お試し読み
ドイルせんせ、好きッ♪

もくじ

まえがき

●コミック・チョロQワトスン
『魅惑のベイカーストリート』

●ヴィクトリアン紳士の「かわいさ」とユーモア
『わが思い出と冒険』
実物大ワトスン?/体型・ルックス  けっこうミーハー?/戦争にいきたくて…
不屈/ビンボー生活  新しもの好き  教訓・金言  ホームズへの態度
「のめりこむ」性格/心霊研究・コティングリー妖精事件  繊細さ

●ぞっとする、魅力的な余韻…
『北極星号の船長』

●安心できる「まともさ」
『Through the magic door』

●コミック・チョロQワトスン
『ヘンな事件名の冒険』

あとがき

 

 

コミック・チョロQワトスン
『魅惑のベイカーストリート』1ページ目


 

本文挿絵

 

本文見本
  (ヴィクトリアン紳士の「かわいさ」とユーモア 『わが思い出と冒険』冒頭部分)
(横組み表示に変換しています。実物は縦組みです)

 さて、最初にご紹介するのは、コナン・ドイルの自伝です。タイトルからしてたまらんのですが…「わが」。そして「冒険」!しかも看板に偽りなしなのがすこい。この文体にただよう独特のカタさと、不思議に同居するユーモア。どうも二十一世紀のとしま腐女子(オタク)には(?)、これが「かわいい」と感じられるのです。これは新潮文庫版のホームズと、やはり新潮文庫で出たこの自伝、両方の訳者である延原謙氏の果たしている役割も大きいかと思いますが…。かわいいんですよね!ほんとに(笑)

 ある種の品と慎ましさはありながら、卑屈なほどの謙譲さはなく、堂々として公明正大であろうとする姿勢。素朴なほどの正義観、健康な自己肯定…今の目で見るともちろん時代錯誤な部分はありますし、照れ隠しなしの心情吐露は、むしろ笑いの対象になるかもしれません。…でも、「ほんとは好きなんだよね、こういうの」という気持ちを満たしてくれるところがあります。

 伝記を書いたジュリアン・シモンズの言葉によると、こうなります。

 もはや、アーサー・コナン・ドイルの性格ははっきりしたであろう。さまざまな意味で、その時代の考え方を代表する男であった。実際的であることに誇りを持ち、およそ名声にふさわしい人物は、スポーツや勝負事においてもぬきんでていることを望むはずだと考え、社会のありかたを変えようとするものたちには我慢できず、地図が赤く塗られているところでならどこででも、大英帝国こそは道徳的善を推進する偉大な力だという考えに、毫も疑問をいだかず、そして、新たな科学の発達すべてに興味を持つ――コナン・ドイルはそういう男であった。(ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』創元推理文庫 p.84より)

 お詳しい方には蛇足になりますが、コナン・ドイルが作家になるまでを、ざっと書き出してみましょう。

 1859年5月22日、エジンバラに生まれる。父はアイルランドの由緒ある家柄、母はフランスのプランタジネット家の血をひく名家。…とはいえ、父チャールズが酒に溺れたため一家は窮乏。

 エジンバラ大学の医学部に入学するが、父の失職のため苦学。この医学生時代に、のちにホームズのモデルとなるジョゼフ・ベル博士の助手のバイトをする。この頃には一家の大黒柱でもあり、捕鯨船の船医などバイトに精を出す。同時に短編も書き始めて出版社に送ることを繰り返す。処女作『ササッサ谷の秘密』が売れる。その後はちょっと不振。

 卒業後、大学時代の友人の誘いでプリマスの診療所を手伝うが、友人が過剰投薬により利益を得ていたのに立腹して決別。サウスシーに移って独立開業する。

 患者がつき始めるまでに時間がかかり、そのヒマに小説を書き続ける。1886年、シャーロック・ホームズものの第一作『緋色の研究』を脱稿。数社に送っては断られることを繰り返したあと、翌年雑誌掲載、翌々年単行本化。(最初に版権を売り渡していたため、この時点での報酬はなし)

 『マイカ・クラーク』『四つの署名』などを書き、二足のワラジに悩む。サウスシーの診療所を閉めてウィーンへ眼科の研修に行き、ロンドンで眼科医として開業するが患者がなく、1891年より作家活動に専念する。(参照元・『週刊100人 第56号コナン・ドイル』デアゴスティーニ・など)

 …以後短編連作シリーズのホームズで人気作家となったのは周知のとおり。同じキャラクターの出てくる読みきり連載、という形式もドイルせんせのアイデアだそうですね。私たち、めちゃくちゃ影響うけてるんですね…。

行動的で好奇心旺盛、やんちゃなスポーツマンだったドイルせんせ。ボーア戦争への従軍、冤罪事件の解決、心霊現象研究…などなど、めちゃくちゃ幅広い活動をします。

 以下はそんなドイルせんせの魅力を、思いつくままに書き出してみたいと思います。(以下、書名のない引用は『わが思い出と冒険』より)

 

実物大ワトスン?/体型・ルックス

鼻の下にふさふさとしたおヒゲ、ポンと出たおなか…ドイルせんせの外見は、伝統的なワトスン像にぴったりです♪でも、お写真を見ると長身みたいですね。前述の『週刊100人』には、学生時代の体格を身長約180センチ、体重107キロ、がっちりとした体型と書いてあります。ワトスンはわりと普通というか、ホームズと並んだときに小さく見えるようなイメージがありますけれど、ドイルせんせは恰幅のよさもあってイメージ巨漢(笑)に近いです。

ジュリアン・シモンズの『コナン・ドイル』には、ワトスンのモデルとなった人物として、ドイルの秘書ウッド氏の写真が紹介されていますが…これ、ドイルせんせとのツーショットなんですけど、角度のせいかこの二人似ている…(笑)。(いや、モデルって別に外見のモデルじゃないと思いますが…)

 

……