ハウゼンご本人へのインタビューとかついていまして、面白かったです。「ハロッズで蟹を買ってきて、中身を出して殻に骨組みを通して」撮影した巨大蟹とか、たっぷり見てみたくなりました(笑)。(←『SF巨大生物の島』)出てきたなかで見たことがあるのは『世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す』だけなんですが、これはモノクロでしたし。やはりこういう味のある映像はカラーで見てみたいものです♪ハウゼンが描いた絵コンテも出てきたんですが、細かく描き込まれてて驚きました。…うーん、見習わなくちゃ。こんな描きこんでない絵で根を上げてちゃダメだわ。(^ ^;)(J庭新刊…間に合うと良いんですが…焦ると絵が「ただトレスしてるだけ」みたいになっちゃうので、こーいうDVDなんかでガス抜きしながらがんばってます…)

 

 

 

2009/3/1

リアルタイムでテッド・チャンでロビンソン・クルーソー
…さきほど、今描いている原稿の参考のために、駅前のサーティーワンにアイスクリームを食べに行ってきました。(ほんとに参考のためです!(^ ^;))で、なんとなく本屋をぶらり。お、新しいSFマガジンが出ているではないですか。これも習慣なので、なにかテッド・チャンのネタを書いてくださってないかしら…と期待して、大森望さんの新・SF観光局をペラリ…あああっ!書かれているぢゃないですか!新作の『Exhalation』について!(喜)

…ここのところ、『テッドちゃんの部屋』のほうにいろいろ感想とか書いておりますが、「もしかして、贔屓目で実際以上によかったように一人で盛り上がってるだけなんじゃないかしら」と一抹の不安はあったんです。日常生活圏にチャン作品読んでる人がいないものですから、参照(?)ができず…(^ ^;)。でも、やっぱりちゃんとしたSF読みさんたちも絶賛の嵐だったそうで、安心(?)しました♪それどころか、海外のSFアンソロジー収録作が日本でこんなにいっせいに、出たとたんに読まれるというのは珍しいそうです。…やっぱりすごく愛されてますね、テッちゃん先生。
翻訳はSFマガジンで11月頃読めるそうです。楽しみというか、ずいぶん先だなあ、というか…。現在、個人的なお楽しみで早朝にちょびっとずつ訳しておりますが、その頃までにはさすがに終わってるでしょう…。(^ ^;)

ところで、やはりファン心理に駆られると、自分のよーなシロウトでも見巧者さんでも同じ行動をしてしまうようで、大森氏も『Eclipce Two』の値段をチャン作品のページ数で割ってページ単価を出してました(笑)。そうですよね、充分すぎるくらいの価値がありますよねっ!…、それと、拙訳でご紹介したまさに同じ部分を、もっとこなれた日本語でご紹介なさってました。やはりあの導入部は、紹介したくなりますよね…。(自分があえてキコキコした(?)日本語に訳したのも自分なりに理由はあるのですけど…比べるとお恥ずかしいです(^ ^;)。やはりプロの翻訳家さんですね。滑らかな日本語になさってました)

発売予定がズルズルと延びて、3月発送予定とか言われてヤキモキしていたところ、いきなり「本日発送しました」とAmazonからメールが来た…という経過も、すっかり同じ体験をしておりますので、なんだか妙に嬉しい連帯感を覚えました。仲間を見つけたロビンソン・クルーソーの気分です(笑)。

ただ、味わう角度はいろいろみたいで…引用された数々の賞賛の中には、これぞサイエンス・フィクション、というのもあったのですが、自分は「SFとして」すごい、ということはまったく感じませんでした。もともと、SFは好きだけれど特別「SF読み」ではない、というのもありますが、受けとったイメージから生まれる感覚的な「美しさ」にひたすら圧倒された…というのが一番近いような。たとえば、大きな枝とか使った生け花の大作ですごいのを見てガーン、とかなった時みたいな。とにかく美しくってずーんと来る。…うん、思い返すと他の作品も、読後感が「骨太な生け花」に似てる(なんだそりゃ)んですよね。でもべつに綺麗なことが書いてあるわけじゃなくて、なんというか…脳が受け取るものが…う、美しいんですよ…(ボキャブラリ…(^ ^;))。または「脳のなかの、美しいものを見たときに活性化する部分がものすごく刺激される」というか?まあ、自分には理系感覚は乏しいと思われますので、そのぶんを自分が持ち合わせたアンテナで補完している、ということかもしれないです。いろんな味わい方ができる作品ということでもあるでしょうね。

…とにかく、昨夜の朗読音声発見(詳しくはテッドちゃんの部屋をどうぞ)に続いて活が入りました。こんな作品に圧倒されたあとに自分の原稿を見るとため息が出ますが(^ ^;)、がんばろう…。

 

 

2009/2/27

ひさびさでセス・グリーン♪と、ロボットチキン
今週はテレビで録画したい映画もあったけれど、ツタヤさんが半額なので、ひさしぶりにまとめ借りしてます。昨夜見たのがまったく期待してなかった『トレジャー・ハンターズ/進め!笑撃冒険王』。タイトルからしてB級の香りプンプンなんですが、セス・グリーン見たさに借りました。『オースティン・パワーズ』シリーズでドクター・イーブルの息子をやってた彼です。たしか一作目だったと思いますが、だんだんグレていく様子を服装で見せていて、すごくかわいい上に面白くてツボでした♪親子でグループセラピー参加したり…(笑)。(米国映画ではよく出てきますよね。ポピュラーなんだろうか)

でも、オースティン・パワーズ以外で意識して見たことなかったんです。今回ふと目に付いて借りました。内容は、三十歳の幼馴染グループが、かつての仲間の一人のお葬式で再会し、子供の頃探そうとした財宝…(その死んだ友達が最近糸口をつかんでいたことがわかる)を、追悼がてら探しに行く、というものです。タイトルから期待するほどおバカギャグ満載ではなくて、むしろ切ないシーンも多いです。友情ネタと、追っかけられ型のアクションコメディーと、おバカネタがミックスしてる感じ。(どーもトーンが定まらない感じがしたのはそのせいか)でも、スタントはなかなかすごいことやってるし、主役の三人がそれぞれタイプの違うイケメン(笑)で、裸で抱き合って暖をとったりしてて、けっこう目の保養です。(笑)三人を演じているのは、セス・グリーンとマシュー・リラード(ちゃんと見たことないんですけど、『スクービー・ドゥー』の人ですよね。アレとはかなり違って落ち着いたイメージです)とダックス・シェパード。(この人はまったく知りませんでしたけどかっこいい!面白い名前ですけど…名前をカタカナで検索すると犬の写真しか出てきません(笑))

セス・グリーンは、こんなに小柄な人だとは知りませんでした…共演の二人が飛びぬけて長身なのかもですが、肩くらいまでしかない。いろいろ「かわいがられてて」おいしかったです。仲間はおろか、熊にまで…(笑)。あと、往年の人気者バート・レイノルズがひげもじゃの初老の役で出てます。ちょっと変わった設定のキャラで、なかなか似合ってました。主人公たちが子供の頃流行ってた曲とかが効果的に使われていて(カルチャークラブとか)、世代的に合うアメリカ人には、日本人が昭和ものを見るような感覚でキュンとくるのかも。自分は洋楽には疎いのですが、なんとなく耳に残っていて懐かしさがありました。

…ところでセス・グリーン、なんで今頃チェックが入ったかというと、彼が制作した(名ばかりプロデューサーじゃなくて、脚本も監督も参加して声の出演もしている)『Robot Chicken』というパペットアニメを、昨年チラッと見たからなんです。残念ながら日本では放映もされてないし、DVDも出てないのですが、アチラではけっこう人気のあるシリーズみたいです。基本的に大人向けのパロディギャグで、元ネタが通じるものかどうかが、日本で放映が難しい要因かも?でもスター・ウォーズネタはすごく面白かったです。ていうか、アニメがさりげなく、ものすごく手間かかってるんですけど…おバカネタでこれだけしっかり作ってるところがすごい(笑)(→Youtube

台詞がわかるともっと笑えそうなので、字幕や吹き替えつきでぜひ見てみたいです!シンプソンズだって日本人にはピンとこないネタ満載ですけど、けっこう笑えたのだから、これもDVDくらい出してほしいなー♪

 

 

2009/2/24 追加

なにげにプラマー祭、と…
今晩はBS2でクリストファー・プラマー出演の『シリアナ』が放映されるそうで、浮かれてます♪たしか明後日は『サウンド・オブ・ミュージック』も放映されるんですよね。なにげにプラマー祭です♪それと今晩深夜は、ロディ・マクドウォールが子役でブレイクした『わが谷は緑なりき』も放送されるので続けざまに嬉しいです!リアルタイムには見られないけれど、BS2の映画放映は字幕の訳がいいので録画しようと思います♪

『シリアナ』は硬派な映画ですが、魅力的な男優さんがザクザク(?)出てるので目の保養にもグーです…個人的にはプラマー氏、クリス・クーパー…そして特筆モノなのがアラブの聡明な王子様をやったアレクサンダー・シディグ。たしかスタートレックシリーズのディープ・スペース・ナインで人気者になった方ですが、あの姿よりずっとステキ。それと、なんとなく贔屓な黒人俳優のジェフリー・ライトも出てます。自分にはかなり豪華キャストです。ジョージ・クルーニーは自分には圏外なんですが、この映画では珍しく「汚い系」の外見を作っていて、作品への意気込みというか、男気を感じます。

『わが谷は緑なりき』は、ロディ・マクドウォールに転んだときにDVDを買ったんですが、ワンコインのやつを買ってしまったので少しフォーカスが甘い画面なんです…で、なんだか見にくくてじつは最後までは見てません。(^ ^;)今回きちんと見てみたいです。子役時代のマクド氏、ほんとにかわいいんですよね…♪

 

 

2009/2/24

東洋人は「ケイトー」…???
昨夜ご飯を食べながらニュースを見ていたら、アメリカのアカデミー賞で日本作品2作品が受賞、というのを伝えてました。明るいニュースですね。おめでとうございます。

ところで、短編アニメのほうの作者さんが加藤さんというお名前だったのですが、プレゼンターのジャック・ブラック(に見えたんですが)が「ケイトー」と発音しているのを聞いて、ちょっとひっかかりました。そしてイモヅル式に思い出した「ケイトー」たちがいます。

まず、ピンク・パンサーシリーズのクルーゾー警部の執事(?…というかなんというか?戦ってるし?(笑))のケイトー。もう一人は、かのブルース・リーが『グリーン・ホーネット』(テーマ曲がめちゃくちかっこいい♪)というテレビシリーズで演じたケイトー。こちらはヒーローの運転手兼強いパートナー、みたいなキャラです。ちなみにスタートレックのミスター・カトーは原語ではミスター・スールーなので、この例には入れません。日本放映でつけた名前なんでしょうね、きっと。

ピンク・パンサーのケイトーは見た目が中国人ぽいので、てっきり中国名で「ケイトー」と発音する名前があるのかと思ってました。フォーチュンクッキーのネタとかありましたし。でももしかしたら「中国も日本も同じよーなもんだろ」的な認識の表れなんだろうか…だいたい、両方とも演じているのは中国人だし…。気になったので、とりあえずIndbでキャラ名を確認してみました。すると!

なんと、ピンク・パンサーのほうのケイトーは「Cato Fong」というフルネームで、グリーンホーネットのほうは「Kato」だったんです。ピンク・パンサーのほうはやっぱり中国人ぽいですね。グリーンホーネットのほうは日本人?謎です。カラテとカンフーは混同されてるのだろうか?スペルがCとKで違うのはなぜだろう?発音的には違うんだろうか…???

それはそうと、外国語をスペルはそのままでアメリカ英語で発音する、というの、よくありますよね。英語圏の外国文化の取り入れ方はそうなのかな。…でも、フランス人の名前をそうは発音しないでしょう。失礼という感覚があるんじゃないかな、それは。そのうえ日本語や中国語とは文字を共有していないのだから、発音のほうで合わせそうなものですが。 …やっぱりあるんだな、いろいろと認識の差が。

たしか先日やっていたゴールデン・グローブ賞授賞式では、『スラムドッグ・ミリオネア』関連で出てきたインド系の名前の発音をアメリカ式に間違えたのを、チョロッと訂正していた場面がありました。やっぱり名前の発音を間違えるのは失礼ですよ。日本人も「L」と「R」を混同したりするので失礼に映るかもしれませんが、それは「そもそもRという発音がないから」(^ ^;)。アメリカ人は「ア」と発音できないわけじゃないんですから…。

言い出せばキリがないですけど、こういうことって間違えられたほうが指摘しないと永遠にこのままでしょう。映画で異文化が勘違いして描かれるのはむしろ面白いですけど、これは授賞式ですからね。ちゃんとしてほしいなあ。…というか、ちゃんとしてると気遣いを感じて嬉しいですよね。…でもまあ、なんのかんの言っても、国内の大会をワールドナントカと銘打ってしまう(^ ^;)国ですから…。(小心者の目には、あの無邪気さ(?)が羨ましく見えることがあります…ホントに(笑))こう考えてくると、気になったのは発音うんぬんじゃなくて、そこから透けて見えるメンタリティーなのかも。

中国に「ケイトー」という名前があるのかどうかはわかりませんが…とにかく、せっかく世界の注目が集まっているこの機会に、日本の「加藤」は「ケイトー」でなく「カトー」だと認識してもらいたいものです。よくある名前ですから、特に。(アメリカ英語は「a」を「エイ」とも「ア」とも発音するから、スペルだけだと見分けがつかないのも事実ですし…)

…おめでたいニュースのネタだったのに、なんか噛み付いちゃってすみませんでした。(^ ^;)でもね、気になったんですよ。ちょっぴり。

 

 

2009/2/21

シロウトが楽しむ翻訳、の意味
今日の朝日新聞の夕刊に、面白いコラムが載っていました。
『言葉と思考 遅さの技法/朗読・翻訳 その豊穣な時間』 中山元/哲学者・翻訳家)
ちょうど昨日、『テッド・チャンの部屋』のほうで、新作の感想に「朗読」と「翻訳」というキーワードを使ったところだったので、ちょっとしたシンクロ体験でした。(アップのしたのは深夜日付が変わってからでしたが、書いたのは昨日の夜でした)今日のこのコラムが、昨日自分が感じたのと同じ(そしてチャンの作品自体のテーマにも通じる)文脈で、朗読や翻訳というものを…文章を通して著者の思考を再体験する、贅沢な楽しみとして書いているコラムだったので、興味深く読みました。

コラムでは、文章をただ読むだけでは「テクストの上を高速で滑空して」しまうために感じ取れないものが、あえて朗読をして耳から聞いたり、別の言語に翻訳する手間をかけることで、自分の思考を「遅らせ」、より深く理解したり味わったりできること…そしてその価値が書かれています。

「思考を読み解くためには、遅さというものが大切なのだ。(中略)
著者との沈黙の対話のうちに過ごすこの時間は無駄ではない。それこそが豊穣な時間なのだ」

正論なんですが、なかなかそう自分自身で思い切ることは難しいです。巷では速読術とか●●分で読めるナントカとか、そういうタイプのものが流行しているし(まあ対象はビジネス書がほとんどですが)、やっぱり本も短時間にたくさん読めたほうがいいんだろうなあ、みたいな気分になることも多いです。特に自分なんかは影響されやすいので…(^ ^;)。最近はビジネス書だけでなく、文学にまで「●分で読める…」みたいな、ある意味読者の楽しみを奪うようなガイドブックがお店に並んでおります。そんななか、効率とは違う価値観を提示されると…ある意味ほっとします。(こういう言葉で「揺り戻して」くれることが、知識人さんたちの仕事の一つかもしれないですね)

ぼくはある著者を理解したいと思うとき、翻訳という作業を始める。翻訳をするのは、他の読者のために訳すという目的にかぎらない。翻訳は、読む速度を遅らせてくれる。そして「遅く考える」時間を、ぼくにくれるのだ。

この方が書いている「翻訳」は外国語の和訳にかぎらなくて、日本語の文章をあえて別の言語に訳してみる、ということも書いてらっしゃいます。その「遅く考える」ためにする翻訳、というのは、べつに翻訳家さんでなくとも享受できる楽しみなわけですね。…昨日自分も、そういう意味で翻訳してみよう、と思ったわけです。「訳しても(著作権の問題で)公開できないけど」というのはありましたが、「人目にふれさせるため」以外にも翻訳行為ってありなんだ、と再認識できた記事でした。

…こういうことを書いてると語学が得意な人ぶってるみたいですが、実像は違います。四月になるとNHKのテキストが気になったりするミーハーではありますが、専門的に勉強したことはないし、仕事で必要だったこともないし、得意なほうでもありません。今回のチャンの新作も、翻訳ですぐに読めるなら横文字の本など読むつもりはありませんでした。

でも、「翻訳する楽しさ」は経験したことがあります。きっかけは…じつはネットで拾ったスラッシュ小説を友人に読ませるために訳したこと、でした。(^ ^;)英語の授業は大嫌いだったのに、モノがナニだとこんなにがんばれるのか、アタシ…みたいな。いや、ほんとに時間を忘れて訳しました。かなりの分量でしたが、まったく苦になりませんでした。(笑)

大発見だったのは、翻訳するときの「著者に憑依される感じ」。だんだん作者の思考と同化してきて、自分にも「この程度のものなら」書けそう、というおこがましい気分になってしまうのです。勘違いではあるんですが、けっこう思い込みってパワーになったりもします。正直、その後長い小説を書いたりできたのは、あの体験があったせいだと思います。

それと、「翻訳ってすごくアタマのいい人でなきゃできないものと思ってたけど、なんだ、ぶっちゃけアタシでも(一応)できるんじゃん」ということ。誤訳への警戒も表現の工夫も、個人的な楽しみとしてやる分にはむしろ「ハードルを越す楽しみ」になります。誰にでもやる自由はある、みたいなこと…あたりまえといえばあたりまえなんですが、なんとなく「お金をとってやってる人でなければやっちゃいけないこと」みたいに感じていたので。思えばそっちのほうがヘンな思い込みでした。学校ではみんな英文和訳をやらされてたわけですもんね。

本来ならプロに任せることをシロウトが楽しみでやる、ということに関して言うと、もう一つ、ここ十数年やっていることがあります。髪を切ることです。もともと美容院という場の雰囲気が苦手で、いつも髪を切りに行くのが億劫でした。あるとき雑誌で、タレントさんが自分で切っているというのを読んで、「そんなこと、やっちゃってもよかったのか!」と目からウロコが落ちたんです。で、やってみました。…時間はすごくかかりましたが、「こんな楽しいこと、今までお金払ってわざわざ他人にやってもらってたのか!」と思いましたです。ホントに。それ以来一度も美容院に行ってません。
たしか、脳科学者の茂木健一郎さんも自分で切ってるとどこかで書いてました。人気文化人と一つだけ共通項があることになります。(笑)

思い返すと、べつにそうする必要はないのに「プロにやってもらうのがあたりまえ」と思い込んでることって、けっこういっぱいあります。オーストラリアでは自分で家を作っちゃうのが珍しくない、とかテレビで見るとびっくりしたり。また、自分がそう思わないことでも、家族がそう思っているとやりにくかったり。(自分の経験でいうと、自室の天井にペンキを塗ったときは、母に「バカ」とまで言われました(笑))

…話がずれすぎてしまいました。テッド・チャンの小説を訳しただけで「この程度(!?)なら書けそう」なんて勘違いができたらお得だなー、という下心はあるのですが…いや、これはさすがに(^ ^;)。でも、より深く理解したいという欲望はありますし、あんな思考に一時でも「憑依」されるなんて贅沢は、いくらお金を払ったって買えません。…なによりたいへん寡作さんですから、貴重な一作をスルメのようにしゃぶりつくさないと。(高く買っちゃったみたいだし…購入してすぐ、400円くらい下がったんですよ…ああもうAmazonてやつは…(^ ^;)。でもまあ、その値段以上の価値は感じてますけれど)思えば、短編とはいえ前作から一年ちょっとで次の作品を読ませてもらえたんだから、チャン先生の生産スピードは上がってるのかも。次の作品はいつ読めるんでしょう…?わくわくします。

 

 

2009/2/19

ブログを使ってみました
試験的に、ブログを使ってみることにしました。フロントページにリンクがございます。よかったらのぞいてみてください。

前から、ブログってカテゴリごとにソートができるし、あとから自分で参照するのも楽だなあ、と思っていたのですが、ネット上で更新しなければならないのが面倒だったりして、なかなか手が付けられませんでした。あと、日記をブログで書くと本にするときにいじりにくそう、とかいろいろあるので…。

今回、とりあえず本のご紹介に絞り、自身の覚書を兼ねて、引用メモを書いてみることにしました。…といっても、思いついて準備を始めたのはだいぶ前なので、最初の記事が一年以上前だったりしますが…。(その後パスワード設定で非公開にしてほったらかしてました(^ ^;))まあ鮮度はあまり関係ない切り口ですので…。

コメント、トラックバックについては自分がマナー等を不勉強なのと、時間があまりとれないため、とりあえず機能を外してあります。勝手がわかってきたら変えていこうと思っています。

 

 

2009/2/18

クリストファー・ウォーケンの『デッドゾーン』
昨晩、テレビでドラマ版の『デッド・ゾーン』を見かけて、クリストファー・ウォーケン版の『デッドゾーン』が懐かしくなり、そういえば昨年テレビ録画したまま見ていなかったなー…と思い出して引っ張り出しました。久々の再見です。いい感じに記憶があいまいなのもあって、かなり入り込めました♪(タイトルの出方はなんとなく覚えてました。すごく印象的!)

内容は、結婚直前に事故に遭い、数年間昏睡状態になった教師が、予知能力(正確には、手をじかに握った相手の過去や未来を見る能力)に目覚めてしまう話。(覚醒プロセスは事故以前から始まってるようですが…)悲劇でもあるし、英雄的なところもあるし、ラブストーリーでもあるし…いろいろな要素が盛り込まれた映画です。

題材にはB級感がありますが、主人公のウォーケン先生、繊細な感じに演じていて、すごくいい映画になってます♪恋人役がトニー・シャルーブ夫人のブルック・アダムズです。ほかに『エイリアン』でノストロモ号の船長をやっていた、地味にいい男トム・スケリットや、『ピンクパンサー2』などでクルーゾーの上司をやってたハーバート・ロムが出ていて、ちょっとお徳な感じもしました♪(ピンクパンサー2では精神病院に入ってたロムを思い出すとなんとも…(笑))

…改めて見てみると、うまくできてる脚本ですね。主人公が未来を知る能力を最初は恐れ、怒り、閉じこもり、すでに起こってしまった悲劇を防げなかったことに苛立ち、やがて未来の悲劇を防ごうとするようになる…という流れが自然です。じつは前に、同じウォーケン主演の『ブレインストーム』の中古DVDを買ったとき、芋づる式に『デッドゾーン』を思い出して、原作本を(やはり古本で)買いました。人気作家スティーブン・キングの小説なのですが、映画より詳細が書き込まれている分冗漫に感じられて、途中で読むのをやめてしまいました。(冗漫さ以外に、他のキング原作映画でも感じる、ちょっと苦手な要素があるのです…個人的な好みの問題ですが)その原作の内容と比べても…うまくまとめたなあ、というしかない脚本です。

ほかに映像について、昔はしなかった見方をちょっとしました。主人公が事故に遭うところ…車で、横転した巨大な牛乳(?なにか白い液体)の運搬車にぶつかるのですが…。細長いタンクの後ろ端にぶつかり、どっとほとばしる牛乳。ひっくり返って大破した主人公の車のフロントガラスは牛乳まみれに…。これ、ひょっとして映画的暗喩じゃないかしら。原作のほうを確認してみたら、案の定映画とは違いました。

…それにしても、80年代映画はやはりいいです。テンポが肌に合います。年代というか、スリコミのせいかしら。これもDVDが絶版…近所のレンタル屋にもありません。(泣)…傑作なのになあ。長いこと出なかった『ゴッド・アーミー/悪の天使』は来月やっと出ることだし、デッドゾーンもウォーケンつながりで(笑)特典映像のついた豪華版を出してほしい…出たら買いますよ、これは!

 

 

2009/2/16

コミティア終了と、コミスタと閉店
昨日はコミティアに委託で参加させていただきました。会場で本をお手にとって下さった皆様、ありがとうございました!

…現在はJ庭の新刊準備をしております。いちおう、間に合えばチョロQワトスンシリーズの宇宙探偵が出.る予定です。間に合わなかったら5月に…。今回は新刊予告を出してないので、あまり緊張せずに済んでます。(案外これが自分を使うコツなのかも。緊張すると手も脳も止まってしまうほうなので…(^ ^;))今日は絵コンテ作業をしてたのですが、どーも脳からうまく流れてこないので、以前参考にしたComic Studioの公式ガイドブックを引っ張り出しました。たしかプロット段階でコミスタを使う方法が書かれてたんですよね…。

予定ページ数分に2ページくらい加えて作品ファイルを作り、最後のページに思いついたシーンを殴り描きしていく…という方法なのですが、一つのシーンにつき一枚のレイヤーを使い、どんどんレイヤーを増やしていくのがミソ。あとからそれらの絵を該当ページにペーストしていくのです。これ、前に試したときは「一枚のレイヤーにひとつのシーン」というのがどうもやりにくくて、結局この部分にあたる工程はクロッキー帳に手描きすることが多かったんです。

今回、そのクロッキー帳に描いた思いつきをレイヤーごとに描き、それをページにポツリ、ポツリと配分することで、なんとなく流れをつかむことができました。(こうなると最初からコミスタにアイデアスケッチを描きつけておけば早い気がしますが、そのへんがどうも…(^ ^;))未定部分は文字で書いておいて、ところどころは下描きもいれながら…という凹凸のある(?)進め方をしたい自分には、そのへんが自由になるパソコンとコミスタ様様です。

…ちょっと気がついたのですが、ガイドブックでは「プロット」「ネーム」という用語を使っていて、シノプシスとか絵コンテとか字コンテ(これは使ってる人少ないかも(笑))とかいう言葉は使ってないですね。自分はどうも「ネーム」という言葉が馴染めなくて、ずっと絵コンテと呼んでおります。(アニメ制作系出身なせいもあるかもですが)たしか「ネーム」はもともとは写植のことだし(あとから貼り込むネームを先に写植屋さんに発注するために、この段階で台詞を確定する…と聞いた気が)作画と同時に活字部分も入力できてしまうコミスタではやはり違和感があるのですが…。でも今では「ネーム」という用語が主流みたいですね。うーむ、こんなところでも年を感じます。(^ ^;)


冬コミのしおり以来のワトスンです。

…ゆるく追い込み…で重宝するのが、気分転換と仕事が両方できる喫茶店なのですが、じつはよく長居させてもらっていた最寄のタリーズが、1月いっぱいでつぶれてしまいました…とほほ。というか、知らずにムーパラ翌日に行ったらなくなってました…告知もなにもありませんが、改装なら告知があるはずだし、おそらくつぶれたのだと思います。ムーパラ前日にはたしか開いていたし、ほんの一週間前くらいには入ったのですが、そのときもなんの予告も出てませんでした…。通い始めたのは昨年の秋くらいからなんですが、最近では一番落ち着けるお店になっていたので、急にオフィスをなくしたような気分です。もうショックで…。(…自分みたいな客が「落ち着ける」ようなお店だからつぶれたのかもですが…(^ ^;))天井が高くて、店員さんは親切で、BGMは好きなタイプのジャズで、もう最高でした。(あれで食べ物もおいしかったらもっと通ってました(笑)コーヒーはともかく、食べ物はちょっとアレだったかな…(^ ^;))後継のテナントがまだ入ってないのですが、あんなお店がまたできてほしい…。携帯屋さんとか美容院とかはもういりませんから。(この二つが異様に多いです。うちの最寄り駅の周辺…)

あともう一軒、好きだった洋菓子屋さんも同じ日で閉店してしまいました。シャトレーゼというチェーン店なのですが、自社製造の乳製品が売りで、生クリームがそれはそれはおいしかったのです。日常的に買うワケではありませんが、お土産とか自分にご褒美とかでは行きつけになりつつあったので、こちらもショックでした…。歩いて行ける範囲にもう一軒支店はあるのですが、とても遠いのでなかなか食べられなくなりそう。おいしかったのになあ、ふんわりロール…。(涙)

とにかくお気に入りがいっぺんに二つもなくなったのがショックです。まあこれで散財は減らせる…と気持ちを切り替えるには、もう少し時間がかかりそうです。…それはともかく、自分の部屋の居心地をよくするのが先決。ハイ。わかってるんですけどね…。(^ ^;)

 

 

2009/2/15

分身発見と、若いお母さんたち。
今日はなぜか早起きしました。天気もよさそうなので起き抜けでシーツを洗濯機に放り込んでから朝食作り始めました。うーん、めったにないパターン(笑)。

今日はコミティアですね。委託参加させていただきます。よろしくお願いします。今公式サイトを見てきたんですが…久しぶりにスタッフブログを拝見したら、委託品の箱の山の写真のなかに、ウチの箱も映り込んでました…(^ ^;)分身が映っているような妙なおもはゆさが。自分以外には見分けがつかないんですけど。(笑)スタッフさんには本当にお世話になります。

…それはそうと、昨日はなぜか中学生くらいの男の子とお母さんの組み合わせで歩いているのがやたら目につきました。後ろから見たときは一瞬カップル?と思って「ああ、バレンタインデーだしね」とか思っていたのですが、男の子の態度がちょっとデートっぽくない…。近づいたら女性の「手」がえらく年上で結婚指輪をはめていたので、ああ、親子だったのか!と気がつきました。いやーびっくり。最近の母さんは服装も若くてかわいいですね。髪型もオシャレ。独身の自分のほうがよっぽど主婦っぽいかもです。(笑)しかしなんであんなに母子連れが多かったんだろう。なにかイベントでもあったのかしら?

 

 

2009/2/13

駆け込みでお月様映画を
前売り券を買ってあった『ザ・ムーン』→公式サイト)、最終日の今日やっと見てきました。最寄の公開劇場では一日一回のみ上映、しかも行きにくい時間だったりして、なかなか行けなかったのです。…今日も8:55とか早い時間で。(^ ^;)…でも、やっぱ劇場で見てよかったです♪

月そのもののドキュメンタリーかと思ってたんですが、元宇宙飛行士のおじいちゃんたちの思い出話を軸にすえて、当時のミッションの映像を編集したものでした。原題は『In the shadow of the Moon』。映画の中で、ミッションの思い出話に出てきた言葉です。地球からずっと太陽を浴びながら飛んで行った船体が、月の影の真っ暗な空間に入る。そのとき初めて月そのものを実感した…というようなお話だったと思います。宇宙飛行士にスポットを当てた内容であるのを表したタイトルだったんですね。

使われた当時の映像というのがなかなか貴重みたいで、未公開の「蔵出し」映像もあるそうです。月好き(?)にはたまりません。そしてなにより、ロケット、宇宙、フロンティア精神…といったものがかもし出す雰囲気が、なんかたまりません。目が潤む箇所が多くて困りました。なにしろ全部ホンモノの映像、画面から語りかけてくるのも本当に月へ行った人たち、なんですもの。

特に印象的だったのが、終盤に出てきた「月から帰ってから、嫌いな天気というものがなくなった」というお話でした。そしてショッピングセンターでアイスクリームをなめながら歩き回って幸せを感じたという…。
ミッションの準備、打ち上げ、月着陸、帰還…と順を追って見たあとにそう言われると、このコトバが自然に理解できます。あんな生き物が生きられない世界から、ちっぽけな「奇跡的に生き物が生きられる場所」に帰ってきたら、そりゃあここが貴重に感じられますよね…思いっきり楽しまないなんてもったいない。

…そんな気分で劇場を出たせいか、いつもはなかなか入らないラーメン屋さんなど、思いつきでフラリと寄りました。有名な六角家です。しかも煮たまごまでつけて。(←自分にしては大盤振る舞い)
おいしいものは思い切り楽しまないと!みたいな気分だったもので。(笑)…いや、おいしかったです♪

駆け込みついで…というのではありませんが、やはり今日が受付〆切だった5月のスパコミにも、ギリギリで申し込みました。(オンライン受付が夜7時までだったのですが、手続き完了したのは6:48でした…(^ ^;))あと、文学フリマというイベントにも初めて申し込みました。最近のオリジナル作品が文字に偏ってしまっているので、文芸系のオンリーイベントはないかな…と探して見つけたものです。ふだんの同人イベントと雰囲気が違いそうでちょっと腰が引けてるのですが、会場が今回はムーパラと同じ蒲田のPioだということで、少し気が楽に(?)なりました。(笑)こちらは抽選待ちです。

 

 

2009/2/10

電子辞書引取りとおやつ(スイートポテトりんご入り)
修理に出していた電子辞書が戻ってきました。外出用と家用と2台使っているうちの家用のほうで、画面が大きく発音も聞けるタイプなので、直ってくれてほんとによかった。一万円近くかかりましたが、買い換えることを考えたらありがたい。ヨドバシの修理用のポイント(こんなのあるんですね)が1500円ほどたまってたのと、通常ポイントもあったので少し助かりました。ムーパラあわせの追い込みからすっかり滞っていた、テッド・チャンの新作解読(?)もやっと再開です♪

引き取りの途中、近道でデパ地下を通ったら北海道のスイーツででっかいスイートポテトを売っていました。おいしそーだったんですが、ここのところ出費がかさんでいるので帰ってから自作することに。(↓完成図)

…といっても家にあるもので間に合わせた「なんちゃってスイートポテト」です。何度か作っていますが、簡単で失敗がない(焼く前にタネの味見ができるから失敗しない)ので気に入っています。手抜きレシピ(この程度でレシピといえるのかどうか…(^ ^;))を書きます。

@ピーラーで皮をむいたサツマイモを5ミリくらいの厚さに切り、ひたひたの水で柔らかくなるまで茹でる。

A水を切って、鍋の中で木べらでつぶす。裏ごしはしませんが、柔らかく茹でてあるとけっこう細かくなります。

B好みの柔らかさと味になるように味見をしながら、牛乳、マーガリン、甘み(今日ははちみつ)、シナモンを適当に入れて、さらにつぶしながら混ぜる。今日はお芋が少なめ(食べたい量に比べて)に見えたので、量を増やすためにりんご4分の1をおおざっぱに刻み、はちみつ少量をからめて混ぜ込みました。

Cそれっぽい形に成形して、卵黄を水ちょっぴりでのばしたのを(ハケがないので)スプーンでたらしながら塗り、オーブントースターで焼き色がつくまで焼く。

…という感じです。計量スプーンも計量カップもはかりも使いません。必要なのは鍋とへら、スプーンとオーブントースターの受け皿(?)に敷くアルミホイルくらいです。(こうしとくと洗わなくて済むので(笑))

サツマイモ中サイズ1本+りんご4分の1で、ミニサイズ(いなりずしよりひと回り小さいくらい)が8個できました。焼きたてはけっこうふっくらしています。量を増やすために入れたりんごが案外ヒットでした。(まあこの組み合わせならまずいわけがないですね)甘みをつけてしまうので、あんまりおいしくないりんごの始末にいいかもです。(笑)あと、マーガリンでなくバターだったらもっと風味がいいかも…。

余談ですが、夕飯のときにテレビを見ていたら別局の番組で続けざまにスイートポテトの話題が出てきました。ちょっとシンクロです。(笑)

写真をとったついでに、最近書店でもらって気に入っているしおりを撮りました。

イラストがヨシタケシンスケさん。朝日新聞で週一連載している『文化おしぼり』という一コマ漫画が大好きなのですが、その作者さんです。あんまり気に入ったので、ごらんのようにパソコンのディスプレイの下に貼り付けています。…軽くパニクったときに、マジで助けられてます。(笑)

 

 

2009/2/8

久々にホームズ本を♪
昨日は横浜へ行ったのですが、書店で『シャーロック・ホームズの科学捜査を読む』というのを見つけて衝動買いしました。ドイル傑作選の続刊もなかなか出ないところ、自分には久々のホームズ・ドイル関連本です♪

内容は、ホームズで描かれた事件と、ヴィクトリア朝時代に実際起きた事件の例を引きながら、当時の法医学等、科学的捜査の実際について書かれています。これはありがたい!

…自分も同人誌とはいえホームズ贋作小説など作っておりますので、当時の捜査はどの程度のことができたのか…というのは気になるところでした。現代のことだったらまとめた本も出ているのですが、ホームズさんの頃のイギリスとなると…実際ここ数年、いくつか調べているのですが、各々の分野について書かれたものから年代を割り出し、「えーと、これが発明されたのが●●年だから、▼▼年にはまだなくて…」と外堀を埋めていくしかなくて、ちょっと限界を感じてました。「全体的にこんな雰囲気」というのがつかみにくくて。ホームズものに書かれてることはわかりますが、まんま引き写しというのでは興ざめだし…。「この時代」にぴったり照準を合わせて解説してくれる本、「こーいうのがほしかった!」という感じです♪(自分が調べていた項目の一つもありました!感激♪)

読み物として頭から読んでも面白いですが、索引や参考文献が載っているきちんとした本なので(これがあるとないとじゃ資料としての魅力が大違い!)、興味あるトピックから読んでいくのもありだと思います。私は最初頭から読み始めたのですが、途中で訳者あとがきを読んだら章ごとの概要がまとめてあったので、今は知りたいところから読んでいます。目次に出ている章タイトルは多少文学的(?)なので、具体的概要を知るにはあとがきを先に参照するのがおススメです。

このあたりの時代の犯罪捜査関連としては、以前『指紋は知っていた』というのを買ったことがあります。タイトルどおり指紋についてのノンフィクションで、指紋が個人を識別する方法として初めて採用されたのは英国統治下のインドだった…というあたりの事情が書いてあります。指紋が採用される以前の、ホームズさんも言及していたベルティヨン法(身体測定で識別)のお話なんかも出てきます。 資料として拾い読みしていたので読了はしてないんですけど、こんな内容が文庫で読めるなんてお得だなー♪と思った覚えがあります。これで索引がついてたらホントにいいんですけど!

…『…科学捜査を読む』の訳者あとがきを読んで初めて知ったのですが、今年はドイルせんせの生誕150周年なんだそうですね。じつは地元横浜も開港150周年です。同じ年に生まれていたのかあ…。そう思うと昔の人なんだなあ、と今さらながら思います。

…さて、それはそうと、そろそろJ庭の新刊準備に入らなくてはならない時期…なんですが…。今回、公式サイトの新刊掲示板に情報を書き込むのを忘れました…!(泣)先日出した日記本はJ庭初売りになるので書き込もうと思ってたのですが。当日あわせの新刊が間に合わなくとも、確実に持参できる本として…。ああ、書いとけばカタログにも載せていただけたのに…せっかくビッグサイトの拡大開催なのに…!

…ムーパラ前日が書き込み〆切、というのが敗因でした。「あっ!そういえば!」と気がついたらすでに0時半…。(受け付けは0時まで(^ ^;)…)余裕がないとこーいうことに。しくしく。

…そういえば、夏コミの郵送申込は明後日が「当日消印有効」の締切日ですね。ドイルせんせの150周年記念ということで、なにかお祝い企画をやりたい気もするし、懸案の贋作小説をなんとかしたいというのもあるし…ああ、半年も先の新刊なんてわからない!カットをどうしよう…?と悩んでおります…。

 

 

2009/2/5

コミティア発送終了と『ロミオとジュリエット』
はー…。2/15のコミティアの委託品受付が今日まで(つまり発送は昨日まで)だったので、ムーパラ後そのままプリント・製本・梱包作業の3日間でした!トナー減少ランプがつき、インクジェットのカートリッジも不調だったり、本を詰める袋がなくなってたりしたので、慌てて横浜まで買出しに出ました。

…袋はオーピーパックという、透明ポリ袋にテープがついてるのを使っているのですが、なぜかこれのA5サイズがどの店にもなくて、探し回ってへとへとになりました。(^ ^;)結局テープなしのを買って間に合わせることにしました。

いざ帰って再開したら、古いトナーとカートリッジのまま無事印刷できてしまったのでなんだかなー…。(^ ^;)まあ、このあとJ庭もありますし…。壊れていた電子辞書の修理出しとかもできたのでまあいいか!…それと、ふと思いついて本屋さんでオビの研究(?)をしてきました。委託販売のときはスペースと違ってポップがないので、閲覧見本に内容説明のオビをつけているのですが、普通の本のオビって意識して観察したことがなかったので…。…なるほど、とりあえずでっかくて太い文字のコピーで目を引いて、小さな文字で書かれた紹介部分に誘導する…という感じなんですね。

…ああいうノリで自分で作った本を「売り込む」のって恥ずかしいものがありますが…今回は「他人の作品を売り込むつもり」で、オリジナル小説にはあえて文芸書ぶりっこなオビを作ってみました。見ると自分で「なに言ってやがんでえ」(笑)とツッコミいれてしまいますが、一種のパロディーをやってるような感覚で、けっこう作るのは面白かったです。実物見ていただく機会がありましたら、心の中でツッコんでやってください。(笑)日記本のほうは、表紙・裏表紙の余白に雑誌並みに内容説明を入れました。ちょっとうるさいかもですが…。

さて!そんなこんなでいろいろ終わって、やっと自分にご褒美♪再見したかった『ロミオとジュリエット』をレンタルしました。きっかけは、新刊だった日記本にレナード・ホワイティング『ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン』ロバート・ショウの小姓役)の似顔イラストを描くときに、参考にしようとネットで画像検索をしたところ…古い映画のリサーチをするとありがちなことですが、美しい青年時代の写真と、近年の「前髪前線が後退して肉のついた姿」(笑)とを、まとめて見ることになっちゃったわけです。ギャップにかえって萌えてしまいまして、当たり役のロミオを見たくなった…という次第です。

この映画、ジュリエットを演じたオリビア・ハッセーの映画として有名ですね。自分もテレビでは昔見ましたが、字幕で見るのは初めてです。昔見たときはやはりジュリエットのほうが印象的で、ロミオもすごく綺麗なんですけど、ちょっとカゲが薄い…みたいな印象を持ってました。今回はロミオ主体に見てみました。

…最初のうちこそ、妙に股間を強調してる男性の衣装が笑えたり(笑)、現実離れした舞台台詞が不自然に見えたりしましたが、すぐに入り込んでしまいました。主人公二人ともほんとに、信じられないくらい美しい。美しすぎる。ホワイティングにもうっとりです。いやもう、こんなに美しいんならホモじゃなくてもいいや、みたいな。(笑)

彼は『ロイヤル・ハント…』ではかなり大根に見えたんですが、この映画ではまったく気になりませんでした。顔の表情は(整いすぎてるせいか)ちょっと乏しくもありますが、体全体で表現している感じで躍動感いっぱい。有名なバルコニーのシーンでは、軽々と木に登っていくのですが、それがもう、木登りしているというより、頭上のジュリエットに引き寄せられたロミオの心が形をとっている、くらいの勢いでいいシーンになってます。
消沈する、泣きじゃくる、有頂天になる、怒り狂う…と感情の起伏の幅が大きいキャラクターで見事でした。監督の力量でしょうかね。

改めて見ると、全体がすごくスピード感のある映画だったんですね。138分ですが、中だるみなし。お話自体、出会った翌日結婚しちゃうくらい展開早いですが(笑)、そういうこととは別に、なんというのかなあ…主人公二人の心情の疾走感がすごい。若いというより幼い。待てない。感情が沸騰してる感じ。それが周囲のオトナの世界の枠の中に納められたがゆえの悲劇、という構造。素晴らしかったです!

…しかし、ジュリエットって13歳だったんですね!ロミオもたぶんせいぜい15〜16くらい?中学生くらいの話だったのか…びっくり。こりゃ性急で分別ゼロなわけですね(笑)。二人を支援する神父様が、最初ロミオの惚れっぽさに呆れて(ロミオがジュリエットとの結婚を取り仕切ってくれと頼みに行くのですが、彼は直前まで、別の娘に失恋して絶望モードだったのです(笑))、「若者の恋は心でなく目でするのか」といいます。そりゃそうだ。年とってからだって、目の要素がない恋なんてあるだろうか。…まあ、素直にそう思えるのは逆に年とったせいかも…?(^ ^;)

(…そういえば、たしかコメディーの『フレイジャー』で、ゆくゆく遺産を手に入れるのを目的に、年寄りの富豪と婚約する女性を揶揄して、「通帳と心電図に一目惚れ」とかいう台詞がありましたが…そーいうのは恋とは言わんですね(笑))

…話がずれてしまいました。とにかく撮影当時オリビア・ハッセーが16歳、ホワイティングが18歳だったそうです。リアル10代のロミジュリでした。

腐目線の入る余地は…というか、必要(?)はあまりありませんが、ロミオと親友のマキューシオはちょっと深読みできます。(笑)ジュリエットの従兄弟のティボルト役がマイケル・ヨーク(往年のサル面アイドル)で、一瞬びっくりしました。眉を濃く引いていて、ちょっと違う顔になってます。(しかし若い!)…敵対する両家のぼっちゃんたちが喧嘩三昧なところとか、ほとんどチンピラとか番長の縄張り争いに近い荒々しい感じも、今回すごく感じました。(レオナルド・ディカプリオがロミオをやった『ロミオ&ジュリエット』はその感じを忠実に翻案してましたですね。あのロミオもよかったですねえ!オカマみたいなマキューシオもよかったし、役は忘れましたがジョン・レグイザモが印象的でした♪)喧嘩がほとんど挨拶代わりというか、刃傷沙汰を気軽に、面白がってやっている。「人が死ぬ」ということを意識せずに決闘とかしていて、いざほんとうに相手が死ぬとびっくりして呆然としたりする。そのへんの感覚が、どうにも若いんですねえ…うん。

今回、これを見ようと決めたときから、ニーノ・ロータのテーマ曲が頭の中でエンドレスに流れてたのですが、これには歌詞があったんですね。全然忘れてました。劇中でパーティーの余興として、歌手が歌います。その歌詞の冒頭…

『若さとはなにか?
  それは抑えられない炎』

…映画全体を象徴するような歌詞でした。

 

最後に、ロミオの美しいバックヌードの写真があったので、リンク貼っときます♪
→こちら
ザック・エフロンと似ている、というネタで取り上げられてます。 このあと有名な「あれはナイチンゲールよ」のシーンになるのですが、実際映画で見ると息を呑みますですよ。 美しすぎます…。

もう一つ、レナード・ホワイティングの写真がいろいろ見られるページを見つけました。なんとロシア語!読めませんが、若い頃、最近のもの、といろいろな写真が載ってるので…。
→こちら
ホワイティングご本人からのサイトへの謝辞もありますね。 中年になってからのお顔は、ちょっとモーリス・ロネアラン・ドロンの『太陽がいっぱい』で、坊ちゃん役をやってた役者さん)に似ている気もします…。下のほうに、『ロイヤル・ハント…』でのロバート・ショウとのツーショットもあります♪

 

    

 

 

2009/2/2

ムーパラ終了、と、大川橋蔵さん
昨日はMovies Paradiseに参加させていただきました。スペースへお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!ムーパラは当日新刊告知の貼紙コーナーがあるので、そこにクリストファー・プラマー&ロバート・ショウの写真入りで新刊告知を出しました。なにしろメインテーマが日本では劇場未公開・DVD未リリースの無名映画なので、プラマー様の肉体美で人目を引こうという魂胆です。(笑)…そのおかげかどうかわかりませんが、新刊の日記本『腐女子本懐2008』は、日記本の初売りとしては新記録の売上数でした。(といってもいつもが少ないのですが(^ ^;))ありがとうございました。

スペースではたくさんの方と旧作映画のお話をさせていただけて、もうこの手の話をしてるとエンドルフィンが出まくってしまう自分としては幸せな、そして健康にもよかった気がする(笑)一日でした。(ほんとうに、朝は体が辛かったのですが、帰り道には軽くなっておりました!不思議!)

お話を聞いたりするなかで、これから見てみたい映画も増えました♪見たいものがあるって嬉しいことですね!
とりあえず、ペーパーにも書きました懸案(?)の『ザ・ムーン』、『ロミオとジュリエット』あたりは早々に鑑賞したいものです。あと、ずーっと書き損ねていましたが、デアゴスティーニの東映時代劇パートワーク、大川橋蔵さんの『新吾十番勝負』の号が明日発売です!(→版元サイトはこちら。Amazonでは扱いがないみたいですね)

このサイトに橋蔵さんのコーナーがありますが、じつはもともとそちらで同人誌を作っていましたり、橋蔵さんのコーナーを作りたくてウェブサイトを始めたくらい、橋蔵さんのファンでした。(現在は熱狂は落ち着いて「殿堂入り」していますが(笑))…『新吾十番勝負』は、『若さま侍捕物帖』雪之丞変化と並んで、自分にとっての橋蔵映画ベスト3(同率一位(笑))なので、すごく楽しみです。…価格を考えると画質が心配だったり、好きな作品はすべてVHSで購入したクチなので、安くなった価格には複雑なものがありますが…(VHSは「廉価版」でさえ5000円、その前は一万数千円が普通でした…(^ ^;))とにかく手軽に見直せるようになるのはありがたいことです。しかし東映さん、なかなかDVD化が進まないと思っていたら、こんな形で…新吾は初DVD化ぢゃないですかっ!!

シリーズの創刊号を見ましたら、若さまも雪乃丞も刊行リストに入っているようですが、初期の若さまシリーズとか、自分が橋蔵さんにはまったきっかけの橋蔵の若様やくざ(タイトルセンスにヤられました!(笑))なんかは入ってないです。新吾十番勝負もこのパートワークで出るのは『一部・二部総集編』だけ…?(新吾シリーズはその後『第三部』、『完結編』、さらには『二十番勝負』、『番外勝負』なんてのまであるのです。(笑)自分は第三部の扮装が一番美しく見えて好きなのですけど…)なんとか全作品を、一般人がレンタルで手軽に見られるようにしてほしいものです…。

 

 

2009/1/31

ムーパラ新刊
新刊の日記本、なんとかプリントできました。先日のテストとは打って変わって、最初のうち一枚おきに紙詰まりで焦りましたが、だんだん快調に…雨の湿気が関係してるのでしょうか。(夏になったらどーなっちゃうのだろう(^ ^;))

ホチキスが壊れるなどとゆーことが起こらなければ、明日持っていけると思います♪加筆イラストは昨年よりちょっと増量、本文はだいぶ増量(笑)です。あと、『蛮族の王』もムーパラ初売りですので、よろしくお願いします。

あとは値札とペーパーを作って…なんとか徹夜はしなくてすみそうです。ではこれから製本に入ります。

ああ、昨夜録画したタモリ倶楽部のスペシャルが早く見たいよう〜。

 

 

2009/1/29

もしも貧血がなかったら
通院日。恒例の血液検査をしたら、ヘモグロビン値自己最低記録を更新。…ここ数日「体がどよ〜んと重い」のは貧血のせいでした。いや、貧血特有の頭痛も出てるので見当はついてましたが。診察室に入るなり先生が

「手が真っ白じゃない!」(注・色白ではないので、そーいう意味の「真っ白」ではありません(^ ^;))

え、貧血って手に出るんですか?とびっくり。まあ顔は化粧しているので、パッと見で色がわかるのは手だけですね。でも手の色って初めて言われましたぞ。普通、目をあっかんべーして白いかどうか見たりしますけどねえ。
「立ちくらみしませんか?」というので、もう慣れちゃったのでそれがあたりまえで…と答えました。(^ ^;)ただ、ここ数日は朝…起き…にくいですね。「ああ、そうでしょうね。コレ(数値)じゃあ」

…とにかく鉄剤を前回の二倍出していただきました。一日2回。薬局のお姉さんもいろいろアドバイスをくれたのですが…ほうれん草、レバー、ひじき…ハイ、わかってるんですけど、辛くならないとなかなか食事って意識しないんですよね(笑)。結局、

「ま、(鉄剤)飲んじゃったほうが早いですよ!」

という話に。ははは。そうですよね。でも今回は一日2回なので、

「朝晩飲めば、体がしゃっきりしますよ!」

…とのことでした。それはいい。それはいいですね!

…ふと、考えました。貧血がないとこの体や頭の重さは消えるのか…そんでもって朝からしゃっきり。それを想像してみると、まるで別の人間に生まれ変わるような感じが。貧血さえなければ、なんでもできるような気がしてきました!(笑)

この不調が貧血のせいだったのなら…なんか、いろいろジタバタして、気分を変えようとかしてみたりしていたのも…貧血を精神論で乗り切ろうとしていたみたいな?そりゃー無理だったな、と。単純にとりましょう、鉄分。とりえずお昼にひじきとほうれん草とベーコンのパスタを作りました。これが続けばいいんですけどねぇ…。

 

 

2009/1/28

ムーパラ準備
なんだか体調が絶不調です〜〜。週末のムーパラの宅配発送はなんとか済ませたのでほっとしましたが…冬コミでなくなったぶんの既刊を少数刷って、荷造りして…それだけでなぜこんなに疲れるのだろう。脱力感マックスです。ひ〜(^ ^;)。新刊のほうが進みませぬ。うう、ただの再編集ものなのに。本文の整理をしていると、あ、あれのカットもいれたい、これもいれたい…とだんだん欲が出てきて。まあいつものことなんですが。…しかしここんとこ絵を描くことをさぼっていたので勘がいまいち取り戻せず、一枚描くのに時間がかかってしょーがありません。(自業自得ですが(^ ^;))

…旧作映画レビューが主の日記本が新刊なのですが、ムーパラは申し込むときにジャンルとして作品名とカップリングを書かなければならないのです。…いつもオンリーサークルなので配置上のカップリングもなにもないのですが、今回なにをトチ狂ったか、「ロバート・ショウ×クリストファー・プラマー」などと書き込んでおりました。…参加証セットが届いて初めて意識しました。(書類に印刷されてるんだもん…(恥))ああ、馬鹿なことしたもんだ。

…しかしカップリング目線のきっかけになった『ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン』が未公開映画なので、とにかく作品をご紹介するというスタンスしかとれないわけで。プラマー様の艶姿でいろいろ試行錯誤しております。


…ちょっと耽美風に描いてみたり…(いや、この映画のプラマー様はほんとにお耽美なんですよ♪)


…アラレもない姿も描いてみたり。
(…コレも映画のシーンを忠実に描いてるんです…(笑))

なんのかんの言って本人が楽しんでるだけじゃないかって話ですが。(…まあ同人誌ですから)

しかし今こんな作業していて間に合うのだろうか…。描いてるとだんだん描きたいネタが浮かんでくるのですけど…(悩)

…あ、先日購入した書籍用紙は、なんとか自動両面印刷することができました♪ときどき詰まりますけど…ちょっと印刷するときにハラハラしそうですが、まあ無駄にならなくてよかったです。

 

 

2009/1/24

レンタルもの覚書
ツタヤさん半額で借りていたDVDをここ数日で消化したので、覚書を。

インベージョン』…以前見た『SF/ボディ・スナッチャー』と同じ原作のSFもの。ほかにも何度か映画化されているらしいです。出演はニコール・キッドマンダニエル・クレイグ。宇宙から来た生物に回りの人がどんどん乗っ取られて…というサスペンスなんですが、お話に「ヒロインに都合がよすぎ」な点がいくつか目立ち…そう、この感覚は『幸せのレシピ』と同じ。大女優を看板にしたハリウッド映画にはよくあるパターンなのでしょうか?「ひょっとして宇宙人のほうが人間よりマシなんじゃ…?」というテーマがほんの少し匂ってよろしかったのですが、ラストはバタバタとまとめすぎでした。素直に「ニコール・キッドマン鑑賞映画」と割り切るべきなのかも?(笑)SFと考えるとちょっと食い足りないです。

マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』…没後10周年で作られた追悼ドキュメンタリー。生前のインタビュー映像、娘さん(異母姉妹二人)や共演者や監督のインタビューなどで構成されています。マストロヤンニの作品はそうたくさんは見ていませんが、大好きな『マカロニ』、ソフィア・ローレンとの共演作『ひまわり』『昨日・今日・明日』などで印象に残っています。前に、「女に振られて、娘に(しかも離婚した元妻との間にできた娘に)泣きながら電話した」とかいうエピソードをどこかで読んだ気がしますが、ほんとうにやってそうだ、この人(笑)。考えられない行為ですが不思議と憎めないキャラだったようで、電話魔であったのも本当だそうです。いろんな意味でヨーロピア〜ンな世界ですね。(笑)人間て複雑だ。長所、短所なんてごちゃごちゃとないまぜになっている…そう思えました。そしてなんとなく、ほんわかしてしまいました。感傷を素直に味わいたい映画。ラストクレジットの映像は『ニュー・シネマ・パラダイス』みたい。(笑)

博士の異常な愛情』…冷戦時代の核戦争の危機をブラック・コメディーで描いたスタンリー・キューブリック監督作品。ピーター・セラーズがイギリス人の大佐、アメリカ大統領、ドイツ人のマッドサイエンティストと三役で大活躍。ジョージ・C.スコットのおバカなタカ派軍人とか、今見ると貴重(笑)。再見のはずですが細部は忘れていたので楽しめました。見ていて『未知への飛行 -フェイル・セイフ-』に似てるな…と思いました。あちらは同じテーマをシリアスに撮っています。

その名にちなんで』…あまり期待しなかったのですが、意外によかったです。ただ、どこがどう良いのか説明がしにくい映画です(笑)。アメリカにわたったインド人の新婚夫婦、その息子で「ゴーゴリ」(ロシア人作家のニコライ・ゴーゴリにちなむ)と命名された息子…二代のインド系家族の物語です。…この前インドのメンタリティーの印象を書きましたが、やはりそんな感じはあって…人生に起こるいろいろなことが描かれるのですが、きっちり起承転結があるとかじゃなくて、ビーズをつなげるみたいにとにかくエピソードが並ぶ。「かくて人生(日常生活)は続く」…という感じでしょうか。でも「淡々と」という感じでもないんですよね…ある程度、一つ一つのビーズに大きさがあります。「ひとつの大きいビーズに収束」はしないので、ある意味散漫だし、キーワードになってる「ゴーゴリ」という名前の扱いもちょっと作為的。…にもかかわらず、見終わったあと、当初は見るつもりのなかった特典映像すべてを見て、聞かないつもりだった監督の音声解説入りでもう一度見てしまい、予期せぬ夜更かしになってしまいました。なんだろうな、これは。(笑)

ゴーゴリ役が、『スーパーマン リターンズ』でレックス・ルーサーの子分をやっていてかわいかったカル・ペンなのが自分には引力だったのですが、お母さん役のインド人女優タブーさんがものすごく美しくて(美しすぎる!)かなり映画全体を支えていました。おだやかなお父さんのキャラクターが、ちょっと前に見たインド人監督サタジット・レイの『大河のうた』の父親キャラとダブって見えました。同じベンガル人ということで、共通するものがあるのかな。

 

 

2009/1/21

大統領就任式
さっきオバマ大統領就任式の生中継を見終えました。眠いです。(笑)でも歴史的場面を見られました。初の黒人大統領誕生。演説よかったですねえ。大変な時だからこそ一緒にがんばろう、という真摯なイメージが伝わってきました。聞いていて他国民のこちらまで背筋が伸びました。なんだこのストレート感は、とショックなくらい。(演説本が売れているというニュースを見ましたが、納得です)

うらやましいなあ、というのが正直な感想でした。こんなふうに、やる気を鼓舞してくれるリーダーを得たアメリカさんが。国のトップに対してあれだけ盛り上がれるなんて、日本じゃ想像もできない。アメリカのすべてが好きではないけれど、今日はただひたすらうらやましかった。こんな気分で自分の国のリーダーを見てみたいもんです。(…(^ ^;))自分たちがいかに、本気で聞けるコトバと縁遠い生活を送っているかがひしひしと感じられて、情けなくなりました。国民性とはよく言うけれど、ホントに自分たち日本人は幼いんだなあ、と感じました。幅があるならまだいいけれど、国会中継とか見ると恥ずかしくなりますもんね…「いやあ〜っ!他の国の記者さんこれ見ないでえぇ〜っ!」みたいな。(笑)…いや、笑ってちゃいかんのでしょう。これも自分たちの責任なのか。(ため息)がんばらないとなあ。なにをがんばればいいのか考え直すところから…。

それはそうと、よくも悪くも世界のリーダーでもあるアメリカさんなので、いい方にいってほしいですね。私たちもモロに影響を受けますから、この変化の予感みたいなものが希望であるのは確かです。いいもん見ました。

 

 

2009/1/20

紙待ち、と、80年代な本の話
書籍用紙が少なくなってきたので一昨日注文。到着を待っているところです。前に買った薄い紙はレーザープリンタの自動両面印刷で紙詰まりしてしまい、仕方なくA5にカットして手動で両面印刷しておりました。この作業がすごく負担になってきたので、今回はもう少し厚いのを。サンプルでやってみるとOKなのですが、このサンプル、タテ目なんですよね…(^ ^;)。

(カット紙は繊維の流れ方でタテ目とヨコ目というのがありまして、長辺方向に流れているのをタテ目(T目)、短辺方向に流れてるのをヨコ目(Y目)といいます。目に沿った方向に強いハリが出るので、A4を二つ折りして本にする場合は、A4ヨコ目の紙だとめくりやすい本になります。普通に売られているコピー用紙はタテ目だそうです)

タテ目のほうが、自動両面印刷にかけるときには良いようなので、ちょっと心配。お店が無料発送してくれるサンプルはすべてタテ目なんです。ヨコ目サンプルをもらえないか交渉してみればよかったのですが、ムーパラ新刊の日記本に使うつもりの紙なので、メールのやりとりやサンプル到着を待ってたりすると間に合わないのでは、ということで賭けに出ました。しかも4000枚も。(すごく割安なんですもん)…ダメだった場合は、ちょっと高級な片面コピーとり用紙が大量にできることになります。

…じつは、昨年の日記の分量が多すぎて(^ ^;)かなり削ったのですが、まだ一昨年の倍くらいあるんですよ…。加筆やイラスト部分が加わるし、削るにしてもどの程度削ればいいのか…。うちのホチキスで綴じられる限界を割り出すには、実際にその紙で綴じてみないと。…自動両面印刷できる範囲で最薄の紙がわかれば、必然的にページの上限が決まります。…逆に、それがわからないと推敲作業が進みません…。(とほほ)というわけで、いろんな意味でドキドキしながら紙の到着を待っております。

昨日は所用で横浜に行ったついでに、最終日だった古書市を見てきました。二点購入。一点は工作舎の『グローバル・ブレイン―情報ネットワーク社会と人間の課題』。学生時代にとても面白く読んだ本の一冊なので、「な、懐かしい〜っ!」と手に取ったところ、値札に「絶版」とあってびっくり。思わず購入してしまいました。まあかなり美品だし、安かったので…。内容はサブタイトル通りですが、出たのが80年代。インターネットが普及していなかった頃の本です。地球全体を一つの生命体に見立てる、ジェームズ・ラブロックガイア仮説→Wikipedia)がまだ目新しかった頃で、本の中でも言及されています。ネットがあたりまえになった今読むと、どう感じるでしょう?


戦利品二冊。グローバル・ブレインは「ニューエイジ」というコトバが恥ずかしくなかった頃のオビつき(笑)。
もう一冊のブラヴァツキー夫人本は、神智学協会の十九世紀の活動について書かれているので、
ホームズもののネタにいつか使えるかな…ということで購入。
こちらも奥付の日付は80年代でした。

あの頃続けざまに工作舎の本にはまった記憶があります。(お金のない学生だったのですべて図書館ですけど(^ ^;))文系の科学評論というか、スピリチュアルに片足突っ込んだ、半歩先を行ってる感じの本が多くて魅力的だったんですよね。今のトンデモ本というカテゴリではなくて(笑)。装丁もかっこよく感じてました。あの頃吸収したものの影響って、かなり尾をひいてると思います。

じつは、ちょうど同じ頃にはまったアーサー・ケストラーの『ホロン革命』を、ここ半年ほどちょびちょび読み直しています。ちょっと今そういう回帰マイブーム(?)なのかもしれません。

(ホロンはケストラーの造語で、部分→集まって「全体」に→個々の「全体」が「部分」に→集まって「全体」に…という段階が無限に続いていく、というイメージのシステムの名前です。生き物も社会構造も、これで解釈できるというもので、とても触発的です。Wikipediaにはこんな説明があります。普通のピラミッド型のヒエラルキーと違うのは、頂上も最底辺もなくて、上下に開いているというイメージ…でしょうか。あと、部分が集まって一つの全体になったときに、部分の総合計というだけではない、新しい要素ができるという感じ。
余談ですが、それが目新しいコトバだったころ、NHKスペシャルの『21世紀は警告する』(リンクはNHKサイト)というシリーズに狂言回しとして出てきた、CGのポーズ人形みたいなキャラクターが、たしか「ホロン博士」という名前でした。それをパロって、木製のポーズ人形でふざけたコマ撮りアニメーションを作ったことを思い出しました(笑))

アーサー・ケストラーのほかの著作はいくつか文庫になっています。一番有名だと思われるのは『機械の中の幽霊』でしょうか。原題の『Ghost in the Machine』は、ポリスのアルバムのタイトルにもなりました。(当時スティングがはまっていたとかで。…それにしても「そのまんま」すぎですよ、スティング先生…(笑))

『ホロン革命』はケストラーの総決算的なものらしいので、これも廉価な文庫にならないかなあ、と思います。…でも、単行本の『ホロン革命』はまだ絶版じゃないんですよね!以前、てっきり絶版だと思ってネットで古書を購入して、それが手元にあるのですが、尋常でなくヤケが進んでいるシロモノなので(まあそれなりの値段ではあったし、おかげでページを折ろうが書き込もうがまったく心が痛みませんが(笑))綺麗なのが手に入るうちに買っておこうかなあ…。でも高いなあ…。(^ ^;)


うちの激古なホロン革命。 すごいコピーのオビがついてますが、
病気を理由に奥さんと安楽心中をした直後で、当時話題になっていたようです。
それにしてもヤケがひどい本です。(笑)

 

 

2009/1/18

「優れた兵士」じゃなくて、ほかに作るべきもの
先日衝動買いした『マインド・ウォーズ 操作される脳』…神経科学の軍事応用を紹介する本ですが、どーも倫理問題の記述が続くので「その話はあとで聞くから」ということで(笑)、後半の部分を先に読みました。自分が興味をもっている具体的な例は後半、特に『より優れた兵士を「構築」せよ』という章にまとまって書かれていました。(もちろん他の章にも散在しているのですが)数日眠らず、食べなくてもパフォーマンスが落ちなくて、怪我をしても自分で治せるスーパー兵士。そんなのを目指してるんだそうです。(そんならいっそロボット同士で戦わせればいんじゃないの?人間様に迷惑のかからない所でさ!(笑))すでに睡眠サイクルなんかは覚醒剤と睡眠薬の連続服用で実現しているそうで、パイロットへのアンフェタミン類の処方はあたりまえだとか。…体にいいわきゃないですな。(兵隊さんって人権ないのね…?)より副作用の少ないものを研究しているそうです。その他もいろいろ。

研究成果と技術自体に好奇心を覚えますが、どうしても「そんなすごい技術、なんでそーいう用途に限定してるのか?」という疑問がでてきます。単純に考えて、たとえば大統領レベルの人たちの「頭を冷静に保つ」ことができるなら…そしてもっと「頭をよく」することができるなら…そもそも戦争自体を避けることができるはずじゃないですか。地球上から餓死する人をなくせるはずじゃないですか。どーも優先順位が違うんじゃないの?というか、「はじめに戦争ありき」なメンタリティーが視野狭窄に見えて、違和感ありまくりでした。

…正確には、それらの技術の開発は軍事用途専用というわけではなくて、医療用とダブルで役に立つ、という名目で研究されているのですが…ようするに国防関連の組織が予算を出すので、その用途に役立つものを提供しなきゃならない、という生臭い問題。この本自体が、神経科学の軍事利用についての倫理問題に焦点を当ててるので、そういう例をピックアップしてたわけですね。自分が齟齬を感じるのは当然だったかもしれません。自分が感じた疑問は、ちゃんと本の最後にありました。

紛争解決や平和研究という分野は、神経科学がもたらす情報によって豊かになる可能性があるし、実際そうなっている。将来、国際および国内紛争への介入で、人間の脳についての極めて高度な知識が役に立つことになるかもしれない。…(中略)…神経系は耐え難いほどに複雑ではあるが、それをもっと深く理解することができれば、私たちは心の戦争に向かうのをやめ、魂の平和を目指せるのではないだろうか。

…そう、そっち方面の応用の話が聞きたいですよ…でも本はそこで終わっちゃってるんですけどね。(笑)
「国防」なら予算が出るけど「平和促進」では予算が出ない。だから研究が進んでない…現状はそういうことみたい。… 資本主義の限界って、もしかしてこーいうことじゃないのかな…?そろそろ次の考え方が知りたいです。昔に返るんじゃなくて、もっと開けてて現実的な新しいシステムって…どこかで頭のいい人たちが、すでにアイデアは作ってるんじゃないかなあ。それを知りたいです。心底。

…いろいろ触発されたので調べてみましたら、軍事でなく肯定的な意味での科学による人間の能力増強は、トランスヒューマンという名前で概念化されているそうです。自分が読みたかったのはそっち系だったのかも…ということで、『マインド・ウォーズ』の巻末参考文献にもあった『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』というのを読み始めました。原題が昔好きだったSF小説と同じ、More than humanでした(笑)。(邦題『人間以上』・シオドア・スターション作…ああっ、表紙がジャパニメーションっぽく変わっててショックぅ…(^ ^;)) やはり興味のある脳関係の章を読んでいますが、いろいろそそられます。…長くなっちゃったのでこのへんで。

 

 

2009/1/17

追悼・美男俳優ジョン・フィリップ・ロー
…って、亡くなったのは昨年なんですけども、つい先日ネットサーフィンをしていて偶然知ったのです…。青い目がものすごく印象的な美男俳優さんでした。2008年5月に亡くなったそうです。ご冥福をお祈り申し上げます。

出演作で一番最近(と言っても一年以上前?)鑑賞したのは、2001年作品のCQ。劇中に出てくるB級お色気女スパイ映画『ドラゴンフライ』に、世界協議会議長という役で出ていました。60過ぎていながら衰えぬ美貌に驚きました。この『CQ』(というか『ドラゴンフライ』)自体が、ジョン・フィリップ・ローの若い頃の主演作・『黄金の眼』という怪盗ものBムービーへのオマージュだそうです。(残念ながら日本では未DVD化なのですが、ネットで拾った写真を見ると『ドラゴンフライ』にそのまま同じシチュエーションのシーンがあります)プロフィールを見ると、そのオマージュを受けるにふさわしい「Mr.Bムービー」みたいなキャリアを積んだ方のようです。

でも自分が印象に残ってるのは、リー・バン・クリーフ目当てで見た新・夕陽のガンマン 復讐の旅です。それでなんとなく「ジョン・フィリップ・ローといえばマカロニ・ウエスタン」みたいなイメージを持っていました。でもマカロニで出てるのはこれくらいみたいですね。(「マカロニ」=「イタリア映画」と解釈すれば、さっきの『黄金の眼』なんかもそうなのですが…)とにかく眼がきれい。マカロニではフランコ・ネロも眼がステキですが、ローはもっとソフトでした。

亡くなっていたことを知ってちょっとショックで、なんとなく画像検索をしてしまったのですが、それに多数ひっかかってきたのがなぜかバーバレラジェーン・フォンダ主演の有名なお色気スペースオペラ映画で(のちにフォンダが自分のプロフィールから抹消したがっていたとか聞いたような気が(笑))、ローは盲目の天使型異星人パイガー役。半裸に翼をつけたあられもない格好ですが、あまりの完璧な美しさにびっくり。ツタヤの半額キャンペーンを待っての追悼鑑賞とあいなりました。『CQ』の劇中映画はむしろバーバレラだったんですね…。音楽のノリまで似ていました。(偶然なんですが、『バーバレラ』は先日のコミケ会場でも、スペースでのおしゃべりで出てきたタイトルでした。そのときはジョン・フィリップ・ローが出ていたなんて知りませんでしたが…)

エッチとナンセンスのしょーもない内容はともかく(いや、じつはけっこう風刺もきいてるかもですが(笑))、キッチュな美術はすごいの一言!油膜の接写映像とかを合成したっぽい宇宙空間も時代感があってたまりません♪キャストもなにげに名の通った人が出てたりします。マルセル・マルソーだのデビッド・ヘミングスだのウーゴ・トニャッツィだの…。(ウーゴ・トニャッツィ、なんの映画で覚えたのか記憶がありませんでしたが、調べてみたらMr.レディ Mr.マダムのオカマさんのダンナ役でした!)

ローのパイガーは…ホントに完璧に美しくて、性別が逆の映画なら「ただの画面の華」扱いみたいな。(それで画面がもってしまうというのが逆にすごいです(笑))盲目なだけでなく、どことなく反応が鈍いのですが、ラストで「天使は記憶をもたない」という台詞がでてきました。けっこう深い台詞かも?(笑)

余談ですが、自分の目にはジェーン・フォンダって女装したヘンリー・フォンダに見えちゃうんですよ…兄のピーター・フォンダよりだんぜんオヤジに瓜二つでしょう。なので、彼女に色っぽい姿をされるとどーも…う、う〜〜〜ん…(悪い夢見そう…(^ ^;))

…さて、話をジョン・フィリップ・ローに戻しますが、彼の出演作で腐女子的に気になるのは『軍曹』という映画です。ロッド・スタイガー演じる鬼軍曹が同性愛にめざめて本人がショックを受ける、という「衝撃作」らしいのですが、未見です。(内容だけはなぜか昔聞いたか読んだかしたらしく、記憶にあるのですが…今回調べてみたらホントにそういう映画でした)ローはその軍曹に眼をつけられる美青年役です。ロッド・スタイガーを開眼させちゃうんですからすごい役だ(笑)。(べつに誘うわけじゃなくて、軍曹さんがストレートの美青年を見て勝手に開眼して、かわいさあまって憎さ百倍…みたいな話らしいですが…)これも日本では未DVD化で…(またかよ(^ ^;))悔しいなあ。ネットではキスシーンの写真も流れてました。ええ、ロッド・スタイガーとジョン・フィリップ・ローの!1968年の作品ですから、かなり「問題作」だったはず。ていうか、今見ても充分衝撃な絵ヅラです。(笑)萌えというより珍品見たさで惹かれる作品です…。

…自分が見た数少ないロー出演作で「萌え」要素を感じたのは、じつはカサンドラ・クロスです。特殊な病原菌に感染したテロリストが列車で逃走し、感染が広がって…というサスペンスもの。今見るといかにも模型な特撮シーンとかはオモチャっぽく見えますが、バイオテロ(というわけではありませんが…)みたいなモチーフが、妙に「今風」とも受け取れる作品です。作られたのは1976年。ソフィア・ローレンリチャード・ハリス、若い頃のマーティン・シーンなどなどが出ているオールスターパニック映画の一本です。ローはチョイ役で、危機管理にあたるバート・ランカスターの部下。台詞も少ないですが、画面の端にいるだけでも眼を引く美貌。しかも制服姿がまた…(はなぢ)。「そーいう」ほのめかしはまったくないのに、なんとなく「そーいう」深読みを誘うところがたまりません♪バート・ランカスターってまた、いろんな意味でちょっとあやういところがあるんですよね…年をとってからは特に(笑)。ヴィスコンティ家族の肖像なんかそれが全開でよかったですね…。

 

 

2009/1/15

風邪の功名
昨日の昼ごろからにわかに平衡感覚がおかしくなり、夕方には筋肉痛を伴って頭痛が始まりました。今日はもうまったくダメ。(^ ^;)どーも風邪をひいたようです。一瞬インフルエンザの心配をしましたが、熱は37度どまりでその後少しずつ下がっているので、ただの風邪みたいです。暖かくして、今日は家に引きこもりました。原因は自覚がありまして、昨日の午前中にうっかり体を冷やしたことです。皆様もどうぞお気をつけて。たとえ多少の寝不足や疲労があっても、冷えさえ避ければ風邪はひきません。とにかく敵は冷えです!(断言)

…でもおかげで久しぶりに「なんちゃって休暇」みたいな気楽な気分になれました。頭はボーッとしてますが起き上がれないほどではないので、午前中は年末から溜めていたレシート整理をしました。(家計簿というほどではないですが、エクセルでお小遣い帳をつけています。順不同でバシバシまとめて打ち込み、日付でソートできるので便利(^ ^))年末に財布の紐が緩んでいたことが判明して反省。いや、うすうす気づいてましたが…。

あと、読みかけていた『カルカッタ染色体』を読了。「SFだ、という期待で読むと裏切られる」という評判(?)に納得。むしろ幻想文学に近いというか。オチは少し手前でわかるので、ラストにはなにかしらの意味というか、「着地感」を期待したのですけど、「えっ、これで終わり…?」という感じで、きちんと終わった感じがしなかったです。

でもこれって、インドのメンタリティーなのかも?という感じもします。(著者のアミダウ・ゴーシュはインド人で、英語の本を出している人です)インドについての解説本とか、インド人の書いた小説とか古典とかをちょびちょび見てみると、どーも「怒涛のよーな項目に分類し、系統立てることはしない」(笑)という傾向があるらしいのです。普通の理屈で理解しようとすると煙に巻かれる感じ。まあ、ブンガクってそのへんを楽しむというのもありますよね。きっちりした「意味」を期待してしまう自分が浅薄なのかも。(読んだ目的はカルカッタの町やインド的なものの描写を見ることだったので、その意味ではかなり付箋だらけになりました)

この作品はアーサー・C・クラーク賞を受賞したそうなんですが、クラーク賞ってどういう傾向の賞なのかしら…けっこう間口は広いのかも。これが日本で出版されたのは、海外の作品であるおかげだろうな…というか、もし日本人がこういう傾向の作品を書いたとしたら、(すでに著者が超人気作家である場合でなければ)書籍として出すことができただろうか…などと思いました。最近の本屋さんを見ていると、「わかりやすいもの」を手っ取り早く売ろう、という流れに席巻されているような気がするので…。ツタヤさんの印象でそれを言うのは公正じゃないかもですが…でも、海外作品に対してと国内作品に対してでは、「面白い」というときの基準や意味が違う気がします。

ちょっと関連して、niftyでこんなニュースを見ました。
→受け手の「知」を反映!?テレビ情報の質を問う
うーん…ぶっちゃけ、本や映画やテレビを含めたエンターテインメントなどは、「国内産は舶来品より劣ってあたりまえ」みたいな感覚があって、あえて目くじら立てるのはオトナゲない、みたいなアキラメ感が、自分にはあります。 (海外のものは膨大な量の中から選んでるし、ある程度のレベルでないとわざわざ翻訳されないという事情はありますが…日本の場合はむしろ「レベルの高いものは嫌われる」というか、ちゃんと評価する受け皿がないって感じが…結局、海外で評価を得て初めて国内で流通する、みたいなパターンありますよね)

「最近のテレビはつまらない」、ほんとにそう思いますね。毎週の放映が楽しみな番組ってなくなってしまった。食事時には習慣でテレビをつけますが、「面白いのないねえ…」と家族そろってため息をつくことが多いです。おかげでほかのことに時間が使えるので良い気もしますが…テレビ業界の人はそう言ってもいられないのかな。選択肢の狭さが問題だと思うので、低俗狩りよりほんとうに面白いものを増やしてくれるとありがたい。…って、口で言うのは簡単、実行はおカネの問題なんですよね…。うん、わかるけど…わかるわけにはいかん!(by島本和彦センセイ)…って感じでしょうか?(^ ^;)

話は変わりますが、不安だったEclipse 2: New Science Fiction and Fantasy、昨日チャンと届きました!(笑)テッド・チャンの『Exhalation』の分量は15ページ。1639円だったので、これだけが目的だった私にとっては1ページあたり109円ほど。電子辞書片手に苦手な英文と格闘しております。熱でボンヤリするアタマに活を入れつつ、2ページほど読んだところ。これから続きを読みます♪

気になってた東映時代劇のパートワークの話もずっと書きたいと思ってるのですが、それはまた今度…。

 

 

2009/1/13

チャンを待ちながら
昨年一年間のウェブ日記を、また本にまとめます。映画レビューが多いので、いちおうムーパラを目安にしているのですが…2/1なんですよね…ま、間に合うのかしら…。

本文をワード化し、プリントアウトを読んで削除・加筆などの作業をしているのですが、昨年のいつ頃に何をしていたかがわかっておもしろいです。去年は三月のJ庭合わせで日記本を出してたんですね…どうりで、今年はなんだかスケジュールに余裕がないわけです。

今回は、日記のなかで扱っているおもな作品名や書名、それらがどのへんに出てくるかがわかるように、月別のおもなトピックを目次につけてみよう!と思いつきました。(考えてみれば今までそれがなかったのは「よみもの」として手落ちでした…)で、今日はタイトルやトピックのピックアップをしたのですが…なんでこんなに時間がかかるんだろう。へろへろになりました。でも、なんとか前回のものより読みやすい仕上がりにしたいと思っております。(内容はいつものとおりなので、編集の工夫とか体裁レベルでの話ですが(^ ^;))

そういえば、昨年Amazonに予約していたSFアンソロジーEclipse 2: New Science Fiction and Fantasyテッド・チャンの新作が載っています!)…昨年11月に出る予定だったのが、「3月発送予定」となって待たされていたのですが…今日いきなり在庫確保の連絡が来ました!…しかし、しかし…商品ページを見ると発売予定日が2/28になってるんですが…んでもって、注文履歴の発送予定欄は3月のままなんですが…。不安だ。しかしクリストファー・プラマーの自伝のときもそんな感じだったので、とにかく支払いをしてしまいました。無事に届いてくれよ〜ん!

ぐーぜんなんですが、一昨日なんとなく思いついて、ネットで拾ったチャンの写真をプリントして机の前のボードに貼ったところでした。(…恥ずかしながら、憧れの作家さんの写真でも見ればやる気が湧くんじゃないかしら…なんて他力本願(?)で…うーん、こんなものにまで頼るほど追い詰められてるのか、我ながら?…でも単純に目の保養にもなりますしねえ?(笑))偶然とはいえいいタイミング!よーし、本が届くまでにできるだけ作業を進めておこう!

息抜きの読書では、先日衝動買いした『マインド・ウォーズ 操作される脳』をちょびちょび読んでおります。アメリカの国防総省国防研究計画局…略称DARPA…が研究予算を援助して進められている、脳関係の研究について紹介している本…らしいです。もちろん、「具体的にどーいうことができちゃうわけ!?」という興味で手を出したのですが、出だしは国防と科学研究のかかわりの歴史を倫理的〜に語っていてちょっと隔靴掻痒な感じ…と思ったら、著者さんは倫理問題の専門家らしいんですね。だんだん具体的な話になるようだし、巻末に参考文献もついているので期待♪

ちょうど、最新号の日経サイエンスでもブレイン・マシン・インターフェイス(ホントに脳と機械をつなぐというハナシ!)についての記事がで出ていました。マインド・ウォーズにも同じ単語が出てきたりして、ちょっとタイミングがいい感じです。表紙はアタマにたくさんのコードをつないでる、SF映画のポスターみたいなイラスト(笑)で、「脳をネットに接続」とデカデカと書いてあります。 ステキすぎる…。(笑)

 

 

2009/1/10

古本の掘り出し物と、勘違いに気づいたこと
横浜の地下街で昨日から古書市が始まりました。今日早速行ってみました。とくに目的はなかったのですが、資料になりそうなのを一冊。それとただの趣味でそそられたのが一冊…こちらは『海底考古学―古代文明の謎を探る 』という30年前の本です。カットの絵柄なんかが70年代しててイイです(笑)。海底考古学というのは、海中に沈んでいる沈没船やその積み荷なんかを引き上げて調べるものだそうなんですが、ちょっと面白いいもづるつづきなので、ご縁を感じて身請けしてきました。

実は昨日、図書館に予約していた本を受け取りに行ったついでに、なんかリフレッシュできる本はないかなあ…とブラブラ見て回ったんですね。資料にするとかなにかの知識を得ようとか、そういう下心(笑)なしに気楽に読めるようなやつがいいなあ、と。で、たまたま目に付いたのが『海底の1万2000年―水中考古学物語』(これは比較的新しくて90年代の発行)というのだったんです。まえがきを見てみると、謝辞のなかにピーター・スロックモートンという名前が!…この方、以前ここで書きました『海底考古学の冒険』の著者なんです。

『海底考古学の冒険』は60年代の本で、スロックモートン自身が、エーゲ海の底からギリシャ・ローマ時代の沈没船の積み荷やなんかを引き上げ、その過程を記録したノンフィクションです。まだ読みかけのままなんですが、調査自体の中身よりも、地元の船長や潜水夫のエピソードとかが妙に面白いのです♪(なので、ときどき寝る前に数ページ、みたいな楽しみ方をしています)謝辞はスロックモートンが詳細に書き残した本が良い資料になった、というものでした。…つまり、図書館にあった本は調査をした本人の著書じゃなくて、いろいろな一時資料を渉猟して書かれたものだったんです。…でもまえがきにすごく印象的だった箇所がありました。この部分を読んだだけでも、手に取った価値がありました。本のテーマとは関係がない、著者の経験の話です。

その著者は、子供の頃『細菌ハンター』とかいう細菌学者たちを紹介したノンフィクションにハマって、後には大学で細菌学を勉強したそうなんです。しかし在学中に、彼が惹かれたのは細菌学そのものではなく、その本の文章だったのだ、と気づいたのだそうです。そこで専攻をジャーナリズムに変え、憧れの科学ライターとなった、ということでした。

自分も好きな本というと「科学ライター」の書いた一般向け科学書が多いので、このエピソードはすごくわかる気がしました。ただし別の意味で。自分の場合はこの分野にハマったのはわりと大人になってからですし、「自分は理系じゃないから」という認識もあったので、自身の進路に影響を受けたりはしてません。ただ、ある同じテーマが一般向け科学書と小説であつかわれている場合、自分が読みやすいのは一般向け科学書のほうだったんだな…ということを、この文章を読んで強く意識しました。コレは目からウロコでした!じつは、自分が興味を持ってるテーマを扱ってると聞いて手に取った小説に、なぜかぜんぜん入り込めない…ということが続いて、真剣に悩んでいたのです。やっとその理由がわかりました!小説で惹かれるものの場合には、なにかべつの要因があるのでしょう…いくら巷の評価が高い作品でも、個人の嗜好はどうしようもない…これからは割り切ろう。(笑)

…皮肉なことに、この『海底の1万2000年』の本文は小説調で書かれているので、自分には読みにくく、結局借りませんでした…。(わざわざこうしているということは、小説調のほうが読みやすい、という読者が多いのだと思いますが…)でもこの著者の体験には共感してしまったという…ヘンな感じです。(^ ^;)

とにかくその本を拾い読みしたあと、手持ちのスロックモートンの古書がすごく価値のあるものみたいに思えてきました。(ちなみに300円で投売りされてた古書です(^ ^;))で、帰ったら読みかけの続きを読もう…♪と思ったのですが、借りてきた別の本のほうに流れてしまって、読めませんでした。(一週間ほど前に、やはり寝る前に少しだけ読んだところではありますが…)

…そして今日のコレ。昨日からの流れがあつたので、タイトルがズバリ『海底考古学』であるのに目が引き寄せられました。内容はやはり研究者本人のものではなく、A.M.コンドラトフというライターさんの著書でした。訳者あとがきによると邦訳書も多い「科学普及書」のライターさんだそうで、Amazonで調べてみたら『レムリア大陸の謎』とか『イースター島の謎』、『サイバネティックス入門』などそそるタイトルが目白押しでした(笑)。今だったらトンデモ本の一言で片付けられちゃうようなジャンルですが、60〜70年代当時ってわりとまじめにアプローチしていたのですよね。その頃の本の雰囲気ってなんとなく好きなんです♪

1979年発行の本なのでてっきり絶版かと思っていたら、Amazonでは「一時的に品切れ」でした。びっくり!まだ売ってるのか…しかも、改訂版とかじゃなくて79年発行、のままです。…なんか嬉しい。
本の中では、海底考古学を「新しい学問」と表現しています。アクアラングが普及してから発展した分野なので、70年代にはまさに新しい技術で開拓された「新しい学問」だったんでしょうね。

スロックモートンの本では、地元で雇った海綿採りの潜水夫たちは、「潜水服」…船上からポンプで空気を送る、レトロな宇宙服みたいなやつ…を使っています。少し前に、この潜水用のヘルメットを作る職人さんがテレビで紹介されてました。今も使われてるんですね。すごいなー…

 

 

2009/1/9

さすがだ、ノーベル賞
数日前のことですが、NHKでノーベル賞受賞者を迎えて、学生さんなどからの質問に答えるという特番がありました。小林・益川コンビ(とうとうフィギュアスケートか漫才コンビ並みの扱いに)が出るというので、録画しつつリアルタイムに見ました♪ああ、益川さんかわいすぎる♪ムーパラの新刊告知を日記編集本にしてしまったのを後悔。小林×益川本にすればよかった…(洋画じゃないだろう!(^ ^;))

…ってくらい楽しみましたが、出てきたお話で一番「今聞いてよかった!」というのが、小林さんのお言葉。

「いったんあきらめて、またやりたくなるのを待つ」

…自分は早くあきらめるほうだ、と意外なお話をしたあとの説明でした。これ、大事ですね。やりたくなるのを待つならばあきらめてるわけじゃないと思いますが、とにかくいったん離れる。壁にぶつかって、その壁に密着してガリガリやってる状態なら、一歩引いてみる…みたいなことじゃないかと思います。まさに自分が「ガリガリ」やってたところだったので、ちょっと目からウロコというか。むしろ自分がそういう言葉を聞きたかったために、印象に残ったのかもしれません。

化学賞を受賞した下村さんは、「努力しているつもりなのに成果が出ないとき、どうすればいいでしょう?」という質問に

「そういうときは、『努力しているつもり』で努力が足りないんです」

というビシッとしたお答えでした。(笑)小林さんはその答えにについてコメントを求められて「厳しいことを言うなー、と…」と苦笑しておられました。対称的に見えますが、両方大事というか、根本的には「ホントはあきらめてない」部分が共通なのかもしれません。しつこいのは人付き合いでは嫌われますが、相手が自分のやりたい仕事の場合は、食い下がっても仕事に嫌われるわけではないし。(笑)

…じつは、コミケからノンストップで正月返上をしていたせいか、ちょっと体調を崩してしまいました。頭もなんだかボンヤリ…なので、昨夜は葛根湯を飲んで早く寝ました。今朝は少しよくなりました。…やはり人間の体、そう便利にできてるわけではないですね。今日の午後は小林さん式に「いったんあきらめる」ことにしよう、と思います。じつは年末に小林さんのブルーバックス『消えた反物質』を衝動買いして、序章まで読んだまま放ってあるのです。図書館に予約していたSF小説も到着メールがきてるし…ぜんぜん関係のないジャンルにムリヤリ頭を使えば、かえってリフレッシュできるかも…?(笑)

しかし昔から、体調が崩れると面白い映画で回復する、という体質です。本より面白い映画の開拓が必要なのかも〜…。(お正月のわりに見た映画の数少ないしな〜…)…どうも新作で食指の動くのがなく、思いつくのは旧作ばかりというのが寂しいです。もっとも最近食指が動いたのは、一昨日ヨドバシで見かけた『「ヒドゥン&「ヒドゥン2」ツインパック』。そういえばAmazonでチェックいれてたのに忘れてました…。カイル・マクラクラン主演のSFアクションものの傑作と、悪評高い(笑)続編のセットです。特典映像や音声解説があるらしいので惹かれますが(う?これ2の方だけなのかしら)、正直2はいらないので保留してます。(2は未見なんですが、レビューを見るとどうも…(^ ^;))そのうえ1作目は手元にVHSがあるんですよね…(苦悶)。でも綺麗な画像で見たいなあ。バラで廉価版出してくれないかしら…。

 

 

2009/1/6

時代感覚
爆笑問題の名前に惹かれて、3チャンネルでやってた『教育テレビの逆襲〜よみがえる巨匠のコトバ〜』というのをちら見しました。教育テレビが五十周年なんだそうで、その映像アーカイブから著名人のインタビュー映像を時系列に沿って見ながら、爆笑さんや糸井重里さん、立花隆さんたちがコメント(とゆーか、すごく面白い茶飲み話というか)していく、という番組でした。三島由紀夫、本田宗一郎、ヴィム・ヴェンダース、赤塚不二夫etc.…面白かったのでずるすると最後まで見てしまいました。教育テレビを擬人化したETVマンとかいう演出と、どうしても匂ってしまうNHK特有の上から目線はかったるかったけれど(笑)。『YOU』の映像とか懐かしかったです〜♪糸井重里氏が司会をしていた若者向け番組で、よく見てました。YMOのテーマ曲も懐かしい。しかしかわいかったな〜、糸井氏。(笑)

見ているうちに、「自分が考えていること」を意識できて面白かったです。こういう感覚は久しぶり。いろいろ発見がありましたが、その一つ…押井守氏と養老孟司氏との対談で、アニメは100%嘘=バーチャルであり、だからこそ安全。嘘が受け入れられない社会になることを危惧している…という話が出たんですよ。これ、私はまったく反対の危惧(?)を感じ続けているし、今も感じています。つまり本当っぽさというか、現実というか、真面目な本音というか、真に価値のあるものというか…そういうものがむしろ煙たがられて、口にできない・アクセスしにくい社会になってると感じているんです。これは嘘ですよ、といえるもの、本音じゃないですよ、馬鹿を演じてるだけですよ、という軽みのあるものしか、受け入れられなくなってる気がどうしてもするんですよね…そして「その場に受け入れられないものは悪である」という、ものすごくあいまいな、だけど根強いスリコミがある。もしかしたら世代の違いの問題かもしれないですが…。

嘘(バーチャル)の価値は、ホンモノ(現実)がどーんとあってくれるときにこそ大きいと思うんです。でも私なんかが思春期を過ごした80年代以降、そのへんの比率(?)が逆転している気がします。

番組の中で言われていたのですが、80年代は「俺はこう思う」を生で出しちゃうことに、個性として価値を置いていた時代なんだそうで、それが今見ると独特のかっこ悪さになるんだそうです。なんとなくわかる気がします。たしかに、なんでもかんでも相対化してしまえば対等にこき下ろせる、みたいな生意気な気分がありました…思い出すとちょっと恥ずかしい。(笑)

それが出てきた当時は、ホンモノ・現実がどーんと視野にあったので、単に「アンチ」や「俺はこう思う」だけでも価値が感じられた気がします。でもその結果、世の中が我流やバーチャルやジャンクやアンチだらけになってしまい、なんの珍しさも価値も感じられなくなりました。むしろ現実やホンモノに飢えているというか。バーチャルのほうが現実より身近で、そればっかりなのに食傷してしまった感があります。少なくとも自分は。要は毒と毒消しのバランスみたいなことかしら…?

番組終盤で、糸井氏が「主語を取り戻す必要」ということを言ってました。(さすがコピーライター、うまいこというなー)ある時期から、自分という主語で話せない話題を話すのが普通になったと。自分には正直関係がない、コメントしようもないことに対して、なにか意見を持たなきゃいけない、みたいな圧力は自分も感じてきましたので、すごく頷けました。主語を取り戻すって、まさにバーチャルでなく自分の現実を取り戻すってことですね。取り戻すというより「探し出す」に近いかも。自分の主語というか、主観をどこに置いたらいいんだろう、って気分があります。それはバーチャルにどっぷり浸かってきたからであり、波風の立たないようにするには自分の本音を隠して空気読まなくちゃ、という雰囲気に流されてきた結果でもある(うまく「空気読めて」いるかどうかはべつとして(笑))。…逆にいうと、自分の本音と「外に出しても許されると思われるもの」の間にけっこう乖離がある…ことも多い…ってことですね。(^ ^;)

主語のない話、自分もたくさんしてきました。意識してやってたはずですが、いつのまにか習い性になり、さらには相対化と客観の混同もあると思われます。(これ難しいです…)いまさら主語を使って語れと言われても、主語を探し出すところから始めなきゃならないんだわ、アタシ…みたいなことに気づきました。いやはや。

意見がないとき、疑問しかないとき、違和感があるとき、はっきりと反対であるとき…それらを(外に出すかどうかは慎重になるとしても)少なくとも自分で確認するということ。演じざるを得ないバーチャルがあるなら、それとは別の自分のなかの現実をちゃんととらえておくこと…面倒だけどやるべきでしょうね。ほんとに面倒だけど、それができるとかなり落ち着く気がします。

そうやって、それぞれが主語をもつとしたら…共通体験の希薄なこの時代にコミュニケーションを構築するのって、今までとはべつの価値観とか思考回路とかがいるのかもしれません。今、私たちはその過渡期のごたごたを体験してるのかも。…いやー、苦労するわけですね。でもこれが進化なのかもしれないし。どうせならいい方に転んでほしい。(^ ^;)

なんだか、今、この時代にいるんだなー、という感じがひしひしといたしました。面白い番組をありがとう。(でもやっぱ、ETVマンはちょっと…。(笑))

 

 

2009/1/5

正月返上と、なつかしの声優さん話♪
…筋肉痛が抜けないのかなんなのか、三箇日はぐったり疲れて起床、が続きました。ハア。でもがんばっております。一昨日は、図書館に返却する資料から必要な部分をコピー…というつもりだったんですが、ほしい部分が100ページ超えてたんです。(^ ^;)で、いっそ買ったほうが…と探してみたら、古書でも4000円超えてるのしかない…(蒼白)

やはりコピーとるしかない、と決心したのですが、分厚いA4コピーの束って見返すのにとっても不便ですよね…。いっそスキャンして両面印刷して製本してしまっては!?(紙も半分で済むし!)とひらめき、ホントはこんな目的のためにあるわけじゃないComicStudioでスキャンしました。…見開きページへスキャンしていけば、小冊子印刷で出力したらちゃんと本の形になるじゃない♪とか思ったんですが…始めてみたらものすごく時間食い!1見開きのスキャン(&90度まわして真ん中に配置)作業に2〜3分かかるんです!しかも30秒おきくらいにクリックしたりする工程があるため、微妙な待ち時間がストレスに。30秒単位で集中が途切れるのでは、同時進行で大したことはできないし。…結局、ネットでアンケートに答えてポイントを稼いだり(笑)、雑誌の軽めの記事など読みながら、中断しつつ(一時間もやるとへとへとになってしまいます。集中を許されない作業ってホントに疲れる!)ほぼ一日かがりでスキャンしました。も、ものすごく疲れました…。(^ ^;)

でも、疲れただけの三箇日でもありませんでした。スキャンしながらネットで注文した古書が、今日(4日。書いてるうちに日付が変わったので昨日ですね)早速届いてびっくり!正月返上、自分だけじゃないですね。みなさんがんばってるんだなーとしみじみ…。

その分夜は思いきりお正月モードしました。そのなかの一つが、コミケでのいただきもの『新シャーロックホームズ/おかしな弟の大冒険』。故・広川太一郎さんが吹き替えた幻の作品、というか音源の、テレビ録画の貴重なおすそ分けを鑑賞させていただきました。(F様、ありがとうございました!)昨年広川さんが亡くなったあとに、イベントでお話させていただいた際に教えていただいた作品で、ジーン・ワイルダー監督主演。原作にはないシャーロックの弟シガーソン(これってホームズが大空白時代に偽名にしていた「シーゲルソン」…?)が主役のコメディーです。もうすぐ吹き替えつきの初DVDが出るとAmazonで知って気にしていたのですが、一足早く楽しませていただきました。…いや、噂どおりでした。「うそつきべったら漬け!」とか意味不明な広川節炸裂(笑)。しかしかっこいい声ですね〜やはり〜♪

他の声優陣も熊倉一雄さんに天地総子さん(!いましたねえ!懐かしくてちょっと検索してみたら公式HPがありました!→こちら)etc...冒頭では淀川長治さんがヴィクトリア女王をアテてたりして。豪華というか嬉しいワルノリというか(笑)。いい意味のゆるさと時代感と声優さんのテンションで、なんだかタイムマシンに乗ったような感覚を味わいました…脇役の俳優さんの顔も味わい深くてたまりません(笑)。ホントに貴重なものを見せて(聞かせて)いただきました。

広川太一郎さんというと…自分がまず思い出すのは『ムーミン』スノーク兄さん(最初のシリーズってDVDになってないんですね。うわあ、ショック!)と、洋画のトニー・カーティスの二枚目半なイメージです。一番広川節で見てみたいのがグレートレース』(チキチキマシン猛レースの元ネタ映画)なのですが、DVDには吹き替えついてないんですよね…たぶんテレビ放映では広川さんが吹き替えていたはずだと思うのですが…。『お熱いのがお好き』の名コンビ、ジャック・レモン共演なので、やはり太一郎さんと愛川欽也さんで聞きたいところ…。(『お熱いのがお好き』のDVDには広川&愛川コンビの吹き替えも収録されてます♪)

…洋画は字幕派、なのですが、こう思い返してみると…やっぱ『ローマの休日』のグレゴリー・ペック城達也さんでないと…とか、けっこうスリコマれているものだなあ、と思います。レンタルが普及してなかった頃って、テレビの洋画劇場がほんとに楽しみでしたもんね…。

広川さんからいろいろ思い出が広がり、ちょっと懐旧にふけってしまいました…。「貴重な吹き替え音源」が売りのDVD、もっともっと出てほしいですね。

 

 

2009/1/1

あけましておめでとうございます。
晴天でいいお正月です。だんだんひどくなる筋肉痛を感じながら、自宅でまったりと過ごしております。皆様いかがお過ごしでしょうか。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、さきほど遅まきの年賀状を投函がてら駅前を散歩してきました。スーパーは開いてるし、チェーン店系のところもほとんど開いていて、買い物をする人もけっこう多かったですね。(早くもおせちとお餅に飽きてきたので、特売していた中村屋のレトルトチキンカレーを買ってきました(^ ^;))でもやはり、個人商店だと三箇日はきっちり休む貼紙が出てます。川沿いの道は一人で散歩する人、犬の散歩をする人がたくさん。でもやはり、まったりしてますね。このお正月の空気が大好きです。

…昨夜はコミケ前からず〜っと我慢していた、クリストファー・プラマー出演の『あの日の指輪を待つきみへ 』をやっと鑑賞しました。二次大戦中に戦死した恋人が持っていた指輪が、墜落現場から掘り返されたことで、過去のいろいろなことが明るみに出てくる…というラブストーリーです。主演はシャーリー・マクレーン。プラマー様はマクレーン演じるエセル・アンを五十年間支えてきた友人というおいしい役なのですが、全体のお話には、個人的にちょっと腑に落ちない点もあります。(終盤、バタバタとまとめられてしまうのと、誠実な人が報われない感じが残るので…どーもヒロインが好きになれないんですよね…。時代もあるでしょうが、ヒロインのした選択に共感できませんでした)

でも、この映画には「新しい」点を感じました。なんというか…「老人が若い子並みの主役になってる」ところです。いわゆる「老人が主役の映画」ではなくて、普通の「若いキャラクターが主役の映画」の撮り方で、キャラの年齢が高齢だという感じ。メインキャラの子供たちは出てきますが、若い人たちは完全に脇役です。(指輪をたまたま掘り出す、戦闘機オタクの青年はかわいいし説得力ありました♪)それでいながら、テーマが「老人映画」にありがちな「老い」とか「若者・子供との交流」とかではなくて、「自分たちが主役のラブストーリー」が展開してるんです。むしろヒロインなんて、娘には徹底的に冷たい。…よくある「頑固で扱いにくい年寄り」みたいなことではなくて、あくまで「すごく傷ついてるので態度に問題がある女性キャラ」。娘に対してもたぶん親近感を感じることができてない。…若い母親ならこういう描き方もあると思いますが、高齢のキャラでこういうのはちょっと珍しいと思いました。しかも、親子関係を解決することがテーマではないんです。ある意味、そんなことより恋愛なんですよ。信じがたいことに(笑)。

…まあそれだけ、自分のアタマが「紋切り型の老人キャラ」に毒されてるのかな、とも思いますけれど。紋切り型って、「若者から一方的に見た老人像」なのかもしれませんね。「男性から一方的に見た女性像」がだんだん淘汰されていくのと同じように、高齢化社会ではこの映画のようなアプローチも増えていくのかもしれません。高齢のキャラが若いキャラにまったく媚びてないのは気持ちいいかな、とも思ったり。

プラマー様の見所は、隠し続けてきたものを言い当てられて「崩れる」ところでしょうか。それまでは押し出しの立派な退役軍人なのですが、ここでなんともいえない顔になって泣いてくれます…プラマー様のこんな顔を見たのは初めてです。若い頃からモテ男で結婚・離婚も繰り返してきて(ちなみに「結婚三回」はご本人も同じ(笑))、じつは純情(?)だという…ある意味「不良だけどヒロインに対しては誠実」な少女マンガのキャラみたいな?(笑)…その意味では薄っぺらいという見方もできますが、でもやっぱおいしい♪老いてもイケメンキャラ。ある意味王子様。(←言いすぎ)

それだけに、脚本的に今ひとつなのが惜しまれます。アイルランドのIRAの問題とか、上映時間のわりにいろいろ盛り込みすぎな感じもします。そこを絞り込んで回想シーンをもう少し丁寧に描いていたら、もっと説得力が出たんじゃないかな、と思います。もしくは、逆に時代をもっと描き込んでしまうとか。(テーマが変わっちゃうかな)
それとも、自分がヒロインに近い年齢になればそれは気にならなくなるのかな…?ま、なんとかんのいいつつ、しっかり泣かされちゃったところもあったのですけど。(笑)

…プラマー様の退役軍人姿を見たあと、若い頃(と言っても40代)の軍服姿を見たくなり、『空軍大戦略』を引っ張り出して拾い見しているうちに年を越してしまいました…。(笑)

 

2008年のにっき